冬になると、エアコンをはじめとした「暖房」が活躍します。そこで気になるのが暖房のコスト。冷房費よりお金がかかりやすい暖房費ですが、一方で、実は節約もしやすいのをご存知でしょうか。エアコンの適切な温度設定や、エアコン以外のコスパの良い暖房器具の導入で、暖房費はグッと抑えられるのです。この記事では、そんな暖房費の節約術を一挙に紹介します。

【この記事の監修者】

画像: 【暖房費の節約術】エアコンの設定温度は?コスパのいい暖房器具は? 知っておきたい基礎知識

和田由貴(わだ ゆうき)

節約アドバイザー・消費生活アドバイザー・家電製品アドバイザー・食生活アドバイザーなど、幅広く暮らしや家事の専門家として多方面で活動。「節約は、無理をしないで楽しく!」をモットーに、耐える節約ではなく快適と節約を両立したスマートで賢い節約生活を提唱している。
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みんなの暖房費、いくらくらいかかってる?

まずは光熱費に関する調査データから、暖房費が平均でどのくらいかかっているのかを見てみましょう。

ただ、残念ながら「暖房費」だけを調べた大規模調査はありませんので、「水道・光熱費」で夏と冬を比較してみます。すると、大きな差があることがわかってきます。

光熱費がもっとも高くなるのは1〜3月

〈表〉2人以上の世帯の月ごと水道・光熱費(平均)

水道・光熱費(円)
2019年8月17,990
2019年9月19,343
2019年10月18,565
2019年11月18,670
2019年12月22,149
2020年1月25,688
2020年2月27,273
2020年3月26,712
2020年4月24,734
2020年5月21,358
2020年6月19,777
2020年7月17,779
総務省「家計調査報告(二人以上の世帯)-2020年(令和2年)8月分-」1)

総務省の家計調査報告を見ると、寒い時期、特に1〜3月に明らかに水道・光熱費が高くなることがわかります。7月と2月を比べると、およそ1万円の差が……。過去の同調査2)では、水道・光熱費の内訳も掲載されていますが、かかっている費用のうち、電気代が約半分を占めていました。もちろんその多くは暖房に使われていると予測できます。

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どうして暖房はコストがかかる?冬場の光熱費が高くなる理由

画像: 画像:iStock.com/ahirao_photo

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家庭で使われるエネルギーは、おおむね3分の1が暖房に、3分の1がお湯を沸かす「給湯」に、残り3分の1が家電製品に使われていると言われます。

暖房の割合がいかに高く、全体の光熱費を大きく左右しているかがわかります。だからこそ、暖房を必要としない夏場より、冬場の方が光熱費がかさんでしまいがちなのです。

とはいえ、夏場はクーラーなどの冷房が使われます。これらも光熱費がかかりそうですが、なぜ冬場の暖房費の方が高くなるのでしょうか。

理由は、「冷やす」ことより「暖める」ことの方に多くのエネルギーが必要だからです。さらに、夏場にクーラーをつけた時と冬場にエアコンをつけた時では、冬場の方が設定温度と現在温度の差が大きくなりやすいのも理由のひとつです。

例えば夏場のクーラーなら、設定温度が25度とすると、部屋の現在温度が30度なら差は5度ほど。一方、冬場は設定温度が25度とすると、部屋の温度は寒い時期なら10度台前半まで下がります。つまり10度近くの差ができるのです。

この温度差が大きいほど、使われるエネルギーは大量になります。もともと「暖める」のには多くのエネルギーが必要で、しかも厳寒期は求める温度と現在温度の差が大きくなりやすい。この2つが、冬場に光熱費が高くなりやすい大きな理由と言えるでしょう。

「世帯人数」や「部屋の間取り」によって対策は大きく変わる

画像: 画像:iStock.com/visualspace

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暖房費は、暖房器具の使い方や組み合わせで節約しやすいのも特徴です。夏場の冷房器具はエアコンが中心ですが、暖房はエアコン以外にも様々な器具があります。

特に単身世帯の場合、必ずしも部屋全体を温める必要はありません。後述しますが、自分のいる場所だけ温める、あるいは保温作用のあるものを身につけるだけでも寒さをしのげます。

何より、これらは部屋全体を温めるよりも暖房費の節約になるのです。2人以上の世帯でも、家に1人しかいない時間が長い場合などは同様です。暖房器具や上手く使う方法はたくさんあるので、うまく使い分けることで大きな節約効果が見込めます。

