貯金をする意欲はあっても、きちんとまとまったお金を貯めるに至らない人は少なくないでしょう。そこで、これから貯金を始めよう! と考える人に向けて、ファイナンシャルプランナー・藤井亜也さん監修のもと、貯金の基礎や具体的な貯金の手法、さらに目的別・ライフステージ別におすすめの貯金方法を紹介します。
貯金ができない人に見られる4つの共通点
貯金ができない人はなぜ、貯金の目標額を達成したり、継続したりすることができないのでしょうか。じつは多くの貯金ができない人にはつぎの4つの共通点が見られます。
- 貯金をする意識が低い
- 貯金の成功体験がない
- 経済的に困ったことがない
- 将来へのリスク管理が甘い
貯金ができる人は、貯金して欲しいものを買うなどの経験があったり、貯金する上での目標や目的があったりする場合がほとんどです。
一方、貯金ができない人は、お金の経験値が低い傾向にあります。お金の経験値とは、家計管理や貯金、資産運用の成功体験だけではなく、失敗体験や経済的に困った経験も積み重ねていることを示します。お金の経験値の中でも特に、これまでに経済的に困った経験や貯金があって助かった経験がないと、貯金の重要性を実感できず、貯金がないと将来困る可能性をリアルに想像することが難しいでしょう。そうした場合、貯金をする目標や目的を考えること自体の必要性も感じにくいかもしれません。
貯金ができない人には行動や思考にも共通の特徴が存在します。貯金の習慣が身につくようにするための改善策を知りたい人は、以下の記事で詳しく説明しているので、ぜひ併せてご覧ください。
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貯金を始める時にやるべき7つの準備
貯金を始める時に重要なことは、「貯金をする!」と決めたら、先延ばしにせずに取り組むことです。まずやるべきことを以下で説明します。
①貯金の目的を決める
結婚資金や住宅購入資金、老後資金など、まずは貯金の目的を決めましょう。貯金に苦手意識がある人は、旅行や買い物など、目標額が少ない目的を立てて貯金を始めるのがおすすめです。
②貯金の目標額と期限を決める
貯金の目的を決めたら、そのためにはいくら必要なのか、調べます。加えてどのくらいの期間でその金額を貯める必要があるのか、ライフプランと併せて決めてみましょう。
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③収支を把握・確認する
つぎに、現在の収支を把握します。1カ月分でいいので、家計簿や家計簿アプリで収支をつけましょう。無駄遣いや節約できそうな項目と金額を確認できます。家計に負担をかけることなく、貯金にまわせる金額も割り出せるでしょう。
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④月々の貯金額を決める
目標額と目標達成期限、家計に負担をかけない金額を照らし合わせた上で、月々、貯金にまわす金額を決めます。転職などで収入が減ったり、引っ越しなどで固定費が変わったりしても貯められる金額にするのが、貯金を継続するコツです。
⑤貯金用の口座を用意する
毎月の生活費を出し入れする口座では、貯金額がわかりづらくなるという難点があります。確実に貯金をしたいのなら、自動積立定期預金など、専用の口座で強制的にお金を貯めるしくみを利用して、「先取り貯金」をするのがおすすめです。
【関連記事】何をしても貯まらない…そんな人こそ「先取り貯金」一択! FP直伝・失敗しない始め方
⑥クレジットカードやキャッシュレス決済を整理する
何枚もクレジットカードを持っていたり、複数のキャッシュレスアプリを使ったりしていると、収支の把握が難しくなります。必要最低限の数を使ったり、用途をそれぞれ決めたり、家計を管理しやすいように整理するのがおすすめです。
⑦分割払い・リボ払いをやめる
お金がない時に便利な分割払いやリボ払いですが、利用すると利息や手数料がかかります。貯金ができれば使う必要はない機能と考えて、できるだけ利用しないようにしましょう。
効果的な基本の貯金方法20選
何事も楽しいことは続きますが、苦痛だとやめてしまうもの。貯金や節約も無理せず行える工夫やコツを選ぶことが重要です。以下では貯金や節約に役立つ20の方法を紹介します。全て実践する必要はありません。自分に合った方法を取り入れてみましょう。
① 家計簿をつける
② 家計簿アプリを使う
③ レシートを整理する
④ 生活コストを削減する
⑤ 毎月使っていいお金の予算を組む
⑥「先取り貯金」をする
⑦ 外食の回数を減らす
⑧ 自炊する回数を増やす
⑨ 水筒やマイカップを持ち歩く
⑩ コンビニエンスストアでお金を下ろすのをやめる
⑪ ネットバンキングに切り替える
⑫ 副業を始めて、収入を増やす
⑬ ローンの借り入れ条件を見直して、利息負担を減らす
