全国民が安心して生活していけるよう、保険、福祉、医療などのセーフティネットとして制度化されている社会保障。健康保険制度をはじめ、私たちの毎日の生活は社会保障制度に支えられています。一方で、社会保障制度の詳細を把握していない人もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、社会保険労務士の岡佳伸さん監修のもと、社会保障制度の4つの柱や制度が存在する目的、メリットやデメリットなどを解説します。

※この記事は2024年4月15日に更新しています。

この記事の監修者

岡 佳伸(おか よしのぶ)

社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表。特定社会保険労務士、キャリアコンサルタント、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士。大手人材派遣会社、自動車部品メーカーなどで人事労務を担当したあとに、労働局職員(ハローワーク勤務・厚生労働事務官)としてキャリア支援や雇用保険給付業務、助成金関連業務に携わる。現在は開業社会保険労務士として活躍。各種講演会(東京商工会議所練馬支部、中央支部、公益社団法人東京ビルメンテナンス協会)講師および各種WEB記事執筆。日経新聞、読売新聞、女性セブンなどに取材記事掲載のほか、NHK「あさイチ」に専門家ゲストとしても出演(2020年12月21日、2021年3月10日)。

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社会保障制度とは?

社会保障制度は、国民の安定した生活を支えるセーフティネットです。社会保障制度があることで、病気やケガなどの際に少ない負担で医療を受けることができたり、生活が困窮した際に支援を受けたりすることができます。また、老後や障がいがある状態になった際には年金を受け取ることができます。

社会保障制度はこのような様々な制度の総称で、以下の3つの機能があります。

〈表〉社会保障制度の3つの機能1)

機能概要
生活安定・向上機能・医療保険を利用して誰もが医療を受けられる
・年金などにより、高齢者も安心して生活ができる
・失業、労災など、仕事上でアクシデントがあった際も生活を維持できる
所得再分配機能・社会全体で低所得者や高齢者の生活を支える(生活保護、公的年金など)
経済安定機能・経済変動による国民の生活への影響の緩和する
・雇用保険による失業中の家計収入の下支えになる
・公的年金で高齢者の生活を安定に寄与する

この3つの機能が重なり合いながら成り立ち、私たちの生活が支えられています。

社会保障制度の4つの柱

画像: 社会保障制度の4つの柱

3つの機能を支えているのが制度の数々です。日本の社会保障制度は社会保険、社会福祉、公的扶助、保健医療・公衆衛生の4つを柱に形成されています

〈表〉社会保障制度の4つの柱2)

制度対象者概要
社会保険年金保険:20〜60歳の国民年金加入者
医療保険:日本国民全員
雇用保険:全被用者
労災保険:労働者を使用するすべての事業者
病気、ケガ、老齢、障がい、失業などの際に、一定の給付を受けて生活の安定を図ることができる強制加入の保険制度
社会福祉高齢者や障がい者など障がい者や母子家庭などの人が安心して生活できるように公的な支援を行う
公的扶助貧困・低所得者など生活が困窮している人が最低限度の生活の保障を受けることができる
保健医療・公衆衛生日本国民全員国民全員が健康的な生活を送ることを目的とした予防や衛生に関する制度

4つの柱の中で公的保険制度や給付制度が確立され、国が主体となって様々な取り組みが行われています。

4つの柱については、次項から詳しく解説していきます。

社会保障制度とは? 種類を解説

社会保障制度は、病気、ケガ、出産、死亡、老齢、障がい、失業などの事故(保険事故)に遭遇した際に国から給付を受けて生活の安定を図ることができる制度です。公的年金制度、公的医療保険制度、雇用保険制度、労災保険制度、介護保険制度の5種類があります。

〈図〉社会保障制度の種類

画像: 社会保障制度とは? 種類を解説

社会保障制度という言葉には2通りの意味があり、狭義で使われる場合と広義で使われる場合があります。広義では5種類すべてを指しますが、狭義では健康保険制度、年金保険制度、介護保険制度の3種類のみを指します。狭義の場合、雇用保険と労災保険は労働保険として扱われます。

