毎年誕生月になると自宅に送られてくる「ねんきん定期便」。将来のために内容を把握しておきたいけれど、どこを見ればよいのか、どういう意味なのかなど、見るべき箇所や見方がわからず細かく確認したことがない人も多いのではないでしょうか。

年齢によって届くねんきん定期便の様式や記載内容は異なるため、自分の年齢に合った見方を確認することも大切です。

この記事では、ねんきん定期便の見方をファイナンシャルプランナーの高山一恵さん監修のもと徹底解説。はがきや封書の見方だけでなく、インターネットでチェックする方法も紹介します。

※この記事は、2026年4月6日に公開した内容を最新情報に更新しています。

この記事の監修者

高山一恵(たかやま かずえ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)/Money&You取締役。
中央大学商学部客員講師。一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学文学部卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを創業、10年間取締役を務め退任。その後現職へ。NHK「日曜討論」「クローズアップ現代」などテレビ・ラジオ出演多数。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」運営。「はじめての新NISA&iDeCo」(成美堂出版)、「マンガと図解 はじめての資産運用」(宝島社)など書籍110冊、累計200万部超。1級FP技能士。住宅ローンアドバイザー。

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ねんきん定期便で何がわかる?

画像: 画像:iStock.com/takasuu

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まずはねんきん定期便でわかることを確認しましょう。

  • 保険料の納付状況
  • 直近1年間(13カ月分)の月別状況
  • 年金への加入期間
  • 入実績に応じた年金額や将来の年金見込受給額

ねんきん定期便には、自身が受け取る年金に関する様々な情報が記載されています。保険料の未納がないか、年金に加入している期間などがわかります。65歳から受け取れる老齢年金を受給するには最低でも10年間(120カ月)の年金加入期間が必要になるため、ねんきん定期便が届いたら要件を満たしているか確かめておくとよいでしょう。

なお、記載されている年金額は、実際に自分が将来受け取れる金額ではなく、あくまで特定の時点での年金加入実績に応じた金額です。50歳以上になると、具体的な受給見込額が記載されるようになります。

ねんきん定期便は届いても、どこを見ればよいかわからず、そのまま保管しているという人も少なくありません。ねんきん定期便が届いたら、最低限以下の2点はチェックしておきましょう。

最低限チェックしておくべきポイント①年金の月別納付状況

最低限チェックすべき項目は「年金の月別納付状況」です。

これは自分が国民年金あるいは厚生年金の保険料をどの月に納付したかを記した情報です。

国民年金の場合、きちんと納付されていれば、「年金の月別納付状況」欄には「納付済」、納められていなければ「未納」などと記載されています。一方、厚生年金では保険料納付額などが記されるほか、納められていない場合には空欄になります。

最低限チェックしておくべきポイント②「これまでの年金加入期間」と「年金見込額」

将来もらえる年金は、加入期間と支払った保険料の金額により変動します。そのため、「これまでの年金加入期間」をチェックして、抜けがないか確認しておくのもよいでしょう。

たとえば大学に進学し、20歳を過ぎてから年金を納めていない期間(学生納付特例期間)があった場合には、将来年金を受け取るために必要な加入期間にはカウントされますが、将来の年金額には反映されないため、その期間の分だけ将来もらえる年金が少なくなります。ただし、学生納付特例期間分の保険料は、10年以内であれば追納が可能です。

また、50歳以上の場合には「年金見込額」を確認して、具体的な年金額を把握しておくのもよいでしょう。

なお、ねんきん定期便は年齢によって記載内容が異なります。そのため、年齢によって見るべきポイントも変わってきます。どの年齢でどこに着目すべきかは、つぎの章で詳しく見ていきましょう。

【図解】ねんきん定期便の見方を年齢別に解説

それでは、ねんきん定期便の見方を年齢別に説明します。ねんきん定期便は、年齢別に見るべきポイントが異なるので、ご自身の年齢に合わせて確認してみてください。

〈表〉ねんきん定期便で確認すべき項目

分類主に見る場所
50歳未満「これまでの加入実績に応じた年金額」
50歳以上・年金未受給「老齢年金の種類と見込額(年額)」
35歳・45歳封書の加入履歴・納付状況
59歳封書の加入履歴・老齢年金の見込額
毎月の目安を知りたい50歳以上の年金見込額を12で割る
未納や記録漏れを知りたい「最近の月別状況」「年金加入履歴」

