長い人生が待ち受ける20代の方の中には、漠然とした将来への不安を抱いている人も多いと思います。なかでも気になるのが、お金や仕事に関する不安でしょう。貯金はどれくらい必要なのか、収入は上がっていくのか、今の仕事をそのまま続けて大丈夫なのか、一度は考えたことがあるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、ファイナンシャルプランナー兼キャリアコンサルタントの氏家祥美さん監修のもと、将来的にかかる費用や職業別の収入の見通しをデータで参照しながら、将来の不安を払拭する方法を解説します。

将来に不安を抱えている人の割合は?

将来のことを考えると、漠然とした不安に襲われる人は多いものです。実際のデータを参照しながら、20代がどんな不安を抱えているのかを紹介します。

将来に不安を抱えている20代は7割以上

キャリア転職サイト「20’s type」が20代に向けて行ったアンケートによると、「自分の将来に不安を感じることはありますか?」という質問に対し、「ある」と答えた人は75%でした1)

不安に駆られると、つい「自分だけが不安なのかな?」と思ってしまう人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。大多数の20代が、将来に不安を抱えながら日々を送っているのです。

〈図〉20代の将来の不安

画像: 将来に不安を抱えている20代は7割以上

将来の不安ランキング 1位は「お金」、2位は「仕事」、3位は「結婚」

では、20代はどういったことに不安を抱えているのでしょうか。前述のアンケートで上位3つに挙げられたのは「お金」「仕事」「結婚」でした。

「お金」については、現在の年収が低いことや、長く会社で働いても収入が上がらないことを案じる声がありました。これから私たちは、少子高齢化による労働人口の減少や、コロナショックで引き起こされた未曾有の経済危機とも向き合っていくことになります。十分な収入を得られるかどうかは、今後も大きな心配事となりそうです。

「仕事」について寄せられたのは、今の仕事を続けて家族を養えるか、別の仕事に転職できるかといったことを懸念する声です。終身雇用が見込めなくなり、AIが人間の仕事を奪うとも言われる中、自分の職種の将来性を不安視する人が増えているのかもしれません。そのほか、職場での人付き合いを良好に保てるかを心配する人もいました。

「結婚」に関しては、これまでに恋人が一度もいない、そもそも仕事に追われて婚活する気力がないといった悲鳴が。恋愛に対する自信のなさや、消極性が表れた結果と言えそうです。

最大の不安材料である「お金」。将来的にかかる費用は?

このように、20代にとって「お金」は大きな不安材料です。では、将来を見据えた時、どれくらいのお金を用意しておけば良いのでしょうか。

まとまったお金が必要になるのは、主に結婚やマイホームの購入といったライフイベントのタイミングです。ここでは結婚から老後までの段階に分けて、それぞれに必要な金額を解説します。

【結婚】結婚式の平均総額は354.9万円

画像: 画像:iStock.com/marchmeena29

画像:iStock.com/marchmeena29

一般的に、20代以降で大きなお金がかかる最初のタイミングは「結婚」でしょう。ゼクシィの「結婚トレンド調査2019」2)によると、結婚式・披露宴を挙げた場合の結婚費用は平均354.9万円に上ります。

高額に思えるかもしれませんが、新郎新婦が全額を負担するケースはあまりありません。よくあるのは、新郎新婦が100万円ずつ持ち寄り、それぞれの両親からさらに100万円ずつ援助を受けるといったパターンです。大規模な結婚式を催した場合、ご祝儀として200万円ほどが戻ってくるケースが多く、実質的な新郎新婦の負担はかなり軽減されます。

しかし、おすすめなのは、結婚式の費用を貯金しておき、ご祝儀を新生活の資金にするという考え方です。ご祝儀は必ずこの金額が戻ってくる、と言いきれないものです。ご祝儀が無ければ式を挙げられないといった状況であれば、無理をして結婚式を挙げるのは避けた方が無難です。最近は結婚式を挙げなかったり、レストランなどで小さく開催したりする新郎新婦も多くいます。今後の暮らしを考えて負担のない方法を選びましょう。

【出産・子育て】出産にかかる費用は約50万円

画像: 画像:iStock.com/kohei_hara

画像:iStock.com/kohei_hara

結婚の次にやってくるのが、出産と子育てでしょう。出産にかかる平均金額(正常分娩の場合、全国の値)は50万5,759円です3)。ただし、出産費用をカバーしてくれる「出産育児一時金」で42万円を受給することができます。

