人間にとって欠かせないものであり、毎日の生活の質を大きく左右する睡眠。しかし、忙しい日々を過ごすなかでは、十分な睡眠時間の確保が難しく、効率よく質の良い睡眠をとりたいと考えている方も多いことでしょう。この記事では、誰でもできる睡眠効率を上げる方法から、おすすめのグッズ・ツールまで紹介します。

【INDEX】

■体の変化から見る4つの睡眠の役割

【役割1】細胞のメンテナンス
【役割2】記憶の取捨選択
【役割3】脳・内臓のクーリング
【役割4】起きている時のシミュレーション

■睡眠不足は、仕事や勉強のパフォーマンスに影響する

(1)気持ちの振れ幅が大きくなる原因に
(2)運動能力にも悪影響

■睡眠効率を上げるのは“不眠にならない”ためにも重要

■理想的な睡眠を叶えるための5つの要素

【要素1】睡眠時間
【要素2】睡眠の質
【要素3】まとまった睡眠時間の確保
【要素4】レム睡眠とノンレム睡眠のバランス
【要素5】熟睡感

■睡眠効率を上げるために実践するべき7つのこと

(1)スマホは遅くても寝る30分前には使用を控える
(2)飲食は寝る3時間前までに済ませる
(3)アルコールは寝る3時間前までに
(4)30分寝られなかったら布団から出る
(5)起床時間をなるべく同じ時間にする
(6)寝ている時は鼻呼吸をする
(7)自己覚醒法を活用して起床する

■短時間の睡眠でも効率よく疲れをとる2つの方法

(1)昼寝をする
(2)分割睡眠をする

■睡眠の効率を上げてくれるおすすめのグッズやアプリ

【グッズ】
【アプリ】
【サプリメント】
【アロマオイル】

■日中の活動性を悪化させないためにも、質の良い睡眠を

体の変化から見る4つの睡眠の役割

画像1: 画像:iStock.com/RyanKing999

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効率の良い睡眠のとり方を見ていく前に、そもそも睡眠にはどんな役割があるのかを理解しておきましょう。睡眠の役割は、寝ている間に起きている体の変化を知ることで理解できます。

【役割1】細胞のメンテナンス

睡眠中に起きている1つ目の体の変化は、細胞のメンテナンスです。日中活動している間、体は紫外線・ストレスなどの影響で様々な細胞が壊れたり、傷ついたりしています。

そんな傷ついた細胞をメンテナンスするのが、睡眠の時間です。特に寝ついてから3時間は成長ホルモンが多く分泌され、子どもであれば身長・体重の変化、大人であれば体のメンテナンスが行われています。

また、寝ている間には免疫に関係する細胞の量が高まるため、睡眠をしっかりと取ることは、風邪をひきにくくする・感染症にかかりにくくすることにも繋がります。

【役割2】記憶の取捨選択

睡眠は、記憶とも深い関係があります。例として、試験前に一夜漬けをした時のことを挙げてみましょう。

一夜漬けというと、朝までの長い時間勉強することになるため、それだけたくさんのことを覚えられます。しかし、2~3日すると、覚えていたはずのほとんどのことを忘れてしまった、という経験をしたことはないでしょうか。

本来、睡眠中には起きている間に見たこと・感じたことなど、記憶の取捨選択が行われ、必要なものだけが残されていきます。しかし、一夜漬けは睡眠を通していないため、記憶が定着しないのです。

こうした例からも、睡眠は記憶の定着のためにも必要不可欠なことがわかるはずです。

【役割3】脳・内蔵のクーリング

筋肉を使うと汗をかくように、脳も使用することで熱や老廃物が出てきます。この排出した老廃物を捨てたりリサイクルしたりしないと、脳細胞が壊れてしまい、アルツハイマー型認知症になりやすくと言われています。

