奨学金の返済は、15年から20年と長期にわたって続きます。そうした長期の返済計画の中で、「残りの返済額を具体的に知りたい」「どこまで返済したのかを、確認する方法は?」といった疑問を持っている人も多いと思います。

この記事では、奨学金アドバイザーの久米忠史さん監修のもと、奨学金の残高確認方法について詳しく解説します。残高確認時に必要な奨学生番号の確認方法も併せて紹介しているので、ぜひご参照ください。

この記事の監修者

久米 忠史(くめ ただし)

株式会社まなびシード 代表取締役。奨学金アドバイザーとして活動。
2005年頃から沖縄県の高校で始めた保護者・高校生向けの奨学金ガイダンスが「わかりやすい」との評判を呼び、現在では高校だけでなく全国各地で開催される進学相談会や大学のオープンキャンパスなどで毎年150回以上の講演を行うほか、奨学金関連本をこれまで4冊出版。2009年には進学費用対策ホームページ「奨学金なるほど!相談所」を開設。

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奨学金の残高確認をする3つの方法

画像: 画像:iStock.com/marchmeena29

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奨学金を返済している人にとって、気になるのは残りの返済額でしょう。ここでは、日本で最も利用者が多い独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の奨学金を例に、主な残高確認の方法を紹介します。

注:日本学生支援機構の奨学金は「返還」としていますが、本記事では「返済」と記載します。日本学生支援機構の奨学金に関する情報は、記事の公開日時点のものとなります。最新情報は、公式ウェブサイトをご確認ください。

(1)スカラネット・パーソナルで確認する

日本学生支援機構の奨学金の残高を確認する方法の中で、特に便利なのが、自分の奨学金に関する情報が参照できるウェブサイト「スカラネット・パーソナル」を利用することです。

スカラネット・パーソナルを利用するためには、まず新規登録を行いましょう。その際に登録した、ユーザーIDとパスワードでログインが可能になります。なお、ログインする際には登録したユーザーIDとパスワードのほかに、後述する「奨学生番号」の入力が必要です。事前に、奨学生番号を用意しておきましょう。

スカラネット・パーソナルにログインしたあとは、メニューの「詳細情報」をクリックします。ここで奨学金の残額を確認することができます。「貸与総額」が借りた総額、「月賦返還残額(元金)」が残高です。

(2)電話で確認する

奨学金の残高は、日本学生支援機構の「奨学金相談センター」に電話で問い合わせることもできます。この場合も、後述する「奨学生番号」を伝える必要があります。奨学金相談センターでは、残高確認のほか、貸与・給付や返済に関する相談も受け付けています。奨学金に関する悩みや疑問がある場合は、電話で問い合わせてみましょう。

奨学金相談センター
電話0570‐666‐301(ナビダイヤル)
海外からの電話やIP電話などで、ナビダイヤルが利用できない場合03‐6743‐6100
電話受付時間月曜~金曜:9時00分~20時00分(土日祝日・年末年始を除く)
※土日祝日・年末年始を除く、平日のみの受付となる点にご注意ください。

(3)奨学金返還証明書を発行してもらい確認する

奨学金の残高は、日本学生支援機構が発行する「奨学金返還証明書」でも確認できます。奨学金返還証明書では、奨学金の残高のほか、貸与総額や残りの返済期間なども確認できます。奨学金返還証明書の発行申請は、スカラネット・パーソナルから行えます。なお、貸与が終了していない奨学金については、奨学金返還証明書が発行できませんのでご注意ください。

振替案内のはがきは現在送付されていない点に注意しよう

これまで奨学金の残高や残りの利子は、年に一度郵送される振替案内で確認することができました。しかし令和3年以降、振替案内の郵送は廃止されています1)。郵送された振替案内で残高の確認をしていた人は、スカラネット・パーソナルにアクセスするなど、ほかの方法で確認してください。

残高確認に必要な奨学生番号はどこで確認する?

画像: 画像:iStock.com/visualspace

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スカラネット・パーソナルを利用する場合を含め、奨学金の残高を確認する際には、「奨学生番号」(最大11桁の文字列)が必要になります。奨学生番号は、以下の書類で確認できます。

(1)奨学生証

「奨学生証」とは、日本学生支援機構の奨学生であることを証明するものです。奨学生証は、進学先の学校の説明会などで配布されます。まずは、奨学生証で奨学生番号を確認しましょう。

(2)返還誓約書(本人控用)

「返還誓約書」とは、奨学生本人が返還条件などを確認するために作成する書類です。奨学金採用時に提出するもののため、手元には「返還誓約書(本人控用)」が残っている可能性があります。ここにも、奨学生番号が記載されています。

(3)貸与奨学金返還確認票

奨学金の貸与終了時に交付される「貸与奨学金返還確認票」でも奨学生番号を確認できます。貸与奨学金返還確認票には、借用金額や返済方法、連帯保証人の連絡先などが記載されています。

(4)奨学金の振替案内

令和2年以前から奨学金を利用している人なら、年に一度郵送された「振替案内」で、奨学生番号を確認することもできます。なお、振替案内は、令和3年以降から廃止となっています。

奨学生番号がわからない場合は?

