「キャリアデザイン」ってなに?
「キャリアデザイン」の本来の意味とは
「キャリア」と聞くと、経歴や出世など「仕事」をイメージされる方が多いと思います。しかし、本来はもっと広い意味であり、「あなたの人生」、つまり「あなたの生き方そのもの」を指します。
昇給する、出世して年収が上がる、経験を積んでスキルを上げていく……。そのような知識・経験・技術の結果や成果だけがキャリアではありません。なぜなら、その結果や成果を生む過程には、あなたが物事に取り組む姿勢、大事にしている価値観、周りとの関わり方、そしてあなたの人間性という「人となり」といったものの影響があるからです。
つまり「キャリア」とは、あなた自身とあなたを取り巻く環境(家族、会社、社会)はもちろん、学びや余暇といった要素を含めた、複合的なものです。そのため、キャリアデザインを行うためには、仕事だけでなくプライベートも含めた「あなたの生き方」「あなたの在り方」を考えていくことが必要です。
〈図〉本来的な「キャリア」の概念図
「キャリアプラン」「キャリアパス」との違い
「キャリアデザイン」と似た言葉として、「キャリアパス」や「キャリアプラン」などがありますが、それぞれ意味が異なります。その違いを見ていきましょう。
〈図〉「キャリアデザイン」「キャリアプラン」「キャリアパス」の違い
先述したように、「キャリアデザイン」は仕事だけでなくプライベートも含めて人生設計をすることです。どのように働き、何を大事にして、どのような暮らしをしていきたいのか、自分自身の「ありたい姿」を実現するために、心身ともに豊かで幸福な「理想の自分」を考えていくことが主となります。
一方で「キャリアプラン」は、働く個人が自分の人生における職歴・働き方を計画し、創り上げていくものです。正社員・契約・パートなどの雇用形態から、転職・副業・独立など、働く個人が自分自身で「働くこと」について考えていくことを指します。
最後に「キャリアパス」についてですが、こちらは働く個人が目標とする職位・職務に進んでいくために、必要なステップや道筋を企業が示すことを言います。主に1つの企業の中で、働く個人が成長していくために示される、階段状の企業の職位・職務形成基準です。
キャリアデザインを行う時に大切なこと
キャリアデザインを行う際は、周囲の人と比べる必要はありません。もちろん、周りと合わせる必要もありません。
仕事で大成することを望む方もいれば、仕事を大事にしながらプライベートの時間もしっかり持ちたい方もいますし、趣味の海外旅行へ毎年行くなど、好きな時間を楽しむ人生を過ごしたい方もいます。
それぞれが自分らしく生きていくために、自分で納得できる答えを探し見つけて進んでいくこと、それが心身ともに豊かで幸福な理想の自分になるためのキャリアデザインの在り方なのです。
【合わせて読みたい記事】
20代のキャリアデザインが重要視される理由
それでは、ここからは「なぜ20代にとってキャリアデザインは重要なのか」を説明していきましょう。
(1)人生100年時代となり、キャリア形成が変化している
近年、1つの企業で一生涯働く日本型の雇用システムは変わりつつあります。終身雇用や年功序列制度がなくなりつつある中、働き盛りである40代の早期退職者を募集する企業も増えてきました。また、成果主義や能力主義などを打ち出し、希少性の高い特定のスキルや能力を発揮できる場所を提供し、実績に応じた正当な評価していくことで、優秀な人材、生産性の高い人材づくりをしていきたい、という企業も少なくありません。
さらに最近では、医療の進化や人々の健康に対する意識の高まりで健康寿命が伸びたり、定年が伸びてシニアも働き続けることを求められていたりすることで、20年学び、40年働き、20年余暇を過ごす、という「人生80年」時代から「人生100年」時代へと移り変わり、「40年、1つの企業で働く」ことから、「学び・働きを繰り返していきながら50年、60年働き続ける」ことを想定していく時代に変わってきています。
ひと昔前までは、企業に入社すれば、自動的に登っていくようなエスカレーター式のキャリア形成がほとんどでした。もちろん、個人の努力によって昇進・昇給のスピードや幅を左右しましたが、企業が「定年制」「年功序列制」で後押しをすることにより、自動的に自分のランクが上がっていく感覚を持ちながら、安心して40年間働き続けることができたのです。
