ここ数年、副業への関心は非常に高まっており、実際に副業を始める人も増加してきています。しかし、具体的に何をすれば良いのかをイメージできていない方も少なくないはずです。この記事では、複業研究家の西村創一朗が「スマホ1つで手軽に始められる副業」に絞って、オススメの方法を5つ紹介します。

★この記事を読む前に…複業と副業の違いとは?

この記事では、「副業」と「複業」という2つの言葉を使っており、一般的に知られている「副業」ではなく「複業」という表現を優先的に採用しています。「副業」が、本業がメインでサブ的な位置づけにとどまり、「副収入、お小遣い稼ぎを目的としている」のに対して、「複業」は本業との主従がなくどちらも大事という位置づけであり、「スキルアップや自己成長、価値貢献を目的としている」点で意味合いが異なります。働き方のひとつの形態として、より進んだ定義であることをご承知ください。

「スマホで複業すること」のメリットとデメリット

画像: 画像:iStock.com/ipopba

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本題に入る前に、まずは「スマホで複業すること」のメリットとデメリットについて解説しておきましょう。

「スマホで複業すること」のメリットとは

「スマホで複業すること」の最大のメリットは、「誰にでも気軽に始められる」点と、「いつでもどこでも、時間と場所を選ばずにできる」点が挙げられます。

複業はアレコレ思い悩むよりも、「小さくても良いので、まずは始めてみる」(Think Big, Start Small)ことが何よりも大切です。いきなり、「これだ!」という複業にたどり着けるケースはほとんどなく、まずは小さくても良いので行動してみて、あれこれ試しながら自分に合った複業をデザインしていく、という進め方が理想です。

そういう意味で、「思い立ったら即行動!」できる点において、手のひらの中で完結する「スマホで複業すること」は最適な選択肢と言えるでしょう。

複業を成功させる上でもうひとつ重要なのが「やめないこと、継続すること」です。「成功とは成功するまでやり続けること」とはパナソニック創業者の松下幸之助さんの言葉ですが、複業を成功させる上で、「辞めずに続けること」は最も重要な要素といっても過言ではありません。

「辞めずに続ける」上で、いつでもどこでも、時間と場所を選ばずにできる「スマホで複業」は非常にオススメです。

かくいう筆者も、社会人3年目に「複業デビュー」した時は「スマホで複業すること」を選択しました。本業の仕事はそれなりに忙しく、自宅に帰れば家事・育児という別の仕事が待っている…。そんな筆者が複業に取り組める唯一の「スキマ時間」が、「往復の通勤時間」でした。

良くも悪くも、片道1.5時間/往復3時間を通勤時間に費やしていたので、その時間を有効活用できないか?と考えた結果、「スマホで複業」なら無理なく続けられる!と考え、ブログメディアを立ち上げ、通勤電車の中で毎日ブログを書き続けていました。おかげで、スマホで文章を書くのが得意になり、今も記事の9割以上はスマホで書いています。
(この記事もスマホで執筆しています)

「スマホで複業すること」のデメリットとは

一方、「スマホで複業すること」にはデメリットもあります。デメリットというよりは、「スマホでできることには限界がある」と表現した方が良いかも知れません。

例えば、プログラミングや高度なデザイン、プレゼン資料の作成など、クリエイティブ系の仕事はスマホではなかなか難しく、PCで作業したほうが圧倒的に捗ります。

また、コンサルティングや講師業など、対面・オフラインによって仕事の幅が広がることもあります。

その結果、「スマホ完結」での複業では稼げる金額が低くなりがちなので、「まずは手軽にスマホで複業を始めてみて、軌道に乗ってきたらスマホ以外の領域に広げてみる」というのが複業の王道パターン、といえるでしょう。

【参考】副業をしている人の割合と平均収入額

なお、これから副業を行いたい人に向けて、基本データを紹介します。

まず、パーソルグループが行った「副業の実態・意識調査」1)によれば、実際に副業を実践している人の割合はわずか「1割」。「過去に副業経験あり」の人を含めても2割程度しかいません。副業市場はまだまだこれから、ということでしょう。

〈図〉副業の実施割合

画像1: 専門家がオススメする! スマホでできる副業5選

また、副業をしている人は実際にどれくらい時間をかけているのか? というと、半数以上が1週間あたり10時間未満であることがわかっています。本業がある以上、副業に取り組めるのは平日の朝・夜と週末くらいのものなので、10時間程度が限界でしょう。

