この記事では、ファイナンシャルプランナー・藤井亜也さん監修のもと、育休を取得できる期間や延長できるケース、申請方法や経済的な支援などを解説。短時間勤務など職場復帰したあとに活用できる制度もお伝えしますので、育休期間の確認、復職後の働き方の検討にお役立てください。
育児休暇(育休)とは?
育児休業は、育児・介護休業法第5条〜第9条1)で定められている労働者の権利で、雇用保険の被保険者であれば、子どもが1歳になるまで仕事を休業できます。
以下では、育休に関連する休業について説明します。
育児休業と育児休暇の違い
育児中の休業に関する休暇には育児休暇(育児目的休暇ともいいます)もあります。育休という略称から育児休業と育児休暇を混同してしまう方もいらっしゃいますが、2つは異なる制度です。その違いを表にまとめました。
〈表〉育児休業と育児休暇の違い2)
育児休業 | 育児休暇 | |
---|---|---|
根拠を示している法律 | 育児・介護休業法 | 育児・介護休業法 |
概要 | 条件を満たす労働者は、育児休暇を取得できる | 会社には育児休暇制度を設ける努力義務がある |
期間 | 産休が終了した翌日から、子どもが1歳になるまで(最長2歳まで延長可能) | 会社による |
手当・給与 | 育児休業給付金(雇用保険) | 会社による |
育児休業は雇用保険に入っていれば取得できるのに対し、育児休暇は企業の就業規則によっては取得できないこともあります。
育児休暇の場合、企業に対して「小学校に入る前の子どもがいる労働者が育児のために取得できる休暇を設けるように努める」という努力義務2)が課せられています。勤務先の就業規則などがそれに従っていれば、従業員は育児休暇を取得できます。ただし、あくまで努力義務のため、育児休暇がない企業もあります。また、取得できる期間や条件、取得した際の給与の支払いなどは企業ごとに異なるため、希望する際は確認しておくのがよいでしょう。
なお、育児休業と育児休暇は異なる制度となるため、どちらも取得することができます。
育休と産休の違い
育休の前に取得する産前産後休暇(以下、産休と略します)との違いも確認しましょう。
〈表〉産休と育休の違い3)
産休 | 育休 | |
---|---|---|
期間 | 出産予定日を含む6週間(双子以上は14週間)、産後8週間 | 原則、子どもが1歳になるまで(保育施設に入れない場合は2歳まで延長可能) |
対象者 | 女性労働者 | 男女労働者 |
条件 | 会社に雇用されていること | ・子どもの1歳の誕生日以降も引き続き働く予定であること ・子どもの2歳の誕生日の前々日までに労働契約の期間が満了し、契約が更新されないことが明らかでないこと |
根拠を示している法律 | 労働基準法 | 育児・介護休業法 |
期間中に支給される手当 | 出産手当金(健康保険より) | 育児休業給付(雇用保険より) |
産休と育休の違いは上記のとおりです。出産に伴って取得する休暇であることは同じですが、条件や定められている法律、支給される手当などは異なります。最も大きな違いは産休を取得できるのは女性労働者だけであるのに対し、育休は男性労働者も取得できる点です。
また、上記以外では任意・義務に違いがあります。前提として、産休は出産前後の期間に分けられ、産前休業は従業員の任意で取得するものですが、産後休業は企業が従業員に与える義務があります。
育休は産前休業と同様に従業員が希望した場合に任意で取得できるもので、取得の有無や期間は従業員が決めることができます。
なお、産休の取得期間やその間にもらえる給付金などについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。
【関連記事】【早見表】産休はいつから取れる? 平均取得日数や取得の流れ、延長まで紹介
育休の期間は、いつからいつまで取得できる?