また、その後の育児費用に関しては、2019年10月から幼児教育・保育の無償化がスタートし、3歳児以降の幼稚園、保育園の利用料は無料(幼稚園は月額25,700円まで無料)になりました。4)そのため、お子さんが小さい頃には、生活費以外のお金はそこまでかかりません。

ただし、育児休暇明けのタイミングでの保育園や幼稚園の利用料には気をつけましょう。

育児休暇は基本的にお子さんが1歳になるまでしか取得できないため、その後すぐに保育園や幼稚園に預けたいと考える場合もあるでしょう。ですが、3歳未満のお子さんを保育園や幼稚園に預けなければならない場合、住民税非課税世帯でなければ全額負担になるのです。

【住居】マンションの平均購入額は4,437万円

画像: 画像:iStock.com/liza5450

画像:iStock.com/liza5450

お子さんが小学校に入学する頃になると、家族構成も固まってくるため、マイホームの購入が視野に入ってくるものです。金額は予算やエリアによって変わりますが、住宅金融支援機構の「2018年度フラット35利用者調査」5)によると、マンション購入費の全国平均は4,437万円です。

マイホームを購入する場合、多くの家庭では住宅ローンを組むことになります。住宅ローンは頭金を用意しなくても利用できますが、可能なら住宅価格の2割ほどは頭金として支払っておきましょう。全額ローンにしてしまうと、返済期間が長引いて大変ですし、低金利のローンを利用しづらくなります。

また、住宅価格は金利を含めると元の値段より高くなるためご注意ください。たとえば、4,500万円の物件を1,000万円の頭金を支払って購入し、金利1%で35年のローンを組んだとします。その場合、頭金を除いた3,500万円は、35年間分の金利がかかって4,150万円になります。つまり、これに頭金の1,000万円を足した合計5,150万円が、4,500万円の物件にかかる実際の購入費です。

長めに借りた住宅ローンは、余裕があれば繰上げ返済も検討しましょう。仮に70歳までのローンを60歳で繰上げ返済すれば、本来支払う予定だった10年間分の金利負担がなくなります。マイホーム購入時には、こういった中長期的な計画も頭に入れておきましょう。

【教育】高校は平均72万円/年、大学は平均151.9万円/年

画像: 画像:iStock.com/FabrikaCr

画像:iStock.com/FabrikaCr

お子さんが大きくなるにつれて、教育費も増えていきます。塾や習い事に通ったり、私立の小中学校に進学したりする場合もあるでしょう。文部科学省が発表している「子供の学習費調査(平成30年)」6)によれば、小学校から中学校の年間の学習費は下記の通りです。

〈表〉小学校・中学校の平均の学習費(年間)

公立私立
小学校321,281円1,598,691円
中学校488,397円1,406,433円
※学校教育費、給食費、学校外活動費(学習塾、家庭教師、部活など)を含む

さらに費用が大きくなるのは高校からで、日本政策金融公庫の「令和元年度 教育費負担の実態調査結果」7)によれば、1年間の在学費用の平均は高校が72万円、高専・専修・各種学校が144.7万円、短大が138.1万円、大学が151.9万円です。

中でも大学は、国公立なら平均107万円ですが、私立文系は157.6万円、私立理系は184.3万円と高額になります。

〈表〉高校、大学の教育費

入学金※1在学費用(年間)※2
高校30.3万円72.8万円
高専・専修・各種学校57万円144.7万円
短大63.3万円138.1万円
大学82.8万円151.9万円
※1 入学金には学校納付金、受験費用、入学しなかった学校への納付金を含む
※2 学校教育費、家庭教育費を含む

お子さんの大学入学を想定し、高校卒業までに少なくとも300万円の学費は用意しておきましょう。これだけでは大学の在学費用を全額工面できませんが、不足分は大学入学後の家計のやりくりでカバーしていきましょう。

ただし、お子さんに仕送りをする場合、その分の金額も上乗せされます。一般的な仕送り額は7万円程度ですが、お子さんが都内に住むなら、さらに多く見積もっておくことも必要でしょう。もちろん、お子さん自身がアルバイトや奨学金でお金を負担する選択肢もありますが、全額を奨学金にすると将来お子さんが大変になるので、一定の金額はフォローしてあげましょう。

