会社員からフリーランスになったり、転職時に会社に所属していない期間が発生したりする場合、制度上の手続きがいくつか必要になります。なかでも忘れてはならない手続きのひとつが、公的医療保険の種類を切り替えることです。

原則として、会社を辞めて被雇用者ではなくなった場合、会社員が加入する「社保」(社会保険・健康保険)から、個人で加入する「国保」(国民健康保険)へと切り替えなくてはなりません。

ですが、社保から国保への切り替えは必要な書類も多く、慣れない作業ということもあって混乱してしまう人も少なくないでしょう。この記事では、保険労務士の岡佳伸(おか よしのぶ)さん監修のもと、国保切り替えの際に必要な書類や手続きの方法、保険料の金額、切り替え期間の通院など、国保にまつわるギモンについて解説します。

この記事の監修者

画像: 国保切り替え時のギモンを解決! 退職時に知っておきたい必要書類や手続きリスト

岡 佳伸(おか よしのぶ)

社会保険労務士法人 岡佳伸事務所代表。特定社会保険労務士。東京都社会保険労務士会所属。2級キャリアコンサルティング技能士。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。キャリアコンサルタント。消費生活アドバイザー。他資格60種類取得済み。

埼玉労働局職員としてハローワーク窓口業務(就職指導・雇用保険給付業務)の担当をし、現在は開業社会保険労務士として人事制度設計、給与計算、労働社会保険手続、各種労働紛争対応業務、年金請求業務、ファイナンシャルプラニング業務及びキャリアコンサルティング業務を行っている。
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退職する時、なぜ国保切り替えが必要なの?

画像: 画像:iStock.com/ yacobchuk

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社保と国保の違いとは?

まずは、そもそも社保から国保への切り替えがなぜ必要なのかを説明します。大前提として日本では
、安心して誰もが医療を受けられるよう、国民全員が公的医療保険に加入する国民皆保険制度を採用し、医療費負担を軽減しています

公的医療保険には2種類あり、それが「社保」「国保」です。

社保とは、会社員や条件を満たした非正規社員などが加入する保険で、全国健康保険協会や健康保険組合が運営しています。一方の国保は、自営業者や年金受給者などが加入する保険で、市区町村が運営しています。(一部の医師等専門職のために国民健康保険組合が運営していることもあります)

〈図〉社保と国保の仕組み

画像: 社保と国保の違いとは?

▼社保や国保のちがいによって異なる、保険証の種類についてはコチラ

社保から国保への切り替えが必要な人とは?

会社を辞めると社保から脱退することになります。そのため、もし転職先が決まっている人であっても、会社に所属していない期間(ブランク期間)がある場合には、基本的に国保への加入が必要です。

社保から国保への切り替えが求められるのは、転職時だけではありません。個人事業主(フリーランス)になった場合や、定年退職によって社保から脱退した場合も必要になります。

また、新たに個人事業主になった方の家族にも影響が及びます。たとえば会社員時代、社保の扶養に入っていた家族も国保に加入する必要が出てきます。

これは、社保は扶養家族なども含め世帯単位で加入できるのに対し、国保は個人単位での加入になるためです。

〈図〉社保と国保の加入単位の違い

画像: 社保から国保への切り替えが必要な人とは?

〈表〉国保への切り替えが必要になる場合

  • 退職して会社に所属していない期間(ブランク期間)がある場合
  • 独立し、個人事業主(フリーランス)になる場合
  • 扶養に入っていた家族が社保を脱退した場合
  • 社保に加入している家族の扶養から外れる場合

▼フリーランスが知るべき保険の話についてはコチラ

また、パートやアルバイトのようなパートタイム労働者(短時間で働く人)の場合、状況によっては国保への加入が必要です。

じつはパートやアルバイトでも「1日または1週間の労働時間および1カ月の所定労働日数が、通常の労働者(正社員)の4分の3以上」という条件を満たしている場合、会社は社保に加入させることが義務づけられています。

たとえば、正社員の労働条件が「1日8時間労働・週5日勤務」だった場合、その4分の3にあたる「1日6時間以上・週30時間以上」という労働状況にいるケースが挙げられます。この場合、その人がアルバイトやパートとして雇用契約を結んでいたとしても、社保の対象となるため、国保に加入する必要はありません。

