「家族の介護で何をしたらいいのか、わからない」
「自分の老後で介護状態になることを考えると不安」
経験がないからこそ、介護に関して疑問や不安を抱える人も少なくないと思います。

そこで、この記事では、家族の介護に向き合う人や老後に不安を抱える人に向けて、介護者専門の事務所を運営する行政書士でFP(ファイナンシャルプランナー)の河村修一さん監修のもと、介護保険制度についての正しい知識をお伝えします。介護保険の保険料や申請手続き、受けられるサービスの内容まで詳しく解説します。

この記事の監修者

河村 修一(かわむら しゅういち)

ファイナンシャルプランナー・行政書士。CFP(R)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、行政書士、認知症サポーター。兵庫県立神戸商科大学卒業後、複数の保険会社に勤務。親の遠距離介護の経験をいかし、2011年に介護者専門の事務所を設立。2018年東京・杉並区に「カワムラ行政書士事務所」を開業し、介護から相続手続きまでワンストップで対応。多くのメディアや講演会などで活躍する。

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介護保険とは? 制度としくみをわかりやすく解説

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介護保険1)とは、市町村と特別区が保険者として、保険料と税金で運営する制度です。被保険者は40歳で加入し、65歳以上の人を第1号被保険者、40~64歳までの公的医療保険に加入している人を第2号被保険者とします。

第1号被保険者である65歳以上の人は、市区町村が実施する要介護認定で介護が必要と認定された場合、訪問介護や訪問看護、通所リハビリほか、様々なサービスを受けることができます。

また、第2号被保険者(40歳から64歳までの人)も、初老期の認知症、脳血管疾患など、老化が原因とされる「特定疾病」で介護が必要と認定された場合は、介護サービスを受けることができます。「特定疾病」はつぎの16種類です。

第2号被保険者の特定疾病

・筋萎縮性側索硬化症 ・脳血管疾患 ・後縦靭帯骨化症
・骨折を伴う骨粗しょう症 ・閉塞性動脈硬化症 
・多系統萎縮症 ・慢性関節リウマチ ・初老期における認知症
・慢性閉塞性肺疾患 ・脊髄小脳変性症 ・脊柱管狭窄症
・早老症 ・末期がん ・パーキンソン病関連疾病
・糖尿病の合併症 
・両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

介護保険の保険料はどう決まる?

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介護保険料は、第1号被保険者と第2号被保険者の1人当たりの負担額が同じになるように、3年ごとに人口割合で見直されます。65歳以上の第1号被保険者は、市区町村から介護保険料を徴収されます。一方、40~64歳の第2号被保険者は、健康保険料とともに加入する公的医療保険に介護保険料を納めます。第2号被保険者の介護保険料は、加入する公的医療保険によって異なります

①第1号被保険者の介護保険料

市区町村ごとに条例で決められた基準額をもとに、本人や世帯の所得などで段階的に設定されています。標準の段階設定は9段階です。市区町村ごとに介護保険料が異なるのは、利用者の人数やサービスの需要によって、それぞれの市区町村で必要とする総費用が違うためです。厚生労働省による介護保険料の全国平均は以下です。

〈表〉65歳以上が支払う介護保険料の全国平均2)

第5期
(2013~2015年)
第6期
(2015~2017年)
第7期
(2018~2020年)
第8期
(2021~2023年)
4,972円5,514円5,869円6,014円

②第2号被保険者の介護保険料(職場の「医療保険」に加入)

介護保険料は、医療保険ごとに設定されている介護保険料率と賃金などで決まります。

介護保険料=
(標準報酬月額+標準賞与額)×介護保険料率

全国健康保険組合(協会けんぽ)の場合3)、介護保険料率は毎年度見直しを行い、令和5年度については1.82%です。

③第2号被保険者の介護保険料(地域の「国民健康保険」に加入)

