「自分の貯金額は、同世代と比べて多いのか少ないのか」「この貯蓄ペースで大丈夫なのか」——30代に入り、ふと不安になる方も多いのではないでしょうか。お金の話は身近な人にも聞きにくく、平均額だけでは「自分はどのあたりにいるのか」が分かりにくいものです。

この記事では、マネコミ!が30代219人に実施した独自アンケートと公的データをもとに、30代のリアルな貯蓄実態を中央値で解説します。公的データだけでは見えてこない、男女別の傾向やボーナスの使い道、貯蓄額が中央値に近い方の実例(モデルケース)を独自調査でご紹介。さらに、ファイナンシャルプランナー・冨士野喜子さん監修の「お金の黄金比率」もお伝えします。今の自分の立ち位置を確認したい方、これからもっと貯めていきたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

※:本記事における「貯蓄」は日常の生活費を除いた将来に備えるお金を指し、預貯金に加えて株式・投資信託・NISA・iDeCo・保険商品なども含みます。

この記事の監修者

画像: 【独自調査】30代の貯金額、ぶっちゃけいくら?共働き夫婦・独身世帯のリアルと理想

冨士野 喜子(ふじの よしこ)

ふじのFP事務所代表/J-FLEC認定アドバイザー。教育出版会社、保険会社を経て、2012年に独立。「親切・丁寧・分かりやすく」をモットーに、〈暮らしとお金の相談窓口〉として個別の相談をおこなうかたわら、子どもから大人の方まで幅広い世代に向けたマネー講座の講師としても活動し、金融教育の推進に尽力。

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30代の平均貯蓄額はいくら?

画像: 画像:iStock.com/igoriss

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まずは、金融経済教育推進機構(J-FLEC)のデータを確認していきましょう。

30代の貯蓄額は、世帯構成や年収によって大きく異なります。また、同じ年収層であっても貯蓄額には差があるため、平均値だけでなく中央値も併せて確認することが大切です。

平均値と中央値について

平均値は、全体の金額を合計して人数で割った金額です。中央値は、金額を小さい順に並べた時に真ん中に位置する金額です。平均値は高額貯蓄層の影響を受けやすいため、実態を把握する際は中央値も参考にしましょう。

30代の貯蓄額の平均と中央値

30代全体で見ると、単身世帯の貯蓄額は平均501万円、中央値100万円、二人以上世帯では平均1,096万円、中央値311万円です。

〈表〉30代の貯蓄の平均と中央値(金融資産を保有していない世帯を含む)

区分平均中央値
単身世帯501万円100万円
二人以上世帯1,096万円311万円
※:本調査における「貯蓄」には、預貯金のほか、株式、投資信託、NISA、iDeCo、
貯蓄性のある保険商品などが含まれます。

ただし、貯蓄額は年収によっても差が出るため、つぎは年収別の金額を確認していきましょう。

年収別で見る30代の貯蓄額

つぎに単身世帯と二人以上世帯、それぞれの年収別の貯蓄額を確認しましょう。

〈表〉【単身世帯】年収別の貯蓄の平均と中央値(金融資産を保有していない世帯を含む)1)

年収平均中央値
1~300万円未満186万円9万円
300~500万円未満407万円128万円
500~750万円未満1,135万円525万円
750~1,000万円未満1,626万円1,145万円
1,000~1,200万円未満1,267万円1,300万円
1,200万円以上2,040万円2,040万円
※:本調査における「貯蓄」には、預貯金のほか、株式、投資信託、NISA、iDeCo、
貯蓄性のある保険商品などが含まれます。

〈表〉【二人以上世帯】年収別の貯蓄の平均と中央値(金融資産を保有していない世帯を含む)1)

年収平均中央値
1~300万円未満238万円55万円
300~500万円未満474万円105万円
500~750万円未満753万円320万円
750~1,000万円未満965万円530万円
1,000~1,200万円未満2,427万円1,185万円
1,200万円以上4,627万円1,720万円
※:本調査における「貯蓄」には、預貯金のほか、株式、投資信託、NISA、iDeCo、
貯蓄性のある保険商品などが含まれます。

表を見ると、年収が高くなるにつれて貯蓄額も増える傾向があります。一方で、平均値と中央値には差が見られるため、同じ年収層でも貯蓄額にはばらつきがあることがわかります。