ここからは育休の期間について詳しく解説していきます。
育休は産休が終了した翌日から子どもが1歳になるまで(1歳の誕生日の前日)の間に取得できます。期間は労働者が決めることができ、2回に分けて取得することも可能です。また、原則育休は、子どもが1歳になるまでの期間となりますが、保育施設に入れないなどの事情がある場合は育休期間を延長することもできます。
〈図〉出産から育休の終了までのスケジュール
様々な事情から子どもが1歳になった時点で復職が難しいこともあります。そのような場合は、最長で子どもが2歳になるまで育休を延長できます(※)。
育休の延長は半年間ずつ2回まで申請可能です。1回目の延長時に2歳まで期間を延長することはできません。1回目の延長は1歳6カ月までの期間、2回目の延長は1歳6カ月から2歳までの期間で申請を行います。
ただし、希望すれば必ず延長できるわけではありません。以下の条件を満たすことと、育休を延長する相応な理由があることが求められます。
※:以前は最長で1歳6カ月まででしたが、平成29年10月の法改正以降は2歳まで延長できるようになりました。
〈表〉育休を延長する条件と理由
詳細 | |
---|---|
条件 | ・子どもが1歳(もしくは1歳6カ月)になる誕生日の前日に両親のどちらかが育休を取得中であること(※) ・延長期間終了までに雇用契約の期間が満了しないこと |
理由(一例) | ・育休が終了する日までに子どもが保育施設に入れない ・子育てをする予定だった配偶者が何らかの理由で子育てできなくなった(第2子の妊娠・出産、死亡、負傷などで養育できなくなった、離婚などの事情で同居しないことになったなど) |
延長の申請方法については、後述する「育休の申請方法」で解説しています。
育休は2回に分割して取得することも可能
育休は以下のように2回に分けて取得することも可能です。育休の分割取得は令和4年4月の育児・介護休業法の改正4)により可能となった制度です。1回しか取得できなかった法改正以前に比べ、家族のライフスタイルに合わせた様々な形で育休を取得できるようになっています。
〈図〉育休を2回に分けて取得する例
「仕事の都合上、1度復職したい」「夫婦で順番に育休を取得したい」などの事情がある場合は、上の図のように2回に分けて育休を取得するのがよいでしょう。
出産が予定日とずれた時の育休期間
育休と産休は出産予定日を起点に会社に申請しますが、実際の出産日は予定日とずれることも多いです。
出産が予定日とずれた場合、育休期間は以下のように変わります。
〈図〉出産が予定日より10日早まった場合(予定日が4月13日の場合)
予定日より早く出産した場合も、育休の開始日と終了日はずれますが、育休の日数は変わりません。
〈図〉出産が予定日より10日遅れた場合(予定日が4/13の場合)
予定日より遅く出産した場合も、開始日と終了日が変わっても育休の日数は変わりません。
なお、出産日がずれた場合の育休期間の変更申請については、あらかじめ会社に確認しておきましょう。多くの会社では出産日を報告する以外の手続きは不要です。社会保険料の控除や育児休業給付金の取得期間が変わる場合の手続きは会社が行ってくれることが多いです。
ただし、出産が予定日とずれた場合、産休は日数が変わります。詳しくは以下の記事をご覧ください。
【関連記事】【早見表】産休はいつから取れる? 平均取得日数や取得の流れ、延長まで紹介
保育施設に入れず育休を延長するケース
ここでは、育休を延長する理由として多い、子どもが1歳になるまでに保育施設に入れず、育休を延長する場合について説明します。
まず、延長には市区町村が発行した「保育所入所不承諾通知書」や「利用調整結果通知書(保留)」の写しが必要になります。また認可外保育施設だけを申し込んでいる場合は、対象外となるため、注意しましょう5)。
下の図は4月13日生まれの子どもを保育施設に入れることができず、2歳まで育休を延長した場合です。
〈図〉保育施設に入れずに育休を延長する例
前述したように、育休の延長は半年間ずつ2回まで申請できます。1回目の延長は1歳6カ月までの期間、2回目の延長は1歳6カ月から2歳までの期間で申請をする必要あるので、手続きを忘れないようにしましょう。
育休の延長や、延長できなかった時の対応については、以下の記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
【関連記事】育児休業の延長はいつまで? 条件や手続き、申請書類や給付金についてまるっと解説
男性の育休期間はいつまで?
