“万が一”のために加入するものといえば「保険」です。20代になって「そろそろ必要かな」と検討する人もいれば、「まだ早い」と思う人もいるでしょう。20代は保険についてどう考えるべきなのでしょうか。加入するタイミングやメリット・デメリットとともに、架空の人物像をいくつか設定して、ケース別に保険検討のポイントを紹介します。

※この記事は2022年2月21日に更新しています。

この記事の監修者

画像: 20代が加入すべき「保険」って? 加入タイミングや種類をケース別にシミュレーション

タケイ啓子(たけいけいこ)

ファイナンシャルプランナー。36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。
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20代の保険加入率はどのくらい?

画像: 画像:iStock.com/miya227

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保険の検討ポイントを考える前に、そもそも20代はどのくらいの人が保険に加入しているのでしょうか。公表されているデータから加入率を見てみましょう。

20代の保険加入率は約59%!

〈表〉20代の全生命保険加入率

性別保険加入率
男性58.5%
女性59.9%

生命保険文化センターのデータ1)によると、20代の保険加入率は、男女とも約59%。半数以上が加入していることがわかります。また、30代になると、男女とも約82%に上昇しています。

〈表〉20代の年間払込保険料(全生保

性別年間振込保険料
男性14.7万円
女性11.4万円

では、1年間でどのくらい保険料を支払っているのでしょうか。平均金額を見ると、男性の方が少し高めです。月に約1万円以上支払っていることがわかります。

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20代が保険に加入するきっかけは「家族や友人にすすめられて」

続いて、20代が保険に加入する「きっかけ」を見てみましょう。

〈表〉保険に加入するきっかけランキング

【男性】

1位家族や友人に勧められて33.6%
2位就職をしたので31.1%
3位勤め先や労働組合など職場で勧められて13.9%

【女性】

1位家族や友人に勧められて33.3%
2位就職をしたので23.6%
3位結婚をしたので12.2%
生命保険文化センター「令和元年「生活保障に関する調査」」1)より

男女とも1、2位の理由は同じです。社会人になったタイミングで、周囲から勧められて加入するケースが多いようですね。自分から進んで能動的に加入するというより、誰かの話を受けて、受動的に加入する人が多いとも言えそうです。

人に勧められて保険を検討する時の注意点

周りからの勧めで加入するケースが多い20代。早いうちから保険を考えるのは悪いことではありませんが、勧められて加入する場合、中身をよく見ずに契約してしまう、あるいは保障の内容が手厚すぎるといったケースもあります。

特に、家族や友人が勧める場合、「とりあえず同じ契約で」と安易に決めてしまうことも。自分に合う保険はひとりひとりの収入や環境で異なります。家族同士でも、その人に必要な保険は違う可能性もあります。必ず自分で内容を理解して契約するようにしましょう。

なお、保険は契約後に解約や内容の変更が可能です。加入後にもう一度内容を見直し、自分にフィットしたものに変えていくことも重要です。

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20代で保険に加入するメリット・注意点とは

20代の早いうちから保険に加入するメリット・注意点はどこにあるのでしょうか。

【メリット1】貯金が少なくても、いざという時に困らない

画像: 画像:iStock.com/JGalione

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20代、特に働き始めて間もない時期は貯金が少ない人も多いはずです。その備えになるのが保険です。仮に病気やケガで入院した場合、どんな治療でも、健康保険の高額療養費制度が適用されれば、自己負担は月額8〜10万円ほどで済みます。

とはいえ、20代だと8〜10万円の自己負担さえ払うのが厳しい、あるいは自己負担を払うことで家賃などの生活費が圧迫される人も少なくないでしょう。そういった貯金の少ない人は、治療費をまかなう医療保険が助けになります

【メリット2】健康だと保険の加入に困らない

死亡保険や医療保険は、加入する際に審査があります。一般的に、保険は健康な人ほど加入しやすいため、病気が少ない20代は保険加入手続きに困らない年代と言えます。

また、審査の内容も年齢を重ねるほど細かくなります。たとえば20代の審査では、これまでの病歴を書類に記入するだけで済むケースもありますが、年齢を重ねると、直近の健康診断の結果書類が求められたり、指定の医療機関で改めて健康診断を受けたりする必要があることも珍しくありません。