30代のNISAとiDeCoの利用率

画像: 画像:iStock.com/takasuu

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ここまで、30代の貯蓄額を見てきました。ただし、同じ「貯蓄」でも、預貯金として持っているのか、株式や投資信託、保険商品などで持っているのかによって、将来への備え方は変わります。

J-FLECの調査で30代がどのような金融資産を持っているかを見ると、預貯金に加えて、株式・投資信託・生命保険なども一定額保有されています。株式や投資信託には、NISAやiDeCoで運用している商品も含まれます。

そこで、30代のNISAとiDeCoの利用率や平均保有額も参考に見ていきましょう。

新NISAの利用率と平均保有額

金融庁の最新調査(2025年6月末時点)によると、30代のNISA口座数は472万4,419口座2)
で、これは30代人口(約1,309万人3))の約3人に1人に相当します。

〈表〉30代のNISA利用率・口座数2)3)

年代口座数推定利用率
30代472万4,419口座約36.1%
※:推定利用率は、30代のNISA口座数を総務省の人口推計における30代人口で割って算出。

続いて、30代は実際にどれくらいの金額をNISAで保有しているのか、J-FLECの調査から実態を見てみましょう。

〈表〉30代のNISA平均保有額1)

区分新NISA(つみたて投資枠)新NISA(成長投資枠)旧NISA(つみたてNISA)旧NISA(一般NISA)
単身世帯66万円108万円66万円132万円
二人以上世帯98万円147万円121万円140万円

単身世帯の30代では、「つみたて投資枠」で平均66万円、「成長投資枠」で平均108万円を保有しています。一方、二人以上世帯の30代では、新NISAの「つみたて投資枠」で平均98万円、「成長投資枠」で平均147万円を保有しています。世帯状況によって金額に違いはあるものの、NISAを活用して資産形成に取り組んでいる方がいることがわかります。

また、旧制度の「つみたてNISA」や「一般NISA」の残高を、そのまま保有・運用している方も一定数いると考えられます。

一方で、NISA口座を開設していても、必ずしも継続的に積立や投資をしているとは限りません。NISAは、資産形成に活用できる制度ですが、口座を開設しただけで資産が増えるわけではありません。

まずは家計に無理のない範囲で少額から積立を始めるなど、自分に合った使い方を考えることが大切です。

iDeCoの利用率と平均保有額

掛金が全額所得控除になるなど節税効果が高く、老後資金づくりに活用できる「iDeCo(個人型確定拠出年金)」。結婚や子育てなど直近の支出も多い30代は、この制度をどれくらい活用しているのでしょうか。

厚生労働省の資料(2025年3月末時点)によると、30代のiDeCo加入者数は73万313人です。30代人口(約1,309万人)の推定利用率は約5.6%となり、およそ18人に1人が利用している計算になります。新NISAの利用率(約36.1%)と比較すると、まだ利用している方は限定的であるといえます。

〈表〉30代のiDeCoの加入者と推定利用率4)

年代加入者推定利用率
30代73万313人約5.6%
※:2025年3月末時点。企業型確定拠出年金(企業型DC)は含まない。
※:推定利用率は、30代のiDeCo加入者数を総務省の人口推計における30代人口で割って算出。

続いて、30代は実際にどれくらいの金額をiDeCoで保有しているのか、J-FLECの調査から確認していきましょう。ここでは金額だけでなく、「人数」の割合にも注目します。

〈表〉30代のiDeCo平均保有額1)

区分平均保有額
単身世帯78万円
二人以上世帯119万円

同調査によると、単身世帯では金融資産を保有する220人のうち約19%(43人)が利用しており、平均78万円を保有しています。また二人以上世帯でも、金融資産を保有する534人のうち約24%(129人)がiDeCoを利用し、平均119万円の資産を形成しています。

【独自調査】30代、実際の貯蓄額はいくら?

