妊婦健診や出産にかかる費用は、思っている以上に高額になることがあります。また、無痛分娩や帝王切開の場合、医療費控除の対象になるのかどうか、判断に迷うこともあるでしょう。
この記事では、妊娠・出産時の医療費控除でいくら戻るのか、計算方法やケース別のシミュレーションを、ファイナンシャルプランナーの荒木千秋さん監修のもと解説します。
※この記事は、2025年11月6日に公開した内容を最新情報に更新しています。
この記事の監修者
荒木 千秋(あらき ちあき)
荒木FP事務所代表。10年間の銀行勤務を経て独立。これからの女性が人生を楽しむためには「お金・投資」との付き合い方を変えなければならないと確信し、現在は、大学講師、セミナー、ウェブ執筆、個別相談などを行っている。著書に『「不安なのにな〜んにもしてない」女子のお金入門』(講談社)がある。
妊娠・出産費用も医療費控除の対象になる?基本のしくみを解説
結論からいうと、妊娠・出産時にかかった費用は、基本的に医療費控除の対象となります。
医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、確定申告をすることで、納めた所得税の一部が還付される制度です1)。出産費用そのものが戻ってくるわけではなく、支払った医療費をもとに所得控除を受け、払い過ぎた税金がある場合に還付金を受け取れます。
妊娠・出産は病気ではないものの、妊婦健診費、分娩費、入院費、通院費などは、医療費控除の対象に含められることがあります。
つぎの章では、出産費用を医療費控除する場合に、還付金がいくら戻るのかを計算する方法を見ていきましょう。
参考資料
出産の医療費控除はいくら戻る?計算方法を4ステップで解説

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妊娠・出産にかかった費用は、医療費控除の対象になる場合があります。ただし、支払った費用の全額がそのまま控除されるわけではありません。
出産費用の負担を軽減する制度として、出産育児一時金があります。出産育児一時金は、原則として子ども1人につき50万円支給されます2)。また、帝王切開で出産された場合、加入している民間の医療保険から手術給付金や入院給付金を受け取れる可能性があります。
医療費控除を計算する際は、こうした出産育児一時金や医療保険の給付金などを、支払った医療費から差し引く必要があります。
ここでは、出産費用を医療費控除する場合に、還付金がいくら戻るのかを計算する方法を4つのステップで解説します。
なお、ここで説明する計算の手順は、妊娠・出産時にかかった費用だけでなく、そのほかの医療費控除にも共通しています。実際に申告する際は、妊娠・出産にかかった費用だけでなく、同じ年に支払ったそのほかの医療費も合わせて計算しましょう。
参考資料
【STEP1】1年間に支払った医療費を計算する
最初にすることは、1年間に支払った医療費の計算です。医療費控除の対象とはならない費用に注意しつつ、対象となる費用が合計でいくらになるのか計算しましょう。
毎年1〜2月に会社から渡される、もしくは自宅に届く「医療費のお知らせ」という通知書を見れば、明細を含めた医療費の確認ができます。なお、1年間とは所得税の対象期間などと同様に、その年の1月1日から12月31日までを指します。
【STEP2】出産育児一時金や保険金などを差し引く
1年間に支払った医療費の合計がわかったら、出産育児一時金や医療保険の給付金など、医療費を補填するために受け取った金額を差し引きます。
妊娠・出産に関する費用では、以下のようなものが差し引く対象になります。
〈表〉妊娠・出産の医療費控除で差し引く費用
- 出産育児一時金
- 民間の医療保険の入院給付金
- 民間の医療保険の手術給付金
- 高額療養費制度(※)による払い戻し
- そのほか、医療費を補填するために受け取った給付金など
たとえば、出産費用を含めた医療費の合計が70万円かかり、出産育児一時金として50万円を受け取った場合、医療費控除の計算では、差し引き後の20万円をもとに考えます。
一方、産休・育休中に受け取る出産手当金や育児休業給付金は、医療費を補填するための給付ではありません。給与の代わりとなる性質の給付金であるため、医療費から差し引く必要はありません。
※:高額療養費制度とは、1カ月に支払う医療費の自己負担額が上限を超えた場合、高額療養費として超過分の払い戻しを受けられる制度
【STEP3】医療費控除対象額を計算する
医療費の合計がわかったら、医療費控除の対象となる金額を計算しましょう。以下の計算式で求められます。
【医療費控除対象額の計算式】
医療費控除対象額 最高200万円=
【1年間で支払った医療費の合計(1/1〜12/31)】−【保険金や給付金】−【10万円 or 所得金額が200万円未満の場合、所得金額の5%】
所得の合計額が200万円未満の人と、それ以外の人では計算方法が異なります。いずれの場合も、医療費控除対象額の上限は200万円なので注意しましょう。
たとえば、1年間に支払った医療費が70万円、出産育児一時金が50万円、所得金額が200万円以上の場合は、以下のように計算します。
70万円 − 50万円 − 10万円 = 10万円
この場合、医療費控除対象額は10万円です。
また、支払った医療費が10万円以下になる可能性がある人は、下記の記事も併せてご覧ください。10万円以下でも医療費控除の申請ができる場合や、申請方法などについて詳しく解説しています。
【関連記事】医療費が10万円以下でも医療費控除の対象になる場合について、詳しくはコチラ
【STEP4】医療費控除対象額に所得税率をかける

