ライフステージが変われば、それに応じて必要な生活費も変わるものです。では、様々な家族構成における、世間一般の生活費の平均は、それぞれどれくらいなのでしょうか。「みんなの生活費の内訳はどうなっている?」「理想的な生活費のバランスは?」といった疑問を抱いている人もいるでしょう。

この記事では、ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さん監修のもと、世帯人数別、世代別など各種の生活費の統計情報を解説するとともに、生活費の理想的な配分についても紹介します。

※:この記事では、税金や社会保険料などを除いた“消費支出”のことを「生活費」と表現しています。家賃や光熱費・水道費、食費などは含んでいますが、貯蓄や資産運用への投資金額などは含んでいないのでご承知ください。

※この記事は2024年5月23日に公開した内容を最新情報に更新しています。

この記事の監修者

氏家 祥美(うじいえ よしみ)

ハートマネー代表。ファイナンシャルプランナー・キャリアコンサルタント。子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持ち、「幸福度の高い家計づくり」を総合的にサポートしている。オンラインでの家計相談やマネー研修も実施中。

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生活費の平均は約28万円/月

画像: 画像:iStock.com/years

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まずは、生活費の平均を紹介します。総務省の「家計調査年報(家計収支編)2024年(令和6年)」1)から勤労者世帯のデータを参考に見ていきます。

※:「家計調査年報」の調査対象には、持ち家がある世帯が含まれているほか、住宅ローンを消費支出に含めていないといった理由から「住居」の金額が低めになっています。

1カ月・1年間の生活費の平均は?

「家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)」1)によると、勤労者世帯全体の毎月の実収入(額面月収)の平均は54万2,886円です。税金や社会保険料などの非消費支出は9万6,289円なので、実収入から非消費支出を引いた手取り月収(可処分所得)は44万6,596円(※)となります。

一方、生活費(税金や社会保険料などの非消費支出を除いた消費支出)の平均は27万5,568円となっています。

〈表〉勤労者世帯の手取り月収と生活費の平均

手取り月収(実収入−非消費支出)44万6,596円
生活費(消費支出)27万5,568円

全体で見ると、手取り月収の約62%が生活費に充てられている計算です。この比率を、月収に対する生活費の割合の目安と考えてもいいでしょう。

1カ月分の生活費の平均を12倍すると330万6,816円です。これを1年間の生活費の平均の目安と考えていいでしょう。

※:可処分所得とは、収入から税金や社会保険料などの支払いを差し引いた所得で、いわゆる「手取り」の部分を指す。
生活費を四捨五入しているため、可処分所得の金額は全体の金額と一致しない場合がある。

20〜60代の生活費の平均は?

生活費の平均は、年代によっても異なります。同調査の世帯主の年代別のデータ2)を見てみましょう。

〈表〉勤労者世帯の年代別生活費の平均

年代
(年齢階級)
手取り月収
(可処分所得)
生活費
(消費支出)
生活費の割合
(※)
29歳以下32万677円17万6,866円約55%
30〜39歳44万381円24万6,671円約56%
40〜49歳53万323円30万6,379円約58%
50〜59歳48万8,452円30万5,710円約63%
60〜69歳38万2,690円28万7,516円約75%
※:生活費の割合は小数点第一位以下を四捨五入。

年代が上がるにつれて、生活費の割合が増えていくことがわかります。特に60代は、リタイアして収入が減る人の割合が増えるため、生活費の割合が高くなっています。

地域による生活費の平均は?

また生活費の平均は、住んでいる地域によっても変わります。同じく「家計調査報告」の「都市階級・地方・都道府県庁所在市別」2)のデータを見てみましょう。

〈表〉勤労者世帯の地域別生活費の平均

都市名生活費(消費支出)
札幌市25万4,429円
さいたま市33万7,033円
東京都区部29万5,158円
名古屋市25万5,346円
大阪市25万4,603円
福岡市24万2,776円

各都市で比較すると、さいたま市の生活費が最も高くなっています。次点の東京と比較すると、保健医療、教育、教養娯楽(特に教養娯楽用耐久財)が高くなっていることから、子どもがいる世帯が多く、生活費に影響しているのだと考えます。

また、地域ごとの特性が出やすいのが「住居」や「光熱・水道」といった費目です。たとえば、札幌市の「光熱・水道」の占める割合がほかの都市に比べ高めになっており、冬の暖房費がかかることが推察されます。

世間一般の1カ月の生活費の内訳は?