【関連記事】エアコンの冷房の電気代、この使い方で安くなる!節約のプロが徹底解説

暖房費の節約術を実践する前に…「暖かい空気が逃げない部屋」かどうかをチェック

暖房費の節約には、エアコンやその他の暖房器具の使い分けが重要になりますが、その前に、大前提として、「暖かい空気がきちんととどまる部屋」になっているかどうかをチェックしましょう。これを怠ると、いくら暖房器具を揃えても「いまいち温まらない…」という結果になってしまいがちです。

【ポイント1】カーテンの丈の長さをチェックする

画像1: 画像:iStock.com/bee32

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冬場、部屋の保温を大きく左右するのがカーテンです。必ずチェックしたいのは丈の長さ。カーテンの丈が短く、床と離れているのはNGです。というのも、冷たい空気は重く、低い場所に降りる性質があります。冬場、部屋の中でもっとも冷えているのはカーテンと窓の間。そしてそこに溜まった冷たい空気は下に降り、カーテンと床の隙間から部屋の中へと入り込みます。

暖房対策としては、なるべく床との隙間ができない長い丈のカーテンを選びましょう。あるいは、カーテンの裾に布を付け足して補強するのも有効です。小窓に使うカフェカーテンなら、100円均一で購入できるような安価なものもあります。縫わなくても、冬場だけ両面テープで継ぎ足すのもOKです。

【ポイント2】換気扇の使い方を見直す

画像: 画像:iStock.com/brizmaker

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換気扇を使うと、部屋のどこかから外の冷たい空気が入ってきます。部屋全体の換気を目的に使っているならそれでよいのですが、キッチンやトイレ、風呂など一部のスペースだけを換気したい場合は、空気の通り道を工夫しないと、部屋全体を換気してしまい、室温を下げることに。その後、部屋を再度温め直すために余計に暖房のエネルギーが必要になります。

たとえば料理をしている時、キッチン周りのみ換気できれば問題ないケースがあります。この場合、なるべくキッチンに近い窓を少し開けておくようにします。すると、換気扇で押し出された分の空気はこの窓から入るため、狭いスペースで換気が行われ、部屋全体の温度は下がりにくくなります。

〈図〉換気扇の近くの窓を開けた場合の空気の流れ

画像: 【ポイント2】換気扇の使い方を見直す

どのような目的で換気扇を使うか。部屋全体の換気なのか、一部スペースの換気なのか。なんとなく料理中は換気しておいた方が良い…といった漠然とした使い方ではなく、目的に合わせて「空気の導線」づくりを意識すると良いでしょう。

【ポイント3】隙間風の対策をする

画像: 画像:iStock.com/aozora1

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部屋のドアや窓をすべて締め切っても、わずかな隙間から「隙間風」が入ってくることがあります。できる限りこれらの隙間を塞ぐことも、冷たい風の侵入を防ぎ、暖かい空気をキープするためには有効です。

隙間風を防ぐ「隙間テープ」はホームセンターなどで売られており、窓の隙間に貼るだけで、隙間風の侵入や暖かい空気の「もれ」を防ぐことができます。

【ポイント4】湿度に気を配る

画像: 画像:iStock.com/ Sebastian Gorczowski

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部屋の暖かさに大きく関わるのが「湿度」です。同じ室温でも、湿度によって体感温度は大きく変わります。一般的に、乾燥すればするほど、暖かさを感じにくくなります。

夏場を考えてみましょう。仮に同じ気温30度でも、乾燥している方が体感温度は低く、湿度が高いとムシムシとした暑さを感じやすいですよね。その逆の作用が冬場には起きるのです。

そのため、部屋の湿度を保つことは、体感温度を上げてくれることから、設定温度の上げすぎの防止に繋がります。暖房器具には、熱とともに水蒸気を発生させるものもあります。あるいは、暖房器具と加湿器を併用するのも効果的です(詳しくは後述)。洗濯物を室内に干すだけでも有効なので、ぜひ取り入れたいテクニックです。

【ポイント5】暖房器具の種類と得意分野を知る

画像: 画像:iStock.com/AlexLMX

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暖房というと「エアコン」に目がいきがちですが、様々なものがあります。それらを家族環境や部屋の間取りに合わせて使い分けるのが重要です。暖房器具には3つのタイプがあることを把握し、自分の環境に合わせて使うようにしましょう。