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医療費控除対象額が計算できたら、いよいよ還付金の計算です。
医療費控除で戻ってくる金額の目安は、「医療費控除対象額×所得税率」で計算できます。
〈図〉還付金の計算式

ここで確認しておきたいのが、所得税率です。所得税率は一律ではなく、課税される所得金額に応じて変わります。
会社員や公務員の人は、源泉徴収票を見ると、課税される所得金額の目安を確認できます。「給与所得控除後の金額」から「所得控除の合計額」を差し引いた金額が、課税所得金額です。
【課税所得金額の算出方法】
課税所得金額 = 給与所得控除後の金額 − 所得控除の合計額
課税される所得金額がわかったら、つぎの表に当てはめてみましょう。所得税率がわかります。
〈表〉所得税率表(2015年分以降)3)
| 課税される所得金額(※) | 税率 |
|---|---|
| 1,000円〜194万9,000円 | 5% |
| 195万円〜329万9,000円 | 10% |
| 330万円〜694万9,000円 | 20% |
| 695万円〜899万9,000円 | 23% |
| 900万円〜1,799万9,000円 | 33% |
| 1,800万円〜3,999万9,000円 | 40% |
| 4,000万円〜 | 45% |
たとえば、医療費控除対象額が10万円で、所得税率が10%の場合、還付金の目安は1万円です。
10万円 × 10% = 1万円
ただし、実際に還付される金額は、給与からの天引きなどによりすでに納めている税金額と、実際に納めるべき税金額との差額です。源泉徴収税を納めていない個人事業主や自営業などの場合は、必ずしも還付金を受け取れるわけではありません。
なお、所得金額が増えるほど所得税率は高くなります。医療費控除によって課税所得が下がると、結果として所得税率が変わる可能性もあります。
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【ケース別】妊娠・出産の医療費控除はいくら戻る?