しかし現在は、一段一段階段を上るように、働く個人が自らの足で一歩一歩上っていくキャリア形成の在り方に変化しています。
そのため、社会に足を踏み入れて間もない20代にこそ、自分の人生を俯瞰しながら、キャリアデザインを考えてほしいのです。
〈図〉「人生80年」時代と「人生100年」時代の歩み方の違い
(2)20代からキャリアデザインを考えることのメリット
もう少し詳しく「学び・働きを繰り返していきながら50年、60年働き続ける」ために必要なこと、そして「20代からキャリアデザインを考えるメリット」についてもご説明していきましょう。
50年、60年働き続けるためには「歩み続ける体力」と「楽しみながら歩むこと」が必要です。
「歩み続ける体力」とは、仕事を行ううえで働くエネルギーのことです。それは、報酬や評価などの周りの環境である自分の外から意欲が誘発される「外発的動機」。そして、面白そうだ、やってみたい!という好奇心や、この仕事を通じて成長できる期待など、自分の内から意欲が湧き出す「内発的動機」という2つの動機から生み出されます。
一方、「楽しみながら歩む」とは、働く意義や働きがいを感じられている状態のことです。今までできなかったことができるようになった「成長実感」や、任されたり頼りにされたりすることで得られる「仕事の充実感」によりこの状態を実現することができます。
これからの長いキャリアの中で、時に厳しい壁に直面したり、不安になったりすることもあります。その時にご自身が描いているキャリアデザイン像が、内発的動機づけによる働く体力を上げていくことにつながります。
また、「どのようなことで働く楽しさを感じていたのか」を自分自身に「問い」直してみることで、自信を回復し、困難なことが起きた時でも乗り越えていく工夫をしていくことができるのです。
つまりキャリアデザインは、困難で先が見えなくなった時に、いつでも原点に立ち戻る指針になります。だからこそ、50年、60年長く働き続けるキャリアのスタート地点である20代で、キャリアデザインを描く意味があるのです。
【合わせて読みたい記事】
キャリアデザインを設計する前にしておきたいこと
それでは、ここからは具体的にキャリアデザインを設計する前の準備についてお話ししていきます。
まず、キャリアデザインを設計する前に、これまでの自分自身を見つめ直すことから始めてみましょう。ご両親や教育現場において受けた教育、生まれ育った地域の環境、友達や部活仲間との交流、就職後の社会経験など、あなたは生まれてから現在までの間、様々な出来事・体験を経てきたはずです。
〈表〉キャリアデザインを設計する前の振り返り例
- あなたが何を大事にして生きているのか?
- 人生において大切にしている価値観は何か?
- どのような経験が、周りから必要とされたと感じたのか?
- 人生のどん底にいた時、回復したきっかけはどのようなことだったのか?
このように、今までの自分自身を棚卸していきながら、自分に「問い」を繰り返していきます。
以下のようなシートを使って、主な出来事、転機、影響を与えた人・物事、本、成功体験や失敗体験を得た気づきなどを、幼少期から学生時代、20代前半、20代後半、現在という年代順にそれぞれ記入して整理してみましょう。
〈図〉ライフラインチャートシート
そして、以上について自分の中で整理ができたら、下記のような図を描いてみてください。
〈図〉ライフラインチャートと自己分析(例)
ライフラインチャートとは、今までの人生を振り返り、あなたが感じた「幸福感」の高低を1本の線で表現したものです。表の横軸は時間軸、縦軸は幸福感(良い/悪い感情の度合い)を表します。
そして、より深掘りしたい方は自己分析として、ライフラインチャートの高低に合わせて、興味をもったこと、影響を与えた出来事などを整理してまとめていきましょう。
ライフラインチャートと自己分析を一緒に考えていくことで、自分自身に問いかけながら、より深く内省をしていくことができます。
いかがですか? あなたが大事にしている価値観やこだわり、失敗から復活へのきっかけの共通点などが見えてきたのではないでしょうか。キャリアデザインをするためには、まず自分自身に問いかけて、今までを振り返ることが大切なのです。
【合わせて読みたい記事】
キャリアデザインの実践方法