このことを頭の片隅に入れておくと、社会保障制度について調べている際などに混乱しづらくなるでしょう。

老後の生活を支える「公的年金制度」

社会保障制度の1つである公的年金制度は、現役世代主に20歳から60歳までの世代のことが高齢者や障がい者などの生活を支えるしくみです。

〈図〉公的年金の2階建て構造3)

画像: 老後の生活を支える「公的年金制度」

20歳以上60歳未満のすべての人に加入義務がある国民年金と、会社員や公務員の人が加入する厚生年金以下「厚生年金」と表記)による2階建て構造で成り立っており、職業などによって第1号〜第3号の被保険者に分けられます。

被保険者である現役世代は毎月保険料を支払う必要があります。こうした保険料や国庫負担金、積立金などを財源にして、年金受給者に老齢年金や障害年金などの給付を行っています。

なお、年金制度については以下の記事で詳しく解説しています。興味のある人は確認してみてください。

【関連記事】年金制度とは? 種類やしくみを分かりやすく解説

国民年金

国民年金は、日本に住んでいる20歳以上60歳未満の国民であれば加入する義務がある年金制度です4)。被保険者は、第3号被保険者を除いて毎月保険料の支払いが発生し、保険料は年齢や収入に関係なく定額です。令和6年度の国民年金の保険料は月額1万6,980円です5)

現役世代が支払った保険料は、老齢基礎年金や障害基礎年金など、年金受給者の支払いに充てられます。

厚生年金

厚生年金は、会社員や公務員が国民年金に加えて加入する公的年金です3)。厚生年金の被保険者は、勤務先から給与が支払われる際に国民年金保険料と厚生年金保険料が毎月徴収されます。

国民年金に加えて加入するため、保険料は国民年金だけの人よりも高くなりますが、支払いは勤務先と折半で行います。また、収入に応じて厚生年金の保険料は変わり、収入が多い人ほど保険料が高くなります。

厚生年金の加入者は年金を受給する立場になった際に老齢基礎年金などに加えて老齢厚生年金を受給することができ、国民年金だけに加入していた人よりも年金の受給額が多くなります。

なお、厚生年金と国民年金の違いや特徴に関しては以下の記事で詳しく解説しています。興味がある人は確認してみてください。

【関連記事】厚生年金と国民年金の違いや特徴を比較。詳しくはコチラ

優れた医療をお金をかけずに受けられる「公的医療保険制度」

画像: 優れた医療をお金をかけずに受けられる「公的医療保険制度」

公的医療保険制度は、すべての日本国民が病気やケガをした時に日本全国どこでも平等な医療費で平等に医療が受けられる制度です。日本では「国民皆保険制度」が導入されており、毎月、保険料の支払いが発生しますが、その分、医療費の一部を国に負担してもらえます。

加入する健康保険は主に国民健康保険、社会保険(健康保険)があります。国民健康保険、社会保険とも自己負担3割は同じですが、保険料の負担額や手当などが異なります

〈表〉国民健康保険と社会保険(健康保険)の違い

保険の種類国民健康保険社会保険(健康保険)
対象者個人事業主やフリーランスなどの自営業者会社員や公務員、その家族
保険料の支払い全額自己負担※:家族がいる場合でも、保険料は各自負担となる勤務先との折半(自己負担分は給与から差し引かれる)※:家族を扶養に入れた場合でも、保険料は変わらない
保険料計算前年所得に応じて住んでいる都道府県が計算給与額に応じて会社が計算
医療費の自己負担3割負担
※:年齢によって変わる
高額療養費制度あり
出産一時金50万円
※:2023年3月31日までは42万円
※:産科医療補償制度に未加入の医療機関での出産の場合は40万4,000円
出産手当金なしあり
傷病手当金なしあり
保険者市町村(特別区を含む)の国民健康保険組合など勤務先が所属する団体(協会けんぽなど)

なお、公的医療保険制度のしくみや種類に関して以下の記事で解説しています。興味のある人は確認してみてください。

【関連記事】公的医療保険制度とは? 対象者や種類、しくみなどをわかりやすく解説
【関連記事】社会保険と国民健康保険の違いについて、詳しくはコチラ
【関連記事】健康保険にはどんな種類がある? 制度の基本や保険証の見方を解説