体温が下がる睡眠中は、脳・内臓のメンテナンスにも役立っているのです。

【役割4】起きている時のシミュレーション

睡眠中に夢を見たことがある方も多いでしょう。夢では、記憶の取捨選択をする時などに、自然に浮かびあがってくるイメージを見ていると言われているのですが、一方で、起きている時の予行演習をしているという説もあります。

本来、夢を見ている時は、動いてしまってケガをすることがないよう、脳からの指令が筋肉にいかないようにブロックされています。しかし、猫に行われた実験で、筋肉に指令が届くようにしたところ、ネズミを捕るような動作をしたという結果が出ているのです。

このことから、夢を見ている時には、起きている時の行動のシミュレーションをしているのではないかと考えられています。

以上にあげたように、睡眠中は寝ているからといって完全にスイッチが切れているわけではありません。体にとって起きている間にはできないこと、休んでいるからこそできることが、たくさん行われているのです。

睡眠不足は、仕事や勉強のパフォーマンスに影響する

画像: 画像:iStock.com/kazuma seki

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(1)気持ちの振れ幅が大きくなる原因に

睡眠不足で眠いということは、頭がしっかり働いていないということなので、集中力・意欲が落ちます。また、仕事や勉強の効率の悪化、ミスの増加も引き起こします。

パフォーマンスの悪化だけでなく、気持ち・精神的な面でも睡眠の影響は大きいです。睡眠不足になると感情をつかさどる脳の働きが悪くなります。その結果、怒りやすくなる・落ち込みやすくなるなどの、気持ちの振れ幅が大きくなるという弊害も出てくるのです。

また、うつ・気分障害にも睡眠不足が深く関与しており、うつ病を患っている方の多くが睡眠障害に悩まされていると言われています。

(2)運動能力にも悪影響

睡眠はメンテナンスの時間であることは前述した通りですが、十分な睡眠をとらないと、運動能力が高まりません。実際、アスリートの平均睡眠時間は、一般の人よりも1時間ほど長いと言われています1)それだけの量を寝ないと、体が持たないからです。

適切な睡眠をとることによる運動能力の向上は、研究でも結果がでています。アメリカのバスケットボール選手に、もう少し睡眠を長くとるように勧めたところ、シュートの成功確率の向上だけでなく、ダッシュが早くなったり、本人の意欲が向上したりと、心身両面での良い結果が報告されたのです2)

睡眠不足は脳だけでなく、体全体に影響を及ぼしていることがよくわかる研究結果です。

参考資料

1)早稲田ウィークリー「生活における健康問題③ 睡眠時間と眠気の関係」
2)Mah CD, Mah KE, Kezirian EJ, Dement WC.The effects of sleep extension on the athletic performance of collegiate basketball players. Sleep 34(7):943-950, 2011. doi: 10.5665/SLEEP.1132.

睡眠効率を上げるのは“不眠にならない”ためにも重要

画像: 画像:iStock.com/ miya227

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睡眠の効率を上げるのが重要な理由としては、起きている時間をより充実させるため、また、不眠にならないためという理由があります。

そもそも“睡眠効率”とは、医学的な定義で、布団の中にいる時間と寝ている時間の比率のことを言います。例えば8時間布団のなかにいたとしても、6時間しか寝ていなかったとしたら、睡眠効率は「6÷8×100=75%」という計算の仕方をします。布団のなかにいたとしても、寝ていなかった2時間は無駄ということになるのです。

そしてこの無駄な時間が長くなると、「自分は不眠だ」と思いこんでしまうのです。通常の人であれば“寝床=睡眠”であるはずなのに、寝床の中で寝られない辛い思いをしていると、頭の中で“寝床=不眠”という方程式ができてしまいます。

1日は24時間しかありません。そのため、なるべく睡眠の効率を良くし、布団にいる時間を必要十分なだけに留めておいて、それ以外の起きている時間を伸ばす必要があります。