ここからは、実際にキャリアデザインをしていきましょう。ステップは以下の3つです。
〈表〉キャリアデザインの3ステップ
STEP1 | 「心身ともに豊かで幸福な理想の自分」をイメージする |
---|---|
STEP2 | 「現在の自分」を再確認する |
STEP3 | 「理想の自分」に近づくために必要なことを考える |
【STEP1】「心身ともに豊かで幸福な理想の自分」をイメージする
まず「心身ともに豊かで幸福な理想の私」をイメージしていきます。しかし、ボンヤリと考えても中々具体的に想像することは難しいでしょう。
そこで、「バックキャスティング」という手法を用います。これは、「未来」を基軸にして、どのようにすれば、「自分のありたい姿」「なりたい自分」を実現できるかを考える手法です。
〈図〉バックキャスティングとフォアキャスティング
一方、現在や過去のデータをもとに未来を考える「フォアキャスティング」も堅実に物事を捉えることに優れている思考手法です。ただし、今の延長線上にある未来を描いていく形になりますので、自分の殻を破ることなく、時には等身大の自分よりも可能性を狭めた未来を予測する傾向にあります。
そのため、バックキャスティングの方がキャリアデザインには適した思考方法と言えるでしょう。等身大の自分でもなく、謙虚な予測でもなく、少し背伸びした理想の私を考えていくことで、より良い将来像を描いていくことができます。
〈表〉バックキャスティングで考える一例
- 理想の働き方は?(仕事、ワークスタイル)
- 理想の家族像は?(家族構成、暮らす場所、ライフスタイル)
- 理想の社会との関わり方は?(地域社会、ボランティア)
- 理想の余暇の楽しみ方は?(趣味、旅行、デュアルライフ)
なお、はっきりと「なりたい将来像」は描けないけれど、「こんな人にはなりたくない」「あんな将来はイヤだ」という考え方のほうが、頭に浮かびやすい方もいらっしゃるでしょう。それは、現在の環境の中で、将来のモデルケースになる人がいないことが要因かもしれません。その場合は、以下のように理想とは逆のことをイメージしてみてください。
〈表〉なりたくない将来像から理想像を逆算する方法
「こんな人にはなりたくない」から逆算する場合 |
---|
Q.なりたくないのはどんな人? …A.嘘つき、怠慢な人にはなりたくない ↓ Q.反対(理想の自分)をイメージすると? …A.正直な私、周りに忖度しない私、謙虚な私でいたい |
「あんな将来はイヤだ」から逆算する場合 |
Q.なりたくないのはどんな将来? …A.残業が多い、上司と部下の間に挟まれて疲れ切っている将来 ↓ Q.反対(理想の自分)をイメージすると? …A.上司と部下の意見を聞きながら上手く仕事をこなしている私 |
理想とは逆のことをイメージすることで、自分が安心する理想像が見えてきます。それはきっと「心身ともに豊かで幸福な理想の私」に近いものになっているのではないでしょうか。
キャリアデザインをするうえで、バックキャスティングがよく用いられますが、考え込みすぎてしまうようであれば、はじめはフォアキャスティングでも、なりたくない将来像からのアプローチでも構いません。あなたが無理なくキャリアデザインしていくための方法を模索してみましょう。
このように、「自分のありたい姿」「将来なりたい自分」をイメージできたら、次は「現在の自分」を再確認していきます。
【STEP2】現在の自分を再確認する
先述したライフラインチャートや自己分析を活用しながら、「現在の自分」について考えていきましょう。主に確認すべきことは、下記の項目です。
〈表〉「現在の自分」について確認すべきこと
- 自分はどのような能力をもっているのか?
- 他者から頼りにされていること、自分の魅力は何か?
- これまで影響を受けたものに共通する点は何か?
- 大事にしている価値観は何か?
- 昔から変わらないこと、こだわりは何か?
- 人生における失敗から回復したきっかけは何か?
これらを確認したら、STEP1でイメージした「なりたい自分」を実現するためには何が不足しているかを確認していきましょう。
〈表〉「なりたい自分」を実現するために考えること
- 自分がこれからできることは何か?
- どのような学びが必要なのか?
- 現在の自分に足りないことはどのようなことか?
- 周りに頼みたい、必要とするサポートは何か?
