「パートで働きながら厚生年金に加入しているけれど、将来はいくら年金をもらえるの?」と気になっている人は多いはずです。2024年10月からは社会保険の適用範囲が拡大されたため、厚生年金に加入すべきか迷われている人もいるのではないでしょうか。

この記事では、ファイナンシャル・プランナーの藤井亜也さんの監修のもと、パート・アルバイトがもらえる年金額と保険料を、加入期間と年収別に紹介します。また、厚生年金保険に加入した場合のメリット・デメリットについても解説します。

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※この記事は、2024年8月9日に公開した内容を最新情報に更新しています。

この記事の監修者

藤井 亜也(ふじい あや)

株式会社COCO PLAN 代表取締役社長。ファイナンシャルプランナー(CFP、FP1級)。独立系ファイナンシャルプランナーとして20代~90代と幅広い年代のお客様の相談に対応。一人一人に心を込めて最適なプランを提案し、多くのお客様のライフプランを実現。個別相談だけでなく、マネーセミナー、執筆・監修など幅広く活動中。著書に『今からはじめる理想のセカンドライフを叶えるお金の作り方』(三恵社)がある。

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パート・アルバイトが加入できる年金の種類は?

画像: 画像:iStock.com/maroko

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これまで、パート・アルバイトのうちフルタイムの3/4未満で働く人は、原則として国民年金に加入していました。一方、フルタイムの3/4以上働く人は、以前から厚生年金の加入対象です。しかし、2016年の年金法改正により、パート・アルバイトでも一定の要件を満たす場合(後述)、勤務先によっては厚生年金に加入することができるようになりました1)。この法改正は段階的に導入されており、2024年10月からは従業員数51人以上の企業で働くパート・アルバイトが社会保険適用になっています2)

年金の種類これまで2024年10月以降
国民年金自営業者、学生、パート・アルバイト自営業者、学生、パート・アルバイト
厚生年金会社員、公務員会社員、公務員、パート・アルバイト

週労働時間がフルタイムの3/4以上であれば、雇用形態は問わず、厚生年金に加入することができます。ただし、学生の場合、いわゆる「106万円の壁(短時間労働者への適用拡大)」の対象にはならないため、週20時間程度の勤務であれば加入する必要はありません。なお、正社員の3/4以上の時間(週30時間など)働く場合は、学生という身分に関わらず、一般の従業員と同じ条件で社会保険への加入義務が生じます。

公的年金は国民年金・厚生年金の2種類

日本の年金制度を大きく分けると、法律によって加入が義務付けられている「公的年金」と、企業や個人が任意で加入できる「私的年金」があります。

公的年金には、「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」の2種類があり、すべての人が対象になる「国民年金」に、会社員や公務員が対象になる「厚生年金」が上乗せされる2階建ての構造になっています3)

画像: 公的年金は国民年金・厚生年金の2種類

パート・アルバイトの場合、これまでは国民年金の第1号被保険者か、配偶者の扶養に入っている第3号被保険者でした。しかし、2022年の法改正によって勤務先や労働時間によっては第2号被保険者にもなることが可能になりました。

厚生年金と国民年金の違いについてもっと知りたい人は、以下の記事で詳しく紹介しているので、併せてご覧ください。

【関連記事】厚生年金と国民年金の違いについて、詳しくはコチラ

パート・アルバイトの場合、年金はいくらもらえる?

画像: 画像:iStock.com/mapo

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国民年金の場合、40年間の加入で満額受給でき、金額は一律です。一方、厚生年金の場合は、年収や加入期間によってもらえる年金額が異なり、以下の式で算出します。

【老齢厚生年金の受給額】

報酬比例部分+経過的加算(+加給年金額)
報酬比例部分=平均標準報酬額×5.481÷1,000×加入期間の月数(※)

※:平成15年4月以降に加入した場合の計算式。

ここでは、第3号被保険者で夫(妻)の扶養を抜けるのか抜けないのか迷っている人向けに、これまでどおり国民年金のみに加入している場合と厚生年金に加入した場合にもらえる年金額を年収別に解説します。

ずっと夫(妻)の扶養で国民年金に加入している場合の年金額と保険料

厚生年金に加入せず、夫(妻)の扶養で国民年金のままの場合にもらえる年金額は老齢基礎年金のみになります。つまり、夫(妻)が自営業者で20歳から60歳まで自営業者などで第1号被保険者である人、会社員などの夫(妻)の扶養に入っている第3号被保険者である人がもらえる年金額と保険料は以下です。

〈表〉国民年金のみの場合(令和8年度)4)