画像: 画像:iStock.com/takasuu

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つぎに、勤労者世帯の平均的な生活費の内訳を見てみましょう2)「食料」が占める割合が約27%と最も大きく、「その他の消費支出」「交通・通信」「教養娯楽」が続きます

〈表〉勤労者世帯の手取り月収と生活費の平均

手取り月収(可処分所得)44万6,596円
生活費(消費支出)27万5,568円
生活費の内訳食料7万3,128円 約27%
住居2万3,368円 約8%
光熱・水道1万8,681円 約7%
家具・家事用品1万326円 約4%
被服及び履物9,621円 約3%
保健医療1万1,879円 約4%
交通・通信4万826円 約15%
教育1万1,978円 約4%
教養娯楽2万8,487円 約10%
その他の消費支出4万7,275円 約17%
※:赤字は生活費(消費支出)に対する割合。生活費の割合は小数点第一位以下を四捨五入。
生活費の各項目の金額は四捨五入しているため、合計しても全体の金額と一致しない場合があります。

【一人暮らし】1カ月の生活費の平均と内訳は?

画像: 画像:iStock.com/miya227

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続いて家族構成別の生活費の平均と内訳を見てみましょう。まずは、一人暮らしの生活費の平均と内訳です2)

〈表〉一人暮らしの手取り月収と生活費の平均(勤労者世帯)

手取り月収(可処分所得)30万5,863円
生活費(消費支出)18万3,950円
生活費の内訳食料4万5,750円 約25%
住居3万1,415円 約17%
光熱・水道1万1,142円 約6%
家具・家事用品5,060円 約3%
被服及び履物5,992円 約3%
保健医療8,302円 約5%
交通・通信2万3,806円 約13%
教育8円 約0%
教養娯楽2万2,640円 約12%
その他の消費支出2万9,834円 約16%
※:赤字は生活費(消費支出)に対する割合。生活費の割合は小数点第一位以下を四捨五入。
生活費の各項目の金額は四捨五入しているため、合計しても全体の金額と一致しない場合があります。

一人暮らしの生活費の特徴は、子どもがいないため「教育」に該当する費用がほとんどかかっていない点です。また、2人暮らし以上の世帯と比べると、相対的に「住居」(2人暮らしは約8%)が占める割合が高くなっています。

なお、一人暮らしの生活費の詳細や理想のバランス、一人暮らしならではの節約方法については、以下の記事を併せてご参照ください。

【関連記事】一人暮らしの生活費の平均は月18万円。内訳について、詳しくはコチラ

【2人暮らし】1カ月の生活費の平均と内訳は?

画像: 画像:iStock.com/AzmanL

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続いて、夫婦2人暮らしの生活費の平均と内訳です1)。なお、「家計調査報告」の2人暮らし世帯には、夫婦以外の世帯も含まれている点はご承知ください。

〈表〉2人暮らしの手取り月収と生活費の平均(勤労者世帯)

手取り月収(可処分所得)44万3,200円
生活費(消費支出)29万9,117円
生活費の内訳食料7万6,010円 約25%
住居2万4,405円 約8%
光熱・水道2万305円 約7%
家具・家事用品1万2,705円 約4%
被服及び履物9,370円 約3%
保健医療1万3,961円 約5%
交通・通信4万7,274円 約16%
教育1,353円 約0%
教養娯楽2万9,552円 約10%
その他の消費支出6万4,182円 約21%
※:赤字は生活費(消費支出)に対する割合。生活費の割合は小数点第一位以下を四捨五入。
生活費の各項目の金額は四捨五入しているため、合計しても全体の金額と一致しない場合があります。

2人暮らしの生活費の特徴は、一人暮らしの場合と同様に子どもがいないため、「教育」に該当する費用がほとんどかからないことです。また、一人暮らしの場合に比べ、「食料」は約1.7倍、「光熱・水道」は約1.8倍、「交通・通信」は約2倍に増えています(一人暮らしの「食料」は4万5,750円、「光熱・水道」は1万1,142円、「交通・通信」は2万3,806円)。

なお、2人暮らし夫婦の生活費の詳細や理想のバランス、2人暮らしならではの節約方法については、以下の記事を併せてご参照ください。

【関連記事】夫婦2人暮らしの生活費の平均は月30万円。内訳について、詳しくはコチラ

【3人家族】1カ月の生活費の平均と内訳は?