育休は男性も取得可能です。男性が取得できる育休期間は女性と変わりません。原則として出産日から、子どもが1歳になるまで(1歳の誕生日の前日)取得でき、最長で2歳になるまで延長することも可能です。
女性にだけ産休があるように、男性にも育休以外に育児のために取得できる休暇があります。これを利用することでより臨機応変に男性も育児と仕事の両立をすることが可能です。夫婦揃って育休を取得することで育休期間を伸ばすことが可能になっています。
産後パパ育休と育休の2種類がある
男性が育児のために取得できる休暇には、産後パパ育休(出生時育児休業)と育休の2種類があります。
産後パパ育休は、2022年4月の育児・介護休業法の改正4)によってスタートした制度で、妻が産後休業の期間中(出生後8週間以内)に取得することができます。産後パパ育休と育休の違いを表にまとめました。
〈表〉産後パパ育休と育休の違い4)
産後パパ育休 | 育休 | |
---|---|---|
対象期間・取得可能日数 | 子どもの出生後8週間以内に4週間まで取得可能 | 原則、子どもが1歳になるまで取得可能(最長2歳まで延長可能) |
取得回数 | 分割して2回まで | 分割して2回まで(延長した場合は再取得可能) |
申請期限 | 原則、休業開始日の2週間前まで | 原則、休業開始日の1カ月前まで |
産後パパ育休は産後8週間が対象ですが、取得できるのは最長4週間です。ただし、2回に分けて取得できるため、以下のように出産直後や産休が終わる時に分けて取得することもできます。
〈表〉産後パパ育休と育休取得のイメージ
産後パパ育休は休業2週間前までの申請で取得が可能である点も特長です。育休の場合、休業開始の1カ月前までに申し出を行わなければいけないのですが、産後パパ育休を利用すれば、出産予定日がずれた時でも、育休のスタート日をより柔軟に設定することができます。ただし、分割で2回取得する場合、申請は初回にまとめて行う必要があるのでその点は注意しましょう。
男性の育休については、以下の記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
【関連記事】【2023年最新】男性の育休期間の平均は? 法改正についても詳しく解説
パパ・ママ育休プラスで1歳2カ月まで育休を取得可能
妻と夫がそれぞれ育休を取得し、パパ・ママ育休プラスという制度を活用することで、子どもが1歳2カ月になるまで育休期間を延ばすことができます。
〈図〉1歳2カ月まで育休を取得する一例6)
保育施設に入所できないといった状況でなくても、育休を延長できる制度もあります。それが「パパ・ママ育休プラス」です6)。
パパ・ママ育休プラスを取得する条件は、以下になります。
〈表〉パパ・ママ育休プラスの取得条件
条件1:配偶者が、子が1歳に達するまでに育児休業を取得していること
条件2:本人の育児休業開始予定日が、子の1歳の誕生日以前であること
条件3:本人の育児休業開始予定日は、配偶者が取得している育児休業の初日以降であること
注意点としては、1人あたりの育休取得期間は変わらず最長1年間となっているので、女性の育休開始日と男性の育休開始日をずらす必要があります。
パパ・ママ育休プラスの詳細や、男性の育休期間の平均、男性が育休を取得するメリットなど、男性の育休に関する情報を以下の記事でもご紹介しています。併せてご覧ください。
【関連記事】【2023年最新】男性の育休期間の平均は? 法改正についても詳しく解説
【関連記事】【2022年最新】男性の育休はじつはメリットだらけ! 取得期間や助成金など、法改正も併せて制度の内容を解説
【関連記事】男性の育休中、給与はどうなる? 給付金の申請や計算方法を解説!
