そんな人におすすめしたいのが、ヨガ。そこで今回は、テレワーク中の休憩時間にたった5分でできる時短ヨガを、LAVAのトップインストラクター2020・井上佳穂理さんに伝授してもらいました。テレワークで凝り固まったカラダと心をほぐす、4つのポーズを紹介します。
ヨガがカラダの“なんとなく不調”を解消してくれる
――――最近、テレワーク生活を送る中で「なんとなく不調だな〜」と感じている人が多いように思います。なぜそういった不調を感じるようになったのでしょうか?
「家でデスクワークをしているということから、座っている姿勢、そしておそらく少し前のめりになり、肩が前にきて背中が丸くなった状態の姿勢でいらっしゃる方が多いと思います。その姿勢を続けていることにより、首、肩、背中の筋肉が強張ってきて、首こりや肩こり、頭痛、目の疲れ、そして、肺が圧迫されることで呼吸が浅くなり、血行不良につながってしまう可能性があります」
――――なるほど。確かにどれも心当たりがあります。それらの症状を解消するのに、なぜヨガが良いのでしょうか?
「ヨガには、座った状態でもできる、肩こり改善などの不調を緩和してくれるポーズがあるんです。テレワーク中はずっと椅子に座っている状態が多いと思いますが、その状態から少しカラダを動かすだけで、筋肉の強張りがほぐれて、血流が良くなります。具体的にいうと、背骨を動かしたりねじったりすることで腰痛が解消されますし、肩を開くことで胸の筋肉が伸びて呼吸がしやすくなるんです。そういった効果のあるヨガのポーズは、忙しい仕事の合間にもできてしまうほど簡単なので、時短ヨガとしておすすめしています。
さらに、カラダがヨガのポーズでほぐれることで、集中力・意欲の向上、リラックス感を高めるといった効果も期待できるので、テレワーク中のリフレッシュには打ってつけです!」
仕事の5分休憩に取り入れよう! 時短ヨガ4選
今回は縦の動き、横の動き、ねじりの動きという、全身をバランスよくほぐしてくれる4つのポーズを教えてもらいました。4つすべてを行っても、カラダの不調に合わせて1つを行うでもOK。記事を読みながら、さっそく試してみましょう!
【ポーズ①】胸を開くポーズ
「胸を開くポーズ」は、巻き肩を解消し、姿勢をよくしてくれる効果があります。また、胸を開くことで呼吸の浅さが解消されるのも特徴です。そのため、1日を終える前にリセットする意味で行うと、深い眠りにつける効果も期待できるそう。デスクワークの合間に行うことで、呼吸が深まり、リフレッシュも叶えられます。
肩に手を乗せます。
肩に手を置いた状態で大きく円を描くように、両肘を前から後ろに回します。
鼻から吸って肘を上にあげ、吐きながら下ろすのがおすすめです(目安は5回。気持ちの良い回数でOK)。
肘を下ろしたそのままの流れで、背中の後ろで指を組みます。
息を吸って、肘を伸ばし、背中をそらせ、息をゆっくりと吐きます。そのまま吸って吐いて5呼吸。
<井上さんからのアドバイス>
肩が上がってしまわないように注意! 首が縮こまらないように肩を下げて、耳と肩の位置を遠ざけてあげましょう。
(NG例)
【ポーズ②】かんぬきのポーズ
「かんぬきのポーズ」は、腕を上げるため、広い範囲でカラダの側面が伸び、上半身の血流がよくなります。また、胸を開くので呼吸が深くなったり、もも裏やひざ裏を伸ばすことで足のむくみが解消されたりといった効果もあります。腰骨の上の筋肉を伸ばす効果もあるので、腰痛改善も期待できるとのこと。
ちなみにかんぬきとは、昔の2枚扉の扉が開かないように、跨るように通すための棒状の金物や木材などの部材のことだそうです。
椅子に腰を浅くかけて座り、右脚を斜め前に伸ばします。この時、右腕のつま先と膝は、60度程度外に向けます。手はももの上におきましょう。上半身をしっかりと伸ばすために、足裏は両方とも地面につけるよう気をつけましょう。
息を吸いながら左手を上へ。この時、肘と指先を伸ばすよう意識しましょう。
息を吐きながら右へ上体を倒します。目線はそのまま上へ。そのまま吸って吐いて5呼吸。終了したら、左右逆側もやってみましょう。
<井上さんからのアドバイス>
上体の倒し具合は、脇腹の伸びを感じられる角度がベストです。上体が前に倒れないよう、真横に倒しましょう。手を上げている方の肩を後ろに引くのがポイントです。
(NG例)
【ポーズ③】サギのポーズ
「サギのポーズ」は、足のむくみやだるさを解消してくれる効果が期待できるポーズです。一見難しそうに見えますが、無理せず誰でもできる方法もあるのでチェックしてください。
椅子に腰を浅くかけて座り、両手で右の足裏を掴み、さらに右膝を胸の方に引き寄せます。この状態で、息を吸って背筋を伸ばします。
息を吐きながら右膝を伸ばします。吸って吐いて5呼吸。
足裏を掴めない、もしくは、もも裏が張ってしまう場合は、両手をふくらはぎに添えてポーズをとっても良いです。
<井上さんからのアドバイス>
腰が丸まってしまうのはNG。腰を立たせ、背筋を伸ばすよう意識しましょう。
(NG例)
【ポーズ④】ねじったイスのポーズ
4つ目の「ねじったイスのポーズ」は、足を絡めた状態で上体をねじるので血流が良くなり、短時間でカラダを温められるポーズです。また、お腹の引き締め効果も期待できます。
椅子に腰をかけます。左足を右足の上に乗せ、両手は胸の前で合掌しましょう。
手はそのままに、鼻から息を吸い、吐きながら上体を左にねじります。
右肘を左膝の外側にかけます。ここでもう1度息を吸って、背筋を伸ばしましょう。
息を吐きながらさらに左へと上体をねじり、目線を上げます。
<井上さんからのアドバイス>
背筋を伸ばした状態で、肩と胸を大きく開いて呼吸をすることが大切。また、おへそを背中方向に向かって引き込み、お腹を引っ込めてからねじるようにしましょう。
(NG例)
なんとなく不調を感じたら、すぐに時短ヨガを!
井上さんによると、5分の中で1ポーズやるだけでもOKだそう。また、日々習慣にしていく中で、カラダの不調を感じた時に自分に必要な動きがわかるようになるそうです。
今回紹介したポーズは、すべて椅子に座ったまま家で簡単にできるもの。特に準備をすることなく取り組むことができるので、ぜひテレワーク中の5分休憩の間だけでも試してみてはいかがでしょうか? きっと、カラダがすっきりして仕事の効率も上がるはずです!
撮影/田中信也
この記事の執筆者
於ありさ(おきありさ)
ライター・インタビュアー。大学卒業後、生命保険会社に入社。在職中に2級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を取得。その後、編集プロダクションでの経験を経て独立。現在は、エンタメ系のインタビュー記事を中心に、毎日が少しだけ豊かになるような記事を執筆している。
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