睡眠効率をしっかり上げるということは、メンテナンスなどをして体の状態を整えるということ以外に、不眠にならないという点でも重要なのです。

理想的な睡眠を叶えるための5つの要素

画像: 画像:iStock.com/primeimages

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ここまでのお話で、睡眠の重要性は十分に理解いただけたことでしょう。では、日中のパフォーマンスを最大限に発揮するために、どのような睡眠をとることが望ましいのでしょうか。

理想的な睡眠の要素には、

【1】睡眠時間
【2】睡眠の質
【3】まとまった睡眠時間の確保
【4】レム睡眠とノンレム睡眠のバランス
【5】熟睡感

という上記5つが挙げられます。

【要素1】睡眠時間

睡眠時間については、一般的に6~8時間が理想です。

6~8時間の睡眠時間が推奨されている理由は、健康に過ごせるからです。肥満・糖尿病・高血圧などの生活習慣病、うつ病・癌などの病気になりにくく、また、死亡の危険率が低いのも、睡眠時間が6~8時間の時と言われています3)

そもそもの寝ていられる時間としても、若い人は長く高齢になると短くなる傾向にあるため、若い人は8時間、高齢の場合は6時間とることができれば大丈夫と考えるのが良いでしょう。

ただ、1年を通して睡眠時間は同じではなく、季節による変化もあります。睡眠時間の統計によると、夏は最も短く、秋が近づくにつれ長くなり、冬が1年の中で最も長いという結果が出ています4)。これは、日照時間が関係していると言われていて、日の出が早い夏は早起きしやすく、冬は遅くまで暗いために睡眠時間が長くなるという傾向が表れます。

さらに、男女でも若干の違いがあり、現在の日本人の場合、ほとんどの年齢で女性の方が男性よりも睡眠時間が短いという結果が出ています5)。これは、女性の方が仕事・家事・子育てと、生活の負担が大きいからではないかと考えられています。

参考資料

3)JACC Study「睡眠時間と死亡との関係」
4)宮崎総一郎 『全国商工新聞 』2012年10月8日
5)総務省「社会生活基本調査(2016年)」

【要素2】睡眠の質

理想的な睡眠を叶えるための2つ目の要素は、睡眠の質です。

睡眠の質を専門的に調べる場合、病院に1泊する「終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)」で、脳波に基づいて、脳の休んでいる時間・起きている時間の割合、レム睡眠・ノンレム睡眠の状態を見たうえで判断します。

しかし、睡眠に関するひどい症状・悩みがないのに、病院で検査をするのは大変です。検査をしないで判断をするなら、下記がクリアできていれば、質の良い睡眠をとっていると言えます。

〈表〉質の良い睡眠をとっているかどうかの判断基準

  • 寝つきが良い
  • (若い人の場合は)夜中に起きない
  • 朝は自然に目が覚めて気持ち良く起きられる
  • 14~16時以外の時間帯では眠気がなく過ごせる

【要素3】まとまった睡眠時間の確保

睡眠のとり方には2回に分けて睡眠をとる「分割睡眠」という方法もありますが、若い人であれば、まとまった時間を確保してとった方が良いでしょう。

若い人の場合、睡眠の中枢である脳も若いため、起きている時はしっかりと脳が覚醒しており、寝ている時は脳もぐっすり寝ている、というのが通常の状態で、夜中に起きることは本来ありません。

もし年齢が若いにも関わらず、夜中に2~3回も起きてしまう場合には、寝室の環境が良くない・ストレスが強い・泌尿器系の病気があるなど、何か問題があると考えましょう。

逆に高齢者の方の場合、深い睡眠に入りにくく、どうしてもこま切れの睡眠になりやすくなります。高齢者の方は、まとまった睡眠がとれなくても、あまり気にする必要はありません。

【要素4】レム睡眠とノンレム睡眠のバランス

睡眠には、体の睡眠である「レム睡眠」、脳の睡眠である「ノンレム睡眠」という2つの種類があります。ノンレム睡眠は寝付くとすぐに現れ、浅いところから深くなってまた浅くなります。その後にレム睡眠が現れます。