50歳未満のねんきん定期便(はがき)の見方

50歳未満のねんきん定期便で必ず見ておきたい項目は「【D】通算の累計額を基にした年金額」の箇所です。こうしたポイントも含めて、50歳未満に送られてくるねんきん定期便の詳細を見てみましょう。

〈図〉オモテ

画像1: 50歳未満のねんきん定期便(はがき)の見方

【A】最新の月別状況
ここ1年の月別の支払い状況や保険料納付額などが書いてあります。はじめに、この項目に「未納」や「未加入」、空欄などがないかをチェックしましょう。

「月別納付状況」の中には、国民年金と厚生年金の欄があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

国民年金の保険料はすべての人が同額のため、金額は表示されず、月ごとに「納付済」「未納」などといった記載がされます。自身の納付状況はこの文言で判断することになります。なお、金額は毎年見直されます(2026年度現在、1万7,920円〈月額〉1))。

〈図〉国民年金の月別納付状況記載例

画像2: 50歳未満のねんきん定期便(はがき)の見方

国民年金の納付状況の表示例と意味を一覧表にしました。この表を見ながら、確認してみてください。

〈表〉納付状況の表示例

表示意味
納付済国民年金保険料を納めている月(免除や猶予されたあとに追納した場合も含む)
未納国民年金保険料を納めていない月(または、「定期便」作成時点で納付が確認できない月)
確認中「定期便」作成時点で納付状況が未確定の月(表示している最終年度の最終月のみを表示)
3号国民年金の第3号被保険者として登録されている月
全額免除納付が全額免除されている月
半額免除納付が半額免除されていて、免除後の残りの保険料を納めている月
3/4免除納付が3/4免除されていて、残りの1/4の保険料を納めている月
1/4免除納付が1/4免除されていて、残りの3/4の保険料を納めている月
半額未納納付が半額免除されていて、免除後の残りの保険料を納めていない月(未納期間)
3/4未納納付が3/4免除されていて、残りの1/4の保険料を納めていない月(未納期間)
1/4未納納付が1/4免除されていて、残りの3/4の保険料を納めていない月(未納期間)
学特学生納付特例制度の適用を受けている月
猶予納付猶予制度の適用を受けている月
産前産後納付が産前産後期間により免除されている月
付加付加保険料を納めている月
合算国民年金の任意加入期間のうち保険料を納めていない月(※)
未加入20歳以上60歳未満の期間のうち、どの年金制度にも加入していなかった月
※:参考情報であり、年金を請求する時に書類による確認が必要。

一方、厚生年金の保険料は月々の収入額によって決まります。そのため、収入額を算出するために必要な「標準報酬月額」(給与額)と「標準賞与額」(ボーナス額)、そしてそれに応じて徴収された「保険料」が記載されています。給与明細などを見ながら、金額が正しいかどうかをチェックしましょう。

〈図〉厚生年金の月別納付状況記載例

画像3: 50歳未満のねんきん定期便(はがき)の見方

なお、加入していない箇所は空欄になります。未納部分の有無も確認しましょう。

ちなみに、「加入区分」の記載は、加入している制度により異なります。

〈表〉加入している制度ごとのねんきん定期便での記載

加入している制度ねんきん定期便での記載
厚生年金保険厚年
厚生年金基金基金
船員保険船保
公務員共済制度(国家公務員共済組合または地方公務員共済組合)公共
私立学校教職員共済制度私学

〈図〉ウラ

画像4: 50歳未満のねんきん定期便(はがき)の見方

【B】これまでの保険料納付額(累計額)
これまでに納めてきた国民年金保険料と厚生年金保険料を足した、通算の累計額がわかります。

【C】これまでの年金加入期間
年金への加入期間を知りたい時にチェックする欄です。国民年金、厚生年金のそれぞれの加入期間がわかります。

【D】通算の累計額を基にした年金額
年金をいくらもらえるかについては50歳以上になるまで知ることができません。これまでの加入実績に応じた年金額(年額)を表示しています。

【E】お客様のアクセスキー
「ねんきんネット」のユーザーIDを取得する際に必要になる数字が記載されています。このアクセスキーの有効期限は3カ月です。ねんきん定期便の確認をインターネットに切り替えたいという人は、受け取ってから早めに手続きするようにしましょう。ねんきんネットに関しては、後述を確認してください。

50歳以上のねんきん定期便(はがき)の見方

50歳以上のねんきん定期便で必ず見ておきたい項目は「【F】老齢年金の種類と見込額(年額)」の箇所です。こうした注目ポイントも含めて、50歳以上に送られてくるねんきん定期便の詳細を見てみましょう。

