昨今、男性の育休取得が度々話題となりますが、実際の取得率は約1割程度に留まっています。また、取得率だけでなく取得する期間についても、まだまだ女性と比べると短いのが現状です。

ただ、2022年の4月には法改正が行われる予定となっており、育休の開始時期や期間を今よりも自由に設定できるようになるなど、より取得しやすくなることが予想されます。

そこで今回は、男性の育休がいつから取得開始できるのか、また取得できるのはどのくらいの長さなのか、その期間について法改正で変わるポイントも含めて詳しく解説します。

男性の育休期間について、すぐに確認したい場合は下記のまとめをチェック!

▼この記事のまとめ

  • 男性の育休取得期間は、出産予定日から子どもが1歳になる誕生日の前日まで
  • パパ・ママ育休プラスを利用すれば、1歳2カ月まで延長が可能
  • パパ休暇を利用すれば、2回に分割して育休を取得することが可能
  • 2022年10月からは育休と産後パパ育休を合わせて、最大で4回に分割して休業を取得可能
  • 育休を取得している男性のうち、期間が5日未満の割合は28.33%

この記事の監修者

藤井 亜也(ふじい あや)

株式会社COCO PLAN 代表取締役社長
ファイナンシャルプランナー。独立系FPとして20代~90代と幅広い年代のお客様の相談に対応。一人一人に心を込めて、最適なプランを提案し、多くのお客様のライフプランを実現。個別相談だけでなく、マネーセミナー、執筆・監修など幅広く活動中。著書に『今からはじめる理想のセカンドライフを叶えるお金の作り方』(三恵社)がある。

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そもそも育休とは

画像: 画像:iStock.com/itakayuki

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育休の期間について説明する前に、まずは「育休」がどんな制度なのかおさらいしておきましょう。

「育休」とは、育児・介護休業法によって定められた休業制度のことで、正式には育児休業といいます。これに対し、よく聞く育児休暇とは、各企業が定める育児のために取得できる休暇のことを指します。以下、この記事では「育児休業=育休」として解説していきます。

基本的に育休は男女問わず取得でき、男性の場合には配偶者の出産予定日から、子どもが1歳の誕生日を迎える前日までの間で取得することができます。女性の場合は出産後「産後休業」が始まるのに対し、男性はすぐに育休が始まるため、覚えておくとよいでしょう。

〈図〉夫婦の育児休業期間の違い

画像: そもそも育休とは

なお、保育園に入所できないなどの特定の条件を満たす場合には、最長で子どもが2歳の誕生日を迎える前日まで延長することが可能です。

育休のメリットを最大限に享受するには、どんな制度なのか、またどんな手続きが必要なのか把握しておくことが大切です。下記記事では育休制度について詳しく解説していますのでぜひご覧ください。

【関連記事】男性の育休に関する様々な制度や、メリットについて詳しくはコチラ

男性の育休期間の平均はどのくらい?

画像: 画像:iStock.com/ Yuji_Karaki

画像:iStock.com/ Yuji_Karaki

次に、実際の男性の育休期間について紹介しますが、現状、男性の育休期間の平均については公的なデータがありません。

参考として、厚生労働省の令和2年度雇用均等基本調査1)によると、育休を取得した男性のうち、育休期間が5日未満だった方の割合が28.33%となっています。

また、同調査によれば男性の育休取得率は12.65%です。令和元年の調査では7.48%だったため、割合としてはまだ少ないものの、確実に増加していっていることがわかります。一方、取得しているとはいえ、その期間についてはまだ十分ではないと言えるでしょう。

【2022年4月】男性の育休取得期間はもっと自由になる

画像: 画像:iStock.com/ kyonntra

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男性の育休については、より取得しやすい環境を整えるため、国や企業が様々な取り組みを進めています。

特に2022年4月の法改正では、育休期間の変更のほか、企業側から対象となる社員に育休の取得を働きかけることが義務化されたり、従業員1,000人超の企業については育休取得率の公表が義務付けられ、今後さらに環境が改善されていくことが期待されます。

育休期間の変更については、この後詳しく解説していきます。

男性が育休を取得できる期間はいつからいつまで?

画像: 画像:iStock.com/kohei_hara

画像:iStock.com/kohei_hara

前述で男性の育休の取得は、配偶者の出産予定日からと説明しましたが、これは必ずしも出産予定日から開始しなければいけないということではありません。

育休は基本的に希望する期間に基づいて開始できるため、たとえば女性の退院に合わせて育休を開始することも可能なのです。

そこで知っておいていただきたいのが、「パパ・ママ育休プラス」や「パパ休暇」といった、男性が育休を取得しやすくするための制度です。それぞれ詳しく説明していきます。

パパ・ママ育休プラスとは

パパ・ママ育休プラスは、夫婦どちらもが育休を取得することにより、原則子どもが1歳になるまでの育休を1歳2カ月になるまで延長できる制度です。

注意点としては、1人あたりの育休取得期間は変わらず最長1年間となっているので、女性の育休開始日と男性の育休開始日をずらす必要があります。

パパ・ママ育休プラスの取得要件は以下のとおりです。

①配偶者が、子が1歳に達するまでに育児休業を取得していること
②本人の育児休業開始予定日が、子の1歳の誕生日以前であること
③本人の育児休業開始予定日は、配偶者が取得している育児休業の初日以降であること