これらを考えていくことで、現在と未来のありたい姿までの「差」が見えてきます。そして次に、その差を縮めていくためのスモールステップを考えていきます。
【STEP3】「理想の自分」に近づくために必要なことを考える
いきなりハイジャンプをして「理想の自分」に近づこうとすると、無理が生じてしまいます。ですから、現在の自分自身の立ち位置をしっかり把握しながら、1段ずつ階段を上っていくように、理想の私に近づくためのスモールステップでの目標を設定していきます。
そのスモールステップでの目標を設定する時は、「SMART」と呼ばれる5つの要素を取り入れることをオススメしています。
〈表〉目標設定のための「SMART」
Specific(具体的な) |
---|
何に取り組むのか、具体的な表現で、明確な言葉で表す。 |
Measurable(測定可能な) |
達成度合いをレベル化し、可視化できる形式にする。 |
Achievable(達成可能な) |
目標が達成可能な現実的内容かどうか(背伸びし過ぎていないか)を確認する。 |
Relevant(関連のある) |
自己満足になるのではなく、会社・家族・社会も理想像とつながる内容にする。 |
Time Bound(期間を決める) |
いつまでに目標を達成するか、その期限を設定する。 |
目標を曖昧にしてしまうと、中途半端なパワーで動くことになり、何をしても上手くいきません。また、大きな目標だけを設計して、それを目指していくことは、ただ漠然と動いているだけに過ぎないものです。スモールステップをコツコツ積み重ねていくことで、小さな達成感の積み重ねができ、自分に自信を持ちながら人生を歩んでいくことができます。
〈表〉理想の自分になるための目標設定の一例
「子どもに働く楽しさを教える父親でありたい」を理想とする場合 |
---|
目標設定1「気遣いができる特性を活かして、新人育成担当になる」 期限:1年以内 |
目標設定2「新人育成の結果が評価され、営業部リーダーになる」 期限:2年後 |
目標設定3「結婚/家族をつくる」 期限:5年後 |
目標設定4「人を育てる人事・人材開発の仕事をする」 期限:8年後 |
目標設定5「地域の学校の出前授業の講師をする」 期限:10年後 |
【合わせて読みたい記事】
キャリアデザインをブラッシュアップする方法
それではここからは、これまでに考えた自分のなりのキャリアを、より良くするための方法をお伝えしていきます。
以下の2つの外的要因のスパイスを加えることで、さらに豊かなキャリアを築いていくことができます。
〈表〉キャリアデザインをさらに豊かにするための2つの要素
(1)周囲からフィードバックを得る
(2)偶然の出会い、偶然の出来事を大事にする
(1)周囲からフィードバックを得る
キャリア形成していく中で、周りからの声掛けや評価、自分の仕事・活動への感想などの言葉をもらうことは、自信や成長、働く体力・エネルギーにつながります。そのため、自分が考えているキャリアについて周囲の人々に話を聞いてもらい、意見をもらうことをおすすめします。
一方で、苦いフィードバックを受けることもあるでしょう。そんな時は少し距離のある関係の方と関わってみましょう。
上司と部下、親と子などを「タテ」の関係、同僚、兄弟、友達などを「ヨコ」の関係とするなら、他部署の上司や、年1回会う高校の同級生や、月1回趣味で会うゴルフ仲間といった、あなたの日常の中にはない「ナナメ」の関係性の人たちです。
あなたの日常で関わることが少ない、弱いつながりの中にあるナナメの関係性の人たちが、苦いフィードバックの受け取り方を変える言葉をくれることがあります。なぜなら、あなたの日常にはない視点で過ごしていることが多いからです。
そのため、ナナメの関係性との関わりを持つことは、苦い経験をストレスとして抱え込みすぎる前に、軽く消え去るきっかけを得られることが多いのです。
(2)偶然の出会い、偶然の出来事を大事にする
もう1つの外的要因のスパイスは「偶然の出会い、偶然の出来事を大事にする」ことです。これは、スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が20世紀末に提案した「計画された偶発性理論」というキャリア理論で述べている事柄に根ざしています。たとえば、下記のような考え方です。
「キャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」
「偶発的な出会いを豊かにすれば、キャリアも人生も豊かになる」