〈図〉オモテ

画像1: 50歳以上のねんきん定期便(はがき)の見方

〈図〉ウラ

画像2: 50歳以上のねんきん定期便(はがき)の見方

【A】最新の月別状況
ここ1年の月別の支払い状況や保険料納付額などが書いてあります。詳細は前述のとおりです。

【B】これまでの保険料納付額(累計額)
これまでに納めてきた国民年金保険料と厚生年金保険料を足した、通算の累計額がわかります。

【C】これまでの年金加入期間
年金への加入期間を知りたい時にチェックする欄です。国民年金、厚生年金のそれぞれの加入期間がわかります。

【E】お客様のアクセスキー
「ねんきんネット」のユーザーIDを取得する際に必要になる数字が記載されています。詳細は前述を、ねんきんネットに関しては、後述を確認してください。

【F】老齢年金の種類と見込額(年額)
50歳未満の場合にあった「通算の累計額を基にした年金額」(D)の代わりに掲載されています。今の年金制度で60歳まで継続すると仮定した、65歳からもらえる年金見込額が記載されています。また、各年齢で受け取る予定の金額も確認することができます。

35歳・45歳・59歳に届くねんきん定期便(封書)の見方

35歳・45歳・59歳で届くねんきん定期便では、以下の点を必ずチェックしましょう。

  • 35歳・45歳:封書の加入履歴・納付状況
  • 59歳:封書の加入履歴・老齢年金の見込額

“節目の年齢”と呼ばれる35歳・45歳・59歳の時に送付される「封書」は、書類の見た目こそ異なりますが、内容は基本的には「はがき」のねんきん定期便と同じです。

しかし、その書式は大きく異なります。「これまでの『年金加入履歴』」、「これまでの厚生年金保険における標準報酬月額などの月別状況」、「これまでの国民年金保険料の納付状況」という用紙が同封されているのです。

「はがき」のねんきん定期便では、「月別納付状況」の情報が直近1年分だけしか載っていませんが、「封書」では、「これまでのすべての実績」を知ることができます。

〈図〉用紙①これまでの「年金加入履歴」

これまで加入していた年金制度と、資格を取得した年月日や資格を失った年月日、加入月数の制度別の履歴を一覧で確認することができます。

〈図〉用紙②これまでの厚生年金保険における標準報酬月額などの月別状況

これまで加入していた厚生年金に関する保険料納付状況を、「年度ごと」と「月ごと」で記載しています。

〈図〉用紙③これまでの国民年金保険料の納付状況

これまで加入していた国民年金に関する保険料納付状況を、「年度ごと」と「月ごと」で記載しています。

ちなみに、35歳・45歳の時に送られてくるねんきん定期便と59歳の時に送られてくるねんきん定期便には、以下のような違いがあります。

  • 35歳・45歳:「これまでの加入実績に応じた年金額」が記載されている
  • 59歳:「老齢年金の種類と見込額」が記載されている

毎年送られてくるねんきん定期便にしっかりと目を通してこなかったという人は、改めて「もれ」や「支払い忘れ」がないか、“節目の年齢”で送られてくる封書を念入りに確認するようにしましょう。

60歳以上・年金受給者のねんきん定期便の見方

60歳以上の人についても、国民年金や厚生年金に加入している場合は、ねんきん定期便が送られます。はがきの体裁は50歳以上の人と同じです。

必ずチェックしておきたい項目も、50歳以上の人と同様「【F】老齢年金の種類と見込額(年額)」の箇所です。

一方、すでに老齢年金を受給しながら、国民年金や厚生年金に加入している人には、年金受給者向けのねんきん定期便が届きます。

〈図〉オモテ

画像1: 60歳以上・年金受給者のねんきん定期便の見方

〈図〉ウラ

画像2: 60歳以上・年金受給者のねんきん定期便の見方

【A】最新の月別状況
ここ1年の月別の支払い状況や保険料納付額などが書いてあります。詳細は前述のとおりです。

【B】これまでの保険料納付額(累計額)
これまでに納めてきた国民年金保険料と厚生年金保険料を足した、通算の累計額がわかります。

【C】これまでの年金加入期間
年金への加入期間を知りたい時にチェックする欄です。国民年金、厚生年金のそれぞれの加入期間がわかります。

【E】お客様のアクセスキー
「ねんきんネット」のユーザーIDを取得する際に必要になる数字が記載されています。このアクセスキーの有効期限は5カ月です。ねんきん定期便の確認をインターネットに切り替えたい人は、受け取ってから早めに手続きするようにしましょう。ねんきんネットに関しては、後述を確認してください。