⑭ 各種控除を活用して税金対策をする
⑮ ふるさと納税を利用する
⑯ 不用品をフリマアプリで売る
⑰ 経年劣化しないものは安い時にまとめ買いをする
⑱ キャッシュレス決済のポイントを上手に活用する
⑲ 500円玉貯金をする
⑳ 旅行の予約は早割・直前セールを活用する
①家計簿をつける
収支の管理は無駄遣い防止や節約に有効です。日々の収支を記録するだけではなく、1カ月や1年間など、長期的なお金の動きを把握できるページがある家計簿がおすすめです。
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②家計簿アプリを使う
ズボラな人はサボりがちな家計簿ですが、ノートを持ち歩いて書くのは面倒でも、スマホアプリであればスキマ時間に入力できるのではないでしょうか。レシートを撮影して、金額を取り込めるアプリであれば、さらに手間を省くこともできます。
【関連記事】無料の家計簿アプリおすすめ8選! 簡単にお金が貯まる賢い使い方
③レシートを整理する
ノートであれ、アプリであれ、家計簿をつけるのが面倒という人はせめてレシートを捨てずに整理しましょう。何にいくら使っているのか、ざっくり見るだけでも無駄遣いがわかるかもしれません。
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④生活コストを削減する
家計簿などで無駄遣いを見つけたら、その部分をしっかりと引き締めましょう。特に水道光熱費や通信代などの固定費は、積み重ねれば大きな金額になります。
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⑤毎月使っていいお金の予算を組む
無駄遣いをする人はお金に対する意識が低い傾向にあります。そんな意識を改善するのに役立つのが、予算を決めることです。全ての項目の予算を決めて守るのがストレスになりそうであれば、趣味に費やすお金は月2万円までなど、特に無駄遣いしがちな項目だけでも制限を設けてみましょう。
⑥「先取り貯金」をする
「先取り貯金」とは、手元に余ったお金を貯金にまわすのではなく、毎月の収入が手元に入る前に一定額を貯金する方法です。自動積立定期貯金やNISA、iDeCoや財形年金貯蓄など、目的に合わせて強制的に貯金できるしくみを選びましょう。
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⑦外食の回数を減らす
食費や交際費などは変動費に分類されますが、だからこそ制限を設けると節約につながります。特にコストのかかる外食は回数を減らせば、その分、貯金をする余裕が生じます。
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⑧ 自炊する回数を増やす
コロナ禍でリモートワークが普及したことによって、外食が減った人も少なくないでしょう。ただし、その分、テイクアウトや宅配を利用しているようでは、経済的には負担が増加している可能性があります。心当たりがある人は代わりに自炊の回数を増やすと節約につながります。
⑨水筒やマイカップを持ち歩く
水筒やマイカップを持ち歩くことで、小さな節約ができます。その金額はわずかだと思うかもしれませんが、塵も積もれば山となります。抵抗感がなければ実践してみてはいかがでしょう。
⑩ コンビニエンスストアでお金を下ろすのをやめる
コンビニエンスストアのATMはどこにでもあり、時間を選ばず入金・出金ができる点は非常に便利です。しかし、提携銀行でない限り、銀行なら無料であることと比べると、その手数料は割高です。せめて利用する回数を減らすことを検討しましょう。
⑪ ネットバンキングに切り替える
同一銀行内の口座であれば振込手数料が無料であるなど、ネットバンキングを利用すると、銀行のATMを利用するよりも費用を抑えることができます。銀行に行く時間の節約にもつながるのも利点です。
⑫ 副業を始めて、収入を増やす
節約するのが苦手な場合、貯金をするには収入を増やすのも一手です。副業で得た収入はそのまま貯金するというルールを設ければ、家計に負担をかけることなく、貯金が実行できます。スキルが身につく副業であれば、収入が上がる転職への可能性も高まります。
【関連記事】インスタグラムでできる副業とは? 収入を得るための方法や稼ぎ方のコツまで詳しく解説
⑬ ローンの借り入れ条件を見直して、利息負担を減らす
ローンを借り入れたタイミングよりも収入が増えている場合、毎月の返済額を増やして、返済期間を短縮することで、利息負担が減る可能性があります。また、返済期間や残責の金額、金利によっては、ローンを借り換えたほうが負担が軽くなる場合もあります。収入やライフステージが変わるタイミングでローンの借り入れ条件は見直しましょう。
【関連記事】マイホームを無理なく購入するコツ! 借入金や毎月のローン返済目安は?