そのほか、過去の病歴が保険に影響を与えることもあります。具体的には、5年以内に胃潰瘍で入院した経歴がある人の場合、医療保険の中でも胃の病気に関しては保険が適応されないなど。20代はまだ病歴の少ない年代であるため、こういった審査は通りやすくなるでしょう。

【メリット3】20代は保険料が安い

一般的に、加入する年齢が若いほど、月々支払う保険料は安くなります。保険の種類については、後で詳しく述べますが、たとえば一定期間内の医療費や死亡を保障する「定期型」の保険の場合、年代が若いほど健康な人が多く、死亡率も低いため保険料は安くなります。

保険には一生涯保障する「終身型」の保険もあります。こちらは、若いうちに加入するほど支払い期間が長くなり、月々の支払いを少額に抑えられます。

【注意点1】20代だと加入するメリットの少ない保険がある

画像: 画像:iStock.com/takasuu

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20代のうちは、加入してもメリットの少ない保険が存在します。たとえば死亡保険は、自分が亡くなった時、主に残された家族が受け取ることで金銭的な不安をサポートするものです。

しかし、20代はまだ未婚者が多い世代です。仮に自分が亡くなっても、独身で金銭的に困る家族がいなければ、死亡保険に加入するメリットは少ないと言えるでしょう。

【注意点2】契約内容を吟味せず加入することがある

20代では、まだ保険の必要性を強く感じていない人も多く、“なんとなく”で加入するケースも少なくありません。そのため、内容をきちんと理解していない場合もあるでしょう。

契約した後、「いつか内容を見直そう」と思っていても、結局そのまま何十年も同じ契約を続けていることもあります。すると、いざケガや病気になった時、本当に必要な保障がカバーされていなかった……となる危険も否めません。

20代は健康不安が少なく、将来設計もこれからの人が多いからこそ、自分にとって適切な保険内容を見極めるのが難しい時期。きちんと吟味することが大切です。

20代における保険の「選び方」「考え方」

20代が保険を選ぶ時、どんなことに配慮すればよいのでしょうか。基本的な考え方・選び方を見ていきます。

ひと口に保険といっても、いくつかの種類があります。まずは代表的な保険の種類の概要をザックリと説明しながら、20代が選ぶ時のポイントも一緒に紹介していきましょう。

(1)「死亡保険」と「医療保険」

画像: 画像:iStock.com/xavierarnau

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この2つは「どのような場合に保障を受けられるか」という違いがあります。

〈表〉死亡保険・医療保険の概要

死亡保険亡くなった場合、遺族などが保険金を受けとれる。生命保険とも呼ばれる。
医療保険病気やケガの際、入院費・医療費に対して給付金を受けられる。

保険商品の中には、医療保険と死亡保険の両方の機能を含むものもあります。

20代で死亡保険・医療保険を選ぶ時のポイント

20代の場合、未婚者が多く、死亡保険が必要なケースは少ないと言えます。死亡保険は、配偶者や子どもなど、自分が亡くなった時の収入減で困る人のために加入するのが基本です。

たとえば、すでに結婚して子どもがいる場合や、ご両親の生活費を仕送りしている場合は検討したほうがよいでしょうが、そういった状況になければ、20代で加入する必要性は低いと言えます。

ちなみに、子どものいる親が亡くなった場合、保険以外にもセーフティーネットがあります。遺族年金や奨学金などが一例です。つまり、子どものいる家庭にとって、死亡保険以外にもサポートはあるのです。とはいえ、子どもが社会に出るまでにどれだけのお金が必要か、事前に計算しにくい面もあります。進路次第では、想定以上に費用がかかるかもしれません。その不安を解消する意味で、死亡保険に加入するという考えもあると思います。

一方、医療保険は前述のとおり、貯金の少ない20代にとっては万が一の備えになります。ただし、高額療養費制度が適用されれば、自己負担は月額8〜10万円ほどで済みますので、このことは覚えておきましょう。

(2)「積み立て型」と「掛け捨て型」

画像: 画像:iStock.com/kuppa_rock

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保険商品のシステムは、「積み立て型」と「掛け捨て型」に大別されます。この2つの違いは「払い続けた保険料が戻ってくるかどうか」です。