なお、年金受給者向けのねんきん定期便には、現在受給している年金額は記載されません。年金振込通知書や年金額改定通知書などを確認してください。

ねんきん定期便で毎月いくらもらえる?年額・月額の見方

ねんきん定期便を確認する際、「老後に毎月いくら年金をもらえるのか知りたい」という人も多いでしょう。

50歳未満と50歳以上では、ねんきん定期便に記載される金額が異なります。また、記載される年金額は基本的に年額であり、毎月受け取れる金額ではありません

年齢別に、どの項目を確認すればよいのか見ていきましょう。

50歳未満は「これまでの加入実績に応じた年金額」を確認

50歳未満のねんきん定期便では「これまでの加入実績に応じた年金額」を確かめましょう。なお、確認できるのはあくまで現在の加入実績をもとに算出された受給金額であり、実際に受け取れる金額ではありません。

「将来、年金をいくらもらえるか」は、50歳以上になるまで知ることができません。50歳未満の人は、これからの働き方や年金制度の変更次第で、もらえる年金の金額が大きく変わる可能性があるためです。

「これまでの加入実績に応じた年金額」は、これまでに納付した保険料を基に算出したもので、今後の加入実績が増えるに従って金額は変化します。また、年金を受け取るためには、原則として120カ月以上の加入が必要ですが、この条件も無視した金額になっています。

つまり、50歳未満の人にとって、ねんきん定期便でわかることは、先ほど説明した「年金の月別納付状況」がメインなのです。

以上のことを踏まえた上で、ねんきん定期便の内容を確認しましょう。なお、年金額の計算方法などは以下の記事で詳しく説明しています。

【関連記事】年金額の計算について、詳しくはコチラ

50歳以上は「老齢年金の種類と見込額(年額)」を確認

50歳以上で、まだ老齢年金を受給していない人のねんきん定期便には、「老齢年金の種類と見込額(年額)」が記載されています。

60歳未満の場合、記載されるのは「現在の年金加入条件が60歳まで継続するものと仮定して計算された見込額」です。老齢基礎年金と老齢厚生年金の内訳に加え、原則65歳から受給する場合の合計額を確認できます。

ただし、見込額は今後の加入状況や経済動向、年金制度の改正などによって変わる可能性があります。あくまで現時点の目安として確認しましょう。

毎月の受給見込額の確かめ方

ねんきん定期便に記載されている年金額は、原則として「年額」です。毎月の受給見込額を確かめたい場合は、「老齢年金の種類と見込額(年額)」の合計額を12で割ります。

たとえば、老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計額が年額180万円の場合、単純に12で割った月額の目安は以下のとおりです。

  • 180万円÷12カ月=15万円

ただし、公的年金は通常、2カ月分ずつ偶数月に支給されます。また、実際の振込額からは所得税や住民税、健康保険料、介護保険料などが差し引かれる場合があります。

そのため、「年額÷12」で求められる金額は、税金や社会保険料を差し引く前の「額面」での金額です。

50歳未満の人も、「これまでの加入実績に応じた年金額」を12で割れば月額換算はできます。しかし、その金額はあくまで現在の加入実績をもとに算出された受給金額であり、将来実際に受け取れる金額ではない点に注意しましょう。

ねんきん定期便に関する基礎知識

画像: 画像:iStock.com/Mitshu

画像:iStock.com/Mitshu

そもそもねんきん定期便とは、どのようなものなのでしょうか。ここでは基本的な情報を解説します。

ねんきん定期便とは

ねんきん定期便とは、国の年金制度への理解を深めることを目的に発行されている通知書です2)。国民年金保険または厚生年金保険(※)の被保険者を対象に、毎年1度、誕生月(1日生まれの場合は、誕生月の前月)に日本年金機構から郵送されます。

〈図〉ねんきん定期便のイメージ

画像1: ねんきん定期便とは
画像2: ねんきん定期便とは

様式や記載内容は、受け取る人の年齢によって異なりますが、現在の年金加入状況を知ることができるようになっています。

※:以下、国民年金保険を「国民年金」、厚生年金保険を「厚生年金」と表記します。

ねんきん定期便の種類と内容

ねんきん定期便は、年齢によって内容が異なり、全5パターンが存在します。

主な様式は「はがき」ですが、“節目の年齢”と定められている35歳・45歳・59歳の誕生月には「はがき」の代わりに「封書」が送られてきます。「封書」では、「はがき」より詳細な年金加入状況を確認できます。

