この記事では、ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さん監修のもと、3人家族の生活費の平均や内訳のバランス、生活費シミュレーションなどを紹介します。
※:この記事では、税金や社会保険料などを除いた“消費支出”のことを「生活費」と表現しています。家賃や光熱費・水道費、食費などは含んでいますが、貯蓄や資産運用への投資金額などは含んでいないのであらかじめご承知おきください。
※この記事は 2025年7月3日に公開した内容を最新情報に更新しています。
この記事の監修者
氏家 祥美(うじいえ よしみ)
ハートマネー代表。ファイナンシャルプランナー・キャリアコンサルタント。子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持ち、「幸福度の高い家計づくり」を総合的にサポートしている。オンラインでの家計相談やマネー研修も実施中。
3人家族の生活費の平均は約34万円/月

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まずは、3人家族の生活費の平均を紹介します。総務省の「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)」1)から、3人暮らし世帯のデータを参考に見ていきます。
※:「家計調査報告」の調査対象には、持ち家がある世帯が含まれているほか、住宅ローンを消費支出に含めていないといった理由から「住居」の金額が低めになっています。
1カ月・1年間の生活費の平均は?
1世帯に住んでいる3人のうち、世帯主を含む誰かが働いている勤労者世帯の調査結果を抽出し、全体の月額の平均を計算したデータを見てみましょう1)。
3人暮らしの勤労者世帯全体の、毎月の実収入(額面月収)の平均は64万3,084円です。税金や社会保険料などの非消費支出は11万8,636円なので、実収入から非消費支出を引いた手取り月収(可処分所得)は52万4,448円(※)となります。
一方、生活費(税金や社会保険料などの非消費支出を除いた消費支出)の平均は34万1,655円となっています。
〈表〉3人家族の手取り月収と生活費の平均(勤労者世帯)
| 手取り月収(実収入−非消費支出) | 52万4,448円 |
|---|---|
| 生活費(消費支出) | 34万1,655円 |
3人家族の場合、手取り月収の約65%が生活費に充てられている計算です。この比率を、月収に対する生活費の割合の目安と考えてもいいでしょう。
3人家族の1カ月分の生活費の平均を12倍すると409万9,860円です。これを1年間の生活費の平均の目安と考えていいでしょう。
※:可処分所得とは、収入から税金や社会保険料などの支払いを差し引いた所得で、いわゆる「手取り」の部分を指す。
各金額は四捨五入しているため、合計と一致しない場合がある。
3人家族の生活費の内訳は?

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続いて、3人家族の生活費の内訳を見てみましょう1)。「食料」が占める割合が約27%と最も大きく、続いて「その他の消費支出」の費用(約18%)が高くなっています。
〈表〉3人家族の手取り月収と生活費の内訳の平均(勤労者世帯)
| 手取り月収(可処分所得) | 52万4,448円 | |||
|---|---|---|---|---|
| 生活費(消費支出) | 34万1,655円 | |||
| 生活費の内訳 | 食料 | 9万789円 | 約27% | |
| 住居 | 2万334円 | 約6% | ||
| 光熱・水道 | 2万4,484円 | 約7% | ||
| 家具・家事用品 | 1万3,997円 | 約4% | ||
| 被服及び履物 | 1万1,563円 | 約3% | ||
| 保健医療 | 1万5,070円 | 約4% | ||
| 交通・通信 | 5万8,049円 | 約17% | ||
| 教育 | 1万3,995円 | 約4% | ||
| 教養娯楽 | 3万1,481円 | 約9% | ||
| その他の消費支出 | 6万1,893円 | 約18% | ||
一人暮らしや2人暮らしと比較しての特徴は「教育」の支出が多いことです。また、2人暮らし世帯に比べ年齢が高めになるため、手取り月収が増えています。
夫婦2人暮らしや4人家族の生活費と比較したい人は、以下の記事も併せてご参照ください。
子どもの教育費、いくら準備すれば十分?