各市区町村が保険者となる国民健康保険の介護保険料は、加入者の所得や資産、人数などに応じて世帯単位で決まります。

介護保険料=所得割+均等割+平等割+資産割

各項目の金額・割合などは、各市区町村が決めます。自治体によっては、平等割や資産割がないこともあります。

介護保険サービスの申請と利用の流れ

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介護保険でサービスを利用するためには、申請からサービス開始までどのようなステップがあるのでしょうか。以下で申請からサービス利用開始までの流れを説明します。

①要介護・要支援の認定申請を行う

まず、市区町村の窓口や地域包括支援センターで「要介護(要支援)認定」の申請をします。申請の際には、第1号被保険者は「介護保険の被保険者証」、第2号被保険者は「公的医療保険の被保険者証」の提示が必要です。

②要介護認定の調査・判定

市区町村の職員などの認定調査員が自宅を訪問して、本人や家族に心身の状況についての聞き取り調査を行います。さらに、市区町村から主治医に直接依頼をして、意見書を作成してもらいます。これらをもとに、保健・福祉・医療の学識経験者による「介護認定審査会」で要介護度を判定します。

③認定結果の通知

原則として、申請から30日以内に市区町村から認定結果が通知されます。認定は、要支援1・2、要介護1~5までの7段階および非該当に分かれています。

④ケアプランの作成

要介護1~5と認定され、在宅介護を希望する場合は、居宅介護支援事業者と契約し、その事業者のケアマネージャーに、介護サービス計画(ケアプラン)を作成してもらいます。施設への入所を希望する場合は、希望の施設に申し込みます。

一方、要支援1・2と認定された場合には、地域包括センターの担当職員に介護予防サービス計画(介護予防ケアプラン)を作成してもらいます。

⑤サービス利用開始

サービス事業者に「介護保険被保険者証」と「介護保険負担割合証」を提示し、ケアプランに基づいたサービスを利用します。

介護費用で自己負担の割合は?

介護保険サービスの自己負担の割合は、65歳以上の第1号被保険者の場合、1~3割です。負担額の割合は、合計所得金額(年金収入額-公的年金等控除など)によって決定します。

〈表〉65歳以上の第1号被保険者の自己負担割合5)

画像: 介護費用で自己負担の割合は?

原則として65歳以上で合計所得金額が220万円以上の場合に自己負担割合が3割になります。ただし、合計所得金額が220万円以上でも、世帯の65歳以上の人の「年金収入とその他の合計所得金額」の合計が単身で340万円未満、2人以上の世帯で463万円未満の場合は2割負担または1割負担になります。

介護保険で受けられるサービスは?

画像: 画像:iStock.com/shapecharge

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介護保険で受けられるサービスには、大きく分けて「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」の3種類があります。以下でそれぞれのサービス内容について詳しく説明します。なお、要介護度によって受けられるサービスや利用限度額は異なります。

①居宅サービス

「居宅サービス」は、要介護者が自宅に暮らしながら、提供を受けられるサービスを指します。非常に種類が多く、大きくは「訪問サービス」「通所サービス」「短期入所サービス」の3種類に分類されます。

訪問サービス
訪問介護介護福祉士や訪問介護員(ホームヘルパー)が、居宅を訪問し、入浴や排せつ、食事などの介護、調理や洗濯などの家事を行う
訪問看護看護師や理学療法士などが居宅を訪問し、医師の指示のもと、必要な医療、入浴や排せつなどの日常生活の援助を提供する
訪問入浴介護居宅を訪問し、持参した浴槽によって行われる入浴の介護を指す
訪問リハビリテーション理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが、居宅を訪問して、リハビリテーションの支援・指導を行う
居宅療養管理指導病院や診療所の医師、歯科医師、薬剤師などが療養上の管理・指導・助言を行う
通所サービス
通所介護(デイサービス)老人デイサービスセンターなどで提供される。内容は、入浴や排せつ、食事などの介護、機能訓練など
通所リハビリテーション介護老人保健施設、病院や診療所で提供される。内容は、心身機能の維持回復や日常生活の自立を助けることを目的としたリハビリテーション
短期入所サービス
短期入所生活介護(ショートステイ)特別養護老人ホームなどの施設での短期間の滞在を指す。入浴や排せつ、食事などの介護、機能訓練などを受けることができる
短期入所療養介護(デイケア)介護老人保健施設などの施設での短期間の滞在を指す。看護や医学的な管理が必要な介護、機能訓練、日常生活上のサービスなどを受けることができる