画像: 画像:iStock.com/yamatatsu

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ここからは、マネコミ!が30代の独身男女・共働き夫婦を対象に実施した独自アンケート調査(計219人)の結果をもとに、リアルな貯蓄の実態をご紹介します。

※:本調査は、調査会社Fastaskのモニターパネルを通じて実施したインターネット調査です。回答者は30代(30〜39歳)に限定しており、独身の方107人・共働き夫婦112人の有効回答を集計しています。なお、本セクションの数値は各設問において具体的な金額・選択肢を回答した方(「わからない」「答えたくない」を除く)をもとに算出した推計値であり、表ごとに対象人数(n)が異なる場合があります。

独身(男女)の貯蓄額

独身の方(107人)の貯蓄総額(金融資産全体)の中央値は約250万円、年間貯蓄額の中央値は約48万円(月4万円相当)でした。また、年間貯蓄のうち預貯金(現金・定期預金)に回している金額の中央値は約30万円(月2.5万円相当)でした。残りは新NISA・iDeCoなどの運用資産に充てられていると考えられます。

〈表〉独身(30代)の貯蓄・運用の実態

指標中央値(推計)
貯蓄総額(金融資産全体)約250万円
うち預貯金約150万円
年間貯蓄総額(投資・運用含む)約48万円
うち預貯金にまわす金額約30万円
※:各数値は選択肢の中間値を用いた推計中央値です。

年収と貯蓄の関係を見ると、年収が高い層ほど貯蓄総額が多い傾向が見られました。ただし、年収500~700万円未満(15人)、700万円以上の層(6人)はサンプル数が21人と少ないため、参考値としてご覧ください。

〈表〉独身(30代)の年収別 貯蓄総額・年間貯蓄額の中央値(推計)

年収(税込)貯蓄総額 中央値年間貯蓄 中央値N
300万円未満約25万円約18万円24人
300〜500万円未満約350万円約30万円42人
500〜700万円未満約1,250万円約90万円15人(※)
700万円以上約2,125万円約120万円6人(※)
※:サンプル数が少なく、参考値です。

また、新NISAの利用率は68.2%、iDeCoの利用率は38.6%でした。利用者の年間投資額の中央値は、新NISAが約60万円、iDeCoが約18万円となっています。

〈表〉独身(30代)のNISA・iDeCo利用状況

制度利用率利用者の年間額 中央値
新NISA68.2%約60万円
iDeCo38.6%約18万円

ボーナスの使い道(ボーナスあり層・70人)では、「新NISA」が42.9%でトップとなり、次いで「預貯金」37.1%、「生活費の補填」25.7%と続きました。預貯金よりもNISAを優先する傾向は、30代独身層における運用意識の高まりを示しているとも考えられます。

〈図〉独身(30代)のボーナスの使い道(複数回答・ボーナスあり層)

使い道割合
新NISA42.9%
預貯金37.1%
生活費の補填25.7%
旅行・レジャー24.3%
ファッション・美容22.9%
日用品・家電の購入22.9%
※:本設問は複数回答です。回答率の高い項目から上位6項目を抜粋して掲載しています。

男女別で見る独身の貯蓄の「中身」の違い

年間の貯蓄額は男女ともに中央値で約48万円と同水準でしたが、貯蓄総額の中央値は男性が約950万円、女性が約250万円と大きな差が見られました

〈表〉独身(30代)男女別 貯蓄・運用の比較

指標男性(n=54)女性(n=53)
貯蓄総額 中央値約950万円約250万円
年間貯蓄 中央値約48万円約48万円
うち預貯金 中央値約18万円約30万円
新NISA利用率70.7%65.9%
NISA利用者 年間中央値約180万円約26万円
iDeCo利用率32.5%44.2%
ボーナス受取 中央値約75万円/年約40万円/年
※:表頭のnは独身男女それぞれの回答者数です。各指標の中央値・利用率は、
その設問に具体的な回答があった人数(「わからない」「答えたくない」を除く)をもとに算出しており、
項目によって対象人数は若干異なります(男性34〜45、女性35〜46)。

この差の背景には、年収水準や勤続年数の違いに加え、支出額の差も影響していると考えられます。

運用スタイルにも男女差が見られました。男性は運用資産の比率が高く、新NISAを利用している方の年間投資額の中央値は約180万円と高水準でした。一方、女性は預貯金の比率が相対的に高く、NISA利用者の年間投資額の中央値は約26万円となっています。女性の中には、価格変動のある投資よりも確実性を重視している人が多いのかもしれません。一方で、女性のiDeCo利用率(44.2%)は男性(32.5%)を上回っており、老後資金として着実に積み立てる姿勢がうかがえます。

