ひとりで子育てと仕事をがんばっているシングルマザーの悩みはなんと言っても「お金」ですよね。その背景には、収入が少なくなりがちだったり、住まいや生活費だけでなく、子どもの教育費にもお金がかかるといった状況があります。全国のシングルマザーのみなさんから切実な相談を受け、自身もシングルマザーであるFPの加藤葉子が、現状や事例を踏まえ、どうすれば上手に貯金ができるようになるのかご紹介します。

INDEX

■シングルマザーの世帯数、平均年収、平均貯金額は?

■教育費、老後資金…シングルマザーはいくら貯金しておくべき?

■母子家庭を助けてくれる制度

(1)児童扶養手当
(2)児童手当
(3)ひとり親控除
(4)ひとり親医療費助成制度
(5)小学校・中学校の就学援助
(6)高等学校等就学支援金(対象:高校生)
(7)高等教育の修学支援新制度(対象:大学生・専門学生)
(8)その他の支援制度(交通費、水道代など)

■7ステップで解説! シングルマザーの効率的な貯金術

■ひとりで悩まず、相談しながら貯金を実践しましょう

この記事の著者

加藤 葉子(かとう ようこ)

女性とシングルマザーのお金の専門家®︎。株式会社マイライフエフピー 代表。
女性とシングルマザーを応援するファイナンシャルプランナー。自身もシングルマザーである経験をもとに、全国の女性から多くの相談を受けている。個別相談のほかにも、雑誌やWEBのコラム執筆、講師業など幅広く活動中
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シングルマザーの世帯数、平均年収、平均貯金額は?

画像: 画像:iStock.com/Yue_

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まず、シングルマザーはどれくらいの年収があって、どれくらい貯金をしているのでしょうか? ご家庭によって状況は様々ですが、厚生労働省「令和元年国民生活基礎調査」1)の調査結果をもとにシングルマザーの現状についてご紹介します。

参考資料
1)厚生労働省「令和元年国民生活基礎調査」
※以下の項目で特に出典先の記述がないものはすべてこのデータをもとにしています。

母子家庭の世帯数は約64.4万世帯

まずは、日本の母子家庭世帯がどのくらいあるのかを確認してみましょう。

令和元年のデータによると、死別・離別・その他の理由で、現在独身の女性と20歳未満の子どものみで構成されている母子家庭の世帯数は約64万4,000世帯となっています。父子家庭の世帯は約7万6,000世帯となっているため、その数はおよそ8.5倍にものぼります。

64万4,000世帯というのは、長崎県の総世帯数2)よりも少し多い程度の数字です。「意外と多い」と感じるのではないでしょうか。

「20歳未満の子どもがいる」という条件ですから、母親自身は40代である世帯が50%と最も多く、次いで30代が31.5%を占めています。

〈図〉母子家庭世帯におけるシングルマザーの年代割合

画像: 母子家庭の世帯数は約64.4万世帯

シングルマザーの70%以上はフルタイムで働いている

では、約64万4,000世帯のうちどのくらいのシングルマザーが仕事をしているのでしょうか。シングルマザーのうち87.3%は自営・被雇用など何らかの形で働いています

このうち、正社員を含むフルタイムで雇用されている人が最も多く、全体の70.7%です。一方で「仕事をしていない」と回答した割合は11.0%となっているので、子育てをしながら働いているシングルマザーが多いことがわかります。

〈表〉シングルマザーの働き方

仕事あり総数87.3%
フルタイム被雇用者(70.7%)
会社・団体等の役員(1.9%)
自営業主(3.7%)
その他(10.6%)
仕事なし11.0%
仕事の有無不詳1.7%
※厚生労働省「令和元年国民生活基礎調査」をもとに執筆者作成

シングルマザーの平均年収は、児童のいる世帯全体の半分以下

では、子育てをしながら、仕事もがんばっているシングルマザーの年収はいくらぐらいなのでしょうか?同データによると、児童(※1)がいる世帯全体の平均年収が約745.9万円なのに対して、母子世帯の平均年収は約306万円と、半分以下になっています。