⑭ 各種控除を活用して税金対策をする
生命保険料控除や医療費控除、確定拠出年金(小規模企業共済等掛金控除)など、所得から控除できるものは複数あります。各種控除の条件や内容を理解して、対象となるものはきちんと申請しましょう。
【関連記事】医療費控除でいくら戻る? 計算方法や還付金額のシミュレーションを紹介
⑮ ふるさと納税を利用する
ふるさと納税は自治体へ寄附をすることで住民税・所得税の控除対象になる制度です。税金面でメリットがある点はもちろん、好きな返礼品を入手できるのも魅力です。
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⑯ 不用品をフリマアプリで売る
買ったものの使っていない物やいらなくなった物は捨ててしまうくらいなら、フリマアプリで出品すれば、わずかでも収入につながります。
【関連記事】“ゴミ”が宝の山に変わる、フリマアプリの世界。かまぼこ板、松ぼっくり…意外なものが売れる理由
⑰ 経年劣化しないものは安い時にまとめ買いをする
トイレットペーパーなど、経年劣化せず、自宅に常備している物は安い時にまとめ買いすると、節約になります。
⑱ キャッシュレス決済のポイントを上手に活用する
キャッシュレス決済は利用することでポイントが貯まります。コンビニエンスストアや飲食店の大手チェーンなど、使える場所も豊富です。スマホで眠らせておかずにきちんと活用しましょう。
⑲ 500円玉貯金をする
生活がギリギリで計画的に貯めるのが不安という人や、お金の使い方の計画性が低い人におすすめなのが500円玉貯金です。おつりなどでお財布に500円玉が手元にきたら、貯金箱に入れてみましょう。毎回ではなくできる限りでも、貯金の成功体験を得ることができます。
⑳ 旅行の予約は早割・直前セールを活用する
旅行に行くのが趣味という人や定期的に旅行する習慣がある人は、通常料金よりも割安になる早割を活用しましょう。予定を早く決めるのが嫌な人は、直前セールに注目しましょう。
ライフイベントに備えるのに必要な貯金額の目安は?