預貯金・投資のどちらかに偏るのではなく、大切なのはバランスです。年齢や収入、貯蓄総額、ライフプランに合わせて、預貯金中心にするか運用中心にするかを、その時々で見直していくとよいでしょう。

共働き夫婦の貯蓄額

共働き夫婦(112人)の貯蓄総額の中央値は約450万円、年間貯蓄額の中央値は約48万円(月4万円相当)でした。独身と年間貯蓄の中央値は同水準ですが、世帯としての貯蓄総額は大きく異なります。

〈表〉共働き夫婦(30代)の貯蓄・運用の実態

指標中央値(推計)
貯蓄総額(金融資産全体)約450万円
うち預貯金約350万円
年間貯蓄総額(投資・運用含む)約48万円
うち預貯金にまわす金額約48万円
※:各数値は選択肢の中間値を用いた推計中央値です。

世帯年収と貯蓄の関係を見ると、独身の方同様、年収が高い層ほど貯蓄総額・年間貯蓄額ともに多い傾向が見られました。

〈表〉共働き夫婦(30代)の世帯年収別 貯蓄総額・年間貯蓄額の中央値(推計)

世帯年収(税込)貯蓄総額 中央値年間貯蓄 中央値N
500万円未満約150万円約18万円32人
500〜800万円未満約500万円約90万円36人
800〜1,250万円未満約850万円約69万円25人
1,250万円以上約2,500万円約300万円11人

また、新NISAの利用率は87.9%、iDeCoの利用率は67.3%と、独身の方と比較して高い水準でした。

〈表〉共働き夫婦(30代)のNISA・iDeCo利用状況

制度利用率利用者の年間額 中央値
新NISA87.9%約60万円
iDeCo67.3%約18万円

なお、子どもの有無別に貯蓄総額の中央値を見ると、子あり世帯が約450万円、子なし世帯が約600万円でした(子なし世帯はn=12のため参考値)。子育てに伴う支出の増加が、貯蓄の蓄積ペースに影響を与えている可能性が考えられます。

続いて、ボーナスの使い道(ボーナスあり層・101人)は、「預貯金」39.6%、「旅行・レジャー」37.6%、「新NISA」34.7%の順でした。

〈図〉共働き夫婦(30代)のボーナスの使い道(複数回答・ボーナスあり層)

使い道割合
預貯金39.6%
旅行・レジャー37.6%
新NISA34.7%
個別株31.7%
保険・個人年金25.7%
iDeCo22.8%
※:本設問は複数回答です。回答率の高い項目から上位6項目を抜粋して掲載しています。

共働き世帯では「預貯金」に加え、「新NISA」「個別株」「iDeCo」など資産形成に関する使い道が上位に並んでいます。独身の方のボーナスの使い道では「生活費の補填」「ファッション・美容」「日用品・家電の購入」など消費に充てる割合が高かったのに対し、共働き世帯では将来の備えを意識した使い方をしている傾向がうかがえます。

住宅購入や子どもの教育費など、差し迫ったライフイベントが多い共働き世帯では、お金について考えるタイミングが自然と増えるため、貯蓄目標が明確になりやすいと考えられます。

30代の「貯蓄の目的」

本調査で貯蓄の目的を聞いたところ(複数回答)、独身の方では「なんとなく将来が不安」が52.3%でトップとなり、次いで「老後資金」41.9%、「趣味・推し活」29.1%と続きました。共働き夫婦では「子どもの教育費」と「老後資金」がともに48.5%で並び、「なんとなく将来が不安」が45.5%と続きました。

〈図〉30代の貯蓄の目的(複数回答)

目的独身共働き夫婦
なんとなく将来が不安52.3%45.5%
老後資金41.9%48.5%
趣味・推し活29.1%13.9%
早期リタイア(FIRE)26.7%26.7%
子どもの教育費―(選択肢なし)48.5%
住宅購入9.3%20.8%
※:本設問は複数回答です。独身・共働き夫婦で一部選択肢が異なり(独身のみ「結婚費用」、
共働き夫婦のみ「子どもの教育費」など)、また記事に関連する項目のみを抜粋して掲載しています。

