「教育費が必要なのはわかるけれど、金額がわからない」
「教育費の具体的な貯め方を知りたい」

子どもを保育所や幼稚園から私立の医歯系大学まで通わせると、約2,800万円のお金がかかることをご存じでしょうか。子どもがいる多くの人にとって、教育費をどのように貯めればよいかは、大きな悩みの種でしょう。

今回は、ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さん監修のもと、3種類あるおすすめの教育費の貯め方について徹底解説。それぞれの貯め方に向いている人や、メリットとデメリットを紹介します。進路別の教育費の貯め方も紹介しますので、子どもの教育費の貯め方がわからない人は、ぜひ参考にしてみてください。

必要な教育費の平均などについては、以下の記事で詳しく紹介していますので、併せてご覧ください。

【関連記事】教育費の平均はいくら? 大学までの進学コース別のシミュレーションについて詳しくはコチラ

教育費の貯め方のポイント!

  • 教育資金を貯める方法は預金・保険・投資の1つに偏らせず、適度に分散させることが理想
  • 教育費を効果的に貯めるには、児童手当など国からもらえるお金をすべて貯蓄にまわす
  • 教育費は、「1.目標額を設定する」「2.活用時期を決める」「3.貯める期間を設定する」の3つの手順で貯める

この記事の監修者

氏家祥美(うじいえよしみ)

ハートマネー代表。ファイナンシャルプランナー・キャリアコンサルタント。子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持ち、「幸福度の高い家計づくり」を総合的にサポートしている。オンラインでの家計相談やマネー研修も実施中。

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FPおすすめ! 教育費の貯め方3選

画像: 画像:iStock.com/AndreyPopov

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まずは、おすすめの教育費の貯め方を3つ紹介します。教育費を貯める際は、1つの方法に偏らせず、適度に分散させるとよいでしょう。おすすめの教育費の貯め方を、以下の表にまとめたので、ご覧ください。

〈表〉教育費の貯め方と特徴

メリットデメリット向いている人
預金・元本割れのリスクがない
・簡単に引き出せる
・金利が低い
・各銀行につき保証は1,000万円まで
・着実に貯めたい人
・途中でお金を引き出す可能性がある人
保険・保障が付いている
・契約者貸付制度でお金を借りられる
・生命保険料控除が活用できる
・短期で解約すると元本割れすることもある・お金を貯めながら保障も欲しい人
投資・投資額よりも大きく増える可能性がある
・非課税制度が利用できる
・値動きがあるため、元本割れをする可能性がある・多少のリスクをとってでもお金を増やしたい人
・預貯金がすでにできている人

預金

教育費の準備に適した預金の代表的な方法は、以下の2つです。

  • 自動積立預金
  • 一般財形貯蓄

教育費は、その年齢になると必ず必要になるお金です。基本的な考え方として、リスクを取らずに確実に貯めることを考えましょう。貯め方は、口座間でのお金の移動に手間がかからない自動積み立てが基本となります。代表的な自動積み立ての預金の特徴を下記の表にまとめました。

メリットデメリット向いている人
自動積立定期預金・先取り貯蓄ができる
・自分でお金を移動させる手間が省ける
・金利が低い・できるだけ手間をかけずに貯蓄をしたい人
・無理のない金額で継続的に貯金をしたい人
一般財形貯蓄・給与から天引きされるので自動的に貯蓄ができる
・住宅ローンの負担が減る(財形持家転貸融資制度)
・利用できるかは勤め先の会社による
・ほかの財形貯蓄に変更できない
・自分で貯金をすることが苦手な人

預金の種類によっては、解約に手間がかかるものもあります。しかし、ついお金を引き出してしまうことを防げる点はメリットといえるでしょう。

保険

子どもを被保険者とし、教育費の準備に活用されることの多い保険は、以下の2つです。

  • 学資保険
  • 子ども保険

どちらも毎月一定額の保険料を納める貯蓄型の保険で、満期を迎えると満期保険金が受け取れます。親(契約者)に万が一のことがあった際には、保険料の支払いが免除される保険が多いですが、保障が継続され満期保険金を受け取れるのが特徴です。