国民健康保険

国民健康保険は、個人事業主やフリーランスなどの自営業者、年金生活者、非正規雇用者などが加入します。社会保険には扶養がありますが、国民健康保険には扶養がないため、配偶者や子どもなど家族がいる場合はそれぞれ国民健康保険に加入します。

国民健康保険の保険料は毎月支払う必要があり、金額はお住まいの市町村(特別区を含む)や家族の人数によって変わります。

また、社会保険に加入しない人は原則として国民健康への加入が必須ですが、以下のケースに当てはまる人は加入できません。

〈表〉国民健康保険に加入できないケース6)

  • ほかの医療保険(健康保険)に加入している人と扶養家族
  • 生活保護を受けている人
  • 後期高齢者医療制度に加入している人
  • 短期滞在在留外国人

なお、就職や退職などによる社会保険の脱退や加入がある場合などは国民健康保険の加入・脱退手続きが都度必要となります。

社会保険(健康保険)

社会保険は、会社員、公務員、教職員が加入する公的医療保険制度です。中小企業に勤めている場合は協会けんぽ、大企業に勤めている場合は組合健保、教職員なら共済組合に加入します。また、社会保険の被保険者の配偶者や子どもなどは、扶養に入ることが可能です。社会保険に加入していると、被保険者とその家族は自己負担3割で医療を受けることができます

【関連記事】扶養家族の税制度上と健康保険制度上の違いについて、詳しくはコチラ

社会保険でも国民健康保険と同じように、毎月保険料の支払いがあります。保険料は収入によって決まり、支払いは勤務先と折半します。扶養家族がいる場合の追加保険料は発生しません。

なお、社会保険は会社単位で加入するため転職の際は切り替えが必要です。独立などをする場合は社会保険を脱退し、国民年金に加入する必要があります。転職で間が空き、企業に所属しない期間が1日でもできる場合も同様です。

後期高齢者医療制度(長寿医療制度)

後期高齢者医療制度は、75歳以上の人が加入する公的医療保険制度です。長寿医療制度ともいいます。国民健康保険や社会保険に加入していた人は75歳になると後期高齢者医療制度に切り替わります

後期高齢者医療制度では医療費の自己負担額が所得に応じて1〜3割になります。自分が何割負担になるかは以下で確認が可能です。

〈図〉後期高齢者医療制度での自己負担額7)

画像: 後期高齢者医療制度(長寿医療制度)

なお、後期高齢者医療制度も国民健康保険や社会保険と同じように保険料の支払いが発生し、保険料は年金から徴収されます。

失業・育児・介護の労働者を支える「雇用保険制度」

雇用保険制度は、労働者の生活や雇用の安定、就職の促進のための給付を行ったり、雇用機会の拡大・労働者の能力開発や向上を図ったりするためにある制度です。退職で仕事を失って無収入になった際の「失業等給付(失業保険)」、育児のために休職する際の「育児休業給付」などは、雇用保険制度によって給付されています。ほかにも雇用保険制度で以下の事業が行われています。

〈図〉雇用保険の事業と給付・手当8)

画像: 失業・育児・介護の労働者を支える「雇用保険制度」

雇用保険は企業に雇用されている労働者が加入対象ですが、全員が加入するわけではありません。以下の要件を満たしている場合に加入します。

〈表〉雇用保険に加入する要件9)

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
  • 31日以上の雇用見込みがあること

上記に該当するのであれば、正社員だけでなく契約社員やパート・アルバイトも加入します。ただし、事業主や役員は原則として加入しません。雇用保険に加入すると、収入に応じた雇用保険料の支払いが発生します。

以下の記事では失業保険について解説しています。興味のある人は確認してみてください。

【関連記事】失業保険とは? 利用時の注意点や申請方法について、詳しくはコチラ

業務中のケガや病気の補償「労災保険制度」

労災保険制度では、業務に関連してケガや病気を発症した際の医療費や、労災が原因の収入減などの補償を受けることができます。労災保険は以下のように「業務災害」と「通勤災害」に分かれています。

〈表〉労災保険の種類10)