※1:この記事では、「児童」を18歳未満の未婚の子どもと定めます。

〈図〉児童のいる世帯全体と母子世帯の収入の分布

画像: ※厚生労働省「令和元年国民生活基礎調査」をもとに執筆者作成 ※児童のいる世帯にはシングルマザー世帯も含まれます

※厚生労働省「令和元年国民生活基礎調査」をもとに執筆者作成
※児童のいる世帯にはシングルマザー世帯も含まれます

中央値で比較した場合でも、全体の数値が672万円なのに対して、母子世帯では257万円となり、平均値と同じく全体の半分以下であることがわかります。

平均年収である306万円という数字を1カ月単位の家計から考えると、月収は25.5万円です。そこから月約4万円の社会保険料や税金が引かれ、手元に残るのは約21.5万円。住まいにかかる費用がたとえば月8.5万円の場合、残り月13万円で食費・通信費・光熱費・保険・子どもの衣類・教育費・家電などの出費をやりくりしないといけなくなり、家計のやりくりが大変な現状が数字からも想像できます。

〈図〉児童のいる家庭全体と母子家庭の平均年収のちがい

画像: シングルマザーの平均年収は、児童のいる世帯全体の半分以下

貯蓄がないシングルマザーは約32%

私のもとにご相談に来られるシングルマザーは、子どもの教育費や万が一の時のため、そして老後も子どもに負担をかけないために貯金をしたい、という想いをとても強く持っておられます。では、彼女たちの平均貯金額はどのくらいなのでしょうか?

同じく厚生労働省の調査によると、母子世帯の平均貯蓄額(※2)は389.8万円、中央値は50〜100万円です。
しかし、貯蓄額別のグラフをよく見ると、貯蓄がない世帯が突出して多く、約32%にものぼります。一部の貯蓄の多い母子世帯が平均値を引き上げているため、平均貯蓄額が高くなっているのです。

一方で、児童がいる世帯全体での平均貯蓄額は723.8万円、中央値は400~500万円です。母子世帯の70%以上がフルタイムで働いていても、全体の数値と比較するとやはり貯蓄額が少ない状況にあることが読み取れます。

※2:厚生労働省のデータから引用している金額については「貯蓄額」です。「貯蓄」とは、預貯金や投資を含む金融資産全体を指します。

〈図〉児童のいる世帯と母子世帯の貯蓄額

画像: ※厚生労働省「令和元年国民生活基礎調査」をもとに執筆者作成

※厚生労働省「令和元年国民生活基礎調査」をもとに執筆者作成

また、近年子どもの貧困が社会問題になっていますが、厚生労働省のひとり親家庭に関する調査3)によると、世帯主が18歳以上65歳未満の、子どもがいる現役世帯での貧困率(※3)は、大人が2人以上いる場合は11.3%、大人が1人の場合は48.2%となっています。

専業主婦の家庭もありますから一概には言えませんが、収入を得られる大人が少ない分、ひとり親家庭は厳しい状況に置かれていることがわかりますね。

※3:ここでいう貧困率は、2015年OECDの所得定義の新たな基準で、従来の可処分所得から更に「自動車税・軽自動車税・自動車重量税」、「企業年金・個人年金等の掛金」及び「仕送り額」を差し引いたもの。

教育費、老後資金…シングルマザーはいくら貯金しておくべき?

画像: 画像:iStock.com/yamasan

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貯金はあればあるだけうれしいものですが、前述したとおり、母子家庭では「貯畜のない家庭が多い」というデータがあります。しかし、子どもの成長はまったなしで進みますし、教育費もかかります。そこで、具体的にいくら貯金があればいいのか、教育費と老後資金についてそれぞれご紹介します。

〈図〉子どもひとりあたりの教育費と、老後30年間の生活費の平均

画像: 教育費、老後資金…シングルマザーはいくら貯金しておくべき?