具体的には、以下のようなパターンで育休を取得することが可能です。2)

① 夫婦が一緒に、長い期間育休を取りたい場合

画像1: パパ・ママ育休プラスとは

1人あたりの育休期間が最長1年に収まる期間であれば、育休開始のタイミングをずらすことでパパ・ママ育休プラスが適用されます。

② 妻の復職のタイミングで、夫が交代して育休を取りたい場合

画像2: パパ・ママ育休プラスとは

子どもが1歳になる誕生日の前日までに育休を開始すれば、夫婦で期間が被っていなくてもパパ・ママ育休プラスが適用されます。

③ 祖父母等が子どもの面倒を見てくれる期間は、夫婦ともに働き、その後交代で育休を取りたい場合

画像3: パパ・ママ育休プラスとは

同じく、子どもが1歳になる誕生日の前日までに育休を開始すれば、夫婦で期間が被っておらず、間が空いていてもパパ・ママ育休プラスが適用されます。

パパ休暇とは

パパ休暇は、女性の産後休業中に男性が育休を取得することで、原則1度しか取得できない育休をもう1度取得できる制度です。

パパ休暇の取得要件は以下のとおりです。

①子の出生後8週間以内に育児休業を取得していること
②子の出生後8週間以内に育児休業が終了していること

イメージとしては、下記のような育休の取り方となります。

〈図〉パパ休暇の取得イメージ

画像: パパ休暇とは

しかしながら、このパパ休暇については2022年10月に施行される育児・介護休業法により、廃止される予定となっています。

その代わりに、「産後パパ育休(出生時育児休業)」という新しい制度が創設されます。

産後パパ育休とは

産後パパ育休(出生時育児休業)は、現行のパパ休暇に代わり、女性の産後休業の期間(出生後8週間以内)に最長4週間まで、分割して2回休業を取得できる制度です。

これまで育休の範囲だったパパ休暇とは異なり、育休とは別に取得が可能なため、必要な時期に休業できるのがメリットとなっています。

また、これに合わせて育休にも変更点があります。現状パパ休暇を使わない限り分割が不可となっているところ、2022年10月からは特別な制度を利用しなくても、分割して2回取得が可能となるのです。

これにより、男性の育休はさらに自由度の高い取得の仕方が可能になります。現行の育休制度と比較して、具体的なパターンを見てみましょう。

〈図〉現行の育休取得イメージ 3)

画像1: 産後パパ育休とは

〈図〉産後パパ育休と改正後の育休取得イメージ 2)

画像2: 産後パパ育休とは

比較すると、かなり自由度が上がっているのがわかるでしょう。

また、図でも示したとおり、じつは1歳以降の育休についても変更があります。内容としては、延長する際、現行では育休開始日が1歳もしくは1歳半の時点に限定されているのに対し、新しい育休では柔軟に設定できます。

なお、産後パパ育休の期間も育児休業給付(出生時育児休業給付金)の対象となっています。

男性の育休開始時期は変更できる?

画像: 画像:iStock.com/Yue_

画像:iStock.com/Yue_

ここまで男性の育休がいつからいつまで取得できるのか、その期間について説明してきましたが、「出産予定日から」という開始のタイミングについて、「実際の出産日がずれた場合はどうなるのだろう?」と疑問に思う方もいるでしょう。

基本的には、育休の開始日は会社に申請することで変更が可能なため、繰り上げや繰り下げができます。出産予定日から実際の出産日が前後した際のそれぞれの場合について説明します。

出産予定日より前に出産した場合

会社に申請をすることにより、育休の取得開始日を繰り上げることが可能です。

しかし、申請の期限が「変更後の育休開始希望日の1週間前まで」と定められており、期限を過ぎてしまった場合には、申請を提出した日の翌日から1週間以内の期間で、会社側が開始日を指定することができます。

〈図〉男性の育休開始日繰り上げのイメージ

画像: 出産予定日より前に出産した場合

出産予定日より後に出産した場合

会社との相談次第で、育休の取得開始日を繰り下げることも可能ですが、繰り下げを行わない場合には、当初の出産予定日が育休の開始日になります。

この場合も「子どもが1歳になる誕生日の前日」までという育休の期間は変わらないため、最長で育休を取得すると休業が1年以上になることもあります。

ただし、育児休業給付金については出産日からが対象となるため、出産予定日から育休を開始していても、実際の出産日までの間は給付の対象とならない点に注意しましょう。

パパ休暇を取得予定だった場合

前述で紹介したパパ休暇は、出産直後の時期が対象となる制度です。そのため、出産が予定日からずれた場合には、パパ休暇の1回目の対象期間も変更になります。それぞれの期間は以下のとおりです。

  • 出産予定日より前に出産した場合
    出産日から出産予定日の8週間後までが対象
  • 出産予定日より後に出産した場合
    出産予定日から出産日の8週間後までが対象

整備されていく法律とともに、私たちも正しい知識を身につけよう

今日本では、男性の育休をもっと取りやすくするために様々な制度が整備されつつある状況です。しかしながら、制度は利用しなければ意味がありません。

私たち一人ひとりも、正しい知識を身につけておくことで、自分たちのライフスタイルに合った育休を取得できるよう、準備していきましょう。

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