種類詳細
業務災害業務が原因となるケガ、病気、障がい、死亡に関して補償
通勤災害通勤中や仕事の移動中に発生したケガ、病気、障がい、死亡に関する補償

就業中の傷病だけでなく、通勤途中の傷病も労災に認定されます。ただし、就業時間中でも仕事と無関係のことでケガや病気を発症した場合は労災とは認められません。

また、労災と認められた場合は、ケガの治療費をはじめ、以下の補償を受けることができます。

〈表〉労災保険で受けられる給付の種類

給付の種類給付の内容
①療養(補償)給付ケガや病気で入院・通院した際の医療費
②休業(補償)給付ケガや病気で仕事を休み収入が減った際の補償
③傷病(補償)等年金療養開始から1年6カ月が経過しても治療が続き、傷病等級が認定された場合に支給
④障害(補償)等給付ケガや病気が完治せずに障害が残った場合に障害等級に応じて支給
⑤遺族(補償)等給付労働者が死亡した場合に遺族に対して支給
⑥葬祭料(葬祭給付)労働者が死亡した場合、葬祭を行った者に対して支給
⑦介護(補償)給付傷病(補償)等年金、障害(補償)等給付を受給し、現在も介護を受けている場合に月単位で支給
⑧二次健康診断等給付職場の健康診断で異常が認められた場合に、二次健康診断と特定保健指導を1年度に1回、無料で受診できる
⑨社会復帰促進等事業労災が認定された労働者や遺族に支給される給付に併せ、社会復帰促進等事業から支給される特別給付金

労災保険は、1日でも企業に雇用されれば必ず加入し、正社員だけでなく、契約社員、パート・アルバイトも加入します。

ほかの保険と同じように保険料がありますが、労災保険料は企業が全額支払うため、労働者が負担することはありません。

なお、労災保険について詳しくは以下の記事で解説しています。興味のある人は確認してみてください。

【関連記事】労災保険とは? 申請の流れや手続き方法、しくみを解説

介護サービスが受けられる「介護保険制度」

画像: 画像:iStock.com/kazumaseki

画像:iStock.com/kazumaseki

介護保険制度は、高齢者の介護を社会全体で支え合うしくみとして2000年に施行された制度です。「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」があり、それぞれ以下のようなサービスとなっています。

〈表〉介護保険で受けられる介護サービス

サービス概要
居宅サービス訪問介護などの「訪問サービス」、デイサービスなどの「通所サービス」、特別養護老人ホームなどに短期入所する「短期入所サービス」などがある
施設サービス特別養護老人ホーム、介護老人保健施設などの施設に入所した高齢者がサービスを受けられる
地域密着型サービス定期巡回などで居宅に訪問してもらい、入浴や排せつ、食事などの介護を受けることができる

介護保険は40歳以上の人は加入が義務付けられており、40歳の誕生日を迎える月に加入し、以降、毎月保険料を支払います。

また、介護保険は第1号被保険者(65歳以上)と第2号被保険者(40〜64歳)に分けられ、以下のような違いがあります。

〈表〉介護保険の詳細と被保険者の違い11)

保険者分類第1号被保険者第2号被保険者
加入要件65歳以上の全日本国民
※:外国籍の人でも、一定の要件を満たし、住民基本台帳に登録されている場合は対象となる
40〜64歳の公的医療保険の加入者
サービス対象者市区町村の認定を受けた要介護者全員特定疾病と認定された人のみ
利用要件
支払い要件
・要支援状態・要介護状態になった場合
・認定された要介護度(要支援土)によってサービスの利用額や種類が異なる
・老化が原因とされる16種の特定疾病で要支援状態・要介護状態になった場合
加入義務あり
保障内容・介護保険法に基づく介護サービスを利用できる
※:ただし無料で利用できるわけではなく、介護保険の支給限度額内なら自己負担額は1〜2割程度
手続きの窓口各市区町村

介護保険でサービスを受けられるのは、主に介護保険の第1号被保険者です。第2号被保険者は、初老期の認知症、脳血管疾患など、老化が原因とされる「特定疾病」で介護が必要と認定された場合に限り、介護サービスを受けることができます。

【関連記事】介護保険制度とは? 保険料やサービス内容について、詳しくはコチラ

社会保障制度のメリット・デメリット

現役世代の人の中には社会保障制度は保険料を徴収される印象が強く、社会保障制度があるメリットをあまり感じていないということもあるかもしれません。

そこで、社会保障制度のメリットとデメリットをここで解説していきます。まず、社会保障制度のメリットは以下の3つです。

〈表〉社会保障制度のメリット12)