子どもの教育費は720〜1,500万円と幅がある

「子どもの教育費は、一番気になるお金の問題」というシングルマザーも少なくないでしょう。子どもが高校・大学を卒業するまでにいったいいくらかかるのか、具体的にみていきます。

文部科学省のデータ4)5)6)をもとに、小学校から大学まで学年毎にかかる教育費の平均をわかりやすいようグラフでまとめました。

これをみると、国公立と私立、大学に進学するかどうか、などで大きく教育費は変わることがわかります。すべて国公立の学校なら約720万円、中学校から私立で私立大学の理系に進んだ場合は約1,450万円が必要です。

〈図〉大学卒業までにかかる教育費の平均

画像: ※文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」「私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」をもとに執筆者作成 ※小学校・中学校・高校時の間の費用には、学校教育費に加えて、学校外の習い事・学習塾費用を含みます。大学時の費用は、大学に支払う授業料・入学料・施設設備費です

※文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」「私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」をもとに執筆者作成
※小学校・中学校・高校時の間の費用には、学校教育費に加えて、学校外の習い事・学習塾費用を含みます。大学時の費用は、大学に支払う授業料・入学料・施設設備費です

母子家庭の場合、多くのご家庭が国や自治体の支援制度を受けていますが、教育費を負担に感じているケースも多いです。特に習い事や塾の費用、部活動の遠征費やユニフォーム代など学校外の活動のお金や、大学進学のための夏期講習や受験費用・入学金についての悩みが、実際の相談では多くなっています。

ただし、図で示した金額はあくまで平均です。小中学校の就学援助を活用する場合や、習い事や塾へあまり通わない場合などはこれよりも少なく済みます。反対に、大学進学を希望するため、中学校3年生・高校3年生の時に塾に多く通うなら、平均よりももっと多くかかかる可能性もあります。

また、進学先の学校に支払う初年度納付金などは、入学前に支払いを求められる可能性があることにも注意しましょう。進学のタイミングを大きな目安としつつ、前倒しで計画的に貯金を進めることが重要です。

現在は半分以上の人が大学・短大へ進学している時代です。子どもの将来のためにも、すべて国公立の場合にかかる「720万円」を教育費として用意することを目標にしましょう。

▼子どもの教育費について、詳しくはこちら

子どもが2人なら教育費も2倍になる

また、子どもが2人以上いる場合、教育費の総額は人数に比例して増えていきます。単純に「1人分の教育費×子どもの人数」で考えることになりますので、負担はさらに大きくなります。

前述した図のように学年ごとにみると、小学校・中学校・高校・大学と、いずれも入学する時に費用が多くかかるため、たとえば双子の場合や3歳離れている兄弟姉妹がいる場合は、一気に費用がかかることもわかりますね。

老後資金は30年間で約5,400万円も必要

再婚や子どもとの同居といった可能性もあると思いますが、シングルマザーの方の多くは1人で老後の生活を送ることも視野に入れているでしょう。子育て中は教育費が差し迫った問題ですが、子どもが独立したあとに負担をかけないよう、老後資金についても貯金をしておきたいという方も多く相談に来られます。

では、実際に老後の生活費はどのくらいかかるのでしょうか。総務省のデータ7)をもとに、1カ月の支出をまとめると下記のようになります。

〈表〉65歳以上単身無職世帯の1カ月の支出

実支出 合計150,533円
食料35,477円保健医療8,469 円
住居13,110円交通・通信12,672円
光熱・水道12,973円教養娯楽16,155円
家具・家事用品5,573 円その他の消費支出30,586円
被服及び履物3,608 円非消費支出11,910円
※総務省「家計調査 家計収支編(2019年)」をもとに執筆者作成

65歳以上単身無職世帯の1カ月の支出は、約15万円です。住居費が少ないのは、持ち家率が84.4%と高く、親族の持ち家に居住するなどで住居費が不要な場合が含まれるからです。賃貸住宅に住み続ける予定の場合は、もっと家賃を多めに見積もる必要があります。

月15万円の支出として計算すると、老後30年間に必要な金額は約5,400万円となります。65歳以上単身無職世帯の平均収入は年金などを含め月約12.7万円のため、毎月約2万3,000円、30年間では約830万円の赤字ということになり、この赤字の分を貯金などで用意していく必要があります。

しかしながら、これはあくまで2019年のデータをもとに平均の収支を計算したものです。自分が受け取れる年金の金額や、家賃の発生状況などによりいくら赤字になるのかは変わります。一度自分に当てはめて計算をしてみることをおすすめします。