3人家族の生活費の特徴は、子どもがいることにより、子どもの教育費がかかる点です。子ども1人にかかる、幼稚園から大学までの教育費はいくらなのでしょうか?
文部科学省2)と日本政策金融公庫の調査3)によると、幼稚園から大学までにかかる子ども1人あたりの教育費は以下のようになります。なお、資料によって調査内容が異なるため、幼稚園から高等学校までは1年あたりの「学習費総額」(文部科学省調査)、高専から大学までは「入学費用」と1年あたりの「在学費用」(日本政策金融公庫調査)として記載しています。
〈表〉幼稚園から高等学校(全日制)の教育費2)
| 区分 | 学校区分 | 1年あたりの費用 | 就学年数 | 就学期間の総額(目安) |
|---|---|---|---|---|
| 幼稚園 | 公立 | 約18.5万円 | 3年 | 約55.5万円 |
| 幼稚園 | 私立 | 約34.7万円 | 3年 | 約104.1万円 |
| 小学校 | 公立 | 約36.7万円 | 6年 | 約220.2万円 |
| 小学校 | 私立 | 約174.2万円 | 6年 | 約1,045.2万円 |
| 中学校 | 公立 | 約54.2万円 | 3年 | 約162.6万円 |
| 中学校 | 私立 | 約156万円 | 3年 | 約468万円 |
| 高校(全日制) | 公立 | 約59.7万円 | 3年 | 約179.1万円 |
| 高校(全日制) | 私立 | 約117.9万円 | 3年 | 約353.7万円 |
〈表〉高専・専修・各種学校から大学の教育費3)
| 区分 | 学校区分 | 入学費用 | 在学費用(1年) | 就学年数 | 就学期間の総額(目安) |
|---|---|---|---|---|---|
| 高専 | 共通 | 50.2万円 | 116.9万円 | 5年 | 約634.7万円 |
| 短大 | 私立 | 73万円 | 137万円 | 2年 | 約347万円 |
| 大学 | 国公立 | 67.2万円 | 103.5万円 | 4年 | 約481.2万円 |
| 大学 | 私立文系 | 81.8万円 | 152万円 | 4年 | 約689.8万円 |
| 大学 | 私立理系 | 88.8万円 | 183.2万円 | 4年 | 約821.6万円 |
| 専修・各種学校 | 共通 | 50.2万円 | 116.9万円 | ※ | ※修業年限によって異なる |
【子どもの教育費に必要な資金の目安】
①全て公立の場合:約1,095万円
②全て私立(大学は文系)の場合:約2,659万円
③全て私立(大学は理系)の場合:約2,790万円
また、自宅外通学の場合、自宅外通学を始めるための費用が平均38万7,000円、仕送りが年間平均95万8,000円かかります。もし自宅外通学で4年制大学に通う場合には、合計で421万9,000円が教育費に追加されます。
幼稚園から大学まで全て公立で自宅通いなら1,000万円あまりになりますが、全て私立で一人暮らしだと3,000万円を超えます。とはいえ、これらの金額を最初からまとめて用意しておく必要はありません。多くのご家庭では、子どもの出生時から大学進学にかかる資金を段階的に準備しており、幼稚園から高校卒業までの教育費は、その時々の家計からやりくりしているケースが一般的です。
【関連記事】教育費の平均はいくら? 大学までの賢い貯め方について、詳しくはコチラ
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FPが教える! 3人家族の理想的な生活費の内訳バランスは?

