妊娠・出産すると、書類手続きの多さに驚くことになります。ママの体調の不安がある妊娠中、そして育児に専念したい出産後にも、やるべき手続きが盛りだくさんです。出産を控えて「いろいろ手続きをしなくちゃいけないようだけど、何からはじめたらいいのかわからない」という人も多いのではないでしょうか?

そこで、経済ジャーナリストの酒井富士子(さかい ふじこ)さん監修のもと、「出産後にやるべき手続き」について、申請書等の提出先や手続き期限を示しながらご紹介します。出産後の手続きは期日が細かく決まっているものが多いため、何から行えばいいのかを整理して、スムーズに済ませましょう。

【備考】この記事は、会社員として勤務しており、現住所の近くで出産し、産前・産後休暇および育児休業を取得される女性をおもな対象として解説しています。自営業者や専業主婦の方、里帰り出産を予定している方などは、基本事項をご確認いただいた上で、「里帰り出産、自営業者…こんな場合どうする? 手続きの注意点」の項目をご覧ください。

INDEX

■出産後の手続きは、パパが積極的に行うことが大切!

■出産後の手続き一覧。手続き期限、提出先をリストで確認!

■【図解】出産前後の手続きの流れ

■手続きを効率よく済ませる3つのポイント

■いつまでにやればいい? 期限から逆算する「手続き&必要なものリスト」

(1)市区町村の役所で行う手続き
① 出生届の届け出【期限:産後14日以内】
② 児童手当の申請【期限:産後15日以内】
③ 子ども医療費の助成の申請【期限:自治体により異なる】

(2)会社・健康保険組合をとおして行う手続き
① 出産育児一時金の申請【期限:「直接支払い制度」利用の場合、出産の3~4カ月前】
② 健康保険の加入申請【期限:特になし(ただし、早めの申請を推奨)】
③ 育児休業給付金の申請【期限:育児休業開始から4カ月を経過する日の属する月末まで】
④ 高額療養費制度の利用申請【期限:診療を受けた月の翌月の初日から2年以内】
⑤ 出産手当金の申請【産休開始の翌日から2年以内】

(3)その他の手続き
① 民間の医療保険の給付金請求
② 医療費控除の申請

■里帰り出産、自営業者…こんな場合どうする? 手続きの注意点

(1)妊娠を機に退職する方の場合
(2)里帰り出産する方の場合
(3)自営業の方の場合
(4)専業主婦の方の場合
(5)シングルマザーの方の場合

■出産前後は、人生で一番支給されるお金が多い時期。手続きを怠らないで

この記事の監修者

画像: 【出産後の手続き完全ガイド】提出先・手続き期限など、優先度順にやるべきことを解説!

酒井 富士子(さかい ふじこ)

金融メディア専門の編集プロダクション・株式会社回遊舎代表取締役。『日経ウーマン』『日経マネー』副編集長歴任後、リクルート入社。『あるじゃん』『赤すぐ』副編集長を経て、2003年から経済ジャーナリストとして活動。著書に『貯められない人のための手取り「10分の1」貯金術』(秀和システム)などがある。

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出産後の手続きは、パパが積極的に行うことが大切!

画像: 画像:iStock.com/kyonntra

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出産直後は子どものことばかりに目が行きがちですが、ママの体調はまだまだ万全ではない時期です。ママ自身、お腹が小さくなって元気に動き回れそうな気がしても、十分に注意が必要です。昔から「床上げ4週間」という言葉があるように、出産後4週間くらいはなるべく横になってゆっくり休養するのがいいとされています。

そんな時に頼りになるのが一番近くにいるパパの存在です。掃除、洗濯、炊事に買い物、パパができることはなんでも引き受けて、ママに「ゆっくり寝てていいよ」と言ってほしいところですよね。

出産後の手続きに関しても、パパを含めた親族ができることはたくさんあります。特に、外に出かける必要がある役所への申請等は積極的にパパに引き受けてもらうようにしましょう。

出産後の手続き一覧。手続き期限、提出先をチェックリストで確認!

