ストレス社会と呼ばれる現代、慢性的な睡眠不足や体調不良、心の不安など、何かしらストレスを抱えているという人が少なくないのではないでしょうか。過酷な時代を乗り越えるためには、うまくストレスを解消する方法を知っておきたいところです。

そこで目を向けたいのが‟食“です。健康な体作りに食事が重要なのは言うまでもありませんが、必要な栄養素を意識して摂取したり、食べ方を工夫したりすることはストレスの解消にもつながります。この記事では、ストレス解消におすすめの栄養素や具体的な食事について、帝京大学医学部精神神経科・教授、精神科指導医で臨床栄養学指導医でもある功刀浩さん監修の元、紹介していきます。

この記事の監修者

功力浩(くぬぎ ひろし)

うつ病、躁うつ病、統合失調症に関する先端的脳科学検査と栄養学的検査に基づいて診断・治療を行う、日本の精神医学研究をリードする医師・研究者のひとりである。国立精神・神経医療研究センターにおいて気分障害センターを立ち上げ、患者の脳科学的データの解析だけでなく、動物・細胞を用いた基礎的研究を行い、病態メカニズムの解明や新しい診断・治療法の開発に長年従事し、多くの実績をあげた。日本でほとんど注目されてこなかった精神疾患の栄養学的側面に注目した臨床研究を精力的に進め、マスメディアにも多数取り上げられている。 2020年4月から帝京大学医学部付属病院メンタルヘルス科に移動し、こうした臨床・研究を継続している。
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ストレスが溜まっている…と感じたら、見直すべきポイント

ストレスを解消するためには、精神と身体のバランスをととのえることが重要です。「カラオケに行く」「ジムで汗を流す」などの従来のストレス発散法もコロナ禍で難しくなっています。生活の基本を見直し、ストレスを溜めないように心がけましょう。

そこで、まず見直すべき3つのポイントを紹介します。

【ポイント1】バランスのいい食事がとれているか

画像: 画像:iStock.com/Chinnachart Martmoh

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現代人の食事は外食や加工食品が増えており、栄養が偏りがちです。これにより慢性的な栄養不足を抱えてしまい、心身へのストレスになっているケースは少なくありません。栄養素をバランスよく摂取し、体を整えましょう。心臓病やがんといった病気の予防にもつながります。

たとえば、厚生労働省が設定した野菜の摂取量の目安は1日あたり350g1)とされています。しかし、これを20代で満たしているのは男性が25%ほど、女性が20%ほどとかなり低く2)、5人のうち4人が野菜不足に陥っているという状況なのです。ほかにも魚、レバー、大豆製品、乳製品、玄米をはじめとした全粒穀物など、重要な栄養素が含まれている食べ物の多くを現代人は十分に摂取できていません。

【ポイント2】7〜8時間の睡眠はとれているか

画像: 画像:iStock.com/Kayoko Hayashi

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睡眠不足はストレスの原因の筆頭です。特にスマホが身近である現代ではSNSや動画視聴、ネットサーフィンなどで夜更かしをする人が増えています。こうして睡眠時間が削られていくと、疲労が十分に回復されず、やる気や意欲も低下してしまいます。日中のパフォーマンスも思うように発揮できず、それによりさらなるストレスが発生するという悪循環に陥ります。

理想的な睡眠時間は7〜8時間です。6時間を切っている場合は、睡眠不足の可能性が高いので気をつけましょう。また、睡眠時間は“長すぎず・短すぎず”が理想なので、逆に9時間を超えるような過眠の状態になっている人も注意が必要です。

ただし、7〜8時間の睡眠をとれているとしても、それが良質な睡眠でなければ、ストレス解消には繋がりません。人間は睡眠中、1時間半ほどの周期でノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返しますが、良質な睡眠を取るには、最初の周期で深い睡眠に入ることが大切です。適度な運動などを行い、深い睡眠に入れる状態に整えることを心がけましょう。

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【ポイント3】1日30分以上の運動はできているか

画像: 画像:iStock.com/BigCircle

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ウォーキングなどの適度な運動もストレス解消に有効です。体を健康に保つのはもちろんのこと、脳のストレス反応を減らしてくれる作用もあります。精神的にも気晴らしになるので、落ち込んだ気持ちのリフレッシュにもつながるでしょう。