  • 老後を安心して過ごすことができる
  • 障がいがある場合も安心して過ごすことができる
  • 様々な給付を受けられる

社会保障制度は、自分が年を取ったり障がい状態になったりして今のように収入を得られなくなった際に、恩恵を受けることができる制度です。年金の受給や医療費の負担などにより、経済的な不安、日常生活の不安の解消に繋がります。

また、老後や障がいを背負った場合に限らず、人生の様々な場面で給付を受け取ることが可能です。出産をする時の出産手当金や育休を取得する時の育児休業給付、仕事を失ってしまった時の失業等給付(失業保険)、大きなケガや病気をして働けない期間ができてしまった時の傷病手当金など、生活を揺るがす出来事やピンチを乗り越えるための経済的なサポートが用意されています。

一方で、社会保障制度のデメリットがあるとすれば、任意加入ではないことです。

〈表〉社会保障制度のデメリット

  • 任意加入ではない

日本に住んでいる国民である場合、加入が義務付けられているため、社会保険料を支払わないということはできません。支払いを拒否すると督促状が届いたり、財産を差し押さえられたりする場合があります。

なお、社会保険料をゼロにすることはできませんが、厚生年金の保険料などは安くするコツもあります。興味がある人は以下の記事を確認してみてください。

【関連記事】厚生年金の保険料を「安くする方法」はある? デメリットも併せて解説

自立生活を営むことが困難な人たちの生活を支える「社会福祉制度」

社会福祉制度は、生活に困窮している人々が安心して生活していけるよう公的な支援を行う制度で、以下の4つに分かれています。

〈表〉社会福祉制度の種類

それぞれの詳細を見ていきましょう。

保育・児童福祉

保育・児童福祉は児童の保育に関連した公的な支援です。親の仕事や病気などで保育を受けることができない子どもたちの保育のサポートや、子育ての経済的な負担の軽減などが行われます。

保育園や児童クラブの設置・運営、児童手当の給付、高等学校の授業料の無償化、児童相談所の設置などが社会福祉制度の保育・児童福祉として行われています。これらの福祉によって子どもたちが安心して毎日を過ごしたり、環境に関係なく学校に通えたりすることができています。

母子・寡婦福祉

母子・寡婦福祉は母子家庭に対するサポートです。母子家庭への経済的な支援、子どもが成人したあとの母親の経済面と健康面のサポートとして、以下のサービスが行われています。

〈表〉母子・寡婦福祉の内容

サービス内容
児童扶養手当離婚や死別などによる1人親家庭、夫婦の一方が重大な障がい状態にあり、年金を受け取ることができない際にもらえる手当
母子福祉資金貸付制度母子家庭に対して無利子や低金利で行われる貸付
母子加算1人親が生活保護を受ける場合に生活保護の金額に加算されるお金
ひとり親控除子どもがいる1人親の女性が年末調整や確定申告で受けられる控除

このような母子家庭の母親と子どもの不安を取り除くために、社会全体で支えるしくみができています。

高齢者福祉

高齢者福祉は高齢者のための福祉サービスです。介護保険制度が導入されたことで介護保険のいちサービスとして位置付けられるようになりました。

具体的な支援内容は、高齢者が生きがいのある生活を送るためのイベントの開催やシルバーハウジングなどです。また、高齢者向けの賃貸物件の整備なども行われています。

なお、介護保険については以下の記事で詳しく解説しています。興味のある人は確認してみてください。

【関連記事】介護保険とは? 保険料やサービス内容について、詳しくはコチラ

障害者福祉

障害者福祉は、障がいがある人も自立した生活を営み、安心して生活していけるための支援制度です。

障害者福祉では、平成18年より施行されている「障害者福祉サービス」と、重度障がい者やその家族に対する「特別障害者手当」「特別児童扶養手当」「障害児福祉手当」の支給が行われています。

障害者福祉サービスは、「介護給付」「訓練等給付」「地域生活支援事業」の3種類にさらに細かく分類されます。日常生活の介護や障がい者の自立を目的に、日常生活や就労の訓練などを行っています。