画像: 画像:iStock.com/kokouu

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続いて、3人家族の生活費の平均と内訳です1)

〈表〉3人家族の手取り月収と生活費の平均(勤労者世帯)

手取り月収(可処分所得)51万6,456円
生活費(消費支出)31万8,904円
生活費の内訳食料8万5,616円 約27%
住居1万9,564円 約6%
光熱・水道2万3,119円 約7%
家具・家事用品1万3,462円 約4%
被服及び履物1万862円 約3%
保健医療1万4,024円 約4%
交通・通信4万8,012円 約15%
教育1万6,510円 約5%
教養娯楽2万9,188円 約9%
その他の消費支出5万8,546円 約18%
※:赤字は生活費(消費支出)に対する割合。生活費の割合は小数点第一位以下を四捨五入。
生活費の各項目の金額は四捨五入しているため、合計しても全体の金額と一致しない場合があります。

3人家族といえば、夫婦と子ども1人という組み合わせが多いと考えられます。そんな3人家族の生活費の特徴は、子どもがいることにより、2人暮らしと比較して「教育」の支出が多いことです。また、手取り月収が増えていることも特徴といえるでしょう。

なお、3人暮らし家族の生活費の詳細や理想のバランス、節約方法については、以下の記事を併せてご参照ください。

【関連記事】3人家族の生活費の平均は月32万円。内訳について、詳しくはコチラ

【4人家族】1カ月の生活費の平均と内訳は?

画像: 画像:iStock.com/ Yagi-Studio

画像:iStock.com/ Yagi-Studio

続いて、4人家族の生活費の平均と内訳です1)

〈表〉4人家族の手取り月収と生活費の平均(勤労者世帯)

手取り月収(可処分所得)59万1,292円
生活費(消費支出)34万5,089円
生活費の内訳食料9万6,023円 約28%
住居1万5,394円 約4%
光熱・水道2万3,520円 約7%
家具・家事用品1万2,979円 約4%
被服及び履物1万3,728円 約4%
保健医療1万3,631円 約4%
交通・通信5万2,352円 約15%
教育3万2,349円 約9%
教養娯楽3万4,826円 約10%
その他の消費支出5万287円 約15%
※:赤字は生活費(消費支出)に対する割合。生活費の割合は小数点第一位以下を四捨五入。
生活費の各項目の金額は四捨五入しているため、合計しても全体の金額と一致しない場合があります。

4人家族といえば、夫婦と子ども2人という組み合わせが多いと考えられます。そのため、3人家族の生活費と比較すると、「教育」の費用が倍増しています。

なお、4人家族の生活費の詳細や理想のバランス、節約方法については、以下の記事を併せてご参照ください。

【関連記事】4人家族の生活費の平均は月35万円。内訳について、詳しくはコチラ

年代別で見る平均生活費

では、年代別ではどのような違いがあるのでしょうか。「家計調査報告」1)の勤労者世帯のデータから世帯主の年代(年齢階級)別の情報を抽出しました。

〈表〉年代別の生活費の内訳(勤労者世帯)

世帯主の年代29歳以下30〜39歳40〜49歳50〜59歳60〜69歳70歳以降
手取り月収(可処分所得)32万677円44万381円53万323円48万8,452円38万2,690円32万7,406円
生活費(消費支出)17万6,866円24万6,671円30万6,379円30万5,710円28万7,516円24万720円
生活費の内訳食料4万1,133円6万6,432円8万3,731円7万9,884円7万6,511円6万9,356円
住居3万5,359円3万233円2万963円1万8,559円2万53円1万8,093円
光熱・水道9,001円1万6,069円2万144円2万557円2万2,049円2万699円
家具・家事用品5,875円9,704円1万1,457円1万566円1万2,082円9,843円
被服及び履物6,814円1万166円1万1,801円9,942円8,335円6,294円
保健医療8,332円1万984円1万1,537円1万1,977円1万4,963円1万4,042円
交通・通信2万582円3万6,608円4万4,909円4万6,635円4万5,790円3万2,879円
教育178円4,661円2万1,855円1万9,652円4,038円208円
教養娯楽2万4,269円2万8,792円3万2,724円2万8,897円2万6,337円2万2,778円
その他の消費支出2万5,323円3万3,022円4万7,258円5万9,040円5万7,358円4万6,528円