教育費・老後資金を合わせて考えると、次に示す図の通りシングルマザーが準備しておくべき貯金額は最低約1,550万円、約2,150万円程度あれば安心できるでしょう。しかし、この貯金額を貯めるのはとても大変です。次に紹介する制度や、貯金術を活用して今から準備をはじめましょう。

〈図〉必要な教育費と老後資金の貯金額

画像: 老後資金は30年間で約5,400万円も必要

母子家庭を助けてくれる制度

画像: 画像:iStock.com/recep-bg

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経済的に苦しい母子家庭を助けてくれる支援制度はいろいろあります。低所得者向けの制度とともに、主な制度をご紹介していきます。

(1)児童扶養手当

児童扶養手当8)は、原則として子どもが18歳になった年度の3月31日までのひとり親家庭に支給されます。子どもの人数と手当を受け取る方の所得によって、受け取れる金額が異なります。

〈表〉児童扶養手当の月額(2020年4月分から)

全部支給一部支給
子ども1人43,160円43,150円~10,180円
子ども2人目の加算額10,940円10,180円~5,100円
子ども3人目以降の加算額1人につき6,110円6,100円~3,060円
※厚生労働省「児童扶養手当について」をもとに執筆者作成

子ども1人を扶養に入れ、お給料のみで育てているシングルマザーなら、最大で1カ月あたり4万3,160円を受け取れます。収入が年間160万円以上の方になると、受け取れる額はだんだん減り、一部支給となります。子どもの数、収入、同居の家族の収入など、それぞれ家庭の事情により支給額は変わってきます。

(2)児童手当

児童手当9)は、中学校卒業までの子どもを育てている方に支給されます。児童手当の1人あたりの支給月額は3歳未満が1万5,000円、3歳以上小学校修了前までが1万円(第3子以降は1万5,000円)、中学生が1万円です。

所得による制限があり、限度額以上の所得がある方の場合は、一律で月額5,000円が支給されます。現在、所得限度額を超えて給付を受けている特例給付の対象となっていても、年収1,200万円以上の方は、2022年10月支給分から対象外となります。児童手当は、児童扶養手当よりも限度額が高く設定されています。

(3)ひとり親控除

ひとり親控除10)は、2020年からそれまでの寡婦控除に代わり、未婚・離別・死別、また母親・父親にかかわらず、ひとり親で合計所得金額500万円以下の世帯であれば、一律に適用される税制優遇制度です。所得税35万円・住民税30万円が控除として収入から差し引かれ、納税額が少なくなります。

給与収入のみのひとり親なら、合計所得金額500万円以下、収入でいうと678万円以下が目安です。この所得制限を超えると、扶養親族である子どもがいても控除はなくなるので注意しましょう。

(4)ひとり親医療費助成制度

ひとり親医療費助成制度11)は、ひとり親とその子どもが健康保険証を使って医療機関等を受診した場合に、窓口で支払われる医療費(健康保険の自己負担額)の一部または全部を助成する制度です。自治体によっては自己負担の助成の内容や、所得制限の基準が違ってくるので、お住まいの地域のホームページなどで確認しましょう。

(5)小学校・中学校の就学援助

就学援助12)は、小中学生のいる低所得世帯に対する学校関連費用を援助してくれる制度です。

援助の内容や金額は自治体によって異なる部分がありますが、学校給食費などの毎月の費用だけでなく、まとまったお金が必要な入学時や修学旅行の費用の援助もあります。

低所得世帯に対する援助なので所得制限がありますが、所得制限の基準を超えていても児童扶養手当を受給中の方は対象となることがあります。

(6)高等学校等就学支援金(対象:高校生)

高等学校等就学支援金制度13)とは、一定の所得要件を満たす高校生のいる家庭に対し、高校の授業料に充てるために一律年11万8,800円を支給してくれる国の制度です。私立高校の場合は就学支援金が加算され、最大で年間39万6,000円まで支給されます。