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夫婦2人暮らしの時と比較して、子どもが生まれて3人家族になると、お金の使い方も変わります。2人暮らしの感覚で生活費のやりくりをすると、貯金する余裕がなくなってしまうので注意が必要です。
子どもの進学に必要な教育資金を準備するだけでなく、自分たちの老後資金を考える上でも、貯金は欠かせません。子どもが小さいうちから、しっかり将来への備えをしておいたほうがいいでしょう。
そのために実践していただきたいのが、生活費の見直しです。具体的には、将来へ備える分をあらかじめ考慮に入れて、収入に対する生活費の割合を決めることから始めましょう。ここでは生活費だけに注目するのではなく、毎月の手取り月収に対する支出の理想的なバランスを紹介します。
〈表〉3人家族の理想の支出バランス(監修者作成)
| 費目 | バランスの目安 |
|---|---|
| 住居(家賃/住宅ローン) | 手取り月収の15~25% |
| 食費 | 手取り月収の15%程度 |
| 通信費 | 1万円程度 |
| 光熱費・水道費 | 2万5,000円程度 |
| 教育費 | 1万円程度 |
| 交通費 | ライフスタイルや収入に応じて調整 |
| 保険料 | |
| 雑費(日用品費など) | |
| 小遣い | |
| 不定期な支出 | 手取り月収の10%程度 |
| 貯蓄 | 手取り月収の10%以上 |
①住居(家賃/住宅ローン):手取り月収の15~25%
前述の「家計調査報告」1)では、「住居」の金額が低め(手取り月収の約6%)になっていますが、国土交通省「令和6年度 住宅市場動向調査」4)によれば、住宅を購入した人は注文住宅で73.6%、分譲戸建住宅で63.7%、分譲集合住宅で66%が住宅ローンを活用しています。その平均返済額は注文住宅で月額約12万円、分譲戸建住宅で月額約11万円、分譲集合住宅で月額10万5,000円となっています。
また、賃貸の場合、家賃の平均は月額7万7,677円、共益費の平均は月額4,441円と記載されています。合計すると平均は月額8万2,118円です。
このデータからもわかるように、「家計調査報告」のデータよりも実際は多く支払う人が多いはずです。そのため手取り月収の15~25%が、家賃や住宅ローン(マンションの管理費や修繕積立金を含む)の目安となるでしょう。
②食費:手取り月収の15%程度
手取り月収に対して食費が占める割合は15%程度が目安になります。この比率は、子どもがいる場合でも基本的には変わりません。実際、子どもが小さいうちは食べる量も少なく、あまりかからないため、そこまで食費がかさむことはないでしょう。
③教育費:1万円程度
この場合の教育費とは、習い事や塾などにかかる費用であり、学費などの教育資金とは別物です。「家計調査報告」1)によれば、3人家族の「教育」の費目の平均額は、1万3,995円です。ここでは、小さな子どもがいる家族を想定し、教育費は1万円としました。もちろん、ご家庭の方針によって金額は調整しても構わないでしょう。
④通信費:1万円程度
「家計調査報告」1)によれば、3人家族の「通信」の費目の平均額は1万3,179円となっています。スマホの格安通信プランを利用すれば、1人あたり3,000円以下に抑えることが可能です。なお、ここでは小さい子どもがいる家庭を想定して、両親のスマホ代と自宅で利用するインターネット回線の費用のみで、1万円程度としています。
プランの見直しについては、通信会社のウェブサイトにある料金シミュレーションを活用してみましょう。
シミュレーション結果で今より安くなる料金プランがあれば、プランの変更をおすすめします。なお、料金プランは頻繁に変わるので、定期的な見直しを心がけましょう。また、格安SIMに乗り換えるのも一手です。
⑤光熱費・水道費:2万5,000円程度
「家計調査報告」1)によれば、「光熱・水道」の費目の平均額は2万4,484円ですから、だいたい2万5,000円を目安と考えればいいでしょう。
⑥不定期な支出:手取り月収の10%程度
冠婚葬祭にかかる費用や帰省費用、家具家電の買い替えなど、毎月ではなく不定期であるものの年単位で見れば発生する可能性が高い支出については、毎月積み立てをしておくと家計の管理がしやすくなります。金額は手取り月収の10%程度が目安となります。年末に余った金額を貯蓄や子どもの教育費などに割り振ってもいいでしょう。
⑦貯蓄:手取り月収の10%以上