〈図〉1週間あたりの副業の平均時間

画像2: 専門家がオススメする! スマホでできる副業5選

最後に、副業による月収についてです。平均は「6.82万円」で、半数以上が「5万円未満」、「10万円以上」稼ぐ副業プレイヤーは2割未満に止まっています。

〈図〉副業の平均月収

画像3: 専門家がオススメする! スマホでできる副業5選

参考資料
1)パーソル総合研究所「副業の実態・意識調査【個人編】」

スマホでできるオススメの複業5選

「スマホで複業のメリット・デメリット」を解説したところで、ここから本題です。

「オススメできない複業」とは

まずは「オススメしない複業」についてです。「誰でも簡単にできる簡単な複業」として、「アンケートモニター」と「ポイント活動」を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、この2つはオススメしません。なぜなら、この2つは「時間の切り売り型の副業」だからです。

時間切り売り型の副業は、どれだけやっても「スキルが向上し、そのスキルに応じて報酬が上がる」ということはほとんどありません。「アンケートの回答スピードが上がって、1時間で回答できるアンケートの数が増えた」など多少はあるかもしれませんが、報酬が倍になることはありません。

やるからには、「やればやるほど経験値が貯まってレベルアップできるスキル向上型の複業」がオススメです。単体でいくら稼げるか? と短期的な視点で考えるのではなく、本業で得たスキルを組み合わせつつ、中長期で自分の市場価値をいかに高めるか? という視点で取り組みましょう。

そういう観点で、オススメの複業をいくつかご紹介します。

(1)ブログやnoteなどでの情報発信

画像: 画像:iStock.com/anyaberkut

画像:iStock.com/anyaberkut

はじめにオススメしたいのは、筆者自身の「複業デビュー作」でもあるブログでの情報発信です。

ブログを書き続けてある程度読者が増えてきたら、Google Adsenseを設置したり、アフィリエイト広告を活用することで、広告収入を得ることが可能になります。このほか、有料コンテンツを販売するサービスもあり、自分のコンテンツを直接収益に結びつけることもできます。

情報発信による複業に向いている人

「文章を書くこと、発信することが得意」という人にオススメなのはもちろんですが、「ディズニーランドが大好き!」「アニメのことなら一晩中語り続けられる!」というような、「自称〇〇マニア」と言えるものがある方にとってはイチオシの複業です。

「情報発信は、自転車と同じ」というのが筆者の持論です。情報発信は自転車と同じように、「はじめから上手にできる人はいないが、やり続ければ誰にでもある程度上手にできるようになる」ものです。

「自分は文章を書くのが苦手で…」と食わず嫌いせず、ライティングの入門書などを読みながら見様見真似でまずはやってみると良いでしょう。

情報発信を行う時のコツ

「サイトデザインにこだわりたい!」「広告収入を得たい!」という人には、WordPressというツールを活用してブログメディアを構築することをオススメしますが、「手軽にはじめたい!」という方にオススメなのが「note」です。

「note」は月間利用者数が2,000万人を超える、いま最も勢いのあるクリエイタープラットフォームです。誰でも無料で記事を書いて発信できるのですが、従来の無料ブログツールと異なり、邪魔な広告が一切表示されないので読者にとって読みやすい点と、「note編集部によるおすすめ」や関連記事のレコメンド機能が秀逸で、「無名でフォロワーが少ない書き手でも、面白い・良質な記事を書けばたくさんの方に読んでもらえる可能性がある」点が特徴です。

また、通常のブログサービスと異なり広告を入れられない代わりに、書いたnoteを「有料ノート」として1万円(プレミアム会員なら5万円)を上限に自由に価格設定して販売できるので、「有益な情報を発信して稼ぐ」ことも可能です。

まずは気軽にスマホでnoteを書いてみて、自分にとってのウリが掴めてきた段階で「有料ノート」を販売してみる、というのがオススメです。

(2)スキルシェアサービスで「自分を商品化」

画像: 画像:iStock.com/PeopleImages

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スキルシェアサービスでの複業に向いている人

上記では「好きなこと」や「得意なこと」に着目した「スマホで出来る複業」のひとつとして、「情報発信」を紹介しましたが、「やっぱり文章を書いたり発信したりするのは苦手…」という方も少なくないはず。