このほか、福祉用具の補助や住宅改修など、上記の区分に当てはまらないサービスもあります。たとえば、「福祉用具貸与」は、車いすや特殊寝台など、要介護者の状態に適切な福祉用具の選定を援助した上でそれを貸与し、取り付けや調整なども行います。「特定福祉用具販売」は、入浴や排せつに関わる道具など、貸与に馴染まない福祉用具の販売を指します。

また、要介護者が住み慣れた自宅で生活が続けられるように、手すりの取り付けや段差の解消、便器の取り換えなど、住宅改修の費用を軽減する制度もあります。支給限度基準額は20万円で、工事費用の最大9割を限度額としています。

②施設サービス

画像: 画像:iStock.com/kokouu

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「施設サービス」は、「指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」「介護老人保健施設」「指定介護療養型医療施設(介護医療院、介護療養型医療施設)」などの施設に入所した高齢者が受けるサービスです。以下で、それぞれについて説明します。

施設サービス
特別養護老人ホーム自宅では介護が困難で、常に介護が必要な人(原則として要介護3以上の方が対象)が入所する施設。食事や入浴、排せつなどの介護を一体的に提供する
介護老人保健施設自宅で生活を営むことができるようになるための支援が必要な人が入所する。看護や介護・リハビリテーション、日常生活上の世話を提供する
介護医療院所定の要件を満たして都道府県知事の許可を得た施設で療養上の管理や看護、医学的な管理を必要とする介護や機能訓練、日常生活上のサービスの提供を目的とする
介護療養型医療施設療養病床などのある病院または診療所で、療養上の管理や看護、医学的な管理を必要とする介護、機能訓練などを提供する

③地域密着型サービス

「地域密着型サービス」は、要介護者が住み慣れた地域で生活できる目的で、2005年の介護法改正で新設されました。「居宅サービス」と「施設サービス」は都道府県・政令市・中核市が指定・監督を行うのに対し、「地域密着型サービス」は市区町村が指定・監督を行うサービスです。利用できるのは、原則としてサービスを提供する事業者のある市区町村に住む人に限られます。以下でその種類と内容を紹介します。

【地域密着型サービス】
定期巡回・随時対応型訪問介護看護定期的な巡回や利用者からの連絡に応じて、居宅を訪問して入浴や排せつ、食事などの介護や療養生活を支援するための看護などを提供する
夜間対応型訪問介護定期巡回・随時対応型訪問介護看護の夜間版
地域密着型通所介護利用定員が19名未満の老人デイサービスセンターなどで提供する入浴や排せつ、食事などの介護、機能訓練など
療養通所介護療養病床などのある病院または診療所で、療養上の管理や看護、医学的な管理を必要とする介護、機能訓練などを提供する
認知症対応型通所介護認知症の人が、老人デイサービスセンターなどで受ける。入浴や排せつ、食事などの介護や機能訓練など
小規模多機能型居宅介護利用者の居宅あるいはサービス拠点に通ったり、短期間宿泊したりして、入浴や排せつ、食事などの介護、機能訓練などを受ける
認知症対応型共同生活介護利用者が共同生活を送る住居で入浴や排せつ、食事などの介護、機能訓練などを受ける。認知症で「要介護」と認定された人が利用できる
地域密着型特定施設入居者生活介護入居者が要介護者とその配偶者などに限られ、入居定員が29人以下の有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホームで、入浴や排せつ、食事などの介護、家事や生活に関する相談、日常生活上の世話などを提供する
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護入所定員が29人以下の特別養護老人ホームで、日常生活を送る上で必要となるサービスや機能訓練、療養上のサービスを行う
看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)利用者の居宅、あるいはサービス拠点に通ったり、短期間宿泊したりして、入浴や排せつ、食事などの介護、療養生活を支援するための看護や機能訓練を受ける

介護サービスではこのほか、「要支援」と認定された人向けに「介護予防サービス」「地域密着型介護予防サービス」「介護予防支援」などを提供しています。

介護保険外サービスにはどんなものがある?