また、労働時間がこのような基準を下回る場合も、下記5つの条件をすべて満たす場合は社保の対象となります。

〈表〉パートタイム労働者が社保の対象となる条件

  1. 週の所定労働時間が20時間以上あること
  2. 雇用期間が1年以上見込まれること
  3. 賃金の月額が8.8万円以上(年収106万以上)であること
  4. 学生ではないこと
  5. 常時501人以上の企業(特定適用事業所)に勤めていること

裏を返せば、これらの条件を満たせない場合、社保の対象外になり、国保に加入しなければいけなくなります。

これらの条件は、正社員であっても当てはまる場合があり、社保の対象外になってしまうことがあります。非常に稀ではありますが、育児や介護といった家庭の都合で時短勤務にした場合、可能性はゼロではないでしょう。その際には自分で手続きを行い、国保へと加入しないといけません。時短勤務は原則1日6時間労働なのでほぼ心配はいりませんが、諸事情で労働時間が極端に減った場合は注意が必要です。

必要書類や手続きにはどんなものがある?

画像1: 画像:iStock.com/ west

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国保に切り替える際に混乱しがちなのが、必要な書類や手続きの方法です。それぞれ整理していきましょう。

必要な書類一覧

国保への加入に必要な書類は以下の通りです。

〈表〉国保への切り替えに必要な書類一覧

必要な書類概要・入手方法等
①健康保険資格喪失証明書・社保の資格を喪失し、被保険者ではないことを証明する書類。
・扶養家族を含めた、国保に加入するすべての人の証明書が必要。
(入手方法)
・会社が任意発行する書類のため、基本的には会社に申請が必要。
②離職票や退職証明書など・社保の資格喪失日(退職した日付)がわかる書類。
(入手方法)
・離職票は多くの場合、会社がハローワークに発行を申請し、退職してからおよそ10日〜2週間以内までに退職者の手元に届く。
・退職証明書は会社に申請が必要。
③本人確認書類・運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど。
④個人番号確認書類・マイナンバーカード、個人番号通知カード、個人番号が記載された住民票など。

ただし、必ずしも4つすべての書類が必要とは限りません。用意すべき書類は市区町村によって異なり、①と②に関しては片方のみで手続きできることが少なくありません。また、③だけが必要な場合もあれば、③と④のどちらも求められる場合もあります。必要な書類は市区町村の公式ホームページに記載されているため、自分が住んでいる自治体で必要な書類をあらかじめ確認しておきましょう。

手続きの方法と場所

国保への加入は、基本的には自治体の市役所や区役所の窓口で行います。必要な書類を持参することで、申請の手続きが可能です。多くの場合は土日でも利用できる窓口が用意されており、保険証はその場で発行されます。

ただし、このルールも市町村ごとに異なり、土日の窓口だと当日中に保険証を受け取れなかったり、本人確認書類が写真付きではない場合は郵送での再提出が必要になったりするケースもあります。自治体の公式ホームページを確認するか、電話や窓口で相談するのがおすすめです。

必要書類がない場合

また、離職票や退職証明書が会社からなかなか届かず、必要書類が手元に揃わないケースもあるかもしれません。その場合の対処法についても紹介します。

①年金事務所で書類を発行する

年金事務所の窓口で手続きを行えば、日本年金機構が発行する「健康保険資格喪失確認通知書」を請求できます。特別な書類は必要なく、身分証があれば発行してもらえるため、急ぎの場合でも対応してもらえることが多いでしょう。
健康保険資格喪失証明書、離職票などの代わりとして効力を持っています。

②退職前に加入していた健康保険証のコピーを持参する

また、退職前に加入していた健康保険証のコピーを持参することで、健康保険資格喪失証明書の代用として認められるケースもあります。そのため、退職時には会社から保険証の返却を求められる前に、あらかじめコピーを取っておきましょう

とはいえ、役所が確認したいのは退職したタイミングなので、保険証のコピーだけではそれを裏付けられません。結局は保険証のコピーと併せて、退職日のわかる書類が必要になることが多いです。

また、役所によっては会社に電話をかけて、退職日の確認を取ってくれるケースもあります。その場合は、保険証のコピーと本人確認書類、個人番号確認書類で申請が可能となることがあります。そのため、退職前には会社の担当窓口を確認し、連絡先を控えておくのも有効です。

期限は退職から14日以内! 過ぎてしまったら?