デスクワークが中心の方は、運動の習慣を意図的に作らない限り、運動不足は避けられません。コロナ禍の影響で在宅ワークが増えている人は尚更です。1日30分ほどでもいいので、週に3~4回は運動の時間をしっかりと確保しましょう。

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3つのポイントを複合的に考えることが大切

画像: 画像:iStock.com/itakayuki

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以上のポイントは、一つひとつをばらばらに見直すのではなく、複合的に考えていくことが重要です。

運動は睡眠の時間を考慮して、なるべく21時までに行いましょう。クールダウンの時間が必要なので、あまり遅くに運動すると入眠しにくくなります。また、人間の体内時計は、運動する時間帯にパフォーマンスが最高になるように調整されます。深夜にランニング等の運動をすると、日中に眠くなるなどバイオリズムが乱れるため、おすすめできません。

また、食事も睡眠の2時間前までに済ませるようにしましょう。入眠の直前に食事をすると、消化器官を働かせるために眠りが浅くなってしまいます。

食事と睡眠と運動は三つ巴の関係で、お互いに影響し合うものです。互いにいい影響を与え合うように整えられると、ストレスを跳ね返す生活習慣ができあがります。

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食事でストレスを解消するには? 摂取したい栄養素

それでは、上で述べたうちの「食事」について、具体的に見ていきましょう。ストレス解消にはどのような栄養素を摂取することが有効なのでしょうか。代表的なものを紹介します。

〈表〉ストレス解消につながる栄養素と期待される効能

栄養素効能多く含まれる食べ物
EPA(エイコサペンタエン酸)体内の炎症を抑える「抗炎症作用」があり、身体的ストレスを抑えるいわし、さば、あじなど
乳酸菌・食物繊維体調不良や下痢、便秘などによる身体的ストレスをふせぐ。研究段階ではあるが、腸内の善玉菌を増やすことでリラックス作用があるとされる乳酸菌:ヨーグルト、キムチ、チーズなど
食物繊維:全粒粉、玄米など精製されていない穀物など
テアニン脳のアルファ波の出現を促し、心を落ち着かせる玉露、抹茶、テアニン入りの食品やサプリメント
タンパク質身体をつくるのに必要なだけでなく、ドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質を作るために必須。特にドーパミンは、やる気や集中力の向上、思考がポジティブになるなどの作用がある肉、魚、牛乳、チーズ、卵、大豆など
鉄分身体に酸素を運ぶ赤血球の産生に必要なのはよく知られているが、脳内でドーパミンの生成にも必要。体が疲れやすくなったり、眠りが浅くなったりといった身体的ストレスをふせぐレバー、赤身肉、赤身魚、貝類、大豆、ほうれん草など
(ビタミンCが吸収を促進)
葉酸様々な栄養素の合成に使用される。栄養不足による身体的なストレスをふせぐほうれん草、春菊、大豆、納豆、いちご、レバー、アスパラなど
幸福感をもたらすエンドルフィンやセロトニンといった神経伝達物質の分泌を促す砂糖菓子、ごはん、パン、果物、いも、はちみつなど
(ただし、食べ過ぎは禁物)

(1)EPA

画像: 画像:iStock.com/kazoka30

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EPAとは「エイコサペンタエン酸」の略称で、人間の体内ではほとんど作ることのできない必須脂肪酸の1つです。いわしやさば、あじなど、脂の乗った青魚に多く含まれています。

体内で炎症が発生すると、体調不良や疲労感など、様々な身体的ストレスを引き起こします。炎症と聞くと外傷や喉の痛みをイメージする人も多いかもしれませんが、実際には脳も含めた全身で発生するため、軽度で慢性的な炎症を無自覚に抱えている人も少なくありません。そこで有効なのが、EPAの持つ抗炎症作用です。