奨学生証や返還誓約書が手元になく、奨学生番号がわからない場合は、奨学金相談センターに電話をして奨学生番号を教えてもらうこともできます。

奨学金相談センター
電話0570‐666‐301(ナビダイヤル)
海外からの電話やIP電話などで、ナビダイヤルが利用できない場合03‐6743‐6100
電話受付時間月曜~金曜:9時00分~20時00分(土日祝日・年末年始を除く)
※土日祝日・年末年始を除く、平日のみの受付となる点にご注意ください。

なお、奨学金相談センターの電話は、問い合わせが多いと繋がりにくい場合もあります。奨学生番号の確認は、余裕をもって行いましょう。

銀行口座の残高不足で奨学金の返済額が引き落とされないとどうなる?

画像: 画像:iStock.com/yamasan

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返済する奨学金の引き落としは、「リレー口座」と呼ばれる振替口座から行われます。引き落としは原則として、毎月27日に行われます。リレー口座に指定した銀行口座が残高不足になっていると、奨学金の引き落としができません。引き落としができず、延滞扱いとなった回数によりペナルティーが課されるので、リレー口座の残高不足には十分に注意しましょう。ここでは、延滞のペナルティーについて紹介します2)

(1)1回延滞した場合

奨学金の返済を1回延滞した場合は、延滞金は発生せず、延滞した翌月の27日に2カ月分の引き落としが行われます。その際には、日本学生支援機構から督促の電話がかかってきたり、「奨学金返還の振替不能通知」が自宅に届いたりします。その後、自宅に「個人信用情報機関への登録について(通知)」が届きます。

なお、1回目の延滞では連帯保証人や保証人に連絡がいくことはありません。

(2)2回延滞した場合

奨学金の返済を2回延滞した場合、延滞した翌月の27日に、延滞した2カ月分を合わせた3カ月分の引き落としが行われます。その際、延滞した2カ月分については延滞金が課せられます。

また1回目の延滞と同様に2回目の延滞でも、日本学生支援機構から督促の電話がかかってきたり、「奨学金返還の振替不能通知」が自宅に届いたりします。さらに、2回目の延滞では、連帯保証人にも連絡がいくことになります。

(3)3回延滞した場合

奨学金を3回延滞した場合も、2回目の延滞と同様に、延滞した翌月に、それまでの延滞分を合わせた合計4カ月分の引き落としが行われます。そして、延滞した3カ月分に延滞金が課せられます。延滞3カ月の場合は、本人・連帯保証人だけでなく、保証人にも連絡がいくことになります。

3回目以降の延滞では、保証人に「奨学金の返還について」が届くようになるほか、個人信用情報機関に延滞者として登録されてしまいます。個人信用情報機関に登録されると、自動車ローンや住宅ローンなどの各種ローンが組めなくなるほか、クレジットカードが使用できなくなる恐れもあります。なお、たとえ完済したとしても5年間は情報が残ってしまいます。

ちなみに、3カ月以上の延滞をしてしまうと、日本学生支援機構が業務を委託したサービサーと呼ばれる民間の債権回収会社から、電話などによる返済の督促を受けるほか、法的措置を前提にした強い文言が記載された通知書が送られてきます。さらに延滞が9カ月以上続くと、法的措置をとられ一括返済を求められる場合もあります。くれぐれも延滞を重ねないように注意しましょう。

返済が難しい場合は救済制度を利用しよう

ここまでに紹介したように、奨学金の返済延滞を重ねると、社会人としての信用にも影響が出てしまいます。ですから、リレー口座に必要な金額が残っているか、毎月確認しましょう。とはいえ、様々な事情で奨学金の返済が難しい場合もあると思います。その際には、まず日本学生支援機構に相談し、「減額返還制度」や「返還期限猶予制度」という救済制度の利用を検討しましょう。

〈表〉減額返還制度の概要3)

詳細毎月の返済額を2分の1もしくは3分の1に減らすことができる
条件給与所得者(年間収入325万円以下)
給与所得以外の者(年間所得225万円以下)
期間1年ごとの申請で最長15年利用可能

〈表〉返還期限猶予制度の概要4)

詳細毎月の返済を一定期間止めることができる
条件給与所得者(年間収入300万円以下)
給与所得以外の者(年間所得200万円以下)
期間1年ごとの申請で最長10年利用可能

なお、奨学金が返済できない場合の救済制度については、以下の記事でも詳しく紹介していますので、ご参照ください。

【関連記事】奨学金が返済できない場合の救済制度について詳しくはコチラ

返済のトラブルを防ぐため、残高確認は定期的に行おう

画像: 画像:iStock.com/Yagi-Studio

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教育ローンや住宅ローンに比べ、1回の返済額や利子が低い場合が多い奨学金ですが、延滞を重ねた場合のペナルティーは、ほかのローンと同様に重いものです。

奨学金の返済をしている人は、うっかり延滞を重ねてしまうことがないように、口座の残高を定期的に確認するほか、返済の残高についても確認する習慣を身につけましょう。

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