結婚や住宅購入、子どもの教育など、目的によって貯めておくべき金額は異なります。それぞれの金額の目安を説明します。
〈表〉ライフイベントに必要な金額の目安
結婚資金は、リクルートの調査1)によると総額413万6,000円。教育資金は、日本政策金融公庫による調査2)と文部科学省の調査3)を合わせて試算すると、幼稚園から大学まで全て公立だった場合で1,536万8,201円です。私立を選ぶ場合には、さらにお金がかかります。
住宅購入資金は、土地を購入して注文住宅を新築する場合、国土交通省の調査4)によると平均5,112万円です。マンションや中古住宅を購入する場合はこれよりはお金がかかりません。
老後資金は、総務省の調査5)によると、2人以上世帯の世帯主の貯蓄額は60~69歳で2,537万円でした。全国の60歳以上の男女を対象とした内閣府の調査6)でも、貯蓄総額(※)は、「100万~500万円未満」が18.8%で最も多いものの、ついで「2,000万円以上」が15.6%で、一定数の人が老後の資金として2,000万円以上を用意していることがわかります。
それぞれの資金についてもっと詳しく知りたい人は以下の記事で紹介しているので、併せてご覧ください。
【ライフイベントに必要な資金の関連記事】
※:配偶者と同居している場合は、夫婦の貯蓄額の合計
目的別おすすめの貯金方法4選
貯金の目的によって、金額だけではなく、貯める期間や適切な方法も異なります。結婚資金、教育資金、住宅購入資金、老後資金を貯める方法について紹介します。
①結婚資金を貯めるおすすめの方法
前述のように必要な金額は平均400万円前後です。高収入の場合にはボーナスを数回貯めるだけでも十分でしょう。強制的な貯金のしくみで「先取り貯金」をするのなら、使用用途に左右されないで貯めることができる自動積立定期預金か一般財形貯蓄が短期間でも満期となるのでおすすめです。いずれの場合も毎月自動で一定額を収入から貯蓄にまわすことができます。
一般財形貯蓄は一定額を給与から天引きし、提携する金融機関で積み立てる制度です。積立期間は3年以上が必要条件です。使用目的や契約数に制限がなく、積立期間が比較的短期であることがメリット、同制度を導入している企業に勤めている必要があり、開始1年目は引き出すことができない点がデメリットです。
②教育資金を貯めるおすすめの方法
文科省の調査3)によると、もしも子どもを私立小学校に入れる場合、平均999万9,000円の費用が必要です。おすすめの方法のひとつは、結婚資金と同様、使用目的が制限されていない自動積立貯金や一般財形貯蓄(勤労者財産形成貯蓄)を利用する方法です。教育資金の必要がない場合は、住宅購入資金や老後資金にまわすこともできます。
ある程度の長期間で貯めることを考えると、貯めるだけではなく増やすこともできるNISAや投資信託、個人向け国債などもおすすめです。特に新NISAは非課税枠がある点が魅力的です。途中で引き出すと複利効果を得づらくなるのが難点ですが、10年前後の期間があればデメリットというほどではないでしょう。
すでに結婚して子どもを望む場合や子どもの生まれる予定がある場合には、教育資金に備える方法として学資保険も有効です。たとえ1年分しか保険料を支払っていなくても、親などの契約者に万一のことがあれば、その後の保険料は免除され、子どもの年齢に応じた学資金が受け取れるのは大きな安心です。
教育資金を貯める方法についてもっと知りたい人は、以下の記事で詳しく説明しているので、ぜひ併せてご覧ください。
③住宅購入資金を貯めるおすすめの方法
住宅ローンを組むのが一般的ですが、自動積立貯金で堅実に貯めたり、NISAなどで増やした資金を充てたりするのも一手です。
勤め先の企業が導入している場合は、財形住宅貯蓄(勤労者財産形成住宅貯蓄)を利用するのもよいでしょう。資金の使い道が持ち家の取得または持ち家の増改築に限定された制度で、元利が合計550万円に達するまで、受取利息(利子所得)が非課税になる点がメリットです。
④老後資金を貯めるおすすめの方法
定年退職をする場合は65歳、再雇用を活用する場合は70歳以降に老後資金は必要になります。就職直後から貯め始めた場合は40年前後、結婚後や住宅購入後、子どもの独立後などに貯め始める場合も10~20年以上と準備には長期間をかけることができます。
ほかの資金同様、自動積立貯金やNISAなどを活用するのも有効ですが、老後に年金として受け取ることができ、税制面でのメリットもあるという点で、財形年金貯蓄やiDeCoがおすすめです。保険商品では、個人年金保険や終身保険、介護保険、変額保険なども老後の生活費軽減に役立つでしょう。
老後に役立つ保険や年金についてもっと知りたい人は、以下の記事で詳しく説明しているので、ぜひ併せてご覧ください。
【関連記事】年金はいくらもらえる? 計算方法や老後資金の増やし方も徹底解説
ライフステージ別貯金のコツ9選
職業やライフステージによって、貯金の方向性や節約のコツは異なります。以下でそれぞれに合った貯金法を紹介します。
①学生が意識したい貯金のコツ
学生は就職して定期的な収入を得るようになる前に、しっかり貯金の成功体験を身につけたいところです。月1,000円ずつなど少額でかまわないので、毎月お金を貯める癖をつけましょう。
②新社会人が意識したい貯金のコツ
収入を得るようになって、買い物や旅行などでボーナスを使い果たす人もいるかもしれません。自動積立貯金や財形貯蓄制度を活用し、強制的に貯金する習慣を身につけましょう。たまに羽目を外して浪費しても安心です。
【関連記事】新社会人必見! 学生時代には知らなかった、“大人”のお金の使い方とは?