睡眠時は約90分を1周期としてこのサイクルを繰り返しているのですが、その間、2つのメカニズムが交互に働いています。

睡眠にはこのレム睡眠・ノンレム睡眠のバランスも重要で、割合としては、レム睡眠が20%・ノンレム睡眠が80%で出現するのが理想的です。つまり90分周期のうち、ノンレム睡眠が60~80分、レム睡眠が10~30分ほど続いて睡眠周期が終了すると、バランスが良いと言えます。

〈図〉レム睡眠とノンレム睡眠の周期

画像: 【要素4】レム睡眠とノンレム睡眠のバランス

【要素5】熟睡感

本人が感じる熟睡感というのも、実は理想的な睡眠において重要です。熟睡感のわかりやすい判断基準としては、睡眠の質と同じ内容にはなりますが、下記のような状態であるのであれば、熟睡感が高いと言えます。

〈表〉熟睡感が高い状態例

  • 寝つきが良い
  • (若い人の場合)夜中に起きない
  • 朝は自然に目が覚めて気持ち良く起きられる
  • 14~16時以外の時間帯では眠気がなく過ごせる

短時間睡眠でも眠りが深く、スッキリ起床できて行動ができるのであれば、睡眠時間が短くても、その人にとってその時に理想的な睡眠になっているのかもしれません。実際、世の中には遺伝子的にショートスリーパーの方もいらっしゃいます。

しかし、一時的なショートスリーパーの方や、「自分はショートスリーパーだ」と勘違いをして、疲労を蓄積し続けている方がいらっしゃるのも事実なので、この熟睡感がちゃんと毎日得られているかということも基準に入れて、理想の睡眠ができているかを判断してみましょう。

「ショートスリーパーの睡眠は何時間?」

そもそもショートスリーパーに時間の定義はなく、社会の状況に伴い変化しています。日本人だけで見ても、この50年間で1時間ほど平均睡眠時間が短くなっていることから、昔は6時間寝ている方がショートスリーパーだったものの、今は5時間ではないとショートスリーパーとは言えない、というような状態になっているかもしれません。

睡眠効率を上げるために実践するべき7つのこと

画像2: 画像:iStock.com/RyanKing999

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睡眠効率を上げる重要性と、理想的な睡眠を構成する要素については先述しましたが、ここからは睡眠効率を上げるためにできること・実践すべきことを紹介します。

具体的なおすすめの方法としてあげられるのは、下記の6つです。

〈表〉睡眠効率を上げる7つの方法

(1)スマホは遅くても30分前には使用を控える
(2)食事は寝る3時間前までに済ませる
(3)アルコール摂取は寝る3時間前までに
(4)30分寝られなかったら布団から出る
(5)起床時間をなるべく同じ時間にする
(6)寝ている時は鼻呼吸をする
(7)自己覚醒法を活用して起床する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

(1)スマホは遅くても寝る30分前には使用を控える

画像3: 画像:iStock.com/RyanKing999

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若い人に多く見られる睡眠効率を下げる行為は、寝る直前までスマホを見ていることです。電子機器からはブルーライトという青い光がたくさん出ていますが、人間は青い光を見ると「昼だ」と脳が認識するため、メラトニンと呼ばれる睡眠ホルモンが減少してしまいます。

「携帯は画面が小さいから大丈夫」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ブルーライトは距離が離れると散乱するのに対し、近いと目に直接入ってきやすいのです。そのため、いくら画面が小さくても、距離が近ければ十分に青い光を見ていることになります。

たまに、寝られないからスマホを見るという方もいますが、スマホを見るからますます寝られなくなってしまうのです。暗い場所では瞳孔が開きやすいので、なおさらです。

スマホの使用は、寝る1時間前には控えるようにするのが理想です。遅くても30分前には見るのをやめるようにしましょう。

(2)食事は寝る3時間前までに済ませる

画像: 画像:iStock.com/ frantic00

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食事は、寝る3時間前までに済ませておきましょう。食べた直後に眠くなることはよくありますが、胃腸が動いている間は睡眠が深くなりにくい傾向にあるため、食べた後すぐに寝るのはおすすめできません。