〈表〉「積み立て型」と「掛け捨て型」の概要

積み立て型保険の契約が満期になった場合や途中解約の場合にお金が戻ってくる。
掛け捨て型満期や途中解約でお金は戻ってこないが、その分、月々の保険料が低い。

20代で積み立て型・掛け捨て型を選ぶ時のポイント

貯金が苦手で、保障を確保するのと同時に貯金もしておきたい人は積み立て型、今の出費をなるべく抑えたい人は掛け捨て型を選ぶとよいでしょう。

自分の今の状況だけでなく、将来の自分のライフプランを想像しながらどちらがよいかをじっくりと考えてみましょう。

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(3)「終身保険」と「定期保険」

画像: 画像:iStock.com/mykeyruna

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上記で示した「積み立て型」と「掛け捨て型」は「保険料が戻ってくるか否か」がポイントでしたが、「保険が適用される期間」の違いも確認すべきでしょう。それが、「終身保険」と「定期保険」という種類の違いです。

〈表〉「終身保険」と「定期保険」の概要

終身保険一生涯にわたって、保障が行われる保険。
定期保険保障の発生する期間が定められている保険。10年、20年といった期間で区切るものと、60歳まで、70歳までと年齢で区切るものがある。

20代で終身保険・定期保険を選ぶ時のポイント

定期保険に比べて終身保険は保険料の総額が高くなりますが、20代のうちに加入すれば月々の保険料は低く抑えられる傾向にあります。

また、保障は終身でも、保険料の払い込みは60歳で満了にするといった設定も可能です。高齢になっても保険料を払い続けるのは不安ですし、収入減のリスクもあります。60代で払い込みを終えて、保障は一生涯受ける形が安心という見方もできます。

終身保険と定期保険の選択は、人生設計や環境によってメリット・デメリットが大きく変わります。個人個人の状況に合わせて考えましょう。

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(4)保険は途中でも解約できる

保険は途中解約や変更ができるため、20代で加入したとすると、基本的には好きなタイミングで見直すことが可能です(健康状態が悪くなった場合など、条件によっては内容変更ができないこともあります)。なお終身の死亡保険は、多くの場合、解約時に「解約返戻金」というものが発生し、それまでに支払った保険料が定められた割合で戻ってきます。一方で医療保険は解約返戻金のないケースが多くなります。

ただし、加入してからの期間が短いうちに中途解約すると、基本的にそれまでに支払った保険料よりも返戻金は少なくなります。損をしないためにも、保険の内容は吟味してから契約しましょう。

20代が保険に加入する時、重視すべきポイント

画像: 20代が保険に加入する時、重視すべきポイント

(1)医療保険を検討する時のポイント

まずは現在の自分の貯金額を確かめ、入院・治療時にどれだけの保障が必要か考えましょう。健康保険が適用される治療であれば、治療費の自己負担は約8〜10万円/月で済みます。

さらに、正社員なら最長で1年半の間、社会保険で欠勤中は傷病手当(月給の約3分の2)を受給できます。それをふまえて、金銭面で足りないと考えられる、あるいは不安な場合は、不足分をカバーする医療保険を検討しましょう。

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(2)死亡保険を検討する時のポイント

自分が亡くなった時、金銭的に困る人がいるかどうかが検討すべき重要ポイントです。配偶者や子ども、両親の生活資金を負担している場合、死亡保険を検討しましょう。まだ独身でこれらに当てはまらないなら、結婚や出産のタイミングまで待ってもよいでしょう。

(3)女性が医療保険を検討する時のポイント

医療保険には「女性特約」というオプションがあります。女性特有の病気にかかると保障がプラスされるケースが多く、自動的に付く場合もあります。

ただし、女性特有の病気でも、基本的に入院時の費用が特別高くなるわけではありません。十分に貯金がある場合など、無理に特約を付けなくてよい人もいるでしょう。一方、乳がんで乳房を切除した際の再建費用を確保するために特約に加入するなどの考え方もあります。

(4)既婚者が保険を検討する時のポイント

既婚の場合は、配偶者が亡くなった時には遺族年金2)が給付されることを考慮した上で、死亡保険の保障金額などを検討するとよいでしょう。

自営業者などが加入している国民年金では、死亡した者によって生計を維持されていた「子のいる配偶者」、または「子」自身が遺族年金を受け取れます。基本的に、子どもがいなければ給付されないことに注意が必要です。

会社員などが加入している厚生年金では、死亡した者によって生計を維持されていた「妻」、「子」、「55歳以上の夫」が遺族年金の給付対象となります。妻は子どもがいなくても給付されますが、30歳未満で子がいない場合は、遺族年金の給付は5年間だけとなっています。

保険に加入する前に、遺族年金では残された配偶者がいつまで、いくら給付されるのか、その上で足りない金額はいくらなのかをあらかじめシミュレーションしておくことが大切です。

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独身、既婚などのケース別、どんな保険に加入すべき?