以下に5パターンをまとめました。内容がどのように違うのかを確認してみましょう。

対象者様式これまでの情報年金額の情報
①50歳未満はがき
  • 直近1年間の年金の月別納付状況
  • 保険料納付額の累計
  • 年金加入期間の累計
これまでの加入実績に応じた年金額
②50歳以上老齢年金の種類と見込額
③年金受給者(※)
④35歳・45歳封書・全期間の年金の月別納付状況
・保険料納付額の累計
・年金加入期間の累計
これまでの加入実績に応じた年金額
⑤59歳老齢年金の種類と見込額
※:年金受給年齢を過ぎても仕事を続けている人、すなわち国民年金および厚生年金保険に加入し続けている人のみに送られる。
すでに年金を受け取っているという理由から、受給見込額が記載されていない。

ねんきん定期便には、主に「これまでの情報」と「年金額の情報」という2種類の情報が記載されています。各項目の詳細と「年金額の情報」を見る際の注意点は、前述の「【図解】ねんきん定期便の見方を年齢別に解説」で解説しています。

公的年金は課税対象

国民年金、厚生年金を合わせた公的年金は、雑所得に分類されるため基本的に課税対象です3)。しかし、公的年金等控除額より年金額が少ない場合は、非課税となります。所得税が非課税となる年金受給額は以下のとおりです4)5)

【所得税が非課税となる年金受給額】

  • 65歳未満で1年間の受給額が164万円以下
  • 65歳以上で1年間の受給額が214万円以下

※公的年金等以外の所得がない場合。
※住民税、復興特別所得税が非課税となる年金額は異なる。

上記の受給額を超えると、各種税金が源泉徴収された金額が実際には振り込まれることになります。また、公的年金等控除額は国民年金と厚生年金を合わせた金額から計算されるため、注意が必要です。年金額から差し引かれる税金は以下のとおりです。

  • 所得税
  • 復興特別所得税
  • 住民税

税金に加えて、社会保険料も差し引かれます。

ねんきん定期便に記載されている見込額どおりの金額がもらえるとは限らない点に、注意しましょう。

【コラム】国民年金の第1号〜第3号被保険者とは?

画像: 画像:istockphoto.com/Yagi-Studio

画像:istockphoto.com/Yagi-Studio

国民年金には、3種類の加入者の区分があり、その種別によって加入する際の届出方法や保険料の支払い方法が異なります4)。以下の表に、被保険者の区分とそれぞれの対象者をまとめました。

〈図〉国民年金の被保険者区分

画像: 【コラム】国民年金の第1号〜第3号被保険者とは?

中でも、第3号被保険者に含まれる専業主婦(夫)の年金については、気になる人も多いのではないでしょうか。以下の記事で詳しく説明しているので、ぜひご覧ください。

【関連記事】専業主婦(夫)の年金について、詳しくはコチラ

将来の年金額をインターネットで確認する方法

画像1: 画像:iStock.com/miya227

画像:iStock.com/miya227

将来の年金額を把握するには、ねんきん定期便の見方を把握することが欠かせません。ねんきん定期便は年に1度郵送されてくる書類ですが、インターネット上であればいつでもすぐに将来の年金額を確かめられます。

インターネットでの年金受給見込額の確認方法について紹介していきます。

ねんきんネット

画像1: ※この画像はウェブサイトのスクリーンショットです

※この画像はウェブサイトのスクリーンショットです

① ねんきんネットを利用するメリット
ねんきんネットとは、自身の年金の情報を手軽に確認できる、日本年金機構のインターネットサービスです6)。ねんきんネットのメリットは、主に以下の3つです。

ⅰ.常に最新の年金情報を閲覧できる
毎月更新される情報を閲覧できるほか、1年に1回の郵送を待たずに、最新の各月の年金記録が確認できます。また、「電子版ねんきん定期便」という、郵送されるねんきん定期便をデジタルで閲覧できる機能もあります(詳しいメリットは、後述します)。

ⅱ.いつでもどこでも閲覧できる
IDとパスワードがあれば、簡単にログインし、いつでもどこでも閲覧することができます。はがきよりも楽に自分の年金記録を管理できる利便性の高さが特徴です。

