産前・産後の収入がない期間を補填してくれる出産手当金は、申請から約1〜2カ月で申請書に記入した振込先指定口座に振り込まれます。この記事では、ファイナンシャルプランナーの藤井亜也さん監修のもと、出産手当金がいつもらえるのか、早くもらうためのポイントについてご紹介します。
※この記事は、2025年1月31日に公開した内容を最新情報に更新しています。
出産手当金はいつ振り込まれる?

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出産手当金が振り込まれるタイミングは加入している健康保険により異なりますが、申請から約1〜2カ月、出産から3〜4カ月の場合が多いです。
「出産手当金」とは、会社員として勤務している被保険者が出産に伴い健康保険協会などの保険者からもらえる給付金のことです1)。被保険者のほか、医師・助産師、事業主が申請書を記入します。
出産手当金の入金までのスケジュールを見てみましょう。
〈図〉出産手当金の入金スケジュール

基本的には、書類を提出し審査を受け、完了すれば出産手当金支給決定通知書が送られてきます。そのあとは、指定の口座への入金を待つ形です。
ただし、上記のスケジュールは、あくまで一般的なものです。実際に出産手当金が振り込まれるタイミングは、加入している健康保険によって異なります。たとえば、協会けんぽの場合は、審査の結果支払い可能とみなされれば、受付日から10営業日以内に支払われます2)。
正確な日程を知りたい場合は、加入している保険者に問い合わせてみてください。
【早く欲しい人向け】出産手当金が遅い・入らない場合の確認方法

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後述しますが、出産手当金が申請できるのは、産後56日が経過し給与が確定したあとです。さらに、入金には1〜2カ月ほどかかるため、実際に出産手当金を受け取れるのは出産から3〜4カ月後になります。
しかし、なかには支給が遅れ、なかなか入金されない場合もあるでしょう。出産手当金の入金が遅い場合、まずは勤務先に申請書の提出状況を確認するのが望ましいです。確認するのは以下のポイントです。
- 勤務先が申請書を健康保険組合などへ提出済みか
- 出産手当金を受給できるのはいつ頃か
- 医師・助産師の証明欄に記入もれがないか
- 事業主の証明欄に記入もれがないか
- 振込先口座に誤りがないか
- 健康保険組合や協会けんぽで審査中ではないか
- 出産手当金支給決定通知書が届いているか
協会けんぽの場合、電子申請であればスマートフォンやパソコンから申請後の処理状況を確認できます2)。紙の申請書を提出した場合や、勤務先経由で提出した場合は、勤務先や加入している健康保険組合に確認してみましょう。
できる限り早く出産手当金を受け取りたい場合は、産前・産後に分けて申請手続きをするか、入院時に申請書を持参して医師などに該当箇所を記入してもらいましょう。
里帰り出産などで自宅から遠くの医療機関で出産した場合などは、入院時に書類を持参していなければ、郵送などで時間がかかり、支給の遅れにつながります。計画出産などでない限り、いつ入院するかわからないので、早めに準備するようにしましょう。また、郵便配達にかかる日数等を考慮して、速達で書類を送ることも検討してみましょう。
出産手当金はいつからいつまで支給対象?
出産手当金の支給対象となる期間は、原則として出産の日以前42日から、出産の翌日以後56日目までです。双子など多胎妊娠の場合は、出産の日以前98日から対象になります1)。
出産日は、産前の期間に含まれます。また、出産が予定日よりも遅れた場合、遅れた期間も出産手当金の支給対象です。
たとえば、出産予定日どおりに出産した場合は、産前42日と産後56日を合わせた最大98日分が支給対象となります。一方、出産日が予定日より10日遅れた場合は、遅れた日数分も支給対象に含まれるため、支給対象の日数が10日間分増えることになります。
もし出産前後で休んでいる時に勤務先から賃金の支払いがあった場合は、支払われた賃金日額が出産手当金の日額より少ない場合に限り、差額を出産手当金として受け取れます。
なお、出産手当金を受け取るには、以下の要件を満たす必要があります3)。
- 出産をする本人が健康保険の被保険者であること
- 出産のために休業していること
- 妊娠4カ月(85日)以後の出産であること
※:「出産」には、妊娠4カ月(85日)以後の出産以外に、流産や死産・人工妊娠中絶なども含む。
出産手当金の支給要件やもらえないケースについては、以下の記事で詳しく解説しています。併せて確認してみてください。
【関連記事】出産手当金がもらえないケースについて、詳しくはコチラ
出産手当金はいつ申請する?2つのタイミングの違い