保険の基本的なポイントを押さえたところで、具体的にどのような保険を選べばよいのか、4人の架空の人物(20代)を想定して、それぞれが保険を検討する際のポイントを考えてみましょう。

【ケース1】独身・実家暮らしの男性会社員Aさん

画像1: 画像:iStock.com/monzenmachi ※この画像はイメージです

画像:iStock.com/monzenmachi ※この画像はイメージです

●プロフィール

年齢23歳
家族構成・生活スタイル独身・実家暮らし
年収(額面)300万円
保険を検討する理由就職をきっかけに、自分にかかるお金は自分でしっかりとまかなえるようにしておきたいと考え始めたから

Aさんは独身であり、親に仕送りをしているわけでもありません。自分が亡くなった時に、金銭的に困る人はいないと考えられるために死亡保険に加入する必要性は低いでしょう。また、実家暮らしで生活コストも低く、ケガや病気で仕事を休んだ場合も短期間ならば貯金で切り抜けられる可能性は高いといえます。

そのため、Aさんが選ぶならば、「安価な保険」かつ「病気が長引くことを想定した保険」がよいでしょう。具体的には、安価な医療保険とがん保険を組み合わせるなどが考えられます。

安価な医療保険という意味では、家計に負担がかからないレベルのものを選びましょう。掛け捨て・60歳で払い込み満了・終身の「医療保険」を選び、月額3,000円ほどの保険料だと加入しやすいのではないでしょうか。

なお、病気が長引く場合としては、若年性のがんや白血病の罹患が挙げられます。これらは進行が早く、治療も大掛かりで費用もかかります。治っても社会復帰に時間がかかる可能性もあります。そういった万が一に備えてがん保険に加入しておくのもひとつの手です。

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【ケース2】独身・一人暮らしの女性会社員Bさん

画像: 画像:iStock.com/west ※この画像はイメージです

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●プロフィール

年齢26歳
家族構成・生活スタイル独身・一人暮らし
年収(額面)400万円
保険を検討する理由次のライフイベントに向けて、妊娠・出産や女性特有の疾病への備えをしておきたいから

20代独身であっても、女性の場合は結婚や出産といったライフイベントを意識する人は多いでしょう。Bさんの場合、それに向けて、女性特有の疾病にしっかりと備えておきたいと考えているそう。このような場合、「女性特化型の保険」に加入する選択肢もあります。

乳がんや子宮がんなど、女性特有の病気として知られているものは多くありますが、それ以外にも、多くの女性が経験する出産のリスクについても知っておきたいところです。

出産では、通常の出産(自然分娩)では保障が受けられない保険が多くなっていますが、「異常分娩」とされるものは基本的に保障を受け取れるようになっています。じつは、異常分娩のひとつである帝王切開になる確率は5分の1程度と、かなりの高確率。そういったこともふまえて、女性特化型の保険が必要なのか、一般的な医療保険、がん保険でよいのかを検討しましょう。

また、Bさんの収入水準(年収400万円)であれば、両親への仕送りも可能でしょう。仕送りで両親の生活が成り立っている場合、生命保険の加入を検討する必要もあるかもしれません。自分が亡くなった時に両親の生活費が不安なのであれば、考えてみましょう。

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【ケース3】独身・一人暮らしの女性フリーランスCさん

画像: 画像:iStock.com/recep-bg ※この画像はイメージです

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●プロフィール

年齢28歳
家族構成・生活スタイル独身・一人暮らし
年収(額面)500万円
保険を検討する理由フリーランスであるため、働けなくなることにも備えておきたいから

フリーランスと会社員の社会保険制度は異なります。会社員の健康保険と年金制度が「社会保険」と「国民年金+厚生年金」なのに対して、フリーランスは「国民健康保険」と「国民年金のみ」に加入するのが一般的です。