独身の方に「なんとなく将来が不安」という漠然とした動機が多い一方、共働き夫婦では教育費や老後資金という具体的な目標が上位に挙がる傾向がありました。貯蓄の「目的の解像度」は、世帯の状況によって変わってくると考えられます。

モデルケースで見る「ぶっちゃけ内訳」

画像: 画像:iStock.com/Ibrahim Akcengiz

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「中央値はわかったけれど、実際のところは?」と気になる方は多いはず。そこで、本調査の回答者の中から、年収・貯蓄額が中央値に近い方の回答を一部編集してご紹介します。また、それぞれに監修者からのアドバイスも掲載していますので、自身に近いケースを参考にしてみてください。

※:実在の回答に基づくモデルケースですが、個人が特定される情報は含まれていません。

モデルケース①:Aさん(37歳・独身・会社員・女性・一人暮らし)

項目内容
年収(税込)400万円台
貯蓄総額200万円台
うち預貯金200万円台
年間貯蓄額24〜36万円程度
うち預貯金1〜12万円程度
新NISA利用していない
iDeCo利用していない
ボーナス30〜50万円程度/年
ボーナスの主な使い道預貯金、日用品・家電
貯蓄の目的なんとなく将来が不安、趣味・推し活

【監修者コメント】

「漠然とした将来への不安」を解消するには、ゴール(目標)から逆算して考えることが大切です。「何となく貯金」するのではなく、「〇歳で□万円貯めよう」という目標を持つことで、家計を見直すキッカケにもなります。40歳目前ですので、NISAやiDeCoを利用して、先々の資金準備を始める時期にもなっています。貯蓄と楽しみ費(趣味の推し活)のバランスを取りながら、資産形成していきましょう。

モデルケース②:Bさん(39歳・独身・会社員・女性・実家暮らし)

項目内容
年収(税込)300万円台
貯蓄総額300万円台
うち預貯金100万円台
年間貯蓄額60〜120万円程度
うち預貯金36〜60万円程度
新NISA80〜120万円程度
iDeCo利用していない
ボーナス30〜50万円程度/年
ボーナスの主な使い道預貯金、新NISA、生活費の補填
貯蓄の目的なんとなく将来が不安

【監修者コメント】

実家暮らしということもあり、収入に対する貯蓄の割合が高いですね。ただ、いずれは実家を出て一人暮らし、または実家を管理する、など今後は、家賃や固定資産税などが発生し、今より支出が増える可能性が考えられます。支出を減らすことだけでなく、収入を増やすことも視野に、資格取得やスキルアップをするという選択肢もあります。また、一人暮らしのシミュレーションをしてみて、今との生活費との差額をしっかり貯めていくような貯蓄プランを立てていくといいでしょう。

モデルケース③:Cさん(39歳・独身・会社員・男性・一人暮らし)

項目内容
年収(税込)400万円台
貯蓄総額50〜100万円程度
うち預貯金50〜100万円程度
年間貯蓄額12〜24万円程度
うち預貯金0円
新NISA利用していない
iDeCo利用していない
ボーナス30〜50万円程度/年
ボーナスの主な使い道預貯金、ファッション・美容、日用品・家電
貯蓄の目的なんとなく将来が不安

【監修者コメント】

「貯蓄ゼロ」ですが、悲観する必要はありません。「そんなに贅沢をしているわけではないのに貯まらない」というケースかと思います。「外食の回数を減らす」「おこづかいの予算を決める」など、ちょっとした工夫と意識で家計改善はできます。まずは、「生活費の半年分を預貯金で貯める」「月々〇万円貯める」といった具体的な目標を決めてみてください。今からでも間に合いますよ。

モデルケース④:Dさん(31歳・独身・会社員・男性・一人暮らし)

項目内容
年収(税込)600万円台
貯蓄総額1,500〜2,000万円程度
うち預貯金50万円未満
年間貯蓄額120〜180万円程度
うち預貯金12〜24万円程度
新NISA120〜240万円程度
iDeCo利用していない
ボーナス150〜200万円程度/年
ボーナスの主な使い道新NISA、個別株、旅行・レジャー、日用品・家電、生活費の補填
貯蓄の目的老後資金、早期リタイア、趣味・推し活