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ここまで、出産費用を医療費控除する場合の計算方法を見てきました。ただし、実際に戻ってくる金額は、自然分娩・無痛分娩・帝王切開などの出産方法や、受け取った給付金の有無によって変わります。
ここでは、出産方法のケース別に、医療費控除でいくら戻るのかをシミュレーションしてみましょう。
【計算例の前提】
- 課税所得金額:450万円
- 所得税率:20%
- 医療費控除対象額から差し引く金額:10万円
- 出産育児一時金:50万円
- 住民税の軽減額は含めない
なお、以下の計算例はあくまで目安です。実際の還付金額は、支払った医療費の総額、出産育児一時金や保険金などで補填された金額、所得税率、ほかの控除の状況などによって異なります。
【ケース1】自然分娩の場合
自然分娩の場合、出産費用は原則として健康保険の適用外ですが、妊婦健診費、分娩費、入院費などは医療費控除の対象になる場合があります。
たとえば、妊婦健診・分娩費・入院費などで65万円を支払い、出産育児一時金として50万円を受け取った場合は、以下のように計算します。
〈表〉自然分娩の場合の医療費控除の計算例
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 1年間で支払った医療費 | 65万円 |
| 出産育児一時金 | 50万円 |
| 差し引き後の医療費 | 15万円 |
| 医療費控除対象額 | 5万円 |
| 所得税率20%の場合の還付金の目安 | 1万円 |
このケースでは、出産育児一時金を差し引いたあとの医療費は15万円です。そこから10万円を差し引くと、医療費控除対象額は5万円になります。
所得税率が20%の場合、還付金の目安は1万円です。
【計算式】
65万円 − 50万円 − 10万円 = 5万円
5万円 × 20% = 1万円
自然分娩では、出産育児一時金を差し引いたあとに自己負担額がどれくらい残るかがポイントです。差し引き後の医療費が10万円を超える場合、医療費控除によって所得税の一部が戻る可能性があります。
【ケース2】無痛分娩の場合
無痛分娩は、自然分娩に比べて費用が高くなりやすい傾向があります。無痛分娩にかかった費用も、医師等による診療・分娩に必要な費用として支払ったものであれば、医療費控除の対象になる可能性があります。
たとえば、妊婦健診・無痛分娩・入院費などで85万円を支払い、出産育児一時金として50万円を受け取った場合は、以下のように計算します。
〈表〉無痛分娩の場合の医療費控除の計算例
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 1年間で支払った医療費 | 85万円 |
| 出産育児一時金 | 50万円 |
| 差し引き後の医療費 | 35万円 |
| 医療費控除対象額 | 25万円 |
| 所得税率20%の場合の還付金の目安 | 5万円 |
このケースでは、出産育児一時金を差し引いたあとの医療費は35万円です。そこから10万円を差し引くと、医療費控除対象額は25万円になります。
所得税率が20%の場合、還付金の目安は5万円です。
【計算式】
85万円 − 50万円 − 10万円 = 25万円
25万円 × 20% = 5万円
無痛分娩は自己負担額が大きくなりやすいため、医療費控除対象額も自然分娩より大きくなる場合があります。ただし、無痛分娩の費用の内訳は医療機関によって異なります。医療費控除の対象になるかどうかは、領収書や診療明細書を確認しておきましょう。