日本人は特に夕飯にごちそうを食べる傾向にありますが、この方法では胃腸に負担がかかり、消化吸収の時間が長引いてしまいます。睡眠のことを考えるのであれば、朝:昼:夕=1:1:1の量で食べるのが理想です。難しいのであれば、油もの・肉類など消化に時間がかかるものは夕食に食べるのを避けるようにしましょう。もし食べるのであれば時間を空けて食べるか、量を減らすかの心掛けが必要です。

お腹が空きすぎて寝られない時は、うどんなどの消化の良い炭水化物や、果物を少しだけ食べるのが良いでしょう。飲み物であれば、ホットミルクなどの温かいものもおすすめです。ホットミルクに含まれているカルシウムには、気持ちを落ち着かせる効果や、睡眠時間をコントロールする機能もあります。

また、カフェインが入っていなければ、ハーブティーなどの気持ちを落ち着かせるような飲み物を取るのも良いでしょう。カフェインは夕飯のあと、寝る前の3時間前程度前から控えることで、覚醒効果の影響を受けにくくなります。

(3)アルコール摂取は寝る3時間前までに

画像: 画像:iStock.com/AzmanL

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アルコールを飲むことで、寝つきが良くなるのは間違いありません。ただし、眠るために飲む、いわゆる寝酒を続けていくと、徐々にアルコールの耐性がついてきてしまい、アルコール依存症になりやすくなってしまいます

また、アルコールは飲んですぐは眠くなるものの、体の中で分解されると、反対に覚醒効果が起こります。さらに、通常夜にはトイレにあまり行かなくなるようにするホルモンの働きがアルコールによって阻害され、トイレのために起きるようになってしまうのです。

寝酒をしてしまうと、覚醒・利尿作用により睡眠が分断されてしまうため、長い目で見てもおすすめできません。

もしアルコールを飲むのであれば、寝る3時間前までに。この時の量は、体重60kgの男性であれば、日本酒1合、ビールであれば500cc、ワインはグラス2杯以内に抑えましょう。この程度の量であれば3時間でアルコールを分解できる方が多いため、睡眠への悪影響が少なくなります。

女性・高齢者はアルコールを分解する酵素がさらに少ないので、上記の半分程度の量に抑えるようにしましょう。

(4)30分寝られなかったら布団から出る

画像: 画像:iStock.com/DragonImages

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布団に入って5~10分寝られないのは普通ですが、30分寝られなかった場合には1回布団から出るようにしましょう。これは、睡眠効率のところでお話した、不眠の条件反射を作らないためです。

布団から出たあとは、明るい場所に行ったり、画面を見たりということはせず、眠くなるまで、読書をする・音楽を聴くなどやりたいことをしましょう。一時的に睡眠時間が短くなるため、翌日は少し眠いかもしれませんが、これを繰り返していくと睡眠効率が良くなっていきます。この方法は、病院でも行われている治療の1つです。

(5)起床時間をなるべく同じ時間にする

画像: 画像:iStock.com/oatawa

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就寝時刻と起床時刻であれば、どちらかというと起床時刻の方が重要です。人間の体内時計は、1日を24時間+αで刻んでいます。明るい光を見ると、体内時計がリセットされて、新しい1日が始まりますが、リセットされないと、毎日1時間くらいずれていってしまいます。

お仕事をされている方のなかには、平日は起きる時間が決まっているものの、休日は昼まで寝ているという方も多いのではないでしょうか。しかし、これでは体内時計の巻き戻りが起こらず、体内時計が狂いやすかったり、休日明けに体内時計を巻き戻さなければいけなくなったりしてしまいます。

体内時計に支配されている生態リズムは、体の中に200種類程度あると言われており、体温・ホルモンの分泌量・頭の働きなども深い関係にあります。体内時計の巻き戻しは体にとっても負担になるため、休日も平日の+2時間程度には起きるようにしましょう