【老後】65歳以上の平均支出額は26.4万円

画像: 【老後】65歳以上の平均支出額は26.4万円

お子さんが自立したら、その先で必要になるのは老後資金です。2019年には、金融庁の発表した老後資金2,000万円問題がニュースになりましたよね8)。これについては2,000万円という金額よりも、どのように計算されたのかを知ってほしいと思います。

この計算は、総務省の「家計調査」に基づいた65歳以上の無職世帯を対象にしたものです。彼らの1カ月あたりの平均支出額は26.4万円、年金などによる平均収入額が20.9万円で、差額の5.5万円が毎月の赤字となります。そして、それが95歳まで30年間続くと仮定した結果が、金融庁の発表した「2,000万円」の意味なのです。

つまり、家庭ごとの生活コストや年金額、退職する年齢などによって老後資金も変動します。この計算方法を使って、自分に必要な老後資金を割り出しましょう。

もちろん、正確な金額を20代のうちから予想することは難しいですが、日本年金機構の「ねんきんネット」9)で年金額を試算したり、趣味の費用やお子さんの出産祝いなどをイメージしたりして、大枠を掴むことは可能です。また、会社からの退職金がある場合には、退職金も老後資金に充てることができます。

なお、ここまで紹介したのは、将来かかる費用の代表例です。「そんなに用意できない」と悲観的になってしまう人もいると思いますが、正確な費用は家庭によって異なります。自分に合ったライフプランを立て、後述する方法でしっかりと備えておけば、問題なくお金をやりくりすることはできるのでご安心ください。

頭を悩ませる「仕事」の不安。自分の職業の将来性は?

「今の仕事を続けてもいいのか」「将来性はあるのか」など、仕事の不安に頭を悩ませている人も多いです。ここでは職業別の賃金の水準や将来性について解説します。

【不安1】年齢とともに給料は上がるの?

画像1: 画像:iStock.com/itakayuki

画像:iStock.com/itakayuki

自分の将来を想像した時、「本当に年齢とともに給料は上がるの?」という疑問が頭をよぎる人も多いのではないでしょうか。

結論を先に言うと、現在の統計から導き出すと、正社員なら給料は上がっていく可能性は高い一方、非正規雇用者の場合は厳しいでしょう。

厚生労働省の「平成30年賃金構造基本統計調査」10)によると、20代前半の時点での平均年収は、正社員が256万円、非正規雇用者が223万円と大きな違いはありません。

しかし、ピーク時の平均年収を比べると、正社員は50代前半で663万円、非正規雇用者は30代後半で291万円です。非正規雇用者は50代前半になっても285万円なので、正社員が年齢とともに右肩上がりで給料が上がっているのに対し、非正規雇用者の給料はほぼ横ばいで推移していることがうかがえます。

〈図〉正社員と非正規雇用者の年収の推移

画像: ※推定年収=「きまって支給する現金給与額」×12カ月+「年間賞与その他特別給与額」 ※出所:厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」 11)

※推定年収=「きまって支給する現金給与額」×12カ月+「年間賞与その他特別給与額」
※出所:厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」11)

現在は非正規雇用者の割合が増えており、同調査でも1997年時点では21.5%でしたが、2018年時点では35.8%です。

もちろん、正社員だから安泰とは言い切れない時代ですが、可能なら20代の間に正社員として身を固めるのが、将来の収入が上がる可能性を高めてくれるでしょう。

【不安2】転職をしても将来は大丈夫?

画像: 画像:iStock.com/Cecilie_Arcurs

画像:iStock.com/Cecilie_Arcurs

近年は積極的に転職することが当たり前になっていますが、一方で「転職を繰り返すとなかなか給料が上がらない」というイメージを持っている人もいますよね。収入を上げながら転職したい場合は、「ステップアップ型」の転職をできるかがカギになります。

そのために必要なのが、前職のスキルを活かせる転職先を選ぶことです。たとえば、金融業界でしっかりと専門知識を身につけてから、金融に強いITコンサルタントを目指す、というように前職と現職をかけ算することで強みを作れる転職は、40代になっても貴重な人材として迎えられる可能性が高くなります。

逆に、自分のやりたいことを探すような「模索型」の転職では給料は上がらず、転職自体も年齢とともに難しくなっていく傾向があります。

【不安3】今の仕事の将来性は?