キャリアデザインを設計することと、「計画された偶発性理論」は、一見相反することのように思いますが、偶発的な出来事・出会いを素直に柔軟に受け止め、動いていくことで、結果としてキャリアも豊かになる、と言われています。
例えば、現場主義で専門性を高め、誰からも認められる専門家を目標としてキャリアデザインを考えていた方が、ある時新人教育を任されることで、教える楽しさを知り、専門性を高める働き方からマネジメントへ方向転換することもあります。
これは与えられた任務をこなすことで、新しい自分を発見するという事例です。当初の目標とは異なりますが、専門性の高い人材を多く育て上げていく、そのような新しい役割や使命感を持つことで、自分の魅力ある人生に気づき、人生の幅を拡げられるようになります。
完璧主義な方の場合、一度キャリアデザインをしたら計画通りに進まないことにイライラしたり、自信をなくしたり、否定的になってしまうことがあります。周りからの新しい機会や意見も、自分の人生の幅を拡げるチャンスと認識せずに、設計した計画に固執し過ぎて取り入れない方もいらっしゃいます。
ご自身の信念を曲げないことはブレない強さのように思えます。しかし、柔軟に反応しないその姿勢は、多様性のある人生をみすみす失っているのかもしれません。
自分の考えにこだわり過ぎるのではなく、固執せずに新しい機会を増やすことも大切なキャリア形成の手段のひとつです。これにより、新しい自分が見つかり、磨かれていきます。そうすると、自然に働き方も、これから大事にしていきたいことも変容していきます。
キャリアデザインは、あなた自身だけの動きだけではなく、あなたの周りにある環境によっても変容していきます。この2つのスパイスを意識することで、思い描いていた当初のキャリアデザインをより魅力的なものとして築いていくことができるようになります。
あなたのキャリアは、刻々と変化していくものです。その変化を楽しむことができれば、きっとそれは、「心身ともに豊かで幸福な理想の自分」に近づいていっているのではないでしょうか。
キャリアデザインにおすすめの本3選
ここまでキャリアデザインについて考えてきて、より深く知りたくなったという人は、ぜひ以下の書籍も参考にしてみてください。
(1)『働き方の哲学』(著・村山 昇)
わかりやすい解説がついた図やイラストを並べながら、見開き2〜4ページで1項目が完結する形にまとめられているので、スイスイ読めます。仕事・キャリア・成長・リーダーシップ・自己実現・会社・メンタル……。働く上で必要となるキーワードが細かく解説されていて、より良い仕事人生を送るためのバイブル的な1冊となっています。ワークシート付きなので、自分自身に問いかけしながら内省することができます。
▶︎ウェブサイト
(2)『クランボルツに学ぶ夢のあきらめ方』(著・海老原嗣生)
クランボルツが提唱した「計画された偶発性理論」を、お笑い芸人のキャリアをもとにわかりやすく解説した本です。「夢はあきらめると、けっこうかなう」「夢にとらわれず、こだわらない」。一見矛盾した言葉に思えますが、お笑い芸人のキャリア事例をもとに、納得できる答えとして見えてきます。
▶︎ウェブサイト
(3)『LIFE SHIFT』(著・リンダ・グラットンほか)
「人生100年時代」というキーワードを一般化させ、政府の「人生100年時代構想会議」に起用され社会現象となった1冊です。これまでの20年学び(学生時代)、40年働き(職業時代)、20年余暇(老後)を過ごす3ステージでは通用しなくなること、人生100年時代のために必要となる学び直しや新たな変形資産(知識、教育など)の形成、無形資産(友人関係など)の重要性など、有形資産(お金)と合わせた三種類の資産を形成することについて書かれています。
▶︎ウェブサイト
まとめ
キャリアデザインは、1年に1回、定期的に行うことをオススメします。1年に1回自分自身を振り返ることで、設計した時点から現在まで、できたこと、できていないこと、周りからの得られた影響、偶然の出来事、進む方向性の変化などを知ることができます。
たとえば、「家庭を持ち、子どもに尊敬され、社会に感動を与える広告デザイナーであること、そしてそのような働く姿を子どもに見せたい」などと具体化させ、将来の自分の理想像、生き方や幸福感、使命感、志などを定期的に把握し直すことが必要なのです。いつでもフラットな気持ちで原点に立ち返ることで、これからのキャリアについて考えていくことができます。
あなたの人生は、あなた自身で描いていくものですが、あなただけで描くことはできません。ですから一人で何でも抱え込まずに、周りを頼る、サポートを受けながら、ありたい姿を目指してください。
【合わせて読みたい記事】