画像: 画像:iStock.com/ Chainarong Prasertthai

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では、国保への切り替え手続きを行う場合、会社を退職してからいつまでに完了したらいいのでしょうか。また、万が一期限を過ぎてしまった場合、何らかのペナルティは発生してしまうのでしょうか。ここでは国保切り替えの期限について解説します。

結論から言うと、国保への切り替え手続きは、退職から14日以内に行うことが法律で定められています。14日を過ぎてからも加入自体はできますが、加入する際には退職の翌日まで遡り、未加入の期間の保険料もまとめて支払わないといけません。なお、遡りが発生するのは最長2年です。

〈図〉14日を過ぎた場合の国保切り替え

画像: 期限は退職から14日以内! 過ぎてしまったら?

たとえば、公的医療保険に1年間加入していない人が、「歯医者に行きたいから国保に加入し、保険証を発行しよう」と思い立った場合、1年分の保険料を支払わないと保険証は発行できないということです。分割払いなど、支払い方法を交渉できるケースもありますが、いずれにしても高額な支払いが発生します。

保険証を持っていない期間に病院を利用する場合、当然ながら医療費は全額自己負担になります。しかしながら、後述で説明するように後から公的医療保険に加入すれば、自己負担した医療費のうち保険適用分の金額は請求することが可能です。ただし、支払いから2年を過ぎた医療費に関しては、請求できないので気をつけましょう。

国保に切り替えた際、保険料の支払いや金額は?

国保に切り替えた場合、その後は定期的に保険料を納付することになります。保険料の計算方法や支払い方法、さらには切り替え期間の二重払いが発生しないかも気になるポイントのひとつでしょう。ここでは支払いにまつわるギモンついて解説します。

国保の保険料はいくら?

画像: 画像:iStock.com/ takasuu

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国保の保険料の計算方法は、市区町村ごとに異なります。基本的には前年度の所得を基準に、年齢などに応じて変動する保険料率をかけて計算する仕組みです。詳しい計算方法は、お住まいの市区町村の公式ホームページに掲載されているので確認しましょう。

例として、東京都江東区の国民健康保険料の計算方法を紹介します。自治体により多少の差はありますが、大まかな計算方法は同じなので、参考としてチェックしてみてください。

・東京都江東区の国民健康保険料の計算方法1)

前述したとおり、国保は個人単位での加入となりますが、支払いは世帯ごとに発生し、請求が世帯主宛てとなるため、保険料も世帯ごとに計算します。その上で、各年度の年間保険料は、世帯の国保加入者全員の下記3つの区分の金額を合算した金額になります。

〈表〉国民健康保険料の区分

  1. 医療分(基礎賦課分)
  2. 支援金分(後期高齢者支援金等分)
  3. 介護分(介護納付金分)

このうち、医療分と支援金分は加入者全員にかかりますが、介護分は40〜64歳の加入者にのみかかるものになるため、世帯構成により保険料に差がでてくる場合もあるでしょう。

また、それぞれの区分ごとに年間所得などを基準とした均等割額と所得割額を計算し、詳細な保険料が決定します。

「均等割額」とは、加入者全員にかかる保険料で、所得に応じて減額される場合があります。「所得割額」とは、前年中の所得に対して計算される保険料です。これらの計算に使われる基準となる保険料率は毎年異なりますが、令和3年度の具体的な保険料率は下記の通りです。

〈表〉東京都江東区の令和3年度国民健康保険料率等

区分均等割額所得割額年間限度額
  1. 医療分
(加入者全員)
加入者数×38,800円加入者全員の年間所得額×7.13%63万円
2.支援金分
(加入者全員)
加入者数×13,200円加入者全員の年間所得額×2.41%19万円
3.介護分
(40~64歳の加入者)
40~64歳の加入者数×17,000円40~64歳の加入者の年間所得額×2.37%17万円