現在の職業の将来性も気になるポイントのひとつでしょう。「平成30年賃金構造基本統計調査」11)を参考に、産業別の賃金データを見ていきましょう。

ピーク時の賃金で比べると、男性は金融業・保険業が50〜54歳で64.11万円とトップですが、その後は大きく下降しています。また、教育・学習支援業は55〜59歳で54.3万円、医療・福祉は70歳で50万円と、年齢が上がるごとに賃金も高くなっています。それに対し、製造業は55〜59歳で41.81万円、宿泊業・飲食業は32.34万円、その他のサービス業は32.64万円と、上昇カーブが緩やかです。

〈図〉産業別の賃金のピーク(男性)

画像1: 「平成30年賃金構造基本統計調査」 11) より

「平成30年賃金構造基本統計調査」11)より

女性の場合、教育・学習支援業が55〜59歳で42.17万円、金融業・保険業が70歳で34.48万円と、年齢とともに賃金も上昇しています。一方で、医療・福祉が55〜59歳で27.81万円、製造業が45〜49歳で24.03万円、宿泊業・飲食業が35〜39歳で22.42万円、その他のサービス業が50〜54歳で22.99万円と、賃金はほとんど一定のようです。

〈図〉産業別の賃金のピーク(女性)

画像2: 「平成30年賃金構造基本統計調査」 11) より

「平成30年賃金構造基本統計調査」11)より

このように、職業によって収入が変わるのは確かです。しかし、現在の賃金構造が将来も反映され続けるとは限りません。ITの発達などで、今後大きく変化していくでしょう。将来の賃金構造を予測できない限り、「将来性」だけを考えて安易に転職するのはおすすめできません。

当然ながら仕事はお金がすべてではなく、好きな仕事をした方が人生そのものの幸福度は上がります。収入は多くなくても好きな仕事に巡り会えた人は、お金の使い方を工夫したり、副業などでプラスアルファの収入を作ったりと、転職以外の解決策を考えてみてはいかがでしょうか。

将来のお金の不安を払拭するための方法

このように将来必要なお金や昇給の度合いなどのデータを参照すると、厳しい現実が見えてくるのも確かです。お金や仕事の不安が増えてしまった人もいるかもしれません。

しかし、待ち受けている未来が予想できれば、それに対策する手段はたくさんあります。まずはお金の不安を払拭するための、おすすめの方法を紹介します。

【方法1】積み立て貯金を始めてみる

画像: 画像:iStock.com/erdikocak

画像:iStock.com/erdikocak

まずは、将来に向けて定期的にお金を積み立ててみましょう。小さい金額でもコツコツと数年にわたって積み立てると、ある程度の金額になって安心感へ繋がりますし、何より人生の選択肢を広げてくれます。

ただし、20代で貯金を頑張りすぎると、家計をひっ迫してしまう恐れもあります。そこでおすすめなのが、まずは毎月の手取り額の1割を貯金することです。1割であれば、無理がない範囲で貯金ができるはずです。余裕が生まれてきたら、徐々に金額を上げていきましょう。

30歳までに300万円を貯金できたらベストです。これだけの金額を用意しておけば、病気でしばらく働けなくなったり、労働環境などの問題でどうしても会社を辞めたくなったりしても、1年間は生活できます。また、パートナーが見つかって結婚したい、一念発起して留学したいといった場合にも十分な金額です。人生の選択肢を増やしてくれます。

ピンチにもチャンスにも役立つのが、300万円という金額なのです。一朝一夕に用意するのは難しいですが、ぜひトライしてみてください。

【方法2】ライフイベントを後ろ倒しにしない

意外に思われるかもしれませんが、ライフイベントは早めに手をつけることは将来のお金の不安を払拭することにつながります。

「貯金がないから結婚できない……」など、お金を理由にライフイベントを後ろ倒しにするのはあまりおすすめできません。その分、お金が必要なタイミングも後ろ倒しになり、老後にしわ寄せが来てしまうからです。