手取り月収は40〜49歳、50〜59歳がほかの世代に比べて大幅に多い一方で、生活費も最も多くなっています。この2つの年代は教育費も高くなっていることから察するに、子育て世帯で家族の人数が多いことがその原因と考えられます。

【項目別】消費支出を減らす方法

毎月の固定費や変動費を見直すことは節約につながります。以下の7つの項目について取り入れやすいコツをそれぞれ紹介します。

ほかの項目についてもコツを知りたい人は、以下の記事で詳しく紹介しているので併せてご覧ください。

【関連記事】節約アドバイザーが教える「簡単にできる節約術30選」について、詳しくはコチラ

①住居費

意外と知られていませんが、賃貸契約の更新をするタイミングで、大家さんや管理会社に家賃交渉をすることができます。

契約を更新して今の住居に住み続けることを考えている場合は、「家賃を下げてほしい」「更新料を値下げしてほしい」と大家さんや不動産会社に話してみましょう。

また、持ち家で住宅ローンを返済中の場合、住宅ローンの繰り上げ返済や借り換えをすると節約につながることがあります

住宅ローンの繰り上げ返済をすると、繰り上げた分だけ将来支払う予定だった金利の負担がなくなります。今の支出は増えますが、将来の支出が減り、金利分を節約できるでしょう。

【関連記事】ローンの繰り上げ返済について、詳しくはコチラ

②光熱費・水道費

電気代を節約するなら、まずは暖房・冷房の使い方を見直すことがおすすめです。

一般的にエアコンは設定温度を1℃変えると消費電力が10%ほど変わるといわれています。夏は温度を下げすぎない、冬は温度を上げすぎないことを意識しましょう。フィルターに汚れが溜まるとエアコンの効き具合が悪くなるため、こまめにフィルター掃除をすることも大切です。

【関連記事】エアコンの冷房の節電術について、詳しくはコチラ

【関連記事】暖房費の節約術について、詳しくはコチラ

③通信費

スマートフォンや自宅で契約しているインターネットの料金プランを見直すことで、毎月の通信費を減らすことができるかもしれません。まずは通信会社のウェブサイトにある料金シミュレーションを活用してみましょう。

シミュレーション結果で今より安くなる料金プランがあれば、プランの変更をおすすめします。なお、料金プランは頻繁に変わるので、定期的な見直しを心がけましょう。また、格安SIMに乗り換えるのも一手です。

【関連記事】スマホ代を節約する方法について、詳しくはコチラ

④食費

食費は生活費の中でも大きな割合を占める項目です。現在物価が上昇するなか、今までと同じ暮らしをしていると食費が上がることは避けられません。自炊をせずに、外食やテイクアウトなどが中心の生活を送っている場合は、その頻度を減らすだけでも大きく費用を抑えることができるでしょう。

また、自炊をする際にはスーパーなどで買い物をする回数を減らすと、無駄な買い物が少なくなります。「美味しそうで、買う予定がなかったものまで衝動買いしてしまった」という経験をしたことがある人は少なくないでしょう。買い物に行く回数を減らせば、このような衝動買いを減らすことにつながります。毎日買い物をしている人は、3日に1回程度に減らすことから始めてみましょう。

【関連記事】世帯人数別の食費の節約術について、詳しくはコチラ

⑤交通費

電車やバスに乗る際に乗車料金を現金で支払っている人はSuicaなどの交通系ICを利用することで交通費を節約できることがあります。

JR東日本の場合、180円の区間は交通系ICだと178円で乗車できます。このように交通系ICを使えば切符を購入するよりも安く乗車できることが少なくありません(一部、切符のほうが安い区間もあります)。