なお、起床の時には何度もスヌーズを掛けて浅い睡眠が続くよりも、起きなければいけない時間に目覚ましを鳴らし、1度で起きるようにする方が、体にとってはおすすめです。

(6)寝ている時は鼻呼吸をする

画像4: 画像:iStock.com/RyanKing999

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鼻呼吸をきちんと行うことも、睡眠効率をあげるための1つの方法です。

最近では睡眠時無呼吸症候群が話題になることも多いですが、これは重力で舌が喉に落ちることで、寝ている間に窒息を起こしてしまう病気のことを言います。本人が認識できている覚醒でなくても、脳波として覚醒状態になっていることもあるのです。

睡眠時無呼吸症候群では、何度も覚醒状態になってしまうため、本人としては8時間睡眠を取っていても、日中に眠くなってしまいます。症状がひどい場合、睡魔が原因で交通事故を起こしてしまう事例も出ています。

軽症の睡眠時無呼吸症候群の方であれば、マウスピース・口を閉じるテープをし、舌が喉に落ちないようにすること、鼻呼吸を促すことで、症状がよくなる方もいらっしゃいます。

ただし、睡眠時無呼吸症候群は、病院で検査を受けるのが理想的です。気になる症状がある方は、お近くの医療機関を受診するようにしてください。

(7)自己覚醒法を活用して起床する

画像1: 画像:iStock.com/Nattakorn Maneerat

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朝すっきり起きるための方法としては、自己覚醒法がおすすめです。自己覚醒法とは、「〇時に起きよう」「〇時間で起きよう」と無意識・深層心理に刷り込むことで、自然に起きやすくする方法です。

自己覚醒法で起きた方が、目覚ましよりも起きた時の感じが良く、また日中もすっきりした気持ちで起きていられるようになります。

この自己覚醒法ですが、1/3~半分くらいの方は実践できると言われています。若いほど成功の確率が上がるようなので、若い方でも十分に取り入れられる方法ではないでしょうか。

ただし、自己覚醒法もあまりプレッシャーをかけすぎると、よく寝られない状態になってしまいます。あくまで、「起きられたらラッキー」くらいの気持ちで取り入れてみてください。

短時間の睡眠でも効率よく疲れをとる2つの方法

画像2: 画像:iStock.com/Nattakorn Maneerat

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ここまで睡眠効率を上げるための方法を紹介しましたが、全てを一度に取り入れることはなかなか困難でしょう。そもそもの睡眠時間の確保がどうしても難しいという方も、なかにはいらっしゃるはずです。

あまり睡眠時間がとれない生活のなかでは、どのような工夫ができるのでしょうか。短時間の睡眠でも効率よく疲れをとる方法を2つご紹介します。

(1)昼寝をする

画像: 画像:iStock.com/miya227

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睡眠時間が取りにくい方は、昼寝をしましょう。平日であれば、昼食の時間にコーヒーやお茶でカフェインを取り、20分ほど寝るのがおすすめです。この時、横になって寝るのではなく、背もたれによりかかったり、机に顔を伏せたりして、短い時間に浅く寝るようにしましょう。

カフェインを取ってから昼寝をすると、寝ている時間にはカフェインの影響はなく、起きてから覚醒効果が出てくるので、昼寝の効果と合わせて午後の仕事が捗るようになります。

休日は1時間半程度寝ても構いません。長時間なので、この時は横になるのも良いでしょう。ただし、夕方以降まで寝ていると夜の睡眠に影響が出てしまうので、15~16時までには起きるようにしてください。お仕事をされている方のなかには、仕事終わりに帰りの電車で1~2時間寝てしまうという方もいらっしゃるかもしれませんが、この行為は好ましくありません。

また、朝の通勤電車などでの仮眠は夜の睡眠には関係ないとは言われていますが、朝に長時間寝るということは睡眠時間が不足しているということなので、まずは早寝から取り組むようにしましょう。