それぞれのメリットとデメリット、向いている人を下記の表にまとめたので、ご覧ください。

メリットデメリット向いている人
学資保険・普通預金よりも高利率が期待できる
・保険料控除を活用できる
・途中解約すると元本割れのリスクがある・貯金が苦手な人
・親の保障が欲しい方
子ども保険・貯蓄だけでなく、病気やケガのリスクにも備えられる
・保険料控除を活用できる
・学資保険に比べ満期金の返戻率が低い・病気やケガのリスクにも備えたい人

投資

教育費を準備する方法として、投資も忘れてはいけません。具体的には、つみたてNISAが特におすすめです。

つみたてNISAは、少額で運用するNISAです。40万円×20年間まで非課税で投資が可能で、対象商品は積立投資に適していると認められた投資信託やETF(※)です。投資信託やETFへの投資には値動きのリスクがあり、元本割れの可能性もありますが、売却益や配当金で得た利益に対して税金が免除されるといったメリットがあります。

メリットとデメリット、向いている人を下記の表にまとめたので、ご覧ください。

メリットデメリット向いている人
つみたてNISA・少額から始められる
・20年間は運用益・分配金ともに非課税
・損失が発生したときに税制上の恩恵を受けられない
・元本割れのリスクがある
・まとまった資金がない人
・毎月コツコツ貯めていきたい人

※ETFとは上場投資信託の略称で、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)など特定の指数に連動するように運用されている投資信託です。

3ステップで教育費を貯める方法

画像: 画像:iStock.com/baona

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ここからは、教育費を貯める具体的な方法を3ステップで紹介します。

STEP 1.目標額を設定する
STEP 2.活用時期を決める
STEP 3.貯める期間を設定する

それぞれ詳しく解説します。

STEP 1.目標額を設定する

最初に、教育費をいくら貯めるかを決めましょう。ポイントは、大学の学費までを考慮することです。一般的に教育費の中でもっとも大きな割合を占めるのが、大学の学費です。そのため、大学までの進学を考えているのであれば、この点を意識して目標額を決めるようにしましょう。

つぎに、現在教育費に充てられる預貯金額を確認しましょう。目標額からの不足分が、これから貯めるべき金額です。学費だけでなく、習い事や部活などの費用も想定しておくことが重要です。

STEP 2.活用時期を決める

目標額が決まったら、教育費の活用時期を決めましょう。活用時期は、「高校入学から大学卒業までの期間」というように、具体的にイメージできるようにします。教育費を活用する時期に迷ったら、前述のとおり負担の大きい時期である大学入学から卒業までに設定することがおすすめです。

STEP 3.貯める期間を設定する

教育費の活用時期が決まったら、貯める期間を設定しましょう。おすすめは、子どもが小学校に入学してから、高校を卒業するまでの10年間です。また、子どもが生まれてから、10歳になるまでの10年間でもよいでしょう。

子どもが10歳になるまでは、お金がかかりにくい傾向にあります。そのため、子どもが10歳になるまでの期間は、教育費を貯めるのに向いています。

ただし、教育費を貯める期間は、家計に無理のない範囲にすることが大切です。10年という期間は、あくまで目安として覚えておきましょう。

早くたくさん教育費を貯めるコツ

画像: 画像:iStock.com/artisteer

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できることなら、教育費を早く貯めたいと思う人は多いことでしょう。以下では、教育費を早くたくさん貯めるコツを2つ紹介します。

  • 児童手当を貯蓄にまわす
  • 企業の財形貯蓄を活用する

それぞれ詳しく解説します。

児童手当を貯蓄にまわす

子どもが生まれた時から、中学校を卒業するまでにもらえる児童手当をすべて貯蓄にまわす方法です。シンプルな方法なので、実践しやすいでしょう。児童手当の支給額は、以下のとおりです。

〈表〉児童手当の支給額1)

年齢児童手当の支給額(1人あたり月額)
3歳未満一律15,000円
3歳以上
小学校修了前
10,000円
(第3子以降は15,000円)
中学生一律10,000円

