「育休中、お金が入ってこない期間があると聞いて不安……」——これは、育休取得を検討中の夫婦から寄せられることが多い悩みです。制度のしくみと、収入が途絶える期間を乗り越えるための備えについて、浅井ライフパートナーが回答します。

ご相談者:Dさん(35歳・女性)

第一子を妊娠中。自身も産休・育休を取得予定で、夫も育休を取る方向で調整中。調べる中で「男性の育児休業給付金は初回の振込が遅い」という声を目にし、夫婦ともに収入がない時期の家計が心配になっている。

今回、相談に答えたライフパートナー

画像1: 男性の育児休業給付金、初回振込が遅い理由と対処法はありますか?

浅井 環

東京海上日動あんしん生命保険所属のライフパートナー。2人の子を持つ母、趣味はクラッシック鑑賞。
前職は企業や官公庁向け研修講師。前職の経験を活かし、現在もマネーセミナーに登壇。親しみやすい人柄とわかりやすい説明は毎回好評。モットーは『お客様が後悔しないこと』そのために前職で養った経験を強みにし、保険や資産の断片的な情報を論理的に整理します。
人生全体のお金まわりを問いかけを通じてお客様の想いを言語化するコーチングスタイルを得意としています。

育児休業給付金の初回振込が遅くなる理由とは?

画像2: 男性の育児休業給付金、初回振込が遅い理由と対処法はありますか?

相談者(Dさん):
夫が育休を取る予定なのですが、「育児休業給付金の初回振込が遅い」と聞きました。実際のところ、いつ頃お金が入ってくるものなのでしょうか?夫婦ともに収入がなくなる期間があると思うと、今から不安です……。

画像3: 男性の育児休業給付金、初回振込が遅い理由と対処法はありますか?

浅井LP:
ご主人が育休を取る予定なら、「最初の給付金が入るまで家計は大丈夫だろうか」と不安になるのも無理はありません。実際、育児休業給付金は申請してすぐ振り込まれるものではないため、「思ったより遅い」と感じる方は少なくないようです。

育児休業給付金は、実際に育休を取得した実績に対して支払われる制度です。原則として2カ月分をまとめて申請するため、最初の振り込みまでには一定の時間がかかります。たとえば4月1日から育休を開始した場合、4月と5月の実績が確定する5月末を過ぎないと申請ができません。そこから会社の事務手続きを経てハローワークに書類が提出され、審査後に振り込みとなるため、手元に入るのは6〜7月頃になる場合が多いということをおぼえておきましょう。少なくとも2カ月、場合によっては3カ月程度、給付金の入金まで時間が空く可能性があると考えておくと安心です

3カ月以上振り込みが遅れるのは、主に「会社側」と「ハローワーク側」の手続きに理由があります。会社側の手続きに時間がかかるのは、社内の締め日の都合でまとめて書類を提出する場合が多いという事情が関係しています。また初めての育休取得では、賃金台帳・出勤簿など確認書類が多く必要なため書類不備が発生しやすく、書類の出し戻しに時間がかかる場合もあります。振り込みが遅いと感じた時は、まず人事・総務担当者に「会社からハローワークへの書類提出が完了しているか」を確認しましょう

一方ハローワーク側では、審査に通常2週間〜1カ月程度かかる上、4月など年度の変わり目は混み合うため通常より時間がかかる傾向にある点にも注意が必要です。

いずれにしても、育児休業給付金は振込までに時間がかかるということを踏まえ、あらかじめ育休期間中の家計を支える準備をしておくとよいでしょう。

まずは、生活費3カ月分を目安に、すぐ使える現金を普通預金で確保しておくことをおすすめします。その一方で、現在の家計の見直しも大切。たとえば、使っていないサブスクの解約、携帯プランの見直し、格安SIMへの乗り換えなど、固定費を見直すことで、家計に余裕を持たせることができます。

また、分割払いで大きな買い物をする予定があるなら、給付金の振り込みがない期間に支払が発生しないよう、購入の予定を調整してみるのもよいでしょう。こうした準備をしておけば、給付金の振り込みまで時間がかかる場合も、家計の見通しを立てやすくなります。

併せて、育休中に見落としやすい支払いについても確認しておきましょう。育休中は社会保険料が免除される一方、住民税は前年の所得に対して課税されるため育休中も納税義務があります。

その際の納税は給与天引きから普通徴収に切り替わり、年4回(6月・8月・10月・翌年1月)の分割払いになります。住民税の支払いは見落としやすいため、育休前の給与明細で確認しておきましょう。なお、会社によっては育休前に数カ月分を一括で天引きするケースもあります。

ライフパートナーからのワンポイントアドバイス

Dさんが抱くような育休中のお金の不安は、「給付金の振込が遅い」という事情そのものよりも、手元資金や使える資産の全体像が見えていないことで大きくなりやすいものといえます。

ですから、まずは銀行預金だけでなく、NISAや確定拠出年金、勤務先の財形貯蓄なども含めて、「今どこに、どのくらいお金があるのか」を整理しておくことが大切です。その上で「これは老後まで残したい」「万が一の際に取り崩してもいい」等、優先順位をつけておけば、給付金の振込まで時間が空いた場合でも、落ち着いて考えやすくなるはずです。

1人では整理しにくいと感じる場合は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談するのも選択肢の1つです。大切な育休中に、育児以外の不安要素が増えないよう、今のうちに家計や資産の全体像を見える化しておきましょう。

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