〈表〉高等学校等就学支援金の対象になる目安年収

目安年収
子どもの数支給額:11万8,800円支給額:39万6,000円
1人(高校生)〜約910万円〜約590万円
2人(高校生・中学生以下)〜約910万円〜約590万円
2人(高校生・高校生)〜約950万円〜約640万円
2人(大学生・高校生)〜約960万円〜約650万円
3人(大学生・高校生・中学生以下)〜約960万円〜約650万円
※両親のうち一方が働いている場合の目安です。両親が共働きの場合は基準が異なります
※中学生以下は15歳以下、高校生は16〜18歳、大学生は19〜22歳とする
※中学生以下、高校生については扶養控除対象者、大学生については特定扶養控除対象者とする

母子家庭の場合には条件が異なることもありますので、対象となるかはお住まいの自治体に確認しましょう。また、授業料が高い私立高校に進学し、就学支援金を最大限受けても自己負担が生じる場合、都道府県ごとに国の就学支援金に上乗せできる補助を行っています。都道府県ごとに内容が違うことに注意しましょう。

授業料以外の部分をカバーする支援制度としては、生活保護受給世帯などの低所得世帯向けに「高校生等奨学給付金14)」などがあります。

(7)高等教育の修学支援新制度(対象:大学生・専門学生)

国の高等教育の修学支援新制度15)とは、大学・専門学校などに通う学生の支援制度です。

上限まで支援を受けられれば、国立大学の場合なら入学金・授業料が無料、しかも給付型奨学金も受け取れるという、手厚い内容になっています。

〈表〉住民税非課税世帯(第Ⅰ区分)への支援額

授業料等の減免上限額 給付型奨学金
授業料(年額)入学金(1回限り)月額年額
国公立自宅53万5,800円28万2,000円29,200円35万400円
自宅外66,700円80万400円
私立 自宅70万円26万円38,300円45万9,600円
自宅外75,800円90万9,600円
※文部科学省「学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度」をもとに執筆者作成

支援対象となる世帯は第Ⅰ区分・第Ⅱ区分・第Ⅲ区分に分類され、世帯の年収が上がるにつれて支援額は段階的に減少します。住民税非課税世帯(※4)に準ずる世帯の場合、第Ⅱ区分・第Ⅲ区分となり、第Ⅰ区分の住民税非課税世帯の学生の3分の2または3分の1の金額となります。大学生の子どもが1人いるひとり親世帯の場合、目安として年収約210万円までなら住民税非課税世帯(第Ⅰ区分)の支援を受けられるとされています。

住民税非課税世帯なのかわからないという方は、まずは給与明細を見て、自分が住民税を払っているかチェックしましょう。注意したいのが、預貯金や有価証券など資産(不動産は除く)があると、支援が受けられなくなることです。学生の生計を負担する方が1人の場合、資産は1,250万円未満という要件があります。

※4:住民税非課税世帯とは、住民税を課税されている人がいない世帯のことです。住民税を構成する所得割と均等割のうち、すべての住民に一律でかかる均等割が非課税となります。

(注意点)

住民税が少なくなるように、漏れなく税金の申告を

児童扶養手当、高等学校等就学支援金や高等教育の修学支援新制度など、所得制限のある制度は、住民税が少ないほど支援を受けやすいです。ひとり親控除・生命保険料控除・医療費控除・地震保険料控除・個人型確定拠出年金がある場合は漏れなく確定申告で申告しましょう。

(8)その他の支援制度(交通費、水道代など)

・交通費の割引制度
自治体によっては、ひとり親家庭に対する交通費の割引があります。大阪市の場合16)、児童扶養手当を受け取っている方は、JR通勤定期乗車券の購入が3割引、駐輪場利用料金の割引を受けられます。お住まい地域のホームページなどを確認しましょう。

・水道代の減免制度
助成の有無・内容は自治体によって異なりますが、たとえば千葉市17)では、児童扶養手当を受け取っている方は、水道代の消費税及び地方消費税相当額の減免が受けられます。また、ひとり親家庭ならば、公営住宅に優先して入居できる自治体もあります。

・国民健康保険料、年金保険料の減免制度
自営業の方や無職の方などで国民健康保険料の支払いが困難な場合は、収入などを考慮して、保険料の減額制度があります。また国民年金保険料にも、その時の収入を考慮した免除制度があります。