③1人暮らしの人が意識したい貯金のコツ
1人暮らしの場合、2人以上の世帯に比べて、家計の管理が容易です。家計簿や家計簿アプリを使って、収支を把握する癖をつけましょう。無駄遣いをしやすい項目や節約できそうな項目を早めに理解すると、貯蓄にまわすお金も増えて貯金の成功率が上がります。
【関連記事】【1人暮らしの貯金】月々の目安や平均貯金額はいくら? “無理なくできる”貯金術
④実家暮らしの人が意識したい貯金のコツ
実家暮らしの人は1人暮らしの人に比べ、生活費の負担が少ない分、浪費をしやすい傾向にあります。大まかでも予算を立てると、無駄遣い防止とお金の経験値を上げるのに役立ちます。可能であれば、まずは額面年収の20%を貯金することに挑戦してみましょう。
【関連記事】実家暮らしの貯金の目安は? 平均貯金額や生活費の内訳とともに解説
⑤専業主婦(夫)が意識したい貯金のコツ
生活費を預かってやりくりしている場合、節約することで余裕を生み出したいところでしょう。クーポンやポイントを上手に活用し、経年劣化しないものはまとめ買いする癖をつけてはいかがでしょうか。さらに家計簿や家計簿アプリを利用すると、その効果を実感でき、貯金への意欲も高まるかもしれません。
⑥新婚夫婦が意識したい貯金のコツ
結婚したばかりの頃は夫婦でお金の価値観は異なります。それをズレたままにしておくと、夫婦としての貯蓄が困難になります。ライフプランを話し合い、貯金の目標を立てましょう。お金のルールを決めて、一緒に貯蓄を運用していくことで、自然と価値観のすり合わせも可能になります。お金に関する話がしづらいようであれば、返礼品を選ぶ「ふるさと納税」で楽しく話し合うことから始めるとよいでしょう。
【関連記事】幸せな結婚生活のために、夫婦で話し合いたい3つのお金のコト
⑦共働き夫婦が意識したい貯金のコツ
お互いに収入のある夫婦の場合、生活費を折半しつつも、収支は共有していないことも少なくありません。お互いに健康で職がある間は問題がなくても、病気や無職になった時に上手に経済的なフォローができず、揉めてしまうケースが見られます。貯蓄の目標を毎年話し合って更新すると、ライフステージの変化にも対応しやすいかもしれません。iDeCoやNISAなどを組み合わせ、住宅購入や子育て、老後などに備えましょう。
【関連記事】共働き夫婦の平均貯金額は? お金が貯まるコツと家計管理を解説
⑧子育て家庭が意識したい貯金のコツ
子どもがいる夫婦は、子どもの養育費や教育費を優先して、自分たちの老後資金を後回しにしてしまいがちです。iDeCoや財形貯蓄制度などを活用し、少額ずつでも老後の資金も早めに用意していきましょう。
⑨片親家庭が意識したい貯金のコツ
片親家庭の場合、教育資金や住宅購入資金、老後資金に加えて、自分に"もしも”があった場合に備える必要があります。通常の貯蓄手段に加え、学資保険や死亡保険などの保険に加入しておくと安心です。
【関連記事】シングルマザーのリアルな貯金額はいくら? 必要な貯金目標額や節約方法を解説
貯金についてよくあるQ&A
モチベーションを維持する方法やおすすめのアプリなど、貯金に関するよくある疑問に回答します。
Q1.貯金を長続きさせるコツはある?