そういう方にオススメなのが自分の「好きなこと」や「得意なこと」を商品化して出品できる「スキルシェアサービス」です。

スキルシェアサービスを利用する時のコツ

画像: ※この画像はサイト 「ココナラ」 のスクリーンショットです。

※この画像はサイト「ココナラ」のスクリーンショットです。

スキルシェアサービスの筆頭格のひとつに「ココナラ」があります。「デザイン」や「イラスト」などクリエイティブ系のスキルだけでなく、「お金をかけずにお店・サービスをPRする方法教えます」といったビジネス相談、「ES添削、面接対策します」といったキャリア相談から、はたまた「初めてのマッチングアプリ!一から全部教えます」といった恋愛相談まで、幅広いスキルが出品・売買されている点が特徴です。

「教えるのが好き!」という方は「教えたいと学びたいをつなぐまなびのマーケット」の「ストアカ」もオススメです。

画像: ※この画像はサイト 「ストアカ」 のスクリーンショットです。

※この画像はサイト「ストアカ」のスクリーンショットです。

「カフェでExcel教えます」といったビジネススキル系の講座はもちろんのこと、「魚のさばき方教えます」といった料理・グルメ系の講座や、「スマホ動画撮影&制作講座」といった写真・映像系の講座など、幅広いジャンルのカテゴリがあります。

オンライン完結を基本としている「ココナラ」と違い「ストアカ」は対面での講座実施が基本となります(コロナウイルスの影響を受け、2020年3月からオンライン講座を解禁)が、どちらも気軽にスマホアプリひとつで気軽にサクッと出品できるのが特徴です。

まずはスマホアプリを眺めて「どんなスキルや講座が出品されているのかな?」と市場調査をしたり、気に入ったものがあったら購入・受講してみて体験したりしながら「自分だったらこんなスキルや講座を出品できそうかも!」とアイデアを発想してみることをオススメします。

(3)クラウドソーシングで特技やスキルを活用

画像: 画像:iStock.com/mediaphotos

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クラウドソーシングでの複業に向いている人

これまでご紹介した「情報発信」や「スキルシェア」は自ら価値をつくって誰かに届ける「プロダクト・アウト型」でしたが、「これがやりたい!」というアイデアが思い浮かばない方にとってはなかなか難しいでしょう。

そんな方にオススメなのが、世の中にあるニーズを受けてサービスを提供する「マーケット・イン型」の複業です。具体的にはランサーズやクラウドワークス、サグーワークスなどのクラウドソーシングサイトを活用して、特技やスキルを生かした案件を受けること。

画像: ※この画像はサイト 「ランサーズ」 のスクリーンショットです。

※この画像はサイト「ランサーズ」のスクリーンショットです。

クラウドソーシングサービスを利用する時のコツ

例えば「ランサーズ」では、「システム開発」や「Web制作」、「ライティング・ネーミング」といったクリエイティブ系の案件を中心に様々な案件が掲載されています。

何かしらのスキルがある方は、スマホでこうしたクラウドソーシングサイトに登録していろんな案件を眺めてみて、自分ができそうな案件がないか探してみるのもアリでしょう。

「今はまだ特別なスキルがない…」という方はまずはプログラミングやデザイン、ライティングの講座を受けたり、独学で学んだりした上で、クラウドソーシングサイトで低価格で案件を受けて実績を積んでスキルアップ&報酬アップを狙うのもオススメです。

(4)フリマアプリやネットショップで「好きなもの」を販売

画像: 画像:iStock.com/yongyuan

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フリマアプリやネットショップでの複業に向いている人

これまでご紹介してきたのは、「スキルシェア」や「クラウドソーシング」など、目には見えないモノを売って報酬を得る、というタイプの複業でしたが、商売の原点はやはり「モノづくり」や「小売業」でしょう。

「ものづくりが好き!」「目利きには自信がある」「自分が好きな商品を届けたい!」などの人は、ここ数年で一気にサービス数が増え、一般の認知度も上がったフリマアプリやネットショップを利用した複業がオススメです。

フリマアプリやネットショップを利用する時のコツ

画像: ※この画像はサイト 「minne」 のスクリーンショットです。

※この画像はサイト「minne」のスクリーンショットです。

「ものづくり」が好きな方は、自分で作ったアクセサリーやカバンや財布などの小物のほか、文房具やスマホケースなど、あらゆるハンドメイド作品を出品できるminneを使ってみるのも良いでしょう。

「自分では作れないけど、お気に入りの商品を仕入れて、売りたい」という方は、メルカリラクマなどのフリマアプリで出品してみるのもオススメです。

「安く仕入れて、高く売って、差額で儲ける」という、いわゆる「せどり」と言われるビジネススタイルですね。

「ものづくり」にせよ「せどり」にせよ、「せっかく売るなら自分だけのオリジナルのショップで売りたい!」という方は、STORESBASEのようなサービスを使って、自分だけのオリジナルのネットショップを開設してみるのも楽しいでしょう。いずれもスマホで簡単かつ無料でネットショップの開設ができます。