ⅲ.50歳未満でも年金額のシミュレーションができる
ねんきんネットでは、加入状況のほか、「年金額のシミュレーション機能」を利用することも可能です。

〈図〉ねんきんネットのシミュレーション機能

画像2: ※この画像はウェブサイトのスクリーンショットです

※この画像はウェブサイトのスクリーンショットです

ねんきんネットでは、以下のような年金額の試算もできます。

  • かんたん試算:50歳未満だったとしても、現在の加入条件が60歳まで継続したと仮定した年金見込額を自動表示する。
  • 詳細な条件で試算:今後の職業・想定収入および就業期間などの条件を設定して試算する。

また、年金受給開始年齢を繰上げたり、繰下げたりする場合の年金見込額なども表示できます。

あくまでも予測値ですが、ある程度の年金額の想定を知りたい人は利用するとよいでしょう。

②ねんきんネットの登録方法

画像: ※この画像はサイトのスクリーンショットです

※この画像はサイトのスクリーンショットです

ねんきんネットを利用するには、ユーザーIDを取得する必要があります。日本年金機構のトップページからの「新規登録ボタンをクリックして手続きを行いましょう。

登録には基礎年金番号とメールアドレスが必要です。年金手帳や年金証書など、基礎年金番号が確認できるものをあらかじめ用意しておきましょう。

登録方法は2つあり、アクセスキーを持っているか否かで手順が多少変わります。

アクセスキーとは、ねんきんネットのユーザーIDを取得する際に使用する17桁の番号のことで、ねんきん定期便に記載されています。

〈図〉ねんきん定期便に記載してあるアクセスキー

画像: ねんきんネット

アクセスキーを持っている場合は、申し込み完了後、ユーザーIDが即時発行できるのに対し、アクセスキーがない場合はユーザーIDの発行に5営業日程度かかります。すぐに加入状況を知りたい人は注意しましょう。

【A】アクセスキーがある場合

画像3: ※この画像はウェブサイトのスクリーンショットです

※この画像はウェブサイトのスクリーンショットです

①「有効なアクセスキーあり」の「新規利用登録」ボタンをクリック

画像4: ※この画像はウェブサイトのスクリーンショットです

※この画像はウェブサイトのスクリーンショットです

②利用規約を確認する

画像5: ※この画像はウェブサイトのスクリーンショットです

※この画像はウェブサイトのスクリーンショットです

③アクセスキー、基礎年金番号などの情報を入力。ログインパスワード、秘密の質問・答えを設定する

④入力内容を確認し、「ユーザーIDの発行を申し込む」ボタンをクリック

⑤申し込み完了! ユーザーIDを即時取得できる

【B】アクセスキーがわからない場合

画像6: ※この画像はウェブサイトのスクリーンショットです

※この画像はウェブサイトのスクリーンショットです

①「有効なアクセスキーなし」の「新規利用登録」ボタンをクリック

画像7: ※この画像はウェブサイトのスクリーンショットです

※この画像はウェブサイトのスクリーンショットです

②利用規約を確認する

③基礎年金番号などの情報を入力。ログインパスワード、秘密の質問・答えを設定する

④入力内容を確認し、「ユーザーIDの発行を申し込む」ボタンをクリック

⑤申し込み完了! 画面に申請受付番号が記載され、5営業日程度でユーザーIDが記載されたはがきが届く。

※:申請受付番号はユーザーIDが届くまで大切に保管するようにしましょう。

画像8: ※この画像はウェブサイトのスクリーンショットです

※この画像はウェブサイトのスクリーンショットです

なお、「マイナポータル」でねんきんネットとの連携手続きを行うと、ねんきんネットでユーザーIDを取得しなくても、ねんきんネットを利用することができます7)。初回利用登録の時間帯は平日8時〜23時である点、基礎年金番号を持っていないと一部の機能を利用できない点に注意しましょう。

電子版ねんきん定期便

※この画像はウェブサイトのスクリーンショットです

電子版ねんきん定期便は、毎年はがきで送られてくるねんきん定期便の内容をインターネットで確認することができるサービスです。

①電子版の登録方法
電子版ねんきん定期便は、ねんきんネットのユーザーIDを取得することで利用できます。

②電子版に切り替えるメリット
電子版ねんきん定期便の場合、ダウンロード機能があるため、年金記録の管理・保存が簡単にできるといったメリットがあります。加えて、誕生月に郵送されるねんきん定期便よりも1カ月ほど早く内容を確認できるのも特徴です。

なお、ねんきんネット内では、はがき版のねんきん定期便の郵送停止手続きもできます。郵便物をチェックするのが面倒な人や、紛失してしまうといった懸念がある人は電子版ねんきん定期便を利用するのもおすすめです。