生活が困窮している人に対する国のサポート「公的扶助制度」

画像: 画像:iStock.com/takasuu

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公的扶助制度は、生活が困窮している人に対する国のサポートです。「生活保護制度」と「生活福祉資金貸付制度」などがあり、困窮の程度に応じて必要な保護や支援を行い、最低限の生活を保障します。

生活保護制度

生活保護は、様々な理由から生活が困窮してしまった人が受けられる支援です。世帯収入が、国が定める保護基準(最低生活費)を下回っていれば、誰でも平等に生活保護を受けることができる権利があります。困窮の状況に応じて以下の8つの支援があります。

〈表〉生活保護で支給される扶助の種類13)

保護の種類詳細
生活扶助食事代、衣服代、水道光熱費など
住宅扶助家賃、間代、地代など
教育扶助学級費、教材費、給食費など
医療扶助医療機関に支払う医療費など
介護扶助介護サービスの費用など
出産扶助分娩費用など
生業扶助技能習得費、就職支度など
葬祭扶助葬儀費用など

生活保護は、地域の福祉事務所などに相談をすることで申請が可能です。

生活保護を受けることで、生活の立て直しを図ることなどが可能になりますが、自動車は処分する必要があるなど、物の所有や住居などが制限されてしまいます。

生活福祉資金貸付制度

生活福祉資金貸付制度は、都道府県の社会福祉協議会から貸付による経済的支援を受けられる制度です。低所得者世帯、障がい者世帯、高齢者世帯が資金を借りることができ、災害が発生した際の被災者支援として運用されることもあります。

〈表〉生活福祉資金の種類14)

資金の種類概要
総合支援資金・生活再建までの費用(生活支援費)
・住宅の賃貸契約を結ぶための費用(住宅入居費)
・就職のための技能習得、債務整理などの費用(一時生活再建費)
福祉資金・高校や大学に就学するための経費(教育支援費)
・高校や大学に入学するための経費(就学支度費)
不動産担保型生活資金・一定の居住用不動産を担保に借りる生活資金(不動産担保型生活資金、要保護世帯向け不動産担保型生活資金)

借りることができる生活福祉金は、困窮の原因に応じて上記の3種類に分かれています。申し込みはお住いの市区町村の社会福祉協議会から可能です。

給付ではなく貸付のため、返済が必要です。連帯保証人を立てる場合は無利子、連帯保証人を立てない場合は年利1.5%といった少ない負担で借りることができます。

予防や衛生活動を行うための制度「保健医療・公衆衛生」

画像: 画像:iStock.com/kuppa_rock

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保健医療・公衆衛生は、全国民が健康に生活するための予防や衛生活動を行う制度です。以下のようなことが実施されています。

〈表〉保健医療・公衆衛生の一例

  • 予防接種
  • 健康診断
  • 母子保健
  • 食品衛生管理
  • 下水道の整備
  • 伝染病や生活習慣病対策
  • ペットの保護

保健医療・公衆衛生で行われている取り組みは多岐に渡り、私たちが普段、何気なく受けている健診なども保健医療・公衆衛生で制度化されているため、受けることができているのです。

社会保障制度のよくある質問

社会保障制度に関するよくある質問に回答していきます。

Q1.社会保障制度が必要な理由は?

社会保障制度は、日本国民全員が安心して生活できるためにある制度です。今は社会保障制度のサポートを受けていない人であっても、いつサポートが必要な状況に陥るかはわかりません。

健康面や老齢などで経済的に困窮している人を国民全体でサポートをしていくための様々な制度が制定されています。

Q2.社会保障費は誰が支払っているの?

社会保障費は、年金や健康保険などの保険料と国や地方自治体の税金によってまかなわれています

2023年度は予算ベースで134.3兆円の社会保障費がかかっており、その内訳は保険料が約6割で税金などの公費が4割となっています15)

社会保障制度があるから安心して生活できる

毎日健康的に過ごせているのは、社会保障制度がしっかりと築かれており、子どもの頃から多くのサポートを受けてきたことも理由の1つでしょう。そしてこの先も社会保障制度のサポートを引き続き受けることで老後まで安心して暮らすことができます。

支援内容の詳細を把握することが、将来、年金や手当を受け取る際の備えになります。社会保障制度で受けられる支援は多くあるので、この機会に確認し直してみましょう。

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