画像1: 画像:iStock.com/kazuma seki

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高齢者に同居する家族がいる場合、介護保険では家事を補助する「生活援助」を原則として利用することができません。そうしたサービスが必要な場合には、介護保険外のサービスを利用することになります。

民間事業者だけではなく、民間の社会福祉活動推進を目的とする社会福祉協議会やシルバー人材センター、各自治体などでも介護保険外のサービスを提供しています。たとえば、東京都杉並区の高齢者在宅支援課6)では、以下のようなサービスを所得に応じた料金で提供しています。

杉並区高齢者在宅支援のサービス
いっときお助けサービス介護認定を受けていない65歳以上の高齢者のみ世帯が対象。退院直後などで一時的に家事援助が必要な人に原則1カ月間、ホームヘルパーを派遣する
訪問理容サービス外出が困難な高齢者に自宅で理美容サービスを受ける際の出張費に相当する利用券を交付する。カット代は全額自己負担。「要介護1」以上の人が対象
ほっと一息介護者ヘルプ要支援1・2で認知機能の低下が見られるか、要介護1以上の要介護高齢者を同居で介護している家族の休息を目的とした支援サービス。ホームヘルパーが訪問して、家事を代行するための利用券を交付する。料金は利用券1枚当たり300円

各自治体独自のサービスや社会福祉協議会のボランティアなどを利用することで、費用を比較的抑えることはできますが、民間事業者に依頼すると経済的な負担は増加します。

介護の費用総額は平均581万1,300円

画像: 画像:iStock.com/SB

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介護費用は実際にどのくらいかかるものでしょうか。生命保険文化センターの調査7)によると、過去3年間に介護経験がある人に「どのくらい介護費用がかかったのか」を聞いたところ、介護に要した費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)は、住宅改修などの一時的な初期費用の合計が平均74万円、月々の費用が平均8万3,000円でした。

同調査を見ると、介護期間の平均は61.1カ月(5年1カ月)であることもわかります。「初期費用+月額の費用×介護期間」で試算すると、実際に介護を経験した人の介護費用は、平均して総額581万1,300円となります。

介護の費用について知りたい人は、以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ併せてご覧ください。

【関連記事】介護にかかる費用はいくら? 負担を軽減する策の詳細はコチラ

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民間の介護保険にも加入すべき?

画像2: 画像:iStock.com/kazuma seki

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公的介護保険は、40歳以上になると自動的に加入することになりますが、民間の介護保険は任意で加入するものです。前述の生命保険文化センターの調査によると、民間の介護保険や介護特約の世帯加入率は16.7%で、前回調査に比べて2.6%上昇しています。

同調査で「現在準備しているもののうち、世帯主または配偶者が要介護状態となった場合に期待できる準備手段」を尋ねた問では、「預貯金・貸付信託・金銭信託」(35.7%)に次いで「生命保険(介護保険や介護特約以外)」(15.5%)と答える人がいました。

民間の介護保険に入るメリットとデメリット

では、民間の介護保険にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。以下にまとめました。

【メリット】
①保険会社独自の給付基準がある場合、64歳以下で介護が必要となった時に役立つ
②現金給付なので、資金の使途が自由
③老後の経済的な安心感を得ることができる

【デメリット】
①支払い基準に該当しない場合がある
②加入条件があり、加入できない場合がある
③保険料の負担がある

民間の介護保険を選ぶコツ

民間の介護保険に加入する場合、何を確認・検討するべきでしょうか。まずは保険料をいつまで支払うのかを考えましょう。老後、年金収入のみになった場合でも支払うことができるか、あるいは現役のうちに支払い終えることができるか、見極めることが重要です。その上で、加入前に以下4点についても確認し、支払う保険料と確保したい安心感のバランスを現実的に計りましょう