【ケース3】帝王切開の場合
帝王切開の場合は、正常分娩とは異なり、手術費などに健康保険が適用されます。また、民間の医療保険に加入している場合は、入院給付金や手術給付金を受け取ることもあります。
帝王切開は手術費が加わる分、出産にかかる医療費自体は自然分娩より高くなりやすい傾向があります。一方で、保険が適用される費用や、高額療養費制度による払い戻しがあるため、自己負担額がそのまま医療費控除の対象になるとは限りません(※)。
たとえば、妊婦健診・帝王切開・入院費などで自己負担額が75万円となり、出産育児一時金として50万円、医療保険の給付金として10万円を受け取った場合は、以下のように計算します。
〈表〉帝王切開の場合の医療費控除の計算例
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 1年間で支払った医療費 | 75万円 |
| 出産育児一時金 | 50万円 |
| 医療保険の給付金 | 10万円 |
| 差し引き後の医療費 | 15万円 |
| 医療費控除対象額 | 5万円 |
| 所得税率20%の場合の還付金の目安 | 1万円 |
このケースでは、出産育児一時金と医療保険の給付金を差し引いたあとの医療費は15万円です。そこから10万円を差し引くと、医療費控除対象額は5万円になります。
所得税率が20%の場合、還付金の目安は1万円です。
【計算式】
75万円 − 50万円 − 10万円 = 15万円
15万円 − 10万円 = 5万円
5万円 × 20% = 1万円
帝王切開は手術費が加わる分、支払う医療費自体が大きくなりやすいですが、出産育児一時金や医療保険の給付金を差し引いたあとの金額が医療費控除の対象となります。
※:通常の出産は高額療養費制度の対象外ですが、帝王切開など健康保険が適用される場合は対象となり、自己負担額が軽減されることがあります。高額療養費として払い戻された金額は、医療費控除の計算上、支払った医療費から差し引く必要があります。実際の払戻額は総医療費や所得区分によって異なるため、加入先の健康保険組合等にご確認ください。
【ケース4】(共働き)夫婦どちらで申告するか比較する場合
医療費控除は、本人だけでなく、生計を一にする家族(生活費を共にしている家族)の医療費をまとめて申告できます。共働き夫婦の場合、夫と妻のどちらが申告するかによって、還付金額が変わることがあります。
たとえば、医療費控除対象額が25万円の場合、所得税率ごとの還付金の目安は以下のとおりです。
〈表〉所得税率による還付金の目安(医療費控除対象額25万円の場合)
| 所得税率 | 還付金の目安 |
|---|---|
| 5% | 1万2,500円 |
| 10% | 2万5,000円 |
| 20% | 5万円 |
所得税率が高い人が申告するほど、還付金額は大きくなります。そのため、共働き夫婦の場合は、所得税率が高いほうが申告するのが有利なケースが多いです。
【計算式】
25万円 × 5% = 1万2,500円
25万円 × 10% = 2万5,000円
25万円 × 20% = 5万円
また、共働き夫婦であっても、産休・育休中で収入が大きく下がっている年は、配偶者が税法上の扶養に入れる場合があります。扶養に入ることで配偶者控除・配偶者特別控除が適用され、世帯全体の税負担が軽くなることもあるため、申告前に確認しておくとよいでしょう。
【関連記事】育休中にパートナーの扶養に入る条件などについて、詳しくはコチラ
妊娠・出産にかかる費用の目安