7ステップで解説! シングルマザーの効率的な貯金術

私のもとへご相談に来られるシングルマザーの方は、貯金が全くできず、不安な状態である場合が多いのですが、ご相談後は多くの方が無事貯金ができるようになっています。

貯金ができる方・貯金ができない方には“ある共通点” があります。代表的な共通点を3つご紹介しますね。

画像: 7ステップで解説! シングルマザーの効率的な貯金術

貯金は勝手にできるものではなく、お金が貯まるしくみ作りが一番大切になってきます。そのため、当たり前かもしれませんが「貯金ができない」とあきらめていると、このしくみ作りもできず貯金ができないのです。

日々の忙しさやお金全般への苦手意識のために、管理がずさんになっていることがなおさらお金の不安やストレスにつながっている時もありますよね。実は私も昔は貯金ができないパターンにすべてあてはまっていました。でも、大丈夫です! お金は意識を変え行動することで堅実に貯めることができるようになります。

貯金できるようになるきっかけは、意識と行動

画像1: 画像:iStock.com/kohei_hara

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貯金ができるパターンの方は、何らかのきっかけで「貯金をする!」と決意し、具体的に目標を定めています。

シングルマザーの場合は「子どもが望むなら大学や専門学校に進学させてあげたい」という想いから教育費を目標にする方や、「子どもに負担をかけたくない」と老後資金を目標にする方も多くいます。

目標が決まると意識が変わり、行動に移すことができます。「いつまでにいくら貯金する」と具体的な目標を決めると、必然的に毎年いくら貯金をしないといけないかがわかり、お金が貯まるしくみを作っていくことになります。

しかし、前述でご紹介したとおり、シングルマザーの経済状況は児童のいる世帯全体に比べてとても苦しく、「どう行動したらいいのかわからない」と思い悩みますよね。

貯金ができている方のパターンを踏まえ、具体的な貯金方法を7SETPでご紹介します。

〈表〉シングルマザーが上手に貯金するための7STEP

STEP 1.教育費・老後資金のための目標を書く
STEP 2.お金と向きあい年間の貯金額を決める
STEP 3.貯金できる方が必ず実践している「先取り貯金」をする
STEP 4.プチ副業と節税で手取り収入を増やす
STEP 5.「レシートワーク」で支出を見直し家計をスリムにする
STEP6.「節税」しながらお金にも働いてもらう
SETP7.給付型奨学金・補助金・給付金を活用する

STEP 1.教育費・老後資金のための目標を書く

画像2: 画像:iStock.com/kohei_hara

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貯金額の目標を決めることはお金を貯めるための最初のステップです。目標を立てるうえで大切なことは、「何のために」「いつ」「いくら」という3つのポイントです。たとえば下記のように考えましょう。

「5年後に控えた大学進学に向けて、私立文系4年間で必要な教育費約400万円を貯める!」
→「学資保険はどのくらい満期があるの?今の貯金はいくら?」
→「状況を整理した結果200万円足りないことがわかった」
→「大学費用のためにまだ足りない200万円を5年間で貯めよう」

このようにまずはざっくり書くことが大切です。現状を整理するために、合わせて現在加入している保険の内容や貯金額も確認しましょう。

STEP 2.お金と向きあい年間の貯金額を決める

画像: 画像:iStock.com/kazuma seki

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次に必要な貯金額から、年間の貯金額を決めていきます。上記の場合には「200万円を5年後に貯めるには、1年間に40万円貯める」となります。

ここで「40万円も無理!」と思ってあきらめてしまいそうになっても、あとでご紹介する4つのステップで貯金ができたシングルマザーはたくさんいるので、あきらめないでください。もし、「このくらいなら続けられそう」と思えたなら、2人目の教育費や老後資金などについても目標を決めてもいいですね。

STEP 3.貯金できる方が必ず実践している「先取り貯金」をする

画像: 画像:iStock.com/west

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目標額が決まっても家計の管理ができていないと「大丈夫かな?」と不安ですよね。そこでまずシングルマザーならではの家計管理の方法をお伝えします。

まず、毎月入るお給料、養育費をもらえる場合は養育費、2つの手当(児童手当・児童扶養手当)を含め、収入を下記のように色分けしましょう。大きくはオレンジの毎月入金される給料や養育費と、パープル・ピンクの2つの手当になります。