特に大変なのは定年退職の前後です。たとえば、住宅ローンやお子さんの教育費が残っているにも関わらず、両親の介護がスタートすることも考えられます。また、年齢とともに子どもは授かりにくくなります。場合によっては不妊治療でお金がかかり、ひいては母体にも負担をかけてしまうかもしれません。

そのため、人生をともにしたいと思えるパートナーが見つかったら、あまりお金はなくても家庭を築くのもひとつの手です。その分、若い頃からマネープランを立てられますし、お金は無いなりにやり繰りできるものです。

また、結婚しない場合には、ライフイベントの資金は必要ありませんが、働けなくなった時のリスクを一人で背負うことは気をつけたいポイントです。まとまった預貯金はしっかりと用意しておきましょう。事故や病気に備えて保険に加入したり、助け合える友人やネットワークを作ったりすることも大切です。

【方法3】マネーリテラシーを高める

画像: 画像:iStock.com/Chainarong Prasertthai

画像:iStock.com/Chainarong Prasertthai

マネーリテラシーを高め、お金のしくみを理解することも不安の解消に役立ちます。特に知っておいてほしいお金の知識は、大きく2つあります。

ひとつは金利の知識です。住宅ローンのように高額を借りる時には、金利の低いローンを選んでローンの組み方を工夫すると、数百万円の節約につながることもあります。年間15%ほどの金利がかかるクレジットカードのリボ払いも、利息分の金額を知れば、使用を取りやめたくなる人もいるでしょう。金利をシビアに捉え、中長期的な視点でお金の支出を減らしましょう。

もうひとつは、健康保険や雇用保険といった社会保険制度の知識です。健康保険がわかれば民間の保険を効率的に選べるようになりますし、雇用保険の制度のひとつである教育訓練給付金を利用すると、資格取得時にかかる費用の2割がキャッシュバックされます。

このようにマネーリテラシーを高めることで、「知らないうちに損していた」というケースを防ぐことが可能です。

【方法4】資産運用に取り組む

画像: 画像:iStock.com/simpson33

画像:iStock.com/simpson33

資産運用にチャレンジすることも不安解消の一助につながります。若いうちから少額ずつ始めることで、利息が利息を生む複利の効果が期待できますし、副産物として経済の知識も身につけられます。

初心者におすすめなのは、比較的リスクの少ない投資信託の積み立てです。iDeCoやつみたてNISAといった税制優遇制度を使えば、決められた金額の範囲内で、投資信託の利益が非課税になります。

ただし、資産運用は一定の貯金ができてから始めるようにしてください。目安としては、100万円までは貯金に専念し、そこからは積み立て先を貯金と投資に分けるのが良いでしょう。

将来の仕事の不安を払拭するための方法

ここからは、将来の仕事の不安を払拭するための方法を紹介します。

【方法1】キャリアプランを立てる

これからどんな仕事をしたいのか定まっていないと、先行きも不透明になり、不安感は高まります。しっかりとキャリアプランを立てましょう。ただし、数十年先まで見据えたキャリアを思い描くのは難しいので、20代では「やりたい仕事を明確に見つけること」を目標にすることがおすすめです。

先ほどもお伝えした通り、20代の間は非正規雇用者でも正社員との収入の差はそこまでありません。そのため、雇用形態にこだわらず未経験の業種に飛び込んでいくリスクも、30代以降と比べると小さいです。強く惹かれる分野には思い切って挑戦し、「これだ」と思えるような仕事を見つけましょう。

ただし、むやみに転職するのは推奨できません。今の仕事に不満がある場合は、不満の原因がどこにあるかを分析することが重要です。たとえば、会社そのものは好きだけど上司と反りが合わないなら、部署異動を申請するだけで問題は解決するかもしれません。逆に、仕事内容に不満はないけど社風に馴染めない場合は、同業他社に転職するのがベターでしょう。

きちんと原因を分析し、本当に退職の必要があるのか正しい判断をしてください。仮に仕事を辞めるとしても、現在の業種でスキルを増やし、次のキャリアへの財産にすることが大切です。

【方法2】他業種の仕事について話を聞く

画像2: 画像:iStock.com/itakayuki

画像:iStock.com/itakayuki

キャリアに悩んだ時は、他業種の仕事についても話を聞いてみてはいかがでしょうか。自分の業種では常識となっていることが、他業種では全く異なることも少なくありません。これは会社でも同様で、ミスを覚悟して若手に裁量を与える会社もあれば、絶対にミスを許さない厳しいルールの会社もあります。