将来の子どもの教育資金を準備したいなら、少なくとも手取り月収の10%は貯蓄にまわすといいでしょう。あらかじめ割合を決めておけば、給与が振り込まれた時点で「先取り貯金」もしやすくなります。
⑧交通費、保険料、雑費、小遣い
交通費、保険料、雑費、小遣いは、家族のライフスタイルによって調整が必要になる支出といえます。具体的な目安がある費目を先に計算してから、残りの金額で配分を考えるといいでしょう。
【手取り50万円】3人家族の生活費シミュレーション

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それでは、ここまでに提案したバランスを踏まえて、30代の3人家族の生活費をシミュレーションしてみましょう。ここでは、例として手取り月収50万円の世帯でシミュレーションします。
〈表〉3人家族(手取り月収約50万円)の生活費シミュレーション
| 手取り月収 | 約50万円 |
|---|---|
| 住居(家賃/住宅ローン) | 12万5,000円 |
| 食費 | 7万5,000円 |
| 通信費 | 1万円 |
| 光熱費・水道費 | 2万5,000円 |
| 教育費 | 1万円 |
| 交通費(自動車維持費含む) | 1万5,000円 |
| 保険料 | 1万5,000円 |
| その他(日用品や小遣いなど) | 4万円 |
| 不定期な支出 | 5万円 |
| 貯蓄 | 13万5,000円 |
30代の3人家族と考えた場合、子どもの教育資金が必要になるほか、マイホームへの準備を考える時期にあたることが多いので、貯蓄にまわす金額を27%確保しました。また、不定期な支出は子どもの教育費が増える分を考慮し、10%にしています。教育費は小さな子どものいる3人家族を想定し、1万円としました。
通信費にはスマホ代のほか、自宅で利用するインターネット回線の費用も含んでいます。交通費1万5,000円では自動車の維持管理費などがまかなえない場合には、住居費や小遣い、不定期な支出などで調整してもいいでしょう。
3人家族が実践したい、5つの節約術

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子どもの教育資金を確保するため、少しでも節約したい3人家族は、普段の生活費で節約を試みてはいかがでしょう。おすすめなのはつぎの5点です。
【3人家族におすすめの節約術5選】
①各種の控除や制度を活用する
②子ども用品の購入はフリマアプリも活用する
③通信費、ネットサービスの見直しをする
④保険の見直しをする
⑤家計簿アプリを活用する
国や自治体などの控除や制度を最大限活用することは、節約の基本となります。広報誌などに目を通して、地域の子育て支援制度などはもれなく活用しましょう。
また、子どもが生まれたばかりの家庭の場合、ベビーグッズや玩具などは、たくさん買い与えてあげたくなると思います。そこで活用したいのが、メルカリのようなフリマアプリです。特に小さな子ども向けのグッズは使用期間が短いため、コンディションのいい状態の商品を安価に購入できる場合があります。また、不要になったグッズをフリマアプリで売れば、別のグッズの購入資金にもなります。
家族が増えたタイミングで見直したいのが保険です。保険を見直すと、保険料の節約につながります。合理的な保険料に見直すことで家計にも余裕が生まれ、資産形成の助けにもなるでしょう。
保険の見直しの際は、保険の専門家に相談してみましょう。保険料や保障など、現在の状況に合わせた提案をしてもらえます。
また、生活費のやりくりが上手な人たちに共通する傾向として、家計簿アプリを使い収支をこまめにチェックしていることが挙げられます。何に、どれくらいお金を使っているのかが「見える化」できれば、さらに節約しやすくなるでしょう。
【関連記事】おすすめの無料家計簿アプリについて、詳しくはコチラ
子どものお金ばかり優先させず、バランスのいい家計を心掛けよう

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子どもが生まれて3人家族になると、玩具や洋服、習い事など、つい子どもに使うお金を優先しがちになると思います。しかし、子どもにかけるお金を優先しすぎるのも考えものです。子育てが大変な時期こそ、夫婦の楽しみに使うお金を含めた、全体の家計バランスを考えましょう。
そのための第一歩は、夫婦一緒に家計の管理を行い、ライフプランについても定期的に話し合うことです。家族の明るい未来のためにも、家計は家族みんなで管理するもの、という意識を忘れないようにしましょう。