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ここまで、出産方法ごとの医療費控除の計算例を見てきました。では、そもそも妊娠・出産にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。
厚生労働省のデータによると、正常分娩ではおよそ50万円かかるのが平均的となっています4)。しかも、基本的には全額自己負担となります。
妊娠・出産にかかる費用は、分娩方法や医療機関、入院日数などによって変わります。費用の目安を知っておくと、医療費控除の対象になる費用や、出産育児一時金などを差し引いたあとの自己負担額もイメージしやすくなります。
参考資料
医療費控除の対象となる費用・ならない費用

画像:iStock.com/XiXinXing
医療費控除のしくみがわかったところで、具体的に医療費控除の対象となる費用を確認しましょう。
ここで注意しておきたいのが、病院で支払った費用であっても、医療費控除の対象になるものとならないものがあることです。また病院以外で支払った費用でも、たとえば病院に向かう交通費などは医療費控除の対象となるので取りこぼしのないようにしましょう。
ここでは、妊娠・出産時に医療費控除の対象となる費用・ならない費用について解説します。
妊娠・出産時に医療費控除の対象となる費用
妊娠・出産時に医療費控除の対象となる費用には、以下のようなものが挙げられます。
(1)出産時の分娩や入院費用
(2)妊娠と診断されてからの定期健診や検査などの費用
(3)不妊治療費用(医師が必要と認めた場合)
(4)治療または療養に必要な薬代
(5)通院のために電車やバスで移動した交通費
(6)タクシー代(出産で入院する時に、公共交通機関では来院が困難だったために利用した場合)
(7)入院代に含まれている食事代
病院で支払った費用以外でも、通院のための交通費は医療費控除の対象となります。交通費は領収書が必要ですが、電車やバスなどの公共交通機関の場合には領収書が発行されないので、代わりに家計簿などに記録して交通費を明確に説明できればOKです。
また、入院中の食事代も、入院費用の一部として病院に支払いますので、一般的には医療費控除の対象となることも覚えておきましょう。
【関連記事】医療費控除の対象となる交通費について、詳しくはコチラ
妊娠・出産時に医療費控除の対象とならない費用
一方で、妊娠・出産時に病院に支払った費用や交通費であっても、医療費控除の対象とならないものがあります。
(1)希望して入院時に個室を選んだ場合の差額ベッド代
(2)病気の予防、健康増進のための医薬品やサプリメント代
(3)入院時のパジャマや身の回り品の購入費用
(4)里帰り出産のための帰省費
(5)タクシー代(公共交通機関で通院できるにも関わらず利用した場合)
(6)自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車場代
(7)入院中に病院外から取った出前代や外食代
差額ベッド代は、正式には「特別療養環境室料」といいます。特別療養環境室とは、いわゆる「大部屋」とは異なる部屋です。ベッド数が4床以下で、室内に個人用照明などの設備が揃っているなど、いくつかの条件を満たす部屋を指し、一般的な個室も含まれます。
なお、大部屋が空いていなかった場合など、病院側の都合で特別療養環境室に入院または移動した際の差額ベッド代は、医療費控除の対象となる点に注意しましょう。
また、妊娠期間中は葉酸などのサプリメントを服用することもありますが、サプリメントは対象外です。さらに、入院に際してパジャマや洗面具など身の回り品を購入した費用も対象になりません。
交通費については、実家で出産するための帰省費や、入院中に家族が面会のために使った交通費は対象外となります。また食事代については、病院の外から出前を取ったり外食したりする時の代金も対象外です。
医療費控除の対象となるかどうかの基準は、「治療に関する費用か否か」です。対象となるのか迷ったら、国税局電話相談センター5)に聞いてみましょう。
参考資料
医療費控除の申請方法を4つのステップで解説

画像:iStock.com/Yagi-Studio
医療費控除を申請するためには、確定申告の手続きが必要です。では、確定申告で具体的にどのように手続きをすれば、医療費控除を受けられるのか、詳しくご紹介します。
確定申告から口座への入金までの流れは以下のようになります。順に解説していきます。
【STEP1】確定申告に必要な書類を準備する
確定申告で医療費控除を申請するために必要な書類はつぎのとおりです。
【医療費控除の申請に必要な書類】
- 確定申告書
- 医療費控除の明細書
- マイナンバーカード(持っていない場合は通知カードと本人確認書類)
【あれば用意しておいたほうがいい書類】
- 医療費のお知らせ(健康保険組合や共済組合が発行)
- 医療費の領収書
確定申告書の原紙は国税局のウェブサイトから印刷するか、自治体の役所や税務署でもらいましょう。パソコンで作成する場合には、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用してください。
【STEP2】確定申告書、医療費控除の明細書を作成する
必要な書類が準備できたら、明細書を作成します。明細書の書き方は少し細かい作業なので後述します。なお、健康保険組合などが発行する「医療費のお知らせ」があれば、代わりに添付することで明細書の記入が省略できます。
【STEP3】書類ができたら、税務署に提出する
税務署への提出方法は3つあります。
(1)所轄の税務署に持参する
(2)所轄の税務署に郵送する
(3)国税庁のウェブサイトで作成した確定申告書をe-Tax(インターネット)で送信する
確定申告で使用した領収書類は、5年間の保管義務があるので、捨てずに必ず保管しましょう。紙面で記入した場合は、税務署に持参するほか、郵送も可能です。
マイナンバーカードを持っている人は、国税電子申告・納税システム(e-Tax)のウェブサイトから送信が可能です。会計サービスとe-Taxを併用すると、オンラインで確定申告が完結できるので便利です。
【STEP4】口座への入金を確認する
口座振り込みをお知らせするハガキが届きます。内容に間違いがないか念のため確認しましょう。還付金の振り込みは確定申告後、1カ月から1カ月半程度かかると想定しておきましょう。
医療費控除の明細書の書き方