【監修者コメント】

30代前半で貯蓄1,000万円以上、年収の2年分を貯めているのは素晴らしいですね。「早期リタイア」といった具体的な目標があること、また、預貯金の割合が少ないことから、資産運用効果も資産額を押し上げた要因かと思います。新NISAの非課税保有限度額は、1,800万円(成長投資枠の限度額は1,200万円)ですので、今後はiDeCoと併用して運用プランを考えていくといいでしょう。

モデルケース⑤:Eさん夫婦(38歳・共働き・子ども2人・女性)

項目内容
世帯年収(税込)800万円台
世帯貯蓄総額100〜200万円程度
うち預貯金50〜100万円程度
年間世帯貯蓄額36〜60万円程度
うち預貯金36〜60万円程度
新NISA120〜240万円程度
iDeCo12〜24万円程度
ボーナス100〜150万円程度/年
ボーナスの主な使い道預貯金、ファッション・美容
貯蓄の目的老後資金

【監修者コメント】

収入から貯蓄にまわす割合が1割より少ないので、最低でも1年間に1割(80万円)は貯蓄に回せるといいですね。新NISAやiDeCoの制度をフル活用されていて、素晴らしいですが、老後資金よりも前に必要となる、教育費も備えておく必要があります。iDeCoは60歳まで引き出しができないので、いつでも引き出せる預貯金や新NISAの比率を多めに考えることを意識して、家計の見直しをしていきましょう。

モデルケース⑥:Dさん夫婦(31歳・共働き・子なし・男性)

項目内容
世帯年収(税込)700万円台
世帯貯蓄総額200万円台
うち預貯金50〜100万円程度
年間世帯貯蓄額60〜120万円程度
うち預貯金60〜120万円程度
新NISA80〜120万円程度
iDeCo利用していない
ボーナス30〜50万円程度/年
ボーナスの主な使い道新NISA、個別株、旅行・レジャー
貯蓄の目的老後資金

【監修者コメント】

ご夫婦の場合、将来お子さんを希望されているかどうかで、家計のプランニングは変わってきます。もし、お子さんを希望されている場合は、今が「貯め時」です。もし、お子さんを望まれない場合でも、将来に向けての貯蓄は必須です。楽しみの費用を確保しつつ、上手にお金を貯めるには「ポイ活」を取り入れてみるものいいですよ。また、今のうちにご夫婦でお金について話し合い、それぞれの支出を共有して、収入から「〇万円貯める」といった貯蓄ルールを決めておきましょう。

【FP監修】30代が目指すべき「お金の黄金比率」

画像: 画像:iStock.com/DZ Lab

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ここまでご紹介してきた30代の貯蓄実態を踏まえて、ここからは「実際にどう貯蓄を配分すればよいのか」という視点で整理していきます。

「守り」と「攻め」に分けて考える

「貯蓄の黄金比率」と聞くと唯一の正解があるように感じるかもしれませんが、資産形成の第一歩は、お金を「守り(生活防衛資金)」と「攻め(将来のための運用資産)」の2つに分けて考えることです。

〈表〉資産の「守り」と「攻め」

役割種類目安
守り(生活防衛資金)普通預金生活費の3〜6カ月分 +α(目安3年以内に買い替えが必要な家電・車の予算など)
攻め(将来のための運用資産)新NISA・iDeCo・貯蓄型の保険(変額保険・年金保険など)余剰資金から無理のない範囲で

まずは「守り」の生活防衛資金を確保したうえで、残りを「攻め」の運用資産に回していく、というのが基本的な考え方になります。

ライフステージ別「現金:運用」の目安比率

「守り」と「攻め」の具体的な配分は、世帯タイプや資産額、年代によって変わります。以下は、独身・DINKS・子育て世帯のそれぞれについて、「現金:運用」の目安比率をまとめたものです。あくまで一般的な目安であり、これが正解というわけではありません。ご自身の状況に当てはめながら、参考にしてみてください。

〈表〉30〜34歳の「現金:運用」の目安比率(世帯資産額別)

世帯タイプ世帯資産額現金比率の目安運用比率の目安ポイント
独身300万円40〜50%50〜60%いかに早く生活防衛資金を確保するかがポイント
500万円30〜40%60〜70%
DINKS500万円40〜50%50〜60%住宅購入計画の有無が分岐点。住宅購入資金確保のための現金比率をやや高めに
1,000万円30〜40%60〜70%
子育て世帯300万円60〜70%30〜40%教育費を優先。無理のない範囲でローン返済用の現金資金を確保。コツコツ資産形成
500万円50〜60%40〜50%
※:FP監修のもと設定した目安です。個別の状況によって最適な配分は異なります。