暖房器具は以下の3種類に大きく分かれます。

〈表〉暖房器具の種類

対流式エアコンやストーブ、ファンヒーターなど、器具から温風を吹き出し、対流で暖める。部屋全体の温度を上げるのに最適だが、エネルギーがかかる
輻射式ハロゲンヒーターなど、物体自体から熱が放射される。物体周辺を温めるのに向くが、広いエリアは温まりにくい。
伝導式ホットカーペットや電気毛布、湯たんぽなど、熱伝導で温める。直接触れないと温かくないがエネルギーは少なくて済む。

多くの人はエアコンに代表される対流式を使っているでしょう。ただし、一人暮らしや家に1人しかいない時間が長い場合、部屋全体を温める対流式は非効率です。自分の周りだけ温めるなら、輻射式や伝導式を使う方が消費電力は低くなります。

反対に、輻射式で部屋全体を温めようとすると時間がかかり、対流式よりもエネルギーがかさむ可能性が高いでしょう。キッチンや台所、トイレなど、一定時間だけ温めたい狭いスペースに置いて、必要な時だけ使用するのが良いと言えます。

結局、何度に設定すればいい?エアコンの賢い使い方

様々な暖房器具の中でも、多くの人が使う「エアコン」。その使い方や節電の方法を考えていきます。

(1)エアコンは「つけっぱなし」と「こまめに入り切り」、どっちがお得?

画像: 画像:iStock.com/YinYang

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ダイキン工業のサイトによると、エアコンを「つけっぱなし」にした場合と、30分間隔で「こまめに入り切り」した場合、「つけっぱなし」の方が電気代が安くなるという結果が出ています。

〈表〉24時間「つけっぱなし」にしたエアコンと、30分間隔でON/OFFを繰り返したエアコンの消費電力量の比較

時間帯「つけっぱなし」30分間隔で「こまめに入り切り」
消費電力量[kWh]電気代換算[円]消費電力量[kWh]電気代換算[円]
深夜~早朝 
23:00~06:00
5.01358.5230
日中 
06:00~18:00
7.821111.2302
夜間 
前日18:00~翌日23:00
3.3894.2113
※電気代換算値は電力料金単価を27円/kWhとして計算
「冬のエアコンつけっぱなし検証 | 空気のお悩み調査隊がゆく | ダイキン工業」3)より

エアコンは、設定温度と実際の室温の差を埋める時にもっともエネルギーを使い、電気代が大きくかかります。そのため、こまめな入り切りがかえって消費電力を高めます。

ただし、夏場は就寝時もクーラーを入れないと寝苦しく、また熱中症の危険もありますが、冬場は布団や毛布で暖かさをカバーできるので、必ずしも1日中エアコンをつけっぱなしにする必要は無いはずです。起きている場合はなるべくつけっぱなしにし、寝ている時や外出時は切るのがベストでしょう。

(2)何度に設定するのがベスト?

画像: 画像:iStock.com/KangeStudio

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エアコンの節電を考える上で、設定温度は大きなポイントです。一般的に、冬の暖房時の温度設定を1度下げると電気代は10%下がると言われます。

環境省が提唱しているエアコンの温度設定は20度です。「寒そう」と思う人も多いかもしれませんが、体感温度は湿度や服装、他の暖房器具との併用で大きく変わります。この後に述べるポイントや使い方を工夫して、体感温度を上げるのが重要。まずは20度を目標にしてみましょう。

(3)型番、フィルターの状況でもコストが変わる

画像: 画像:iStock.com/simpson33

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エアコンが旧式かどうかで節電効果も変わってきます。たとえば環境省のウェブサイト「しんきゅうさん」4)によると、10年前のエアコンと今のエアコンでは、かかる電気代がマイナス4%となっています5)

また、フィルター掃除をするだけでも電気代節約になります。環境省によると、2週間に一度のフィルター掃除が推奨されており、目詰まりしているエアコンに比べて、暖房時で約6%の消費電力削減となるのです6)

参考資料

4)環境省「しんきゅうさん」
5)冷暖房兼用・壁掛け型・冷房能力2.8kwクラス。省エネルギー型の代表機種の単純平均値
6)環境省「オフィスでできる節電アクション」

(4)風向き・風量はどうする?