参考資料
公務員の育休期間は最長3歳まで
公務員の方も育休を取得可能です。ただし、会社員とは育休の期間や手当が異なります。以下に公務員の育休の特徴をまとめました。
〈表〉公務員の育休8)
期間 | 子どもが3歳を迎える前日まで |
---|---|
回数 | 原則として分割して2回まで可能 (特別な事情がある場合は3回以降も可能) |
給与 | 支払われない |
手当 | 子どもが1歳になるまで育児休業手当金が支給される (保育施設に入れない場合は最長2歳まで延長可能) |
共済掛金 | 全額免除される |
会社員の育休期間は原則として出産日から子どもが1歳になるまでですが、公務員は子どもが3歳になるまで育休を取得でき、延長手続きも不要です。ただし、育休中の手当は原則として子どもが1歳になるまで(保育施設に入れなかった場合でも2歳まで)しか支払われません。そのため、子どもが3歳になるまで育休を取得する場合は、手当をもらえない期間が発生します。
なお、地方公務員の方は育休制度が上記とは異なる場合があります。詳しくは勤務先の自治体でご確認ください。
公務員の男性の育休
公務員の男性も育休を取得可能です。期間や手当などは女性と変わりません。また、男性の場合は、産後パパ育休や育休のほかにも取得できる休暇があります。
〈表〉育休以外で公務員の男性が取得できる休暇7)
産後パパ育休 | 配偶者出産休暇 | 育児参加のための休暇 | |
---|---|---|---|
対象期間 | 子どもが生まれた日から57日間以内 | 出産のために入院した日から産後2週間まで | 出産予定日の6週間前から子どもが1歳になるまで |
取得可能日数 | 最長57日 | 合計2日間 | 合計5日間 |
給与 | 支払われない | 支払われる(有給) | 支払われる(有給) |
手当 | 育児休業手当金 | なし | なし |
産後パパ育休は、出産直後の時期が対象となる制度です。会社員にも同じ制度がありますが、取得可能日数が違います。会社員は最長4週間なのに対して、公務員は最長57日と長くなっています。
また、配偶者出産休暇と育児参加のための休暇は、産前から取得できる休暇で、どちらも1日単位、もしくは1時間単位で取ることが可能です。いずれも有給休暇扱いとなりますので、取得しても給与は減りません。
参考資料
育休を取得できる条件・雇用形態
仕事と育児を両立させるためには便利な育休ですが、取得するには条件があります。以下は、育休を取得できる条件と雇用形態です。
〈表〉育休の取得条件1)
条件1:子どもの1歳の誕生日以降も引き続き雇用されることが見込まれること
条件2:子どもの2歳の誕生日の前々日までに、労働契約の期間が満了しており、かつ、契約が更新されないことが明らかでないこと
この2つの条件をクリアしていれば育休は取得可能です。以前は「勤続1年以上」という条件もありましたが、令和4年4月の法改正で撤廃されました4)。
また、育休は雇用保険の被保険者であれば雇用形態を問わない制度です。雇用保険に加入していて上記の条件をクリアしていれば、契約社員や派遣社員、パート・アルバイトの方も育休を取得することができます。
【関連記事】育児休業給付金をもらう条件は? 申請の方法や注意点も解説
育休の申請方法
続いては、育休の申請方法と必要な書類、育休延長の申請方法を説明していきます。
育休は以下の手順で申請をします。
〈表〉育休を申請する流れ
【手順1】会社に妊娠を報告する
【手順2】産休・育休の期間を決定する
【手順3】産休・育休の関連書類を提出する
女性の場合、育休は産休と一緒に申請することが多いです。会社に妊娠を報告して、育休の取得期間を決めたら、必要な書類を記入して会社に提出します。その際に必要な書類は以下のとおりです。
〈表〉育休を申請する際に必要な書類(女性・男性共通)
・産休・育休の申請書類
・育児休業給付金支給申請書
・母子健康手帳の写し
・育児休業給付金の振込先となる通帳の見開きのコピー
上記4点を提出すれば、会社が育児休業給付金の申請手続きをしてくれます。
なお、育休には「取得する1カ月前まで」という申請期限がありますが、産休と一緒に申請する方は期限を心配する必要はないでしょう。あとから2度目の育休を取得する方や男性は期限にご注意ください。
育休延長の申請方法
育休を延長する際は、子どもが1歳の誕生日を迎える2週間前まで(再延長の場合は1歳6カ月になる翌日の2週間前まで)に書類を会社に提出します。
〈表〉育休を延長する際の必要な書類
・育児休業申出書
・延長の理由となる書類(保育施設に入れない場合は、自治体が発行する不承諾通知や利用調整結果通知書(保留)など)