EPAには血液をサラサラにする作用もあり、動脈硬化のリスクを下げるため、心筋梗塞や脳梗塞といった命を脅かす病気の予防にも役立ちます。

【EPAが多く含まれる食べ物】
いわし、さば、あじなど

(2)乳酸菌・食物繊維

画像: 画像:iStock.com/SB

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緊張するとお腹が痛くなるなど、ストレスが腸に刺激を与えるのは有名ですが、逆もまた然り。腸内環境の悪化はストレスの原因になります。

たとえば、腸で炎症が起こると体調不良や下痢、便秘などによる身体的ストレスを生じます。それだけでなく、腸内細菌のバランスが崩れると精神的なストレス耐性も低下すると言われています。研究段階ではありますが、腸内の善玉菌が増えると副交感神経が刺激され、リラックス作用をもたらすこともわかってきました。

腸内環境の改善のために、プロバイオティクス(乳酸菌やビフィズス菌などのいわゆる善玉菌)や食物繊維を摂取しましょう。プロバイオティクスは大腸菌をはじめとした悪玉菌の繁殖を抑え、腸内細菌のバランスを整える作用があります。また、オリゴ糖などとともにプレバイオティクスとも呼ばれる食物繊維は、腸の活動を促すだけでなく、善玉菌の餌となって増殖を促します。

プロバイオティクスとプレバイオティクスを一緒に摂取することによる相乗効果はシンバイオティクスと呼ばれ、腸内環境の改善に極めて有効です。

【プロバイオティクスが多く含まれる食べ物】
乳酸菌飲料、ヨーグルト、キムチ、チーズ、納豆、味噌、ぬか漬けなど

【食物繊維が多く含まれる食べ物】
全粒粉、玄米など精製されていない穀物、大豆、納豆、サツマイモ、キャベツ、白菜、ゴボウ、アスパラ、みかん、グレープフルーツ、バナナ、わかめ、きのこなど

(3)テアニン

画像: 画像:iStock.com/grafvision

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テアニンは緑茶の旨味成分で、アミノ酸の一種です。副交感神経を刺激して脳のアルファ波の出現を促し、心を落ち着かせる作用があります。さらには睡眠の質を高める働きもあるので、朝起きた時にスッキリしないと感じる人には特に役立つでしょう。

主に茶葉から淹れる「玉露」などの高級な緑茶、抹茶などに多く含まれており、サプリメントも販売されています。コンビニで販売されているペットボトルの緑茶には、ほとんど含まれていないので注意しましょう。

【テアニンが多く含まれる食べ物】
緑茶、抹茶など

(4)タンパク質

画像: 画像:iStock.com/a_namenko

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三大栄養素の1つと言われるタンパク質も、ストレス解消に有効です。タンパク質は20種類のアミノ酸から構成されており、なかでもフェニルアラニン、トリプトファンなどの必須アミノ酸は、心の働きに関わるドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質を作るための原料になります。

なかでも快感を得た時に分泌されるドーパミンは、意欲や集中力の向上、思考がポジティブになるなどの作用があり、生活を充実させるうえで鍵となる脳内物質です。

【タンパク質が多く含まれる食べ物】
肉、魚、牛乳、チーズ、卵、大豆、豆腐、納豆など

(5)鉄分

画像: 画像:iStock.com/bit245

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ドーパミンを生成するには、鉄分の摂取も大切です。ドーパミンはアミノ酸の一種であるチロシンを使用して作られますが、チロシンをドーパミンへと変換するチロシン水酸化酵素は、鉄分がなければ働きません。

また、鉄分が不足すると赤血球内のヘモグロビンが減少し、酸素を十分に運搬できなくなります。こうなると体が疲れやすくなったり、眠りが浅くなったりといった身体的ストレスに悩まされるケースも。

特に女性は月経による出血で、鉄分が不足しがち。女性の5人に1人は鉄欠乏貧血を発症しているとも言われているので、日頃から鉄分の十分な摂取を心がけましょう。

【鉄分が多く含まれる食べ物】
レバー、赤身肉、赤身魚、貝類、大豆、ほうれん草、トマト、切り干し大根など

(6)葉酸

画像: 画像:iStock.com/photka

画像:iStock.com/photka

ビタミンB群の一種である葉酸。妊娠中に積極的に摂取したい栄養素として知られていますが、細胞の生産や再生を促す働きを持っており、様々な栄養素の合成に使用されます。葉酸を十分に摂取することは、ドーパミンを正常に生成したり、栄養不足を解消して体調を整えたりするために欠かせません。