自動積立貯金やNISA、iDeCo、財形貯蓄制度など、強制的に貯金できるしくみで「先取り貯金」をするのが一番です。収入に大きな変化があって解約する必要が生じない限り、本人の意欲に関係なく、貯金を継続することができます。
Q2.貯金の目安は収入の何%が適正?
貯金の目安は「こうするべき」という基準はなく、人によって異なるものですが、これから貯金を本格的に始めようという人には、額面年収の10%、難しければ5%がいいでしょう。ただし、実家暮らしの人は生活費の負担がほかの人に比べて少ないので、可能であればまずは20%を目指すのがおすすめです。
Q3.貯金に税金がかかるってホント?
貯金には税金はかかりません。ただし、貯金によって得られる「受取利息(利子所得)」は金融所得課税の課税対象となり、税金がかかります。
金融所得課税とは、預貯金、株式や投資信託などの金融商品で得た受取利息にかかる税金です。預貯金の場合は利子、金融商品の場合は配当や売却利益が所得として課税されます。金融所得に対する税率は一律20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%(※)+地方税5%)です7)。受取利息の金額が高くなっても税率は変わりません。
貯蓄に関する税金に関して知りたい人は、以下の記事で詳しく解説しているので、併せてご覧ください。
【関連記事】貯まる人は知っている貯蓄と税金の基礎知識。詳細はコチラ
※:2013年1月1日〜2037年12月31日の期間
参考資料
Q4.趣味にお金をつぎ込みながら貯金するコツは?
使っていいお金に制限を設けるのが一番です。“推し活”などの趣味にのめり込んでいる人の中には、年間で数十万円、イベントごとに数万円使う人もいます。のめり込むことがあるのは幸せですが、並行して将来のための貯金をしたほうが安心です。
まずは「ポイントを活用する」「使い過ぎ防止のためにクレジットカードの限度額を下げる」「不要なものは潔く手放す」などを実践して、使ったお金をポイントとして還元したり、無駄遣い防止をしたりするのがおすすめです。
推し活を楽しみながら貯金する方法を知りたい人は、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。
【関連記事】専門家が考える「オタク女子のための貯金術」とは? 詳細はコチラ
Q5.貯金に役立つ本は?
貯金本を読むことで「お金の常識」を学べます。中でも頼りにすべきは、ファイナンシャルプランナーなどのお金の専門家や、上手に貯金できているブロガー・インスタグラマーなど、お金に詳しく、正しい知識を持っている人たちの貯金メソッドです。
お金の知識ゼロの初心者は、まずは社会保険や税金、経済などの基本を学びましょう。『節約・貯蓄・投資の前に 今さら聞けないお金の超基本』(泉美智子 監修/坂本綾子 著 朝日新聞出版刊)や『年収200万円からの貯金生活宣言』(横山光昭 著 ディスカヴァ―・トゥエンティワン刊)などのベストセラーがおすすめです。FP協会のウェブサイトにも将来に必要なお金についての参考冊子があります。無料でPDFをダウンロードできるので、こちらもおすすめです。
自分に向いた貯金本を探したい人は、以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ併せてご覧ください。
【関連記事】貯金を成功させたいのなら読むべき本11選。詳細はコチラ
Q6.家計管理のおすすめアプリは?
スマホで簡単に家計を管理できる家計簿アプリ。最近では無料で使えて、レシート読み取り機能や口座連携機能といった便利な機能が満載のアプリが豊富です。アプリを選ぶ時はできることを理解しながら、自分にとって必要な機能を備えているかを考えることが大切です。
家計管理に役立つアプリを探したい人は、以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ併せてご覧ください。
できることから始めて、しっかり“貯金癖”をつけよう
継続的に貯金をするには、成功体験を重ねることが大切です。
確実に目標額を貯めたいのであれば、収支を把握した上で無理のない金額を定め、自動積立貯金やNISAなどの強制的に貯金できるくみで「先取り貯金」をするのが一番です。貯金に対して苦手意識がある人は、「500円玉貯金をする」「水筒やマイカップを持ち歩く」など、できることから始めることで貯金に対する意識を高め、しっかり“貯金癖”をつけましょう。