ハローワークへの手続きは会社が対応してくれます。ご自身でハローワークに書類提出などをする必要はありません。育休の申請方法や育休延長の手続きについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【関連記事】育児休業の延長はいつまで? 条件や手続き、申請書類や給付金についてまるっと解説
【関連記事】育児休業給付金をもらう条件は? 申請の方法や注意点も解説
育休中の手当・経済的支援
育休中は雇用保険から育児休業給付金を受け取ることができます。給付金の金額は産休前の給与で変わり、以下の計算式で算出します。
〈表〉育児休業給付金の支給額8)
育休開始から180日(6カ月)まで | 休業開始時賃金日額×支給日数(※)×67% |
---|---|
育休開始から181日(6カ月)以降 | 休業開始時賃金日額×支給日数(※)×50% |
育休を6カ月以上取得すると育児休業給付金の金額が途中で変わる点にご注意ください。育休を延長した場合は、「育休開始から181日(6カ月)以降」の計算式で金額を算出します。
また、給付金には上限金額と下限金額が設定されています。令和6年7月31日までの上限金額、下限金額は以下のとおりです。
〈表〉支給上限額と支給下限額(支給日数が30日の場合)8)
育休開始から180日(6カ月)まで | 支給上限額:31万143円 支給下限額:5万5,194円 |
---|---|
育休開始から181日(6カ月)以降 | 支給上限額:23万1,450円 支給下限額:4万1,190円 |
そのほか、育休中に会社から給与が支払われると給付金の金額が減ることや支給されないこともあります。育児休業給付金について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【関連記事】育児休業給付金をもらう条件は? 申請の方法や注意点も解説
【関連記事】育児休業給付金の計算方法は? 延長時の金額や支給中の税金についても解説
【関連記事】育児休業給付金の上限は? 計算方法や2022・2023年の法改正も解説
参考資料
育休中は社会保険料が免除される
育休中は社会保険料が全額免除されます。対象期間は、育休を開始した月から終了した翌日の前月までです。育休中にボーナスが支給された場合、ボーナスが支給された月の末日を含んで1カ月以上連続で取得していれば社会保険料が免除されます9)。
育休から復職後に役立つ制度
「勤務時間を短くしたい」「子どもの体調が悪い時は育児を優先させたい」など、復職後のことが心配な方もいるでしょう。復職後の時短勤務や子どもが急病の際の欠勤などに関する様々な制度が設けられており、子育てをしながら働きやすい環境が整備されています。
〈表〉育休から復帰後に役立つ制度9)
詳細 | 期間 | |
---|---|---|
短時間勤務制度 | 従業員が希望した場合に、1日の勤務時間を6時間まで短縮できる | 子どもが3歳になるまで |
所定外労働の制限 | 従業員が希望した場合に、残業をなしにできる | 子どもが3歳になるまで |
子の看護休暇 | 子ども1人なら5日、2人以上なら10日まで休暇を取得できる | 子どもが小学校に入学するまで |
法定時間外労働の制限 | 従業員が希望した場合に、残業を1カ月24時間、1年150時間以下にできる | 子どもが小学校に入学するまで |
深夜業の制限 | 従業員が希望した場合に、午後10時から午前5時までの労働をなしにできる | 子どもが小学校に入学するまで |
「会社が希望を受け入れてくれるか心配」と気にされる方もいるかもしれませんが、ご安心ください。これらの制度は法律によって、会社は従業員が上記の制度を希望した場合に受け入れる義務があり、また該当の制度を理由とした不当な評価を行うことが禁じられています(介護・育児休業法第16条、第17条、第19条、第23条など)10)。時短勤務や休暇をためらわず、制度を利用しながら育児と仕事を両立させていきましょう。育休後の働き方については職場の先輩ママに相談するのもおすすめです。
参考資料
育休は子どもが1歳になるまで。復職後の支援も充実
育休は出産日から子どもが1歳になるまで取得でき、保育施設への入所が決まらない場合は最長で2歳になるまで延長が可能です。取得方法も2回に分けて取得できる、夫婦が共に取得すれば延長申請せずに1歳2カ月になるまで育休を取得できるなど、多様化しています。また、復職後は短時間勤務制度などを利用し、子育てと仕事を両立しながら働くことが可能です。
法律で子育てと仕事を両立しやすい環境が整備されていますし、勤務日数を減らす、リモートワークを認めるなど協力的な会社も増えています。
育休の期間や取得方法、復職後の働き方を考え、夫婦のライフスタイルに合わせた育児と仕事の両立を見つけていきましょう。