年金額(※)月額7万608円
年額84万7,300円
年金保険料第1号被保険者月額1万7,920円
第3号被保険者月額0円
※:老齢基礎年金の受給額(満額)。昭和31年4月2日以後生まれで、40年間加入した場合。

65〜85歳の20年間、受給した場合、年金額の総額は約1,694万円になります。

なお、第3号被保険者の場合、保険料を負担することはありません。第3号被保険者の保険料は、配偶者が加入している厚生年金制度の財源から一括して国民年金に支払われています。つまり、第2号被保険者である配偶者が厚生年金に加入しているので、保険料を直接支払わなくてもいいのです。

〈表〉保険料の負担

画像: ずっと夫(妻)の扶養で国民年金に加入している場合の年金額と保険料

これまでは配偶者に扶養されている人の年収が130万円を超えると、その人自身に国民年金と国民健康保険の保険料負担が発生していました。しかし、2016年の年金法改正によって、パート・アルバイトでも各種要件を満たす場合、厚生年金・健康保険の加入対象となり、保険料は企業と加入者との労使折半となります。

とはいえ、年収や加入期間によっては、厚生年金に入ると、手取りや世帯収入の面で、短期的には負担が増える可能性もあります。以降では年収別に厚生年金に加入した場合の保険料ともらえる年金額を紹介します。

扶養や扶養に入っている場合の年金について知りたい人は、以下の記事を併せてご覧ください。

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【年収120万円】厚生年金保険に加入した場合の年金額と保険料

前述のように、老齢厚生年金でもらえる年金額は、年収や加入期間によって異なります。年収120万円で勤め先の厚生年金保険に加入した場合、年金保険料の目安は月額9,000円です5)。加入期間ごとの保険料と年金額の目安は以下になります。

〈表〉【年収120万円】厚生年金に加入した場合の保険料と年金額の目安

加入期間支払った保険料の合計額65~85歳の受給年金(20年)
1年10万8,000円約1,707万4,800円
(月額約7万1,100円、年額約85万3,700円)
5年54万円約1,759万500円
(月額約7万3,300円、年額約87万9,500円)
10年108万円約1,823万5,100円
(月額約7万6,000円、年額約91万1,800円)
15年162万円約1,887万9,600円
(月額約7万8,700円、年額約94万4,000円)
20年216万円約1,952万4,200円
(月額約8万1,400円、年額約97万6,200円)
25年270万円約2,016万8,700円
(月額約8万4,000円、年額約100万8,400円)
30年324万円約2,081万3,300円
(月額約8万6,700円、年額約104万700円)
38年(定年)410万4,000円2,184万4,600円
(月額約9万1,000円、年額約109万2,200円)
※:年金額・年金保険料は概数であり、実際の金額とは異なります。

年収120万円の場合、厚生年金に1年加入するだけで、20年間の受給総額は国民年金のみ(約1,694万円)より約13万円多くなります。保険料の負担が気になる人も、少しの加入で確実に将来の年金が上乗せされていきます。

たとえば10年加入した場合、受け取れる年金額は約1,823万円(月額約7万6,000円)と、扶養内の場合より約129万円多くなります。仮に10年間分の保険料(108万円)を差し引いても、約1,715万円の年金を受け取れる計算になります。

【年収150万円】厚生年金保険に加入した場合の年金額と保険料

年収150万円の場合、厚生年金の年金保険料の目安は月額1万1,600円です5)。加入期間ごとの保険料と年金額の目安は以下になります。

〈表〉【年収150万円】厚生年金に加入した場合の保険料と年金額の目安

加入期間支払った保険料の合計額65~85歳の受給年金(20年)
1年13万9,200円約1,711万1,700円
(月額約7万1,300円、年額約85万5,600円)
5年69万6,000円約1,777万4,600円
(月額約7万4,100円、年額約88万8,700円)
10年139万2,000円約1,860万3,400円
(月額約7万7,500円、年額約93万200円)
15年208万8,000円約1,943万2,100円
(月額約8万1,000円、年額約97万1,600円)
20年278万4,000円約2,026万800円
(月額約8万4,400円、年額約101万3,000円)
25年348万円約2,108万9,600円
(月額約8万7,900円、年額約105万4,500円)
30年417万6,000円約2,191万8,300円
(月額約9万1,300円、年額約109万5,900円)
38年(定年)528万9,600円約2,324万4,200円
(月額約9万6,900円、年額約116万2,200円)
※:年金額・年金保険料は概数であり、実際の金額とは異なります。