画像: 画像:iStock.com/Roman Valiev

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まずは出産後に必要な手続きについて、どのようなものがあるのかチェックリストで確認しましょう。ここでは、手続き先として「市区町村の役所」「会社・健康保険組合」「その他」の3つに分けて紹介します。

(1)市区町村の役所で行う手続きリスト

項目手続き開始時期手続き期限備考
□出生届の届け出出産後すぐ可能産後14日以内(生まれた日を含む)
□児童手当の申請(※1)出産後すぐ可能産後15日以内(生まれた日を含む)児童手当は申請した時点から支給。左記の期限は産後1カ月目から取得するための期限。
□子ども医療費助成(※2)の申請子どもが健康保険へ加入した後から可能自治体により異なる健康保険(社会保険)への加入証明が必要。出産後の1カ月健診までにあるとよい。
※1 公務員の場合は所属省庁に届け出
※2 自治体によって名称が異なる

(2)会社・健康保険組合をとおして行う手続きリスト

項目手続き開始時期手続き期限備考
□出産育児一時金の申請出産の3〜4カ月前出産翌日から2年以内健康保険(社会保険)での手続き。「直接支払い制度(※)」を利用するのが一般的。その場合、出産の3〜4カ月前に申請。
□健康保険(社会保険)の加入申請出産後すぐ可能特になし健康保険(社会保険)での手続き。子どもの名前が必要。出生後、なるべく早く行うことを推奨。
□高額療養費制度の利用申請診察日の翌月以降診療を受けた月の翌月の初日から2年以内健康保険(社会保険)での手続き。出産時に帝王切開など、保険適応かつ高額な費用のかかる処置を行った場合に利用。
□出産手当金の申請産後57日目以降産休開始の翌日から2年以内健康保険(社会保険)での手続き。
□育児休業給付金の申請育児休業開始日(産後57日目)以降育児休業開始から4カ月を経過する日の属する月末まで雇用保険での手続き。
※「直接支払制度」については後述

(3)その他の手続きリスト

項目手続き開始時期手続き期限備考
□民間の医療保険の給付金請求契約内容により異なる契約内容により異なる給付対象になるのか契約している保険会社へ確認して申請。
□医療費控除の申請次の年の2月中旬(確定申告)5年後の確定申告まで税務署へ申請。確定申告で行うため、申請期間は毎年2月中旬から3月末まで。

【図解】出産前後の手続きの流れ

次に「役所で行う手続き」「会社・健康保険組合をとおして行う手続き」について、流れを一覧にしてみました。

産後は育児に忙しい日々が始まるので、妊娠中にできることは事前にしっかり準備して、産後の負担をできるだけ少なくしましょう。

〈図〉出産前後の手続きの流れ一覧

画像: 【図解】出産前後の手続きの流れ

手続きを効率よく済ませる3つのポイント

出産に関わる手続きは数多くあります。そのため、効率よく行うことが大切です。以下、3点を心に留めておきましょう。

〈表〉効率よく手続きを済ませる3つのポイント

【ポイント1】
同時に提出できるものは、まとめて提出!

【ポイント2】
締め切りがあるものは、優先的に!

【ポイント3】
手続き書類は事前にもらえるものが多い。先に集めよう!

【ポイント1】の例として、出産後すぐに行う「出生届」と「児童手当申請書」はまとめて役所に出すようにしましょう。

【ポイント2】の失敗例としてよくあるのは、「児童手当」の提出遅れです。「児童手当」は遡っての申請ができないため、準備していないと手当をもらえない期間ができてしまう可能性があります。

また、【ポイント3】に繋がることですが、締め切りギリギリになって慌てないために、たとえば「児童手当」の場合なら、児童手当認定請求書は出産前の時間に余裕があるうちに役所でもらっておきましょう。それ以外にも「出産手当金」などの申請書も会社から事前にもらえます。申請書をもらっておいて、書けるところまで書いておくのがおすすめです。

いつまでにやればいい? 期限から逆算する「手続き&必要なものリスト」

ここでは提出先ごとの手続きについて、手続き期限の早いものから順に「概要」「必要なもの」「注意ポイント」をご紹介します。

産後、スムーズに手続きを済ませるためにも、産前休暇に入って落ち着いている時期に、夫婦揃って手続き関係の情報を確認・共有しておくといいでしょう。

予定日の1カ月前になるといつ子どもが生まれてくるかわかりません。出産直前になってから慌てて準備をはじめないよう、時間の余裕をもって動きましょう。ベビーグッズを準備するのと同時に、手続き関係をまとめたチェックリストをプリントアウトしておくと便利です。