(5)スマホで撮影した写真を販売

画像: 画像:iStock.com/Alexandra Iakovleva

画像:iStock.com/Alexandra Iakovleva

スマホ写真の販売による複業に向いている人

最後にご紹介するのは、「スマホで撮影した写真を販売してみる」です。

「これ」といって売りたい・売れるスキルがない、という方でも、誰でも一度はスマホで写真を撮ったことくらいはあるでしょう。ハードルが低い一方で、スキルを向上させる余地が大きくあることを踏まえるとオススメです。

スマホの写真販売を行う時のコツ

「スマホで撮影した写真」を販売できるアプリとして有名なのがスナップマートSelpyです。プロのカメラマンが撮影した写真を販売するサイトは昔からありましたが、スマホのカメラの性能が上がったこともあり、「スマホ写真」に特化したアプリが出てきているのです。

スナップマートが、フリマ感覚で自分が撮影した写真を出品して購入されるのを待つフリマ形式であるのに対して、Selpyは「出品リクエスト」から選んで、リクエストに合った写真を撮影して出品して選ばれるのを待つコンペ形式です。

それぞれに良さがあるので自分に合ったタイプを選んでみると良いでしょう。「ストアカ」などで「スマホ撮影の講座」を受講して撮影スキルを上げると、購入してもらえる可能性が高くなるかもしれません。

複業(副業)を行う上での注意点

ひと通り、スマホでできるオススメの複業を紹介したところで、最後に注意点についてお伝えしたいと思います。

まず大事にしたいのは、「何のために複業(副業)をしたいのか?」という点です。「流行ってるから…」「ラクして収入を増やしたいから…」という「なんとなく」での複業(副業)は長続きしないどころか、「1日5分やるだけで月に20万円稼げます」といった怪しげな情報商材に騙されるなど「副業詐欺」の被害に遭ってしまう方もいます。

「本業では得られないスキルや経験を得たい」「自分の市場価値を高めたい」「社外のネットワークを増やしたい」など、何でも良いので自分自身が納得して取り組める「目的」を明確にすることが大切です。

もうひとつ、複業に取り組む上で大事にしたいのが「自己管理」です。楽しくなって、のめり込むことは悪いことではないのですが、睡眠時間を削っての複業は健康に支障を来たし、本業に迷惑をかけてしまっては本末転倒です。

自分の健康を第一に、無理のない範囲で複業に取り組むように心がけましょう。

まずは「自分の棚卸し」からはじめてみては?

「スマホでできる複業」を5つご紹介しましたが、いかがでしたか?

どんな複業をやるにせよ、複業は自分の「好きなこと」と「得意なこと」と「必要とされていること」の3つをうまく掛け合わせてみることが重要です。

〈図〉複業を行う時に重要な3つの要素

画像: まずは「自分の棚卸し」からはじめてみては?

まずは自分が「好きなこと」と「得意なこと」を箇条書きで良いので書き出してみましょう。この作業のことを「棚卸し」と呼びます。

「棚卸し」をしてもなかなかアイデアが思い浮かばない…!という方は、この記事で紹介したようなサービスに出品されているスキルや講座、案件をざっと眺めてみて、「必要とされていること」を一通り見たら、その中で自分が「やってみたいこと」や「できそうなこと」を箇条書きで良いので書き留めてみましょう。これも立派な「棚卸し」の方法のひとつです。

「棚卸し」してみて、「これがいいかも!」とピンときたものはつべこべ言わずにまずはやってみる。「案ずるよりも産むが易し」という格言がありますが、複業こそ、「まずはやってみる」ことが何よりも大切なのです。

この記事の著者

西村創一朗

複業研究家/人事コンサルタント。『複業の教科書』の著者。1988年神奈川県生まれ。大学卒業後、2011年に新卒でリクルートキャリアに入社後、法人営業・新規事業開発・人事採用を歴任。本業の傍ら2015年に株式会社HARESを創業し、仕事、子育て、社外活動などパラレルキャリアの実践者として活動を続けた後、2017年1月に独立。独立後は複業研究家として、働き方改革の専門家として個人・企業向けにコンサルティングを行う。講演・セミナー実績多数。2017年9月〜2018年3月「我が国産業における人材力強化に向けた研究会」(経済産業省)委員を務めた。

プライベートでは11歳長男、8歳次男、4歳長女の3児の父、NPO法人ファザーリングジャパンにて最年少理事を務める。

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