年収150万円になると、「130万円の壁」を超えるため、夫(妻)の扶養から外れ、勤務先で厚生年金に入ることになります。

年収150万円のケースだと、厚生年金に1年加入するだけで、20年間の受給総額は扶養内の場合(約1,694万円)より約17万円多くなります。

たとえば10年加入した場合、受け取れる年金額は約1,860万円(月額約7万7,500円)と、扶養内の場合より約166万円多くなります。仮に10年間分の保険料(139万2,000円)を差し引いても、約1,721万円の年金を受け取れる計算になります。

【年収200万円】厚生年金保険に加入した場合の年金額と保険料

年収200万円の場合、厚生年金の年金保険料の目安は月額1万5,600円です5)。厚生年金に加入した場合の保険料と年金額の目安は以下になります。

〈表〉【年収200万円】厚生年金に加入した場合の保険料と年金額の目安

加入期間支払った保険料の合計額65~85歳の受給年金(20年)
1年18万7,200円約1,716万9,500円
(月額約7万1,500円、年額約85万8,500円)
5年93万6,000円約1,806万4,000円
(月額約7万5,300円、年額約90万3,200円)
10年187万2,000円約1,918万2,200円
(月額約7万9,900円、年額約95万9,100円)
15年280万8,000円約2,030万300円
(月額約8万4,600円、年額約101万5,000円)
20年374万4,000円約2,141万8,400円
(月額約8万9,200円、年額約107万900円)
25年468万円約2,253万6,500円
(月額約9万3,900円、年額約112万6,800円)
30年561万6,000円約2,365万4,700円
(月額約9万8,600円、年額約118万2,700円)
38年(定年)711万3,600円約2,544万3,700円
(月額約10万6,000円、年額約127万2,200円)
※:年金額・年金保険料は概数であり、実際の金額とは異なります。

年収200万円のケースでは、厚生年金に1年加入するだけで、20年間の受給総額は扶養内の場合(約1,694万円)より約22万円多くなります。

たとえば10年加入した場合、受け取れる年金額は約1,918万円(月額約7万9,900円)と、扶養内の場合より約224万円多くなります。仮に10年間分の保険料(187万2,000円)を差し引いても約1,731万円を受け取れる計算で、扶養内の場合を約36万円上回ります。

【年収250万円】厚生年金保険に加入した場合の年金額と保険料

年収250万円の場合、厚生年金の年金保険料の目安は月額1万8,300円です5)。厚生年金に加入した場合の保険料と年金額の目安は以下になります。

〈表〉【年収250万円】厚生年金に加入した場合の保険料と年金額の目安

加入期間支払った保険料の合計額65~85歳の受給年金(20年)
1年21万9,600円約1,720万9,000円
(月額約7万1,700円、年額約86万500円)
5年109万8,000円約1,826万1,400円
(月額約7万6,100円、年額約91万3,100円)
10年219万6,000円約1,957万6,800円
(月額約8万1,600円、年額約97万8,800円)
15年329万4,000円約2,089万2,200円
(月額約8万7,100円、年額約104万4,600円)
20年439万2,000円約2,220万7,700円
(月額約9万2,500円、年額約111万400円)
25年549万円約2,352万3,100円
(月額約9万8,000円、年額約117万6,200円)
30年658万8,000円約2,483万8,600円
(月額約10万3,500円、年額約124万1,900円)
38年(定年)834万4,800円約2,694万3,300円
(月額約11万2,300円、年額約134万7,200円)
※:年金額・年金保険料は概数であり、実際の金額とは異なります。

年収250万円のケースでは、厚生年金に1年加入するだけで、20年間の受給総額は扶養内の場合(約1,694万円)より約26万円多くなります。

たとえば10年加入した場合、受け取れる年金額は約1,957万円(月額約8万1,600円)と、扶養内の場合より約263万円多くなります。仮に10年間分の保険料(219万6,000円)を差し引いても、約1,738万円の年金を受け取れる計算で、加入期間に応じて、将来の年金額の上乗せが期待できます。