【注意】各項目の「必要なもの」については、自治体、会社によって異なる場合があります。詳細は、自分が住んでいる自治体、所属している会社に問い合わせるようにしてください。

(1)市区町村の役所で行う手続き

① 出生届の届け出【期限:産後14日以内】

画像: 画像:iStock.com/show999

画像:iStock.com/show999

生まれた子どもを親の戸籍に記載するための大切な手続きです1)。この時、子どもの名前が必要になります。出生届を出すことで親族関係が公的に証明され、子どもの住民票が作成されます。出生届の届出書は出産した病院、または役所の担当窓口で入手できます。

なお、出生届を提出して住民票が登録されると自動的にマイナンバーの番号が割り振られ、通知カードが郵送されます。顔写真入りのICチップ付きカードを発行したい場合は、その後に別途手続きが必要になります。

【手続き開始日】
出産後すぐ可能

【手続き期限】
産後14日以内(生まれた日を含む)

【必要なもの】

□出生届(出生証明書に医師・助産師の証明があるもの)
□母子健康手帳
□身分証明書
□印鑑

【注意ポイント】

里帰り出産の場合は、現地の役所へ届けてもOKです。ただし、里帰り先で出生届を出した場合、現住所地で出生届が受理されるまでにタイムラグがあります。出生届の受理が終わっていないと児童手当の手続きができない場合があるので注意してください。

国外で出産した場合は3カ月以内に提出してください。期限を大幅に遅れると過料を徴収される場合もあります。

参考資料

1)法務省「出生届」

② 児童手当の申請【期限:産後15日以内】

画像1: 画像:iStock.com/maruco

画像:iStock.com/maruco

子育てを支援するために保護者に対して行政から支給される手当です2)。0歳から中学校卒業までの児童を養育している人に支給されます。(所得制限あり)

〈表〉児童手当の金額

児童の年齢・学年金額
0〜3歳未満15,000円/月
3歳〜小学校修了前10,000円/月(第3子以降は15,000円/月)
中学生10,000円/月
※所得制限限度額以上の場合は、特例給付として月額一律5,000円を支給。2022年10月分から改正あり。

【手続き開始日】
出産後すぐ可能

【手続き期限】
産後15日以内(生まれた日を含む)

【必要なもの】

□児童手当認定請求書
□振込先となる金融機関の通帳(請求者名義のもの、振込先番号がわかるものがあればOK)
□請求者のマイナンバー確認書類
□請求者の身分証明書

【注意ポイント】
児童手当は原則として申請した月の翌月分からの支給となります。ただ、月末生まれの子でも大急ぎで申請に行かなくても大丈夫。出生日が月末に近くて申請日が翌月になってしまった場合でも、出生日の翌日から15日以内であれば申請月分から支給されます。

ただし、その年の1月1日から住所が変わっている場合は、前住所地の自治体が発行する「児童手当用所得証明書」が必要になります。出産を機に引っ越しをした人は、前の自治体から所得証明書を取るのにも時間がかかることを考慮してください。

また、児童手当には所得制限があります。所得限度額は、扶養親族の人数により定められており、たとえば扶養親族が1人の場合は660万円、5人の場合には812万円となっています。詳しくは内閣府の案内をご覧ください。

所得制限内の場合には、中学卒業まで児童手当の支給を受けると約200万円もの金額になります。給与振込口座に入れるとつい使ってしまうので、児童手当用に専用の口座をつくっておくのがおすすめです。口座の名義は扶養者で、2人目、3人目の子の時も同じ口座で申請することになります。なお、ネット銀行は使えないことがあるので注意してください。

③ 子ども医療費の助成の申請【期限:自治体により異なる】

画像1: 画像:iStock.com/monzenmachi

画像:iStock.com/monzenmachi

子どもが保険診療(公的医療保険が適用になる診療のこと)でかかった医療費を助成する制度です。自治体によって助成内容は異なります。

【手続き開始日】
子どもが健康保険へ加入した後から可能

【手続き期限】
自治体により異なる

【必要なもの3)