〈表〉35〜39歳の「現金:運用」の目安比率

世帯タイプ世帯資産額現金比率の目安運用比率の目安ポイント
独身800万円20〜30%70〜80%流動性を確保しつつ、時間を武器に運用を積極活用できる時期
DINKS1,200万円20〜30%70〜80%無理のない範囲でローン返済用の現金資金の確保。コツコツ資産形成
子育て世帯800万円30〜40%60〜70%教育費を優先。家計の見直しをしながら、無理のない範囲でローン返済用の現金資金の確保。コツコツ資産形成
※:FP監修のもと設定した目安です。個別の状況によって最適な配分は異なります。

実際には、これらの比率はあくまで目安であり、現在の資産額や年間でどれくらい貯蓄・投資に回せているかによって、適切なバランスは変わってきます。

たとえば、年間の貯蓄ペースがしっかり確保できている方と、貯蓄が思うように進んでいない方とでは、リスクの取り方も異なります。貯蓄がまだ少ない段階では、現金(預貯金)の比率を少し多めに残しておく、という考え方が基本です。「守り」と「攻め」の割合は、一律のパーセンテージで決めきれるものではないため、ご自身の資産状況や貯蓄ペースに応じて、現金をどれくらい手元に残しておくかを考えていくことが大切です。

30代が直面するライフイベントと費用の目安

画像: 画像:iStock.com/kazuma seki

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30代は、住宅購入・教育・結婚や出産など、人生の中でも大きな支出が重なりやすい時期です。どのくらいの費用がかかるのか、目安を把握しておくことで、貯蓄計画も立てやすくなります。

〈表〉ライフイベント別:費用の目安5)6)7)8)9)

ライフイベント費用の目安
住宅購入新築注文住宅:6,188万円
分譲戸建住宅:4,591万円
分譲マンション:4,679万円
教育資金(幼稚園〜大学)①全て公立の場合:約1,095万円
②全て私立(大学は文系)の場合:約2,659万円
③全て私立(大学は理系)の場合:約2,790万円
結婚・出産費用の目安結婚費用:平均454万3,000円
出産費用:51万7,952円
※:学習費(幼稚園〜高校)は令和5年度、大学費用は令和3年度の調査データを組み合わせて算出した参考値です。

住宅購入
住宅購入にかかる費用は、種別によって数千万円単位の幅があります。頭金をどの程度準備できるのかで、月々の返済額や貯蓄計画への影響が変わってきます。貯蓄の目安としては、購入資金の1~2割程度を貯めておきましょう。

教育資金
教育資金は、進学先がすべて公立か私立かで、総額に2倍以上の差がでます。進路によって必要な金額が大きく変わるため、早めに目安を把握しておくと、貯蓄の計画も立てやすくなります。貯蓄の目安としては、大学資金の半分(200~400万円)程度を貯めておきましょう。

結婚・出産費用
結婚費用・出産費用についても、まとまった金額が必要です。ただし、出産費用は加入している健康保険から出産育児一時金が子ども1人につき50万円支給されるため、実際の自己負担額は変わってくる場合があります。

30代は「預金」と「運用」のハイブリッドで備えよう

30代のリアルな貯蓄事情から、お金の黄金比率まで、様々な角度からご紹介してきました。

数字や比率は、あくまで「目安」です。一方で、「もう少し貯めるペースを上げたい」という方は、まずは生活費としての現金(守り)を確保したうえで、将来のための備え(攻め)に回せるしくみを整えていくことがポイントです。

そのためにも、家計全体の収支を見える化し、現状を把握することが第一歩になります。併せて、病気やケガなど万が一の事態への備えも確認しておくと、家計全体のバランスが整いやすくなるでしょう。

30代は、老後まで30年以上という長い時間を味方につけられる世代です。たとえ少額からでも、長期的な視点でコツコツ取り組んでいくことが、将来の安心につながっていきます。「自分だけで考えるのは難しい」と感じた時は、専門家に相談してみるのも、選択肢のひとつです。

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