【年収300万円】厚生年金保険に加入した場合の年金額と保険料

年収300万円の場合、厚生年金の年金保険料の目安は月額2万3,800円です5)。厚生年金に加入した場合の保険料と年金額の目安は以下になります。

〈表〉【年収300万円】厚生年金に加入した場合の保険料と年金額の目安

加入期間支払った保険料の合計額65~85歳の受給年金(20年)
1年28万5,600円約1,728万7,900円
(月額約7万2,000円、年額約86万4,400円)
5年142万8,000円約1,865万6,000円
(月額約7万7,700円、年額約93万2,800円)
10年285万6,000円約2,036万6,100円
(月額約8万4,900円、年額約101万8,300円)
15年428万4,000円約2,207万6,100円
(月額約9万2,000円、年額約110万3,800円)
20年571万2,000円約2,378万6,200円
(月額約9万9,100円、年額約118万9,300円)
25年714万円約2,549万6,300円
(月額約10万6,200円、年額約127万4,800円)
30年856万8,000円約2,720万6,400円
(月額約11万3,400円、年額約136万300円)
38年(定年)1,085万2,800円約2,994万2,500円
(月額約12万4,800円、年額約149万7,100円)
※:年金額・年金保険料は概数であり、実際の金額とは異なります。

年収300万円のケースでは、厚生年金に1年加入するだけで、20年間の受給総額は扶養内の場合(約1,694万円)より約34万円多くなります。

たとえば10年加入した場合、受け取れる年金額は約2,036万円(月額約8万4,900円)と、扶養内の場合より約342万円多くなります。仮に10年間分の保険料(285万6,000円)を差し引いても、約1,751万円の年金を受け取れる計算になります。老後の収入をより充実させたいと考える人にとって、厚生年金への加入は有効な選択肢となるでしょう。

パート・アルバイトが厚生年金に加入できる条件

画像: 画像:iStock.com/MonthiraYodtiwong

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2016年の年金法改正は、企業にすべてのパート・アルバイトの厚生年金保険加入を義務づけるものではありません。パート・アルバイトが厚生年金に加入するには、前述の従業員数のほか、以下の条件を満たしている必要があります1)

【パート・アルバイトが厚生年金保険に加入する条件】

  • 週の所定労働時間が20時間以上30時間未満
  • 残業代・賞与などを含まない所定内賃金が月額8万8,000円以上
  • 2カ月を超える雇用の見込みがある
  • 学生ではない(休学中の学生や夜間学生は加入対象)

所定労働時間は「契約上の労働時間」を指し、臨時に生じた残業時間は含みません。ただし、契約上の労働時間が20時間未満でも、2カ月連続で実働労働時間が週20時間以上になり、さらに引き続くと見込まれる場合には、3カ月目から保険加入ができます。所定内賃金も同様に、時間外労働や最低賃金の算定に算入しないことが定められた賃金(通勤手当、家族手当など)を含みません。

なお、2024年10月から51人以上の企業では、上記の条件を満たすパート・アルバイトの厚生年金保険加入が義務化されています。ただし、50人以下の企業では義務化されていないので、その点には注意しましょう。

パート・アルバイトが厚生年金に加入するメリット

画像: 画像:iStock.com/78image

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続いて、パート・アルバイトが厚生年金に加入する主なメリットは以下の3つです。

それぞれについて、詳しく解説します。

メリット①将来もらえる年金額が増える

厚生年金に加入する最大のメリットは、老後にもらえる年金額が増えることです。国民年金の加入者が老後にもらえる年金額を増やす方法には、付加年金がありますが、厚生年金に加入する場合、前述のように保険料を企業と折半する点が付加年金への加入にはないメリットともいえます。

メリット②病気や出産時に手当金を受け取ることができる

厚生年金に加入すると、その期間中に、障がいの原因となる傷病で初診を受けた場合、障害基礎年金に障害厚生年金の上乗せがあります。また、国民年金加入では障害年金をもらえないような軽度の障がいでも、厚生年金では障害年金や一時金をもらえる可能性があります。さらに、遺族年金も同様に遺族基礎年金だけではなく、遺族厚生年金が上乗せされます。

また、厚生年金に加入すると、同時に健康保険や雇用保険などの社会保険にも加入することになります。これにより国民健康保険では支給していない傷病手当金出産手当金を受け取れるようになります。さらに、雇用保険の加入要件も満たしていれば、育児休業給付金失業手当の対象となる場合があります

メリット③加入期間が短くても合算される

前述のように、厚生年金は加入月数で計算します。途中でパート・アルバイト先を退職し、国民年金に切り替えた場合もそれまでに納めた期間の分、老齢厚生年金をもらうことができます。また、その後、パート・アルバイトとして再就職し、厚生年金に加入した場合、それまでの加入月数と合算されます。つまり長期にわたって同じ勤務先で働けることが不確定の状況でも経済的なメリットを得ることができるといえます。

パート・アルバイトが厚生年金に加入するデメリット

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パート・アルバイトが厚生年金に加入することによって生じる主なデメリットは以下の2点です。

