「仕事をしていない育休中は、夫の扶養に入ることができる」——そんな情報をSNSで目にして気になった、という方も少なくないはず。税制上の扶養に入るための条件と、見落としがちな注意点を、浅井ライフパートナーが回答します。

ご相談者:Eさん(33歳・女性)

第一子の出産に向け、7月から産休に入り、そのまま育休取得を予定。育休中は収入が減るため出費を抑えたいと考えている。調べる中で、育休中でも配偶者の税制上の扶養に入れる可能性があることを知り、条件や手続きを確認したいと思っている。

今回、相談に答えたライフパートナー

画像1: 育休中に夫(妻)の扶養に入ることはできますか?条件や手続きを教えてください

浅井 環

東京海上日動あんしん生命保険所属のライフパートナー。2人の子を持つ母、趣味はクラッシック鑑賞。
前職は企業や官公庁向け研修講師。前職の経験を活かし、現在もマネーセミナーに登壇。親しみやすい人柄とわかりやすい説明は毎回好評。モットーは『お客様が後悔しないこと』そのために前職で養った経験を強みにし、保険や資産の断片的な情報を論理的に整理します。
人生全体のお金まわりを問いかけを通じてお客様の想いを言語化するコーチングスタイルを得意としています。

育休中に配偶者の扶養に入れる条件は?

画像2: 育休中に夫(妻)の扶養に入ることはできますか?条件や手続きを教えてください

相談者(Eさん):
育休中は配偶者の扶養に入れる場合があると知りました。どんな条件を満たせば入れるのか、どのくらい税負担が減るのか、また手続きの方法も教えてください。

画像3: 育休中に夫(妻)の扶養に入ることはできますか?条件や手続きを教えてください

浅井LP:
共働きの場合、どちらかが育休に入ると収入も減ってしまうため、なるべく支出を減らしたいもの。そのためEさんのように「配偶者の扶養に入ったほうがいいのでは?」と考えるのは自然なことといえます。もちろん、配偶者控除や配偶者特別控除を受けられる可能性がありますので、満たすべき条件を1つずつ見ていきましょう。

まず前提として、配偶者の年収が1,195万円を超える場合は対象外となります。つぎに確認しておきたいのがEさんご自身の年収です。なぜなら、年収によって受けられる控除の額が変わるからです。

その際の年収は、その年の1〜12月に実際に勤務先から支払われた給与やボーナスの合計をもとに算出されます。育休中に支払われたボーナスなどがある場合、それらも対象となります。一方で、育児休業給付金や出産手当金などの非課税の給付は対象に含まれません。

算出された年収が123万円以下の場合は配偶者控除の対象となり、Eさん自身には所得税がかからず、さらに、配偶者であるご主人は38万円の配偶者控除を受けることができます。ご主人の年収にもよりますが、世帯の税金負担が軽くなる金額は年間5万〜10万円程度が目安です。

対して、Eさんの年収が123万円超〜201万円以下の場合、ご主人は配偶者特別控除の対象となります。ただし、この場合は控除額が段階的に減っていき、201万円を超えると控除は受けられません

控除の手続きは、基本的にご主人の年末調整で申請します。もし年末調整の申告を忘れてしまっても、確定申告を行えば5年間さかのぼって申請することが可能です。

ここで注意してほしいのが、育休中の家計で見落としやすい住民税です。住民税は前年の所得に対して課税されるため、育休中でも納税義務があります。納税の方法は給与天引きから普通徴収に切り替わり、年4回(6月・8月・10月・翌年1月)に分割して支払う形になります。ただし会社によっては育休前に数カ月分を一括で天引きするケースもあるので、育休前の給与明細で確認しておくと安心です。

ライフパートナーからのワンポイントアドバイス

育休中のお金について考える際には、目先の収入減だけで判断しないことが大切です。たとえば世帯の所得が下がることで、翌年の住民税が下がる可能性があるからです。認可保育園の保育料は世帯の住民税額をもとに算定されるため、その結果として保育料の軽減につながるケースもあります。

育休中は収入減がデメリットとして語られることも多いですが、こうした側面も併せて知っておくと、家計の見通しを立てやすくなりますよ。

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