画像:iStock.com/west
明細書は、国税庁のウェブサイトで取得できます。明細書は、「医療を受けた人」と「支払先」を分けて、それぞれ合計した金額を記入します。
医療費通知を利用する場合は、明細書の「1 医療費通知に記載された事項」に転記します。領収書やレシートを利用する場合は、「2 医療費(上記1以外)の明細」の欄に記入していきます。事前に領収書を仕分けしておくとスムーズに記入できます。
医療費の明細の記入が終われば、控除額の計算をして終了です。
〈図〉医療費控除の明細書(内訳書)6)

〈表〉明細書に記載する項目

医療費の領収書が多い場合は、医療費集計フォームも活用してみてください。
医療費控除の申請期間を詳しく知りたい人は、下記の記事も併せてご覧ください。
参考資料
手続きを簡略化させたいのであればマイナ保険証を活用しよう
確定申告で医療費控除を申請するにあたり、医療費の計算や申告書への記載が面倒に感じる人も多いかと思います。
しかし、マイナンバーカードと保険証を紐付けておけば、医療費の情報がマイナポータルに自動的に記録されます。そして、マイナポータルと確定申告サイト「e-Tax」を連携すれば、医療費が自動的に「e-Tax」に反映されるため、手続きが大幅に簡略化されるのです7)。
ただし、保険適用外の費用(はり・きゅう等の施術費用や整骨院・接骨院の柔道整復療養費など)など、一部マイナポータルに反映されない医療費もあります。該当する医療費がある場合は注意しましょう。
マイナンバーカードと保険証の紐付け方については、以下の記事で解説していますので併せてご覧ください。
【関連記事】マイナンバーカードと保険証の紐付け方について、詳しくはコチラ
出産の医療費控除を申請する時の注意点
最後に、出産の医療費控除を申請する時に、確認しておきたいポイントを解説します。
年またぎの妊婦健診・出産入院費は「支払った年」で申告する

画像:iStock.com/kevinjeon00
医療費控除は1月1日から12月31日までの1年間に支払った医療費が一定の額を超えた場合に適用される制度です。では、妊娠から出産までの期間が年をまたいだ場合はどうなるのでしょうか。
妊娠から出産までの期間が年をまたぐ場合、基本的にはそれぞれの年で分けて医療費控除の申請をする必要があります。そのため、どちらかの年の支払いが少ないと対象とならないことも考えられます。
また、病院によっては入院が決まった際に、先に「預かり金」というものを支払う場合もあり、この預かり金は退院時に精算されることが多くなっています。そのため、出産を目的とした入院が年をまたぐ場合に、前年に支払った預かり金を、翌年の退院の際に合わせて精算し「領収書」を発行してくれるケースもあります。その場合は年をまたいだ入院の費用がすべて同じ年に支払われたことになります。預かり金の有無や、年をまたぐ入院の精算については、病院ごとに異なるため、一度相談してみるとよいでしょう。
セルフメディケーション税制とは併用できない

画像:iStock.com/Edwin Tan
2017年からの医療費控除には、一般の医療費控除のほかに、特例の「セルフメディケーション税制」があります。これは、ドラッグストアなどで対象の医薬品を年間1万2,000円以上購入すると、購入費用について所得控除を受けられるという制度です。出産に向けて葉酸などの錠剤を購入している人は、覚えておくとよいでしょう。
しかし、医療費控除と併用できないため、出産をした年には特に注意しましょう。通常は、セルフメディケーション税制を利用しないほうが、より多くの控除が期待できます。
出産予定がある人は医療費控除の準備をしておこう

画像:iStock.com/yamasan
妊娠・出産にかかった費用は、一定の条件を満たすと医療費控除の対象になります。医療費控除を利用することで、所得税の一部が還付される場合があります。
たとえば、課税所得450万円(所得税率20%)・医療費控除対象額が25万円の場合、所得税の還付金の目安は5万円です。
出産をする年は医療費が高額になりやすいからこそ、早めに準備しておくことが大切です。確定申告の時期に慌てないよう、対象となる費用や申請方法を確認しておきましょう。