□乳幼児・子ども医療証交付申請書
□子どもの健康保険証(コピー)
□身分証明書

【注意ポイント】
子どもの健康保険証のコピーを貼り付けて提出する必要があるので、まずは出産後に会社をとおして、健康保険組合に問い合わせを行い、健康保険(社会保険)加入の手続きをしてください(詳しくはこちら)。健康保険証が届いたら役所に申請します。役所のホームページから申請書をダウンロードして郵送すれば手続きできることが多いので確認しましょう。

助成を受けられる証明書(乳幼児医療証、子ども医療証などと呼ばれる)が発行されるまでは、子どもが病院にかかった時に助成を受けることができません(発行後に遡って助成を受けることは可能)。健康保険に加入して証明書が発行されるまで数週間かかるので、出産後なるべく早く申請しましょう。

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(2)会社・健康保険組合をとおして行う手続き

① 出産育児一時金の申請【期限:「直接支払い制度」利用の場合、出産の3~4カ月前】

画像: 画像:iStock.com/kuppa_rock

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健康保険(社会保険)から分娩費の補助として42万円が支給されます4、5)。加入している健康保険組合によっては、付加金というお祝い金が加算される場合もあります。

健康保険組合から、出産した病院に直接「出産育児一時金」が支払われる「直接支払い制度」と、出産費を自費で支払った後に支給を受ける「産後申請方式」という2パターンの受け取り方がありますが、「直接支払い制度」を選択する人がほとんどです。

「直接支払い制度」にする場合、会社に「直接支払い制度」を利用する旨を伝えた上で、病院との合意書を提出するだけで手続きを済ますことができます。また、退院時に出産費との差額を精算するだけなので、出産時に現金をたくさん準備しなくていいというメリットがあります。

【手続き開始日・期限】
・「直接支払い制度」利用の場合は、出産の3~4カ月前に病院と合意書を取り交わし

・「産後申請方式」利用の場合は、出産・退院後すみやかに手続き(会社をとおして、健康保険組合へ必要書類を提出)

【必要なもの】

●「直接支払い制度」利用の場合(病院での合意書の取り交わしで必要なもの)
□請求者の健康保険証
□印鑑
□母子手帳
※必要なものは、病院により異なる
●「産後申請方式」利用の場合(健康保険組合への申請で必要なもの)
□健康保険出産育児一時金支給申請書
□出生が確認できる書類
□請求者の健康保険証
□出産費用の領収書・明細書(コピー)
□振込先となる金融機関の通帳(振込先番号がわかるものがあればOK)
□身分証明書

【注意ポイント】
「直接支払い制度」を利用するか、「産後申請方式」を利用するかで手続きのタイミングと方法が異なるため、注意が必要です。

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② 健康保険への加入申請【期限:特になし(ただし、早めの申請を推奨)】

画像: ② 健康保険への加入申請【期限:特になし(ただし、早めの申請を推奨)】

両親どちらかの扶養として、子どもを健康保険に加入させます。健康保険に加入しないと、公的医療保険が利用できず、医療費が全額自己負担となります。できるだけ早く手配するようにしましょう。

【手続き開始日】
出産後すぐ可能

【手続き期限】
特になし(ただし、早めの申請を推奨)

【必要なもの6)

□被扶養者異動届(増)
□母子手帳のコピー または 出生届・出生証明書のコピー

【注意ポイント】
会社をとおして加入している健康保険組合に申請すると、必要事項を記入する用紙がもらえます。手続き期限はありませんが、保険証は各自治体から「子ども医療費助成」を受けるために必要です。子どもの名前が決まったらすぐに申請しましょう。

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③ 育児休業給付金の申請【期限:育児休業開始から4カ月を経過する日の属する月末まで】

画像: 画像:iStock.com/Yusuke Ide

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無給となる育児休業中に経済的に困らないようにするための給付金です。育児休業中に月給(休業開始時賃金日額×支給日数〈通常30日〉)の67%(181日以降は50%)の給付金が雇用保険から支給されます。育児休業給付金の給付率はパパが育児休業を取得する場合も同じです。

申請については、会社によって運用ルールが違いますので、事前によく確認しましょう。

【手続き開始日】
育児休業開始日(産後57日目)以降

【手続き期限】
育児休業開始から4カ月を経過する日の属する月末まで

【必要なもの7)