つまり、1.~3.の均等割額と所得割額の合計額が令和3年度の年間保険料額となるわけです。

江東区では、自分で保険料を計算できる試算シートも公開しています。自治体によってはそのような簡単な試算サービスが用意されていることもあるので、一度調べてみると良いでしょう。

また、後述する社保の「任意継続」を検討する場合、国保と任意継続で保険料にどれほどの差が出るのかを比較したい人も多いでしょう。その場合も退職前に各市町村の窓口に相談すれば、金額の目安を教えてもらうことが可能です。

基本的に保険料は上記のように計算されますが、会社の倒産や解雇などにより失業した場合(特定受給資格者)や、病気など正当な理由による退職の場合(特定理由離職者)には、国保の保険料の軽減制度があります。軽減の申請には別途手続きが必要になるので、該当する際には自治体に一度問い合わせをしてみましょう。

保険料の支払い方法は?

画像: 画像:iStock.com/ fizkes

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保険料の支払いは、自治体から自宅に郵送される納付書で行います。納付できる場所としては、各金融機関や郵便局、自治体の窓口、コンビニなどが挙げられます。

ここで気をつけたいのは、納付書は「1年分」「●カ月分」などと記載されたまとめて支払うタイプと、「1カ月分」と記載された毎月支払うタイプの両方が届くことです。どちらかを支払えばOKなので、支払いの重複に注意しましょう。

まとめて支払うよりも毎月の支払いにした方が管理しやすいと思いますが、最終的に発生する保険料は変わらないので、自分に合った支払いタイプを選びましょう。なお、1年分の国保をまとめて支払った場合、仮に1年以内に転職して社保に入ったとしても、過払い分は返金される仕組みです。

また、引き落とし口座を登録する手続きを行えば、口座振替での納付もできます。手続きは窓口のみならず、地域によっては市区町村の公式ホームページから受け付けているケースもあります。

その他、「Yahoo!公金支払い」などのウェブサービスを利用すれば、クレジットカードでの納付も可能です。クレカのポイントを取得したい人や、支払いを先延ばしにするなど臨機応変にコントロールしたい人には重宝するでしょう。

月途中のタイミングでの切り替えは二重払いになる?

画像: 画像:iStock.com/ metamorworks

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「4月5日に退職して4月15日に国保に加入した」など、退職のタイミングが月の途中になる場合、1カ月の間に社保と国保に加入していた期間が同時に存在する状態になります。そのため、「支払いが二重になってしまうのでは?」と懸念する声もあるようです。

しかしながら、この場合でも保険料が二重払いになることはないのでご安心ください。保険料は月割りで計算され、月の途中で加入した場合、保険料はその月から発生する仕組みです。たとえば15日に退職した場合、国保に加入したのは同月からという扱いなので、前の勤務先での保険料は前月分までが対象となります。

ただし、1カ月の間に社保や国保への加入が2回以上あった場合、その分だけ保険料も発生してしまいます。たとえば1日に入社した新入社員が、同月の10日に退職して国保へと切り替えた場合、「1日に社保に加入」し、「10日に国保に加入」となるため支払いは二重になります。さらに月をまたぐことなく新しい会社に転職した場合、保険料は三重になります。会社を早期退社した場合などには注意が必要です。

「任意継続」と比較するとどっちがいい?

画像: 画像:iStock.com/ Yusuke Ide

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社保には「任意継続」という制度もあります。社保は会社で加入しているため、本来なら会社を退職すると加入資格を喪失しますが、この制度を利用すれば国保に切り替えなくても、前職と同じ健康保険を最長2年継続することができるのです。退職後は国保への加入が義務だと考えている人が多いですが、実はその限りではありません。

任意継続で社保に加入をすると、会社と折半だった健康保険が全額自己負担になるので、単純計算で2倍の金額を支払うことになります。ですが、それでも国保より保険料を安く抑えられることがあります。

たとえば、被保険者が単身者ではなく扶養家族がいる場合です。国保は一人ずつに対して保険料が発生する仕組みなので、家族がいればいるほど保険料はかかってしまいます。一方で任意継続を行えば、家族は引き続き扶養に入ることができるので、その分の保険料はかかりません。

〈図〉国