画像: 画像:iStock.com/sefa ozel

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エアコンの風向きは下向きがベストです。暖かい空気は上に上がるので、真下方向に風を送りましょう。

風量は「自動」に設定しましょう。「弱」や「微風」の方が省電力になりそうと考えてしまいがちですが、エアコンで電気代がかかるのは起動時で、部屋が寒く、設定温度との差がある段階です。「弱」「微風」にしていると、部屋が暖まるまで時間がかかり、設定温度と差がある段階が長くなります。これにより、電気代がかさむ場合があるので要注意です。

(5)部屋の家具の配置にも注意

画像: 画像:iStock.com/gerenme

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エアコンの風向きを下にしても、真下に背の高い家具が置かれていると、温風が床に行き渡らず暖まりにくくなります。エアコンの風の通り道には、なるべく高い家具を置かないようにしましょう。

(6)他アイテムとの併用でさらに節約

エアコンは、ほかの器具と合わせて使うことでさらに暖房費の節約が期待できます。具体的なアイテムを見ていきましょう。

(併用1)サーキュレーターで空気を攪拌しよう

もっともおすすめなのは、サーキュレーターとの併用。エアコンを使っても、暖かい空気は上に溜まり、冷たい空気が低い場所に下がってきます。私たちは床に近い場所に生活しているので、サーキュレーターで空気を攪拌し、上にある暖かな空気を下ろします

〈図〉サーキュレーターの使い方

画像: (6)他アイテムとの併用でさらに節約

理想的な使い方は、サーキュレーターを窓に近い場所に置き、部屋の中心の天井方向に風を送るというものです。部屋の中の冷たい空気は窓際に溜まっているので、その空気を天井に上げて、上の暖かい空気を撹拌するイメージです。

反対に、部屋の中央から窓側に風を送ると、暖かい空気が窓に当たって冷やされ、部屋の下層に冷たい空気が溜まってしまう悪循環が起きてしまいます。ファンヒーターやストーブの置き場も同様で、窓の近くに設置して部屋の中心に風を送るようにすることがポイントです。

(併用2)加湿器で湿度40〜60%を目安にしよう

先述したように、部屋の湿度は体感温度に関わります。石油ストーブやガスファンヒーターは、火を燃やしながら水蒸気も同時に生んでいますが、エアコンは燃焼を起こさず温風のみ送っています。室内の水分量は同じまま温度だけ上がるので、相対的に湿度が低下。乾燥しやすく、寒さを感じやすいと言えます。

そこで、加湿器を使って湿度を上げるのが効果的です。エアコンをずっと使っても底冷えしてしまうのは、湿度に原因がある可能性が高いです。湿度の目安は40〜60%。エアコンを使う際は、加湿器を併用して湿度をこの範囲内に調整すると良いでしょう。

エアコンだけでなく使い分けが大事!おすすめ暖房器具を紹介

暖房費の節約は、シーンや環境に合わせていろいろな暖房器具を使い分けるのが最大のポイントです。暖房器具のオススメ製品をピックアップしつつ、シーンごとの使い方を紹介します。

エアコンとの併用におすすめ1:サーキュレーター

画像: 画像:iStock.com/ Coprid

画像:iStock.com/ Coprid

前述通り、サーキュレーターは広い部屋を効率よく暖めてくれます。サーキュレーターの代わりに扇風機を利用しても良いですが、エアコンと合わせて使うなら、床置きで風向を90度真上まで向けられるタイプが便利です。

サーキュレーターにはACモーターとDCモーターの製品がありますが、DCの方が音は静かで電気代も安価です。風量設定等によっても異なりますが、1時間当たりの電気代はACは1円程度ですが、DCの場合0.1円程度しかかからないものもあります。

ただし、本体価格はDCの方が高価です。ACでもさほど電気代が高いわけではありませんので、生活スタイルや予算に合わせて選ぶと良いでしょう。

エアコンとの併用におすすめ2:加湿器

画像: 画像:iStock.com/yocamon

画像:iStock.com/yocamon

こちらもエアコンと併用する道具としておすすめです。加湿器にはおもに3種類あるので、その違いを認識して購入しましょう。

加湿器の種類は以下の3つに分かれます。

〈表〉加湿器の種類

スチーム式水を沸騰させ、発生した蒸気で加湿する。加熱で殺菌されるため衛生的。但し、電気でお湯を沸かし続けるため電気代が高くなる。湿度に合わせて強弱を調整できないため、加湿しすぎになってしまうケースも。
超音波式超音波で水を震わせ、水を細かい霧状にして放出し加湿する。電気代は安いが周辺しか加湿できず、部屋全体の加湿には向かない。水の中に細菌や微生物が繁殖してしまうと、それをそのまま放出してしまうので衛生管理を念入りにする必要がある。
気化式水をフィルターに通して風を当て、自然気化させるタイプ。湿度に合わせて気化量を変えるため、24時間つけっぱなしでも電気代はそれほど上がらない。湿度も安定する。大型の空気清浄機についている加湿機能の多くは気化式。
※上記の方式を組み合わせたハイブリッド式の加湿器もある