□支給申請書
□受給資格確認票
□母子手帳のコピーなど(育児中であることを証明する書類)
□振込先となる金融機関の通帳(請求者名義のもの)

【注意ポイント】
申請が完了し、育児休業に入ってしばらくすると育児休業給付金が指定の口座に振り込まれます(状況により、振り込み時期は異なります)。その後は2カ月に1回の振り込みとなります。育児休業給付金を申請していても無給の期間ができてしまうのでお金のやりくりに注意してください。

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④ 高額療養費制度の利用申請【期限:診療を受けた月の翌月の初日から2年以内】

画像: 画像:iStock.com/Nuthawut Somsuk

画像:iStock.com/Nuthawut Somsuk

医療機関や薬局の窓口で支払った額(自己負担額)が、ひと月(月の初めから終わりまで)で一定額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です8)

妊娠中に切迫流産や妊娠糖尿病等で長期入院したり、帝王切開などの出産時の処置を受けたり、産後に特別な医療行為を受けるなどして、所定の自己負担限度額を超えた人が対象です(自己負担限度額は所得に応じて変わります。詳細はこちらの記事をご覧ください)。

【手続き開始日】
診察日の翌月以降

【手続き期限】
診療を受けた月の翌月の初日から2年以内

【必要なもの】

□高額療養費支給申請書
□健康保険証
□出産費用等診療費の領収書
□本人確認書類(身分証明書)
□印鑑

【注意ポイント】
「帝王切開の手術は高額になる」と思われる方も多いですが、実際には公的医療保険の対象なので3割負担となります。帝王切開の手術だけでは高額療養費の上限に達しないこともあります。対象になる場合は、退院後すみやかに会社をとおして、健康保険組合まで申請しましょう。

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⑤ 出産手当金の申請【産休開始の翌日から2年以内】

画像1: 画像:iStock.com/west

画像:iStock.com/west

出産のために会社を休む期間、健康保険組合に加入している被保険者をサポートするための手当金です。産休期間(産前42日〜産後56日)は給料が支払われない会社がほとんどですが、勤務先の健康保険から出産手当金として日給の約67%相当額が支給されます。

原則として、産後56日経ったら、会社から送られてくる書類に必要事項を記入して、勤務先の健康保険窓口に提出します。

【手続き開始日】
産後57日目以降

【手続き期限】
産休開始の翌日から2年以内

【必要なもの9)

□健康保険出産手当金請求書
□請求者の健康保険証
□母子手帳
□振込先となる金融機関の通帳

【注意ポイント】
申請開始は産後57日目以降ですが、実際に手当金が振り込まれるのは産後3〜4カ月経ってからです。すぐには支給されないので、お金のやりくりに注意してください。

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(3)その他の手続き

① 民間の医療保険の給付金請求【期限:契約内容により異なる】

画像1: 画像:iStock.com/takasuu

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民間の医療保険に加入している場合、契約内容によりますが、手術給付金や入院給付金がもらえることがあります。差額ベッド代などの補填にしましょう。

【手続き開始日】
契約内容により異なる

【手続き期限】
契約内容により異なる

【必要なもの】

□保険会社指定の診断書等

【注意ポイント】
妊娠中の病気による入院はもちろん、帝王切開や吸引分娩なども給付の対象になることが多いです。自分の出産が給付対象になるのかわからないまま請求しそびれることのないように、気になることがあれば産後に保険会社の担当者に連絡して確認をしましょう。

なお、産後の健診時に所定の診断書を書いてもらうとスムーズに手続きができます。

② 医療費控除の申請【期限:5年後の確定申告まで】

画像: 画像:iStock.com/Promo_Link

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基本的に、世帯全員の年間医療費(自己負担額)が10万円を超えた場合、確定申告をすると医療費控除が受けられます。出産費用だけで10万円を超えることは少ないですが、世帯全員の1〜12月にかかった医療費を合計して10万円を越えれば確定申告制度を利用することができるので、妊娠・出産児の明細書は必ずとっておきましょう。

【手続き開始日】
次の年の2月中旬(確定申告)

【手続き期限】
5年後の確定申告まで

【必要なもの10)