会社員なら「社会保険」によって、病気などで休んでも180日までは元の月収の約3分の2の収入保障(傷病手当金)があります。また、会社に在籍していれば治った際に職場復帰しやすいでしょう。さらに仮にケガや病気の後遺症で復帰できない場合、障害年金が給付されますが、国民年金よりも厚生年金のほうが給付が手厚くなっています。

よって、フリーランスは会社員に比べて自分で備えておくべき部分が大きいと言えます。特に病気やけがへの備えとして、Aさんのケースと同じく掛け捨てで安価な医療保険、がん保険に加入することを検討しましょう。

それに加えて、フリーランスのCさんの場合は特に、ケガや病気による就業不能に備えた保険(就業不能保険)に加入しておくことが有効です。

就業不能保険は月額15万円ほどが受け取れるものに加入しておいてよいのではないでしょうか。

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【ケース4】子どもと3人暮らしのDさん夫婦

画像2: 画像:iStock.com/monzenmachi ※この画像はイメージです

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●プロフィール

年齢夫29歳、妻28歳(共働き)
家族構成・生活スタイル夫、妻、子どもの3人暮らし
年収(額面)600万円
保険を検討する理由子どもも小さいので、今後に備えたい。住宅の購入を検討しているから

Dさん夫婦の場合は、夫婦どちらも死亡保険に加入するのが安心でしょう。

Dさん夫婦と同じように、近年は共働きが多くなっています。かつては夫にのみ死亡保険を掛けた家庭が大半でしたが、今は妻の収入が家計に占める割合も高いものです。夫婦どちらに不幸が起きた場合でも、金銭面で困らないような準備が必要でしょう。

なお、今後住宅購入を検討しているならば、団体信用生命保険(団信)も確認しておきましょう。団信とは、大半のケースで住宅ローンを組むのと同時に加入するもので、返済者が亡くなった場合、ローン残額を肩代わりしてくれるものです。

ただし、団信が適用されるのは、契約者のみです。共働きで、夫婦2人の収入から返済資金を捻出していた場合、仮に契約者ではない方が亡くなれば、団信は適用されず以降の返済が厳しくなります。そういった今後のことも考慮して、両者とも死亡時の保障がある状態にしておくとよいでしょう。

また、医療保険とがん保険も同じく加入する必要があります。死亡保険と一体型の商品を選ぶか、もしくは医療保険・がん保険で別に加入することも可能です。その場合は入院したら1日につき5,000~1万円、がんと診断されたら100~300万円の一時給付金があるものがよいでしょう。

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20代、保険加入&見直しのタイミングは?

収入や家族環境、暮らしによって、保険の考え方は人それぞれです。では、どんなタイミングで保険加入を考えればよいのでしょうか。

保険加入を考えるタイミング、保険を見直すタイミング

人生では、たびたびライフステージの変化が訪れます。就職、転職、結婚、出産、自宅購入など。そういったライフステージの変わるタイミングでは、同時に保険に加入するべきか逐一検討するのがよいでしょう。

保険を見直すタイミングも同様です。ライフステージが変わるということは、ケガや病気、あるいは自分が亡くなった場合に起こる影響も大きく変わります。その影響がどうなるかを毎回確かめて、今の保険が合っていなければ契約を変更しましょう。20代で加入した保険は、その時のライフステージに合わせたものになっているかもしれませんが、30代、40代でも同じ保険が必要とは限りません。

保険を見直す際の注意点は?

どのように見直しすべきか迷ったら、お金を払ってでもファイナンシャルプランナー(FP)に相談してみましょう。たとえ1万円の相談料がかかったとしても、それ以上に保険料のムダを省くことができるかもしれません。

保険を検討する前に、まずはライフプランを作ろう

20代はこれからライフプランを固めていく時期です。保険はあくまで人生設計に合わせて契約するものなので、保険を考える前に、まずはライフプランを考えましょう。すると、自分に適切な保険が見えてくるはずです。

まだライフプランが固まっていない人は、自分が今病気になった時にどのくらいお金がかかるか?というところから逆算して、必要な保険を考えてみましょう。

健康保険が適用された場合、医療費の自己負担は約8〜10万円/月です。その金額を想定して、自分でまかなえない分は医療保険に加入しておく。あるいは若年性のがんに備えて、がん保険に加入しておく。このように“最低限”の保険に加入して、その後、ライフプランが固まってきたところで保険を見直していくのもよいのではないでしょうか。

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