また、交通系ICには独自のポイント制度がある場合があり、運賃が安くなる以外にもメリットがあります。さらに、交通系ICをApple PayやGoogle Payに登録してクレジットカード払いでチャージすれば、チャージした分だけクレジットカードのポイントが貯まります。

⑥被服及び履物費

セールで商品を買う時は、安いことに惑わされないで、本当に必要なものだけを買うことを心がけましょう。

また、フリマアプリを活用して洋服を購入したり、不要になった洋服を売ったりして服飾費を節約するのも一手です。欲しい洋服を見つけた時などに、フリマアプリで安く販売されていないか一度チェックしてみましょう。数回しか着用していない商品が定価より安く販売されていることがあります。時には新品が定価以下で売っていることもあり、お店で買うよりも安く買い物ができる場合があります。

【関連記事】フリマアプリの活用法について、詳しくはコチラ

⑦医療費・保険料

医療費の節約術としておすすめしたいのは、かかりつけ医を持つことです。初めて行く病院は初診料がかかって医療費が通常より高くなりやすく、特に大病院は初診料などの自己負担額が高くなる傾向があります。かかりつけ医を持ち、体調が悪い時は毎回同じ病院に通うほうが長い目で見てもいいでしょう。

また、生命保険に加入している人は、定期的に保険の見直しを行うことが大切です。特にライフステージや家族構成に変化があった場合は、見直しのタイミングとされています。その時の状況に応じた必要な保障となっているかどうかや、保障内容が似た保険に複数加入していないか、一度加入状況を整理してみましょう。

保険の見直しの際は、保険の専門家に相談してみましょう。保険料や保障など、現在の状況に合わせた提案をしてもらえます。

保険の見直し相談

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ズボラさんにおすすめ! 家計管理のコツ

家計の管理をすることには4つのコツがあります。まず毎月の収支を理解すると、どこで無駄遣いをしているのかがわかりますし、無理なく貯金することが可能になります。また、複数の口座を整理・把握することで、日々の支払いがスムーズになります。「カードの引き落とし日なのに、口座にお金が入ってない!」などと、慌ててお金の出し入れをする必要もなくなるので、結果として時間の節約にもつながります

これから家計の管理を始めようという人はつぎのことに取り組んでみましょう。

以下でそれぞれについて詳しく説明します。

①家計管理の目的を決める

まずは家計管理をする目的を決めることが大切です。具体的な目的がないと、モチベーションが上がらず、家計管理は続きません

目的は貯金を増やしたいという漠然としたものではなく、できるだけ明確にしましょう。たとえば、「子どもが中学生になるまでに大学資金を貯める」「自分が定年退職を迎えるまでに老後資金を貯める」など、ライフプランに合わせた目的を決めるのが理想です。

②毎月の収支を確認する

家計を管理するには、毎月の収支を把握することが必要です。そのために家計簿をつけてみるのも一手でしょう。1~3カ月ほど家計簿をつければ、毎月、何にどのくらいのお金をかけているのか、理解することができます。

家計管理におすすめなのは、スマホで簡単に家計を管理できる家計簿アプリです。無料で使えて、レシート読み取り機能や口座連携機能といった便利な機能があるので、一度試してみてもいいでしょう。

【関連記事】無料の家計簿アプリについて、詳しくはコチラ

③毎月の予算を決める

毎月の生活費を把握したら、つぎに毎月の予算を決めます。特に、食費や被服及び履物費といった、毎月変動しがちなものについては、予算を決めることで使いすぎを防ぐことができます。

また、固定費の負担が重すぎると、食費など自由に使える変動費の予算が少なくなります。やりくりしても苦しい場合には、固定費を思い切って見直して、変動費により多くのお金をまわせるように工夫しましょう。

④支払い方法を整理する

最後に収支の把握をスムーズにするため、支払い方法と口座を整理します。会社で給与振り込み用につくった口座やカード支払い用の口座が複数ある人も少なくないかと思いますが、用途によって整理したほうが収支を把握する手間が減ります

家計管理のコツについてもっと知りたい人は以下の記事で詳しく説明しているので、併せてご覧ください。

【関連記事】家計を管理するコツについて、詳しくはコチラ

FPが教える! 理想的な生活費の内訳バランスは?