主に緑黄色野菜やレバー、大豆製品など、現代人に不足しがちな食べ物に多く含まれています。これらを摂取することは不足栄養素の補完にもつながるのでおすすめです。

【葉酸が多く含まれる食べ物】
ほうれん草、春菊、大豆、納豆、いちご、レバー、アスパラなど

(7)糖

画像: 画像:iStock.com/Mila Bond

画像:iStock.com/Mila Bond

精神的なストレス解消には、糖を摂取することも有効です。砂糖の甘味が舌を刺激すると、その味覚情報が脳に伝わり、幸福感をもたらすエンドルフィンやセロトニンといった神経伝達物質の分泌を促します。気持ちを落ち着けたい時や憂鬱感がある時におすすめです。

チョコレートなどでお手軽に摂取できるため、短期的なストレス解消に有効ですが、食べすぎには注意が必要です。糖尿病や肥満といった生活習慣病の原因になります。

【糖分が多く含まれる食べ物】
砂糖菓子、ごはん、パン、果物、いも、はちみつなど

ストレス解消におすすめの食べ物【食事編】

「食事でストレスを解消するには? 摂取したい栄養素」で紹介した栄養素を効率的に摂取するためには何を食べればよいのでしょうか。具体的に、普段の食事に取り入れやすいおすすめの食事メニュー2品を紹介します。

【不足しがちな栄養素をおぎなう】青・緑・赤の3色サラダ

画像: 【不足しがちな栄養素をおぎなう】青・緑・赤の3色サラダ
摂取できる栄養素
EPA・鉄分・葉酸・たんぱく質

ほうれん草をカットし、トマトとほぐした鯖缶を盛り付けるだけの簡単メニュー。鯖にはEPAが多く含まれており、体調不良の改善や疲労回復に効果的です。

また、ほうれん草やトマトには鉄分や葉酸など、ストレス解消につながる栄養素が満載。簡単に作れるので、ストレスが溜まって疲れを感じている時にこそ、この1品を食卓にプラスするのがおすすめです。

【特に女性におすすめ】マグロ&アボカドのユッケ丼

画像: 【特に女性におすすめ】マグロ&アボカドのユッケ丼
摂取できる栄養素
鉄分・たんぱく質・乳酸菌・食物繊維・葉酸

特に女性に多い、貧血気味で気分や体調が優れずストレスが溜まってしまっている人におすすめのメニュー。マグロやカツオなどの赤身魚には鉄分が多く含まれているため、鉄分不足の解消に役立ちます。さらに食物繊維の豊富なアボカドと、タンパク質の豊富な卵を摂取できるのもポイントです。スーパーの食材でお手軽に作れて満足感も高いので、ストレスが溜まっている時にぴったり。

アボカドではなく納豆を乗せるのもおすすめ。こちらも食物繊維が豊富なのはもちろんのこと、発酵食品であるため乳酸菌も含まれており、腸内環境の改善に有効です。大豆製品に多く含まれるタンパク質や葉酸も摂取できます。

ストレス解消におすすめの食べ物【間食編】

日常生活の中でふとストレスを感じた時には、手軽にとれる間食でのストレス解消がおすすめです。仕事用のデスクや自宅などに備えておき、自分のストレスを意識したタイミングで摂取してみてください。

【イライラをなくしたい時】緑茶と和菓子

画像: 【イライラをなくしたい時】緑茶と和菓子
摂取できる栄養素
テアニン・糖

イライラなどの乱れた感情を抑えたい人は、茶屋で売っている茶葉を使って緑茶を淹れましょう。テアニンによるリラックス作用でホッと一息つくことができます。お茶請けにはお団子やようかんなど、甘味を感じるちょっとした和菓子が適しています。糖分を摂取することで、精神的なストレスをより落ち着かせてくれます。