外部の話を聞くと、自社のいいところと悪いところが客観的に見えてきます。転職を考えていた人が「やっぱり今の会社で働こう」となることもあるでしょう。

【方法3】将来に役立つ資格を取得する

画像: 画像:iStock.com/fizkes

画像:iStock.com/fizkes

ほかにも、将来に役立つ資格を取得するのも有効です。より専門的な仕事を引き受けられるようになるのはもちろんのこと、資格を持っていることで給与が上がるケースもあります。手に職をつけ、自分の市場価値を高められれば、転職にも強い人材になるでしょう。

オーソドックスなのは、自分の職業と関連性の高い資格を取ることです。たとえば、美容師の人ならメイク系の資格を取ることで、仕事の幅が広がります。逆に自分の職業と関連性の低い資格を取り、希少な人材を目指すのもひとつの手です。

これといって興味のある資格がないなら、PCスキルを身につけるのが手堅い選択でしょう。資料作成などの時間が短縮され、生涯にわたる生産性が高まります。こうして社内での評価を勝ち取って収入アップにつなげたり、どこでも活躍できるだけの地力を身につけたりしておくことも、将来の不安を解消する近道です。

他業種への転職を考えている場合は、その道の専門資格を取りましょう。その資格が次の仕事を始めるパスポートになってくれます。仮に難関資格でない場合も、転職時に自分の意欲や最低限の知識を持っていることをアピールできるので、役立つはずです。

【方法4】副業で自分の可能性を探ってみる

画像: 画像:iStock.com/recep-bg

画像:iStock.com/recep-bg

仕事の不安を解消するなら、副業という選択肢もあります。新たなスキルを身につけておくことは、本職の業界や会社が傾いてしまった時のリスクヘッジになるでしょう。また、収入源を増やすことで金銭的な不安の解消にもつながります。

副業には大きく2つのタイプがあるので、自分に合った方を選びましょう。

ひとつは、自己実現としての副業です。副業でやりたいことに挑戦し、いつか本業へと移行できたらと考えている人も多いと思います。こういった場合は、ある程度の利益は度外視して、経験を積むことやスキルアップすることを大切にしましょう。仮に会社の規定で副業がNGなら、無償で仕事を引き受けて実績を作るのも良いと思います。

もうひとつは、本業の収入が少なく、それをカバーするために副業をするケースです。本業でやりたいことを仕事にしているものの、収入が伸びるまでに時間がかかる人などは、このタイプの副業を視野に入れると良いでしょう。週末だけ引っ越し業者として働いたり、宅配サービスの配達員に登録したりと、選択肢は豊富です。

「将来はわからないもの」と受け入れるのもひとつの手

新型コロナウイルスの問題をはじめ、現在は世の中が不安定な状態です。ここまで将来の不安を払拭する方法を紹介しましたが、これだけでは安心できない人もいるでしょう。

安定を求める気持ちはわかりますが、ネガティブになっては不安が強くなるだけです。それならば、「将来はわからないものだ」と割り切って、受け入れるのもひとつの手かもしれません。不安定であることを前提にすれば、様々な対策を用意するのが当たり前になり、「自分にできることをしっかりとやろう」というマインドセットも作られていきます。これにより解消される不安もあるのではないでしょうか。

また、最近はネットを利用することで、将来に必要なことをローコストで学べます。自宅にいながらウェブセミナーを受けたり、コミュニティに参加して様々な人の話を聞いたりと、知識や経験を得るチャンスは多くの人に広がっています。

現代は不安定ながらも生き方の自由度が高く、魅力的な時代なのです。将来を不安がるだけでなく、こうした良い点にも目を向けて、明るい未来を築いていきましょう。

この記事の監修者

画像: 将来の不安を解消!お金と仕事の不安を軽くする方法とは?

氏家祥美

ハートマネー代表。ファイナンシャルプランナー/キャリアコンサルタント。子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持ち、「幸福度の高い家計づくり」を総合的にサポートしている。オンラインでの家計相談やマネー研修も実施中。
ウェブサイト

This article is a sponsored article by
''.