エアコンと併用する際、状況に合わせて加湿器も使い分けるのがポイントです。リビングのような広い場所で湿度を安定して保ちたければ気化式が良いでしょう。

一方、書斎や子供部屋などの小さな場所で、一時的に湿度を上げたい場合は超音波式が向いていると言えます。

一人暮らし・狭い部屋におすすめ1:電気膝掛け

画像: 画像:iStock.com/popovaphoto

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一人暮らしなどで狭い部屋にいる場合は、エアコンで部屋全体を暖めるより自分の周辺を効率的に暖めた方が節電になります。おすすめは電気膝掛け。肩や膝にかけても良いですし、床に敷いて座ればホットカーペットにもなります。使い方は多様で、何より消費電力が少ないのが魅力。

ポンチョのように来たり、腰に巻いたりできるタイプもおすすめ。価格も3,000円ほどとお手頃なものもあります。

一人暮らし・狭い部屋におすすめ2:シーズヒーター

画像2: 画像:iStock.com/bee32

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輻射式の暖房器具で、熱線から熱を出して近場を暖めるもの。輻射式の器具ではハロゲンヒーターなどが代表的ですが、シーズヒーターは遠赤外線放射量が多く、同じ消費電力でも効率的に暖められます。

部屋全体を暖めるには逆にコストがかかりますが、自分の周辺だけ暖めるのにはぴったり。また、キッチンや洗面所の足元に置くなど、局所的に使うのも効果的です。持ち運びができるものが使い勝手が良いでしょう。

【環境別】暖房器具の使い方の注意点は?

節電のポイントを振り返ってきましたが、最後に「こんな環境ならここに注意」という、具体的なシチュエーションごとの節電対策のポイントをいくつか挙げました。

1ルーム(6畳ほど)で一人暮らしの場合

画像: 画像:iStock.com/monzenmachi

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おすすめアイテムの項でも述べましたが、1人暮らしの場合は、エアコンで部屋全体を暖めるのが一番かどうかよく考えましょう。電気膝掛けなどを使えば、それだけで体感温度は上がります。

また、アパートやマンションの築年数が経っている場合は、特に隙間風対策を入念にしましょう。そのほか、天井の高さもチェックポイント。天井が高いほど暖かな空気は上に上がることを意識して、サーキュレーターの併用などを検討しましょう。

ペットを飼っていて、留守中も部屋を暖めたい場合

画像1: 画像:iStock.com/kaorinne

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ペットのためとはいえ、エアコンをずっと入れ続けると電気代がかさみます。冬ならペット用の小さなヒーターか、電気膝掛け・座布団などを用意し、暖かい場所を作っておきましょう。部屋全体を暖かくするのではなく、寒い時にペットがその場所に行けるようにしておけば、飼い主にとっても安心です。

オール電化の場合

画像2: 画像:iStock.com/kaorinne

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オール電化向け電気料金プランでは、一般家庭向けのものと違い、夜中は電気代が安く、日中は高くなる場合が多くなります。そのため、日中の暖房使用は注意しましょう。

オール電化の家庭の場合、温水式の床暖房を使う家も多いですが、これらの場合、夜中の電気代が安いうちにお湯を暖めるシステムがほとんどで、光熱費も安くなります。床暖房は電気代がかさむ!と決めつけず、導入時にどのようなシステムになっているかしっかりチェックしておきましょう。

冬に向けて、自分に最適な省エネ暖房の準備を

冬場は1年の中でも特に電気代のかかる時期。でも、その多くが暖房ですから、きちんと準備をすればそのぶん節約できるはずです。安易にエアコンだけを使わず、自分の状況に合わせた暖房器具を用意する、エアコンを使う場合も他の器具と併用して、効率を高める。その準備が、心も懐も暖かい冬にしてくれるかもしれません。

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