親の年収や子どもの人数にもよりますが、1人あたり月1万〜1万5,000円です。上手に貯めていければ、児童手当だけで約200万円は貯蓄できます。教育費を初めて貯める場合や、貯め方に迷っている場合は、児童手当の貯蓄から始めましょう。

ただし、一定以上の所得がある場合は児童手当の金額が減るので、注意しましょう。子どもが1人いる世帯の場合、約876万円以上の収入があると、児童手当の金額は子ども1人あたり月5,000円になります1)

企業の財形貯蓄を活用する

財形貯蓄とは、企業の従業員が利用できる福利厚生制度の1つです。財形貯蓄を利用すると、給料やボーナスから天引きで貯蓄ができます。

そのため、財形貯蓄は確実にお金を貯めることができる方法です。主な財形貯蓄制度は、以下の3つです。

  • 一般財形貯蓄
  • 財形年金貯蓄
  • 財形住宅貯蓄

中でも、一般財形貯蓄は積立期間が1年以上になれば、いつでも引き出せるようになります。お金の使い道は自由なので、教育費としても利用できます。

教育費はいくら貯める?

画像: 画像:iStock.com/Rostislav_Sedlacek

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教育費は、子どもが公立と私立どちらの学校に通うかによっても変わります。特に私立の場合は、いつから通うかも重要です。以下では、「幼稚園・保育園から高校まで」と「高校卒業後」に分けて、教育費がいくら必要なのかを解説します。

【私立・公立別】幼稚園・保育園から高校までの教育費

子どもが通う学校の組み合わせを、いくつかのパターンに分けた場合の教育費を見ていきましょう。

なお、幼稚園・保育園は現在、「幼児教育・保育の無償化」2)により、3~5歳の子どもが幼稚園・保育所・認定こども園を利用する場合は原則無料となっているため、今回の総額では換算していません。

それぞれのパターンにおいて、小学校から高校までの教育費は以下のとおりです。私立の学校に通うことが多くなるほど、教育費が高くなることがわかるでしょう。

〈表〉進学パターン別教育費の総額1)

進学パターン教育費
小学校、中学校、高校すべて公立476万円
小中学校は公立、高校のみ私立630万円
小学校のみ公立、中学高校は私立905万円
小学校、中学校、高校すべて私立1,672万円
※千円以下は切り上げ

【進路別】高校卒業後の教育費

高校を卒業したあとの教育費はいくらかかるのでしょうか。高校卒業後の進路を国公立大学と私立大学、分野に分けた場合の教育費を以下の表にまとめたので、ご覧ください。

〈表〉大学別教育費の総額3)4)

大学教育費
国立大学243万円
私立大学文系学部401万円
私立大学理系学部544万円
私立大学医歯系学部2,346万円
私立短期大学200万円
※千円以下は切り上げ

教育費の口座名義は子どもと親どっち?

画像: 画像:iStock.com/takasuu

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教育費を貯める際、子どもと親の口座のどちらで貯めるべきか、迷う人もいることでしょう。結論からいうと、親名義で貯めることがおすすめです。

子ども名義の口座で貯蓄をする場合、一定の条件を満たしてしまうと贈与税がかかる可能性があるほか、児童手当の振込口座に指定できないなどの手間がかかることもあります。

また、子どもが20歳になったあとは、基本的に名義人本人しか各種手続きができないため、親が振り込みや引き出しなどの手続きをする際に、その都度委任状が必要になってしまいます。こうした点から、親名義で口座をつくっておくほうが、余計な手間がかからず管理が楽になるでしょう。

まとめ

教育費を貯めるなら、早い時期から取りかかるほど余裕が生まれます。公立と私立どちらの学校に通わせるかによって、教育費は大きく異なるため、子どもと一緒に相談しながら、進路を慎重に選んでいきましょう。

また、大学に進学する場合は、それまでと比べ大きな金額がかかることも覚えておきましょう。教育費の準備に困ったら、お金のプロであるファイナンシャルプランナーに相談してみることもおすすめです。子どもの将来のために、この記事で紹介したことをぜひ実践してみてください。

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