画像: 画像:iStock.com/Violka08

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世間一般の生活費の平均や内訳がわかったところで気になるのは、生活費の理想的なバランスでしょう。家族や自分自身の将来に備えるために貯金をしておきたいと考えているなら、しっかりと家計を管理しなければいけません。

そこで実践していただきたいのが、生活費の見直しです。具体的には、将来へ備える分をあらかじめ考慮に入れて、収入に対する生活費の割合を決めることから始めましょう。

ここでは生活費だけに注目するのではなく、毎月の手取り月収に対する支出の理想的なバランスを紹介します。

〈表〉理想の支出バランス(監修者作成)

費目バランスの目安
住居(家賃/住宅ローン)手取り月収の20~25%
食費手取り月収の15%程度
通信費収入や家族構成、ライフスタイルに応じて調整
光熱費・水道費
交通費
保険料
雑費(日用品費など)
小遣い
不定期な支出手取り月収の10%程度
貯蓄手取り月収の10%以上

①住居(家賃/住宅ローン):手取り月収の20~25%

前述の「家計調査年報」1)では、「住居」の金額が低め(手取り月収の約8%)になっていますが、国土交通省「令和5年度 住宅市場動向調査」3)によれば、住宅を購入した人は注文住宅で74.8%、分譲戸建住宅で61.6%、分譲集合住宅で54.8%が住宅ローンを活用しています。その平均返済額は注文住宅で月額約12万9,333円、分譲戸建住宅で月額約10万4,167円、分譲集合住宅で月額約10万3,000円となっています。

また、賃貸の場合、家賃の平均は月額7万8,737円、共益費の平均は月額4,614円と記載されています。合計すると平均は月額8万3,351円です。

このデータからもわかるように、「家計調査報告」のデータよりも実際は多く支払う人が多いはずです。そのため手取り月収の20~25%が、家賃や住宅ローン(マンションの管理費や修繕積立金を含む)の目安となるでしょう

②食費:手取り月収の15%程度

手取り月収に対して食費が占める割合は15%程度が目安になります。外食を多くしたい、食の質にこだわりたいなど、ライフスタイルによって食費のバランスは、ある程度調整してもいいでしょう。近年、食材価格も外食費も値上がり傾向にあります。油断すると食費が膨らみやすいので気を付けましょう。

③不定期な支出:手取り月収の10%程度

冠婚葬祭にかかる費用や帰省費用、家具家電の買い替えなど、毎月かからなくとも年単位で見れば発生する可能性が高い支出(不定期な支出)については、毎月積み立てをしておくと家計の管理がしやすくなります。金額は手取り月収の10%程度が目安となります。年末に余った分を貯蓄にまわすことも可能です。

④貯蓄:手取り月収の10%以上

将来への備えをするなら、家族構成にかかわらずできれば手取り月収の10%は貯蓄にまわしたほうがいいでしょう。あらかじめ割合を決めておけば、給与が振り込まれた時点で「先取り貯金」もしやすくなります。

⑤通信費、光熱費・水道費、交通費、保険料、雑費、小遣い

これらの項目は、家族構成やライフスタイルに合わせて金額の調整が必要になる支出です。通信費、光熱費・水道費は家族構成によって平均は算出できるので、目安としましょう。一方で、交通費、保険料、雑費、小遣いについては、具体的な目安がある費目を先に計算してから、残りの金額で配分を考えるといいでしょう。

【関連記事】生命保険料の平均はいくら? 年代・家族構成・年収別に徹底解説!

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平均はあくまでも目安。無理のない家計管理を心がけよう

画像: 画像:iStock.com/kazuma seki

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ここで紹介した生活費の平均や内訳の比率は、一人暮らしから複数の子どもがいる家族まで、すべての世帯を対象としたものです。また、収入の幅も広いため、あくまでも目安として考えましょう。

家計を管理する上で大切なのは、収入や家族構成、ライフスタイルに合わせて無理のない計画を立てることです。自分で計画を立てるのが難しいと感じている場合は、信頼できる専門家に相談してみることをおすすめします。

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