画像: 資料作成:マイライフエフピー

資料作成:マイライフエフピー

そして、子どもの教育費であれば、2つの手当から貯金していくようにしましょう。ポイントは、家計の通帳と一緒にしないことです。また、老後資金での場合には、月々の給料から貯金をしていきましょう。

この時、実践してほしいのが「先取り貯金」です。先取り貯金とは、生活費を使ったあとに残ったお金を貯金するのではなく、先に貯金をする方法です。

画像1: STEP 3.貯金できる方が必ず実践している「先取り貯金」をする

私自身は、先取り貯金をするようになってから、貯金ができるようになりました。家計の相談を受けている方の中で貯金ができるようになったシングルマザーも、実はこの先取り貯金を実践しています。無駄な支出が抑えられるため、貯金が貯まりやすいしくみと言えますね。

さらに、具体的に主な先取り貯金の方法をご紹介します。

画像2: STEP 3.貯金できる方が必ず実践している「先取り貯金」をする

主な先取り貯金の方法は「つみたて投資」「保険」「銀行」など3つあります。貯金ができている方は、この中から必ず1つ以上実践しています。

3つについてはそれぞれ特徴があります。たとえば、貯蓄タイプの保険は「保険」なのでもれなく万が一の保障もあります。注意点としては、途中で解約すると目減りする場合があることですが、だからこそ解約せずに貯金ができている方が多いのです。さらには、生命保険には所得控除を受けられるメリットもあります。

また、お仕事をがんばっていて所得が多く、支払う税金も多いシングルマザーにはiDeCoのご加入もおすすめです。iDeCoとは国が老後資金のために推進している個人型年金制度なので、加入すると所得控除の対象となり、支払う税金が減ります。その結果手取り収入が増え、さらに住民税の金額で支援額が変わる各種手当などの受給金額アップも見込めます。

STEP 4.プチ副業と節税で手取り収入を増やす

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STEP1~3ができれば、自動的にお金が貯まるしくみができます! しかし、残りのお金でどう生活していくかが次の課題になります。収入アップを目指したいけど給料がなかなか上がらないという方は、月1万円でもプチ副業をしましょう。

たとえば、私はお仕事サイトから1日でできる単発の業務委託のお仕事(覆面調査やイベントのお手伝い)からスタートしました。しかも、年間20万円まででしたら、確定申告の必要がありません。

また、お給料で税金を払っている方は、前述した「iDeCo」で節税をしましょう! 節税をすることで収入は同じでも「手取り収入」が増えます。iDeCoは老後資金としての先取り貯金としても適していますので、一石二鳥です。

STEP 5.「レシートワーク」で支出を見直し家計をスリムにする

画像: 画像:iStock.com/MichikoDesign

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支出の削減は耳にタコかもしれませんが、生命保険や医療保険、火災保険などの見直し、通信費の見直しは効果的です。現在契約している通信会社だけでなく、他社も比較してみて月数千円の節約ができる場合もあります。しかし、ここはすでに実践済みの方も多いですよね。

次にやることとしては、日々のお買い物のチェックです。面倒な家計簿をつけなくてOKな方法としてご紹介したいのが「レシートワーク」です。

まず、半年間レシートをとにかく溜め続け、紙袋などに入れておきます。半年が経過したタイミングで、一気に1枚1枚振り返ります。時間が経つことで、お金を使った時の自分を客観的に振り返ることができます。その時は必要だと思った出費も、実は必要でなかったと冷静に判断ができるのです。

シングルマザーの例では「給料日に無駄が多い」「ネットで送料無料にひかれてついポチッと…」「子どもと買い物に行くとつい子どものために買ってしまう」「親とケンカをした時にストレスでついラーメンを…」などいろいろなお声があります。

無駄遣いのパターンが分かれば、意識するだけでも「家計がスリムになった」「家も体重もスッキリ」というお声もいただいています。まずは、レシートを半年分溜めてみましょう。