ちなみに、お茶には茶カテキンやカフェインといった胃を刺激する成分が含まれているため、和菓子を胃袋に入れながらお茶を飲むように意識しましょう。

【心を落ち着かせたい時】ココアとカカオチョコレート

画像: 【心を落ち着かせたい時】ココアとカカオチョコレート
摂取できる栄養素

糖分でストレスを軽減したい時におすすめなのがココアです。ココアには自律神経を整えてセロトニンの働きを助けるテオブロミンという成分や、アミノ酸、カルシウム、ビタミンBといったさまざまな栄養素も含まれています。また、牛乳をたっぷり入れることで、セロトニンの生成に必要なトリプトファンも摂取できます。

併せて食べるなら、カカオの含有量が多い高カカオチョコレートが良いでしょう。カカオに含まれるカカオポリフェノールには、善玉菌の餌になって腸内環境を整える作用のほか、抗酸化作用や動脈硬化の予防、冷え性改善といった健康面のメリットもあります。ココアと同様にテオブロミンも入っているので、心を落ち着かせたい時にどうぞ。

逆効果になる危険性も。食事の摂り方の注意点

ここまで紹介した食べ物を摂取しても、食べ方によっては逆にストレスが増えてしまうこともあります。ついやってしまいがちなNGな食事の摂り方を確認していきましょう。

【NGな食事1】糖分のとりすぎ

画像: 画像:iStock.com/pidjoe

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精神的なストレス解消に役立つ糖分ですが、とりすぎはNGです。糖尿病や心筋梗塞といった生活習慣病の原因になるのはもちろんのこと、肥満を引き起こすのも大問題。

肥満になった脂肪細胞では炎症が起こりやすく、身体的ストレスの原因になります。さらに肥満は男性ホルモンを減少させる傾向もあり、やる気や意欲の低下にもつながるケースも。ストレスを溜めないためには、健康的な体型を維持することも大切なのです。

【NGな食事2】あまり噛まずに飲み込む

画像: 画像:iStock.com/twinsterphoto

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肥満を防止するなら、食事はよく噛んで食べましょう。そもそも満腹感は、食事が体内に吸収されて脳にある満腹中枢を刺激することで発生するもの。飲み込むように食べると、脳がシグナルを出すより先に食べすぎの状態になってしまいます。逆に時間をかけて食べれば、少量の食事でも満腹感が得やすく、食べすぎになることはほとんどありません。

食べるペースが早い人は、食事の途中で箸休めすることを意識しましょう。現在はコロナ禍で難しい部分もありますが、誰かと話しながら食事をするのもおすすめです。食事のスピードが自然とスローになるのはもちろんのこと、楽しい気持ちで食事することはストレス解消につながります。

【NGな食事3】寝酒

画像: 画像:iStock.com/Milatas

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就寝前にお酒を飲む「寝酒」はくれぐれも控えましょう。眠れないからと睡眠薬代わりにお酒を飲む人もいますが、アルコールにはアセトアルデヒドという眠りを浅くする成分が含まれています。そのため、寝付きやすくなったとしても早く目が覚めるなど、睡眠の質は低下してしまいます。

ただし、1日1杯程度の適度なアルコールの摂取は、健康にもポジティブに働きます。なかでも赤ワインに含まれるレスベラトロールには、抗酸化作用や血流の改善、血糖のコントロールといったメリットがあり、糖尿病や肥満などの生活習慣病の予防に有効です。

まとめ

画像: 画像:iStock.com/maruco

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コロナ禍が猛威をふるっています。経済活動が制限されることによる経済的不安、密を避けるために生じた友人との対面コミュニケーションの喪失、テレワークによる運動不足など、今までの生活の基本となっていた部分がゆらいでいます。こうした時代にストレスを溜めないためには、まず、食事・運動・睡眠といった生活の基本を大切にしましょう。

現代の食事は豊かと考えられていますが、豊かなのはエネルギー摂取量だけで、ミネラル、ビタミンの一部、食物繊維などの成分が不足気味になっています。バランスの良い食事をとり、意識して運動をすることを心がけ、毎日深い睡眠による休養をとっていれば、ストレスの影響を最小限に食い止めることができるでしょう。

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