おひとりさまレンジ食堂#３ 鍋で作るよりも絶品！ レンジカレーレシピ３選

この企画では「おひとりさま女性が作る家ごはん」をテーマに、高コスパで、作業時間は15分以内、そして火を使わずレンジでできてしまう簡単レシピを山本さんに紹介してもらいます。

この記事の著者

山本ゆり

料理コラムニスト。大阪生まれ＆在住。どこにでもある材料で誰でもできるレシピをブログや本で紹介している。著書『syunkonカフェごはん』シリーズは累計630万部。最新刊『syunkonカフェごはん７　この材料とこの手間で「うそやん」というほどおいしいレシピ』。エッセイ本『syunkonカフェ雑記　クリームシチュウはごはんに合うか否かなど』他。
ブログ「含み笑いのカフェごはん『syunkon』」
Twitter：@syunkon0507
Instagram：@yamamoto0507

ひとり暮らしあるある「カレーを作りすぎてしまう」

ときどき無性に食べたくなる、国民食の代表・カレー。でも、ひとり暮らしだとなかなか作る気になれない料理の１つだと思う。

パッケージ通りに作ると、お鍋で炒めて、水を入れて、煮込んで、ルウを溶かしてまたちょっと煮込んで……と時間がかかるし、そのぶんガス代もかかる。

そして１～２人分など少量で作るのが難しい。パッケージの半分の量で作ればいい話やけど、いかんせん焦げ付く。やっぱりちょっと多く作らないとうまく作れないし……と水を足していたら、気づけば大鍋いっぱいできてしまって「カレー祭りや～」となる。（冷凍できるからいいけど、そんなに沢山はいらんという。最後のほう冷凍庫の味するし）。

ほんで洗い物が面倒で。お鍋で作ると焦げ付くし、タワシで落としてそのあとスポンジで洗って……と手間がかかる。そういうのを全部加味すると、「カレーはレトルトでええわ！」となる。

実際、レトルトは便利です。安いし、種類も豊富で美味しいし大好き。

でもレトルトカレーは、レトルトカレーの味なんです。どんなご当地カレーでも高級カレーでも、レトルトカレーは「レトルトカレー」という、箱のルウで作るカレーとは違うジャンルの味として存在してる気がする。

そこに何１つ不満はないし、レトルトを食べる時はむしろそのレトルトの味を求めて食べてるんですけど、ときどきは手作りのあのカレーが食べたい！

ということで、あのカレーをめちゃくちゃ簡単に作る方法が、そう、レンジです。

レンジで作るカレーは、コクがめちゃくちゃすごい！

レンジでカレーと聞くと、ちょっと味気なさそうとか、煮込まない分美味しくなさそうとか思われがちですが、全然!! むしろレンジのほうが美味しく作れたりするんです。

作り方は、すべての材料をボウルに入れてチンするだけ。野菜を炒めるとか、ルウを刻むとか、後から溶かして煮込むなどの手間もなし。こう言っちゃうと「え？コクあるの？」とか思うけど、これがもう……。とりあえず１回試してみてほしい！

レンジで加熱すると野菜から水分がたくさん出て、それが蒸発もしないので、最小限の水の量で作れてめちゃめちゃコクがあるんです。

あと、煮込まないからスパイシーな香りもしっかり残る。炒めず水からジワジワ加熱することで、お肉がびっくりするぐらいふっくらやわらか。油も使わないからヘルシー。レンジ加熱中は自由の身（目も手も離せて完全に放っておける）。ガス代、水代の節約になる。調理中まったく暑くない。焦げ付かないから洗い物がラク！

……と良いことづくめ（ひとり暮らしじゃない我が家でも、子どもと大人でルウの辛さを変えたいからレンジとお鍋に分けて作ったり、耐熱ボウル２個で作ってる）。

レンジレシピに抵抗がある人、レンジレシピが苦手な人に真っ先にオススメしたいです！

レンジで１発！ 濃厚！ バターチキンカレー

今回は暑い日にぴったり！トマト缶を使った人気のバターチキンカレーを作ります。生クリームやヨーグルトを使わず、牛乳で作れるのですごく手軽。

カレー粉で作るサラッとしたタイプではなく、ルウで作る濃厚タイプですが、トマトの酸味で食べやすく、スプーンが止まらない味です。

＜作り方＞

①玉ねぎはみじん切りに（そんな細かくなくて大丈夫です）、鶏肉は小さめの一口大に切る。

②少し大きめの耐熱ボウルに①とＡを入れる。ルウは刻まず、固形のまま中に沈める。

③ふんわりとラップをかけ、電子レンジ（600W）で12分加熱する。この時、カレーがボコボコ沸騰してふきこぼれてしまうので、両端に大きく隙間を作るのをお忘れなく。

④加熱した③にBを混ぜる。ほんの少しでもぬるくなるのが嫌なら追加で１分チン。Bの牛乳は、ヨーグルトで代用することも可能。その場合はヨーグルトをトロトロになるまでよく混ぜてから、ほんの少しずつ加える（固形のまま一度に加えると分離します）。

⑤器にご飯を盛ってあればパセリをかけ、④を添える。

完成！

保存は冷蔵で３日、冷凍も可能です。ガラス製の耐熱保存容器などにラップを敷いてからいれて冷凍すると洗い物がラクになります！ もしくは冷凍も湯煎もできるジッパー付き保存用袋を使うのもオススメです。

大まかな値段は、玉ねぎ１/４個（約15円）、鶏もも肉150g（約120円）、カレールウ２片（約40円　※ルウ１箱160円の場合）、トマト缶１/２缶（約50円）、あとは調味料とご飯代です（それなんぼやねん）。

他にもまだある！ ひとり暮らしにオススメのカレーレシピ

レンジで作れるカレーって、バリエーションを沢山出せるのも魅力のひとつです。基本の作り方は一緒。すべての材料を入れてチン、だけです！

キーマカレー

＜作り方＞

①玉ねぎ、にんじんはみじん切りにする。
②耐熱ボウルに①とＡをいれ、ひき肉の塊をほぐし、ふんわりと両端をあけてラップをかけ、電子レンジ（600W）で12分加熱する。泡だて器でよくほぐし混ぜる。
③器にご飯を盛って②をかけ、あればパセリをふる。

コクうま豚バラカレー

＜作り方＞

①玉ねぎはできるだけ薄切りにする。豚肉は食べやすい長さに切る。
②耐熱ボウルに①とＡを入れ、ふんわりと両端を大きく開けてラップをかけ、電子レンジ（600Ｗ）で10分加熱し、よく混ぜる。
③器にご飯を盛って②をかける。

ひとり暮らしでも、そうでなくても、レンジのカレーは最高にオススメ。野菜も摂れるし、加熱中は何でも好きなことができるので、時間も効率よく使えます。ぜひ試してみてください！

イラスト＝akane0119