デメリット①保険料の分だけ手取りが減る場合がある

厚生年金・社会保険に切り替わると、毎月の給与から天引きされることになります。扶養に入っていた人の場合、これまでは保険料の負担が0円だったので、その分、手取りが少なくなったと感じられるかもしれません。

政府ではその対策として、「年収の壁・支援パッケージ」を行なっています。厚生年金加入による手取り減が気になる人は、パート・アルバイト先を決める前にこの支援パッケージを利用しているか、企業に尋ねてみましょう。

デメリット②結婚している場合、配偶者の控除が減る・もしくは受けられなくなる

配偶者の扶養に入っている人の場合、厚生年金・健康保険に加入すると、配偶者の扶養から外れます。また、自分と配偶者の年収によっては、配偶者が勤務先からの扶養手当をもらえなくなったり、配偶者特別控除の金額が下がったりする可能性があります6)

控除に関しては、ふるさと納税やiDeCoなどを活用して調整することを検討しましょう

パート・アルバイトの年金にまつわる「よくある質問」

画像: 画像:iStock.com/Abu Hanifah

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最後にパート・アルバイトの年金に関する「よくある質問」にお答えします。

Q1.配偶者が自営業者の場合、厚生年金に加入したほうがいい?

国民年金には「扶養」という概念がないため、配偶者が自営業者の場合、その扶養から外れるという概念もありません。ただし、国民年金の保険料は世帯主がその世帯の被保険者の保険料を連帯して納付する義務があります7)。世帯主がその分の控除を受けているため、配偶者が厚生年金に加入すると控除の金額が減る可能性があります。

一方で、もらえる年金の額は厚生年金に加入したほうがもちろん増えます。前述のように年収と保険料を確認した上で損がないようであれば加入するのがおすすめです。

Q2.パートの「106万円の壁」と「130万円の壁」とは?

「106万円の壁」とは、パート・アルバイトの収入が106万円を超えた際に、会社の従業員数や勤務日数・勤務時間などによっては、配偶者の税制度上の扶養から外れることを指します。一方、「130万円の壁」とは、健康保険や年金に関わる社会保険制度上の扶養を指します。自身の収入が130万円未満(障がい者は180万円未満)かつ扶養する配偶者の年収の1/2未満の場合、配偶者の扶養に入ることで自身の健康保険料が免除されます。

配偶者の扶養に入るメリット・デメリットなどについて知りたい人は、以下の記事で紹介しているので、併せてご覧ください。

【関連記事】配偶者の扶養に入るメリット・デメリットについて、詳しくはコチラ

Q3.65歳以上で年金をもらいながらパートをした場合、税金はどうなるの?

年金収入とパート収入にかかる税金の控除は、別々に計算を行います。年金収入は公的年金等控除の対象で、65歳以上の場合、年金額が110万円以下までは所得税がかかりません8)。一方、パート収入は給与所得で、基礎控除(58万円)と給与所得控除(65万円)の対象です。そのため、これらを足した123万円以下であれば、税金はかかりません。

どちらかの収入がこの金額を超えている場合、合算した上で、それぞれに適用される所得控除を引いてから、税率をかけて所得税を計算することになります。

年金にかかる税金についてもっと知りたい人は、以下の記事で紹介しているので併せてご覧ください。

【関連記事】年金にかかる税金について、詳しくはコチラ

Q4.60歳以上がパートで働く場合、厚生年金に加入できる?

70歳未満で厚生年金保険に加入している会社で働く場合、前述の条件を満たせば、厚生年金に加入することができます9)

ただし、60歳以上で厚生年金保険に加入しながら働く場合は、在職老齢年金制度に注意が必要です。詳しい内容は以下の記事で解説していますので、併せてご覧ください。

【関連記事】在職老齢年金について、詳しくはコチラ

Q5.業務委託だと厚生年金には加入できない?

厚生年金は、厚生年金保険の適用を受ける事業所で勤務する人が加入できる保険です。業務委託は個人事業主で、会社に所属する労働者にはならないため、厚生年金には加入することができません。

扶養に入っている場合、厚生年金に加入するかは世帯の全体で考えよう

画像: 画像:iStock.com/malerapaso

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将来受け取る年金額だけで見れば、扶養のままでいるよりも厚生年金に加入したほうが有利なケースが多いでしょう。

特に配偶者の扶養に入っている場合には、扶養する配偶者の控除が減ったり、手当がもらえなくなったりする可能性もあります。世帯の収入や税金の控除などを総合的に見た上で、厚生年金に加入するかを考えましょう。

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