□源泉徴収票
□医療費控除の明細書
□医療費通知(原本)
□本人確認書類(身分証明書)
□振込先となる金融機関の通帳(請求者名義のもの)
□印鑑

【注意ポイント】
医療費控除は1〜12月が一括りなので、年をまたいでの出産だとかかった医療費がばらけてしまって自己負担額が10万円を超えなくなる場合もあります。総額10万円を超えるかどうか、確認をするようにしましょう。

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里帰り出産、自営業者…こんな場合どうする? 手続きの注意点

最後に、「里帰り出産」「自営業者」「専業主婦」「シングルマザー」など、より細かなシチュエーション別に出産後の手続きに関して気をつけるべきポイントを紹介します。

(1)妊娠を機に退職する方の場合

画像2: 画像:iStock.com/takasuu

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妊娠を機に会社を退職する方の場合、前述の「育児休業給付金」「出産手当金」は支給されません。ただし、妊娠を機に会社を退職し、再就職する意思がある人へのサポート制度としては「失業給付(失業保険)」という制度があります。

「失業給付」とは、失業している期間中の暮らしをサポートするための制度で、退職前6カ月の賃金を基準として一定額が支給されます。

通常であれば、「失業給付」は退職してから1年以内に受給を終えなくてはならない制度ですが、妊娠・出産の場合は、申請があれば受給期間を最高4年まで延長することができます。つまり、今後就職活動をスタートする際に「失業給付」を受けられる権利を得られるのです11)。

妊娠・出産をきっかけとした退職は、すぐに就職活動がはじめられないことから失業給付はもらえないものと諦めてしまう人が多いのです。しかし、再就職の計画が未定でも延長手続きはしておくに越したことはありません。ぜひ検討してみてください。

(2)里帰り出産する方の場合

画像: 画像:iStock.com/iryouchin

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妊娠すると、母子手帳と一緒に自治体から妊婦健康診査の受診票がもらえます。14〜16枚綴りのチケットになっていて毎回健診費用の助成が受けられるのですが、基本的に住んでいる地区の病院でしか使えません

そのため、妊娠後期に里帰りした場合、里帰り先の病院では検査費用を自費で支払うケースも出てきます。しかし、この時に使えなかった受診票を捨てないようにしてください。

里帰り先から帰ってきてから、未使用の受診票と病院の領収証を役所に提出すると助成費分を返金してくれます。妊婦健診費は10割負担なのでなかなか痛い出費です。きちんと手続きして、しっかり返金してもらいましょう。

(3)自営業の方の場合

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会社員と異なり、自営業の方の場合「出産手当金」「育児休業給付金」は支給されません。お金のやりくりが厳しくなる場合もあると思いますので、注意しましょう。

また、自営業者の場合は、国民健康保険へ加入していますので、「健康保険の加入申請」が役所で行えます。そのため、「出生届の届け出」「児童手当の申請」「国民健康保険の加入申請」の手続きを一度に役所で行うようにしましょう。

(4)専業主婦の方の場合

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専業主婦の場合、会社勤めをしている人と異なり、「出産手当金」「育児休業給付金」はもらえません。この点、注意が必要です。

(5)シングルマザーの方の場合

画像2: 画像:iStock.com/maruco

画像:iStock.com/maruco

シングルマザーの場合、「児童手当」に加えて、「児童扶養手当」が支給されます12)。所得制限はありますが、支給対象になる場合、「出生届」を提出するのと同時に「児童扶養手当」も申請するようにしましょう。

また、シングルマザーの場合には、住んでいる地域によって様々な制度やサポートが用意されています。必ず役所で、自治体独自の助成制度などがないかどうかを確認しましょう。

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出産前後は、人生で一番支給されるお金が多い時期。手続きを怠らないで

画像: 画像:iStock.com/narith_2527

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妊娠、出産は人生で一番支給されるお金が多い時期。子育てをサポートする制度はたくさん用意されています。しかし何事も手続きをしないともらえません。ただ待っているだけでは、大きく損をしてしまいます。

ママの体調に変化があったり環境が変わったりと何かと大変な時期でもありますが、「知らなかった」「気がつかなかった」では後悔します。まずはしっかり知識を身につけて、もらえるお金を取りこぼさない姿勢でいることが大切です。

子どもが生まれると、これから家計全体の支出が増えます。面倒な手続きも多いですが、パパや親族など、頼れる人にはしっかり頼って、もらえるものはちゃんともらって、快適に育児を楽しんでください。

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