STEP 6.「節税」しながらお金にも働いてもらう

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手取り収入がアップして家計がスリムになると、必然的に「貯金額を増やせる」ようになります。しかし、今は銀行に預けていても金利は少ないです。そのため、子どもが独立したあとの老後資金の準備も気になるという方におすすめなのが「iDeCo」や「つみたてNISA」です。投資は「お金持ちがするもの」と思い込んでいませんか? 今は月500円や1,000円からでも投資ができますので意外と手軽に始められるのです。

繰り返しになりますがiDeCoは節税対策にもなります。具体的には掛け金が全額所得控除され節税になる、運用益も非課税になるといった優遇が魅力です。ただし、60歳以降でないと引き出せないため注意しましょう。つみたてNISAの場合にはiDeCoと同じように運用益が非課税になるほか、引き出しの制限もありません。自分に合った方を選ぶようにしましょう。

iDeCoやつみたてNISAは投資信託を購入でき、運用によって利益が出ることもある一方で、損になることもあります。投資の講座や本などで勉強してからスタートしましょう。iDeCoの掛け金は、月々5,000円~ですので、初心者の方は、月々100円~など少額から積立ができるつみたてNISAからスタートしてもいいですね。

SETP7.給付型奨学金・補助金・給付金を活用する

画像: 画像:iStock.com/SB

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収入を増やす、という面では前述した国や自治体の制度を最大限活用することも重要です。自分が対象になる制度をきちんと確認し、漏れのないようにしましょう。

2020年4月からスタートした大学無償化と言われる「高等教育の修学支援新制度」は私立大学に下宿して通う場合であれば、最高670万円の支援を国から受けられます。大きな支援額でありがたいですね!

しかし、私のもとには、給付型奨学金の対象から外れた…など悲しいお声も届きます。子どもの教育費のためにお仕事を掛け持ちなどして働き、その結果税金も増え給付型奨学金の対象から外れるケースです。そのような方は、ぜひiDeCoや保険などで節税しましょう。

ご家庭によっても違いますが、節税をする方法はほかにもあります。たとえば、起業・副業しているシングルマザーの場合には、節税対策がいろいろありますので、児童扶養手当も給付型奨学金も満額受給できるケースがあります。働き方の一つとして、起業・副業を視野に入れるのも選択肢です。

また、起業すると個人事業主のための「給付金」「補助金」など国の支援もあります。ありがたい制度ほど情報を得にくいのですが、シングルマザーこそ、税金について徐々に詳しくなれるようにしましょう。

ひとりで悩まず、相談しながら貯金を実践しましょう

画像: 画像:iStock.com/itakayuki

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これまでみてきたとおり、母子家庭の平均年収は一般的な児童がいる家庭の半分以下です。貯金をする余裕がないという経済状況にある母子家庭も多い現状があり、「どうにかしなければ」と不安と戦っているシングルマザーは多いと思います。

シングルマザーは、働いて家事をして子どものための時間をもって……と1人何役もこなす、一家の収入を支える大黒柱です。代わりはいませんから、忙しくても体を壊したりしないよう無理はせず、人の手を借りながら、ひとつずつ解決していきましょう

私自身も、最初はなかなか貯金ができない家計でした。そんな中でも娘を出産したことがきっかけで「教育費を貯める!」と決意して、先取り貯金を実践しました。でも、先取り貯金をすると生活費に使えるお金は少ししか残らなかったので、なんとかして家計を改善しないといけませんでした。

実践したのは保険や光熱費・通信費や家賃などの見直しです。そして日々のお買い物はレシートを溜めて、半年に1回無駄遣いがないかチェックします。懸賞で応募できるものはチャレンジして、10万円分の商品券をいただいたこともあります。家の中で短い時間でできる副業もして、子育てをしながら少しずつ収入も増やしていき、教育費を貯めました。投資の勉強もたくさんしました。

今は、老後資金を目的に先取り貯金をしています。老後まで比較的時間の余裕があるので、保険や投資信託など長期運用を行い、日々働いたお金を所得控除も活用しながら、コツコツ貯めていっています。

老後資金は大きな金額で、驚かれた方も多いと思いますが、教育費を貯めることができるようになると自信も付いてきます! なかなかシングルマザー目線でのお金の情報は少なく、相談できる場もありません。ひとりで悩んでいる方にこの記事が少しでもお役に立ちましたら、うれしく思います。

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