公的年金シミュレーター

画像10: ※この画像はウェブサイトのスクリーンショットです

※この画像はウェブサイトのスクリーンショットです

厚生労働省が運用している「公的年金シミュレーター」は、自分の将来の年金額を簡単に試算できるツールです。生年月日をはじめ、働き方や年収、受給開始年齢、税金、社会保険料額などを入力することで、年金見込受給額を算出することができます。

また、シミュレーターの最近機能がバージョンアップされ、iDeCo(個人型確定拠出年金)の受け取り見込額と病気やケガで一定の障害状態になった際に受け取れる「障害年金」のシミュレーションもできるようになっています。

〈図〉ねんきん定期便に記載してあるQRコード

画像: 公的年金シミュレーター

ねんきん定期便にも公的年金シミュレーターにアクセスするためのQRコードが記載されているので、気になる人は活用してみましょう。

ねんきん定期便に記載されている年金額が少ないと感じたら?受給額を増やす3つの方法

画像: 画像:iStock.com/Indysystem

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将来もらえる年金額を確認した上で、記載されている見込額が低いと感じる場合は、年金額を増やす工夫ができないか考えてみましょう。年金の受給額を増やす方法には、以下の3つがあります。それぞれ詳しく解説していきます。

働く期間を長くする

ねんきん定期便で確認できる年金の見込受給額は、60歳までの加入が前提として計算されています。

原則、年金は加入期間が長いほど多く支給されます。60歳以降も健康で働ける状態にあるなら、厚生年金は70歳まで加入することができるので、年金を納める期間を長くするとよいでしょう。

ただし、場合によっては年金を早く受給するほうがメリットがある場合があります。以下の記事では、年金を早く受給する場合のメリットを解説しているので、気になる人は併せてご覧ください。

【関連記事】年金を60歳からもらった場合のメリットについて、詳しくはコチラ

繰下げ受給をする

公的年金の受給は、原則65歳から始まりますが、最長75歳まで受給開始時期の繰下げが可能です8)受給時期を繰下げた場合、1カ月ごとに0.7%、1年間で8.4%受給額が増えます

繰下げ受給の注意点としては、税金や社会保険料の増額や健康状態が挙げられます。とはいえ、65歳以降も働ける場合は、繰下げ受給により受給額を増やせるため、ひとつの選択肢として参考にしてみてください。

私的年金制度の利用や資産運用をする

年金の受給額を増やす方法として、私的年金制度の利用や資産運用をする方法も挙げられます。主な制度は、以下のとおりです。

  • iDeCo
  • NISA
  • 個人年金保険
  • 国民年金基金

私的年金制度を利用すれば、公的年金にプラスして年金を受け取れます。老後の安心した生活を送るために、日本では様々な制度が創設されています。年金の受給額を増やす方法は、以下の記事でより詳しく解説しているので、併せてご覧ください。

【関連記事】年金を月20万円もらうために必要な年収について、詳しくはコチラ

ねんきん定期便に関する「よくある疑問」

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ねんきん定期便にまつわるよくある疑問と、その回答を紹介します。

疑問1「『もれ』や『誤り』を見つけたらどうする?」

国民年金・厚生年金の加入状況をチェックして、もし「もれ」や「誤り」を見つけた場合には、お住まいの近くの年金事務所に相談してください

日本年金機構の記録情報なので、誤りはないと思いがちですが、実際には「もれ」や「誤り」が存在することがあります。システム上のエラーのほか、結婚や転職、海外に住んでいた期間がある場合の届出忘れなどにより、「未納」や「未加入」と記載されていることがあるためです。

さらに、基礎年金番号制度が始まった1997年以前から国民年金に加入している人の中には、結婚した時の旧姓と新姓がうまく結びつけられていないケースもまれにあるようです。

そのままにしてしまうと、実際に支払った額に応じた年金額を受け取れなくなってしまう可能性があるため、十分に注意しましょう。

なお、35歳・45歳・59歳の時に送られる「封書」の場合、「年金加入記録回答票」と「返信用封筒」が封入されています。日本年金機構に返送するか、近くの年金事務所に提出してください。

年金加入記録回答票」については、日本年金機構のウェブサイトからダウンロードすることも可能です9)。将来の年金を目減りさせないためにも、後回しにせず速やかに手続きするようにしましょう。

疑問2「受給できる年金額が少ないのでは?」

50歳未満の人が「ねんきん定期便」を確認すると、年金額が少ないことが気になる人もいるでしょう。しかし、前述したとおり、この年金額は将来もらえる実際の金額ではなく、これまでの加入実績だけを基に計算した年金額で、今後の加入による金額変化分は含みません。

50歳未満の人の場合、保険料のこれまでの納付期間が短ければ当然金額は少なくなり、先々保険料を納めていれば将来受け取る年金は増えていきます。

そこで、現在の年金受給者が2026年4月の時点でもらえる満額の年金額を下の表にまとめました。もらえる年金額の目安を知りたいという人は参考にしてみてください4)

〈表〉2026年4月分からもらえる年金額4)

年金の種類2026年度(月額)
国民年金(老齢基礎年金)(※1)7万608円
厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)(※2)23万7,279円
※1: 2026年度の既裁定者(68歳以上の方)の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額7万408円です。
※2:平均的な収入(平均標準報酬〈賞与含む月額換算〉45万5,000円)で40年間就業した場合に
受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金〈満額〉)の給付水準です。

疑問3「年金が『未納』の場合はどうなるの?」

これまでの支払い状況を確認したところ、年金が「未納」と表記される人もいるでしょう。

未納の場合、未納期間は年金を受け取る際の受給資格期間へ算入されず、未納月分の年金額も反映されません。また、障害基礎年金や遺族基礎年金の受給資格期間への算入もされないことになります。

年金額に反映されないということは、将来受け取る年金の金額が少なくなるので、老後の生活に困窮する可能性が高くなります。また、障がい認定を受けた時に、障害年金がもらえないと生活に困窮する可能性が高くなります。また、自分が一家の大黒柱であるケースでは、もし自分が死亡してしまったら、遺族年金が支給されないと遺された家族の生活が厳しくなる可能性も高いでしょう。

そのため、様々な理由から保険料を納めるのが難しい人は保険料免除制度や、納付猶予制度を利用することがおすすめです。

また、免除の承認を受けた期間の国民年金保険料は、あとから納付すること、すなわち「追納」が可能です。それにより年金額を増やすことができます。そのほかにも気になることがあれば、近くの年金事務所へすぐに問い合わせるようにしましょう。

疑問4「基礎年金番号が記載されていないのはなぜ?」

ねんきん定期便には、年金事務所への問い合わせに用いる「照会番号」やねんきんネットに登録するための「アクセスキー」は書いているものの、基礎年金番号は記載されていません。これは個人情報を保護するためで、メールや電話で年金事務所に問い合わせても答えてもらえません。

基礎年金番号を確認したい場合は、以下を確認しましょう。

【基礎年金番号を確認できる書類】

  • 年金手帳(青色のもの)
  • 基礎年金番号通知書
  • 国民年金保険料の口座振替額通知書
  • 国民年金保険料の納付書・領収書
  • 年金証書
  • 年金額改定通知書・年金振込通知書

疑問5「ねんきん定期便は捨てていい?」

ねんきん定期便を捨てても、罰則はないので、情報を一通り確認したら、捨ててしまっても問題ありません。記載されている情報は前述のねんきんネットでも確認することができます。

ねんきん定期便を捨てる前にやるべきことについては、以下の記事で詳しく説明しているので、併せてご覧ください。

【関連記事】ねんきん定期便を捨てる前にやるべきことについて、詳しくはコチラ

疑問6「ねんきん定期便が届かなかったらどうすればいい?」

ねんきん定期便が届かない場合には、「ねんきん定期便・ねんきんネット専用番号」か、年金事務所に問い合わせましょう。ねんきん定期便が届かない理由については、以下の記事で詳しく説明しているので、併せてご覧ください。

【関連記事】ねんきん定期便が届かない原因について、詳しくはコチラ

老後に備えるためにも、ねんきん定期便を活用しよう

画像: 画像:iStock.com/CatLane

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物価の上昇といった要因により「老後の生活費が足りなくなるのではないか」「どのくらいの金額を老後の資金として準備をしたらよいのか」と不安に感じる人もいるでしょう。

そうした場合は、まずねんきん定期便を確認する習慣をつけるのが望ましいです。ねんきん定期便が見つからない場合やインターネット環境がある場合は、ねんきんネットを使えば老後のシミュレーションをすることもできます。

老後のライフプランを立てる際は、まず「自分はどのくらいの金額を備えておくべきか」を把握しておくようにしましょう。

【関連記事】老後のマネープランの立て方・見直し方について、詳しくはコチラ

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