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出産手当金を申請する方法は、以下の2つから選ぶことができます1)。
それぞれ詳しく解説します。
①産前・産後分をまとめて申請する場合
出産手当金は、産前・産後の対象期間分をまとめて申請するのが一般的です。ただし、まとめて申請する場合、出産後56日経過後、その月の給与の締め日を過ぎてからしか申請できません1)。これは対象期間に給与の支払い状況を確認する必要があるからです。前述のとおり、一般的には申請から1〜2カ月程度で入金されるため、実際に出産手当金を受け取るのは出産後3〜4カ月先となります。詳しいスケジュールは、加入する健康保険に問い合わせてみましょう。
②産前・産後分を分割して申請する場合
出産手当金は、産前・産後を複数回に分けて申請することもできます4)。産前・産後を分けて申請する場合、出産後56日目を含む給料の締め日を待つ必要がないため、出産手当金が早くもらえるというメリットがあります。
ただし、申請のたびに会社に依頼し、事業主の証明欄を記載してもらわなければならないので注意しましょう。医師または助産師の証明欄については、出産日が確認できる書類を提出すればそのあとは省略できます。医師または助産師の証明欄に出産予定日しか記載されていない場合は、最大でも出産予定日までの申請のみしかできません。
出産手当金はいつまでに申請が必要?

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出産手当金は、基本的に産後に申請手続きをしなければなりません。産後は育児で忙しくなりますが、出産手当金には申請期限があり、その期間中に申請しなければ受け取れなくなってしまいます。
申請期限は、出産のために仕事を休みはじめた日の翌日から2年以内です。出産手当金は休業日1日ごとにもらえるため、申請期限も1日ごとに設定されます。確実にもらうためにも、いつまでに申請しなければならないのか、しっかり把握しておきましょう2)。
出産手当金はいくらもらえる?1日あたりの支給額

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出産手当金の1日あたりの支給額は、以下の方法で計算できます1)。
1日あたりの出産手当金 = 支給開始日以前1年間の標準報酬月額の平均額 ÷ 30日 × 2/3
1日あたりの出産手当金は、1年間の標準報酬月額の平均額をもとに計算されます。標準報酬月額とは、社会保険料を計算するために設定された金額であり、実際の給与額ではありません1)。また、支給開始日とは、最初に出産手当金が支給された日を指します。
いくつかの標準報酬月額を例に、1日あたりの出産手当金額を確かめてみましょう。
〈図〉標準報酬月額別の1日あたりの出産手当金額

なお、実際の給付金額は、標準報酬月額や休業日数、給与の支払い状況などによって異なります。
出産手当金の支給額の計算については、以下の記事で詳しく解説しています。こちらも併せて確認してみてください。
出産手当金の申請方法・必要書類

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出産手当金をもらうために必要な書類や申請の手順を以下のステップで解説します。
STEP①「健康保険出産手当金支給申請書」を用意し記入する
出産手当金の申請には、出産手当金支給申請書という所定の申請書が必要です2)。書式は健康保険協会によって違うことがあるので、専用の申請書を用意しましょう。
STEP②出産時にかかる医療機関に記入してもらう
提出する申請書は、医療機関に記入してもらう証明欄があります。里帰り出産などで出産する病院と妊娠中に通院する病院が異なる場合は、出産する病院での記入が必要です。
可能であれば産後の入院中にすべての証明欄を漏れなく、医師または助産師に記入してもらいましょう。退院後でも持参すれば記入してもらえますが、出産時に持参したほうが、手間がかかりません。
STEP③勤務先に申請書を渡して提出してもらう

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出産手当金支給申請書の提出先は、加入している健康保険組合です。しかし、ご自身で健康保険組合と手続きするケースは稀です。勤務先が記入する欄もあるため、勤務先が該当箇所を記入したあとに健康保険組合に手続きをしてくれるケースがほとんどです。
そのため、産後にまとめて請求をする場合は、医療機関に該当箇所を記入してもらったら、産休明けに勤務先に申請書を提出しましょう。出産手当金の入金は申請から約1〜2カ月後になるので、早めに提出することをおすすめします。
退職後でも出産手当金は受け取れる?

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出産手当金が受け取れるのは、基本的に産休中の人です。しかし、出産を機に退職する場合でも、要件を満たせば出産手当金の支給対象となります4)。
支給対象となるのは、1年以上被保険者であったことに加えて、退職日の時点で出産手当金を受給しているなどの要件を満たした場合のみになります。退職日に産休を取得しておらず、勤務していた場合は支給対象外となるので注意しましょう。
出産を機に退職する場合でも、申請の流れは通常と変わりません。ただし、加入している健康保険組合へ自分で書類を提出しないといけない場合もあるので、勤務先に確認が必要です。
出産手当金の振り込みは申請から1〜2カ月後、早めのマネープランを

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出産後は何かと慌ただしく、お金のことを落ち着いて考える余裕がなくなりがちです。だからこそ、産前のうちに以下のポイントを確認しておきましょう。
- 出産手当金の振り込みは、申請から約1〜2カ月、出産からは3〜4カ月程度が目安
- 申請は産前・産後をまとめて行うのが一般的ですが、分割申請すると早く受け取れる場合がある
- 申請期限は休業開始の翌日から2年以内。期限内に手続きができるよう、書類は産前から準備を進めておくと安心
出産後は収入が途絶える期間が数カ月続きます。出産手当金がいつ振り込まれるかを事前に把握したうえで、その間の生活費をどう確保するか、マネープランと併せて考えておきましょう。