①いつまで保険の効力があるか
②掛け捨てタイプか積立タイプか
③支払い基準が明確化されているか
④保険料免除の基準があるか

①は定期型か終身型かの選択です。②は掛け捨てタイプのほうが保険料は安い傾向にありますが、積立タイプには介護状態にならなくても祝い金が支給されるなどのメリットがあります。③には、公的介護保険と連動しているもの、保険会社が独自基準を設けているものの2種類があります。③も④も基準には要介護度などが使われますが、現実的に経済的メリットがあるか、きちんとチェックする必要があります。

たとえば、東京海上日動あんしん生命保険の「あんしんねんきん介護R」は、積立タイプで所定の年齢までに保険料の受け取りが発生しなかった場合、支払った保険料を「健康還付給付金」もしくは「介護年金」として受け取ることができます。老後の安心を設計したい人は、ぜひチェックしてみましょう。

▶︎参考になる保険例
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親の介護、関わり方を考えるポイントは?

画像: 画像:iStock.com/AsiaVision

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親の介護をする場合、住まいの距離で関わり方は変わってくるでしょう。距離で介護を分けると、「同居介護」「近距離介護」「遠距離介護」の3種類があります。

親と一緒に住んでいる「同居介護」の場合には、経済的負担は最も小さいですが、介護から解放される時間が少なく、最もストレスが溜まりやすいというデメリットがあります。お互いに短時間でたどり着ける範囲に住む「近距離介護」は、同居介護よりも時間的な自由度が確保できるものの、経済的負担は大きくなります。親が遠方に住んでいる「遠距離介護」は親自身が独居の場合は特に、施設入りを進めやすいのが利点です。ただし、通いで介護に取り組む場合は経済的にも時間的にも負担が非常に大きくなります。

親の介護に臨むにあたっては、距離のほかに、つぎの4項目も検討する必要があります。

①親の要介護度は?
②自分や家族のストレスは?
③兄弟や姉妹の協力は?
④仕事との両立は?

親の介護でつまずかないために特に重要なのは、配偶者の理解や兄弟・姉妹とのコミュニケーションでしょう。1人で抱え込むことなく、家族と協力することができれば、負担を分散することができます。親の要介護度に関しては、地域包括支援センターやケアマネジャーなどに相談して、プロの見解を聞くのが助けになるでしょう。

親を介護するコツについて知りたい人は、以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ併せてご覧ください。

【関連記事】親の介護を専門家が解説。つまずかないコツの詳細はコチラ

介護を支援する「介護休業給付金」とは? しくみを簡単に説明

画像: 画像:iStock.com/StockerThings

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急に家族が要介護状態になると、仕事と介護の両立に困る人が大半でしょう。そんな時に経済的不安を軽減するのに役立つのが、雇用保険の介護休業給付金制度です。

介護休業給付金とは、雇用保険の一般被保険者が家族を介護するために休業した場合に受給できる給付金です。支給額は、原則として、「休業開始時の賃金日額×支給日数×67%」です。

介護休業給付金の主な受給条件は以下です。

  • 雇用保険の一般被保険者である
  • 家族が2週間以上の常時介護を必要とする
  • 職場復帰を前提として介護休業を取得する

「常時介護」とは、「歩行、排せつ、食事などの日常生活に必要な便宜の供与を必要とする」状態を指します。

対象となる家族は、「配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)」「父母・養父母」「子ども・養子」「配偶者の父母・養父母」「祖父母」「兄弟・姉妹」「孫」です。配偶者の連れ子は養子関係にないと対象にならない点に注意しましょう。1人の家族の介護に対し、最長93日間を限度に3回まで申請することができます

介護休業給付金についてさらに知りたい人は、以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ併せてご覧ください。

【関連記事】介護休業給付金とは? 受給の条件や申請方法などの詳細はコチラ

介護保険を理解して、親や自分の老後に備えよう

画像: 画像:iStock.com/FredFroese

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経済的に負担がかかる介護ですが、介護保険制度を理解すれば、負担を軽減する計画を立てることもできます。親のことにしても、自分のことにしても、将来を見据えて早めに準備に取りかかりましょう。

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