(2)分割睡眠をする

画像: 画像:iStock.com/monzenmachi

画像:iStock.com/monzenmachi

どうしても夜中に目が覚めてしまう人、まとめての睡眠時間が確保しにくい人は、分割睡眠という方法を選択するのも1つの手です。

育児をされている方であれば、子どもの寝かしつけの時に一緒に寝てしまい、3時間後に起床、夜中に家事などタスクを3時間行い、その後にまた3時間寝る、という方法も良いでしょう。

分割睡眠はベストではありません。ただし、仕方ない場合はこのように睡眠時間を確保するのもおすすめです。

睡眠効率を上げてくれるおすすめのグッズやアプリ

画像: 画像:iStock.com/paulaphoto

画像:iStock.com/paulaphoto

睡眠効率を上げるための方法を紹介してきましたが、さらに効率向上を手助けしてくれるアイテムがあります。ここでは、ぜひ毎日の睡眠に取り入れてほしいグッズやアプリなどを紹介していきます。

【グッズ】

画像: 【グッズ】
製品名価格
かぶって寝るまくら IGLOO10,780円(税込)

IGLOOはかぶって眠る、ドーム型のまくら入れです。ドームにお好きな枕を入れて寝ることで、光・音の遮断ができるようになっています。人間は広い場所だと不安を感じやすいものの、適度な閉鎖空間だと寝つきやすいのです。IGLOOを使用した方の実験では、寝つきまでに時間がかかる方の入眠までの時間が半減するとの結果が出ています。

▶︎販売サイト

【アプリ】

画像: 【アプリ】
製品名価格
Sleep Meister無料

Sleep Meisterは、自分の寝ている時間帯、ノンレム睡眠・レム睡眠など、睡眠の測定ができるアプリです。全てが正確ではありませんが、自分の睡眠を可視化できるのがおすすめのポイントです。

また、Sleep Meisterも含め、寝言・いびきの録音ができるアプリもあり、無呼吸症候群の自己診断の1つとしても活用できます。いびきがひどい方は、1度使ってみるのもおすすめです。

▶︎ダウンロードサイト

【サプリメント】

画像: 【サプリメント】
製品名価格
味の素 グリナ5,560円(税込)

グリナは、味の素から販売されている、グリシンが主成分のサプリメントです。人間は体温が下がると睡眠に入りやすくなるのですが、グリシンには手足の血管を広げ、体温が下がる効果があります。夏などで体に熱を持ちやすい時にも、寝る前にグリシンを取っておくと比較的寝つきやすくなるでしょう。

▶︎販売サイト

【アロマオイル】

画像: 【アロマオイル】
製品名価格
ラベンダーフランス精油3ml 660円(税込)〜

アロマの香りには、気持ちを落ち着けて寝つきやすくするものもあります。効果は人によりますが、取り入れてみるのも良いでしょう。

上記以外にも、最近では設定した時間に自動でカーテンを開けてくれるツールや、目覚ましライトも販売されています。朝は明るい方が起きやすいので、寝起きを良くしたい方は取り入れてみてはいかがでしょうか。

▶︎販売サイト

日中の活動性を悪化させないためにも、質の良い睡眠を

画像: 画像:iStock.com/violet-blue

画像:iStock.com/violet-blue

生活習慣を整えたり、寝室の環境をよくしたりして、睡眠の質を高めつつ、必要な睡眠時間は確保して、日中の活動性を高めていきましょう。充実した毎日を送るためにも、夜は充分寝て日中は起きるという、睡眠・覚醒のバランスを取ることが大切です。

この記事の監修者

坪田 聡(つぼた さとる)

医師、雨晴クリニック副院長。医師として診療に当たりながら、「快眠で健康な生活を送ろう」というコンセプトのもと、予防にも重点を置き、睡眠の質を向上するための指導に努める。インターネットやテレビ、雑誌など多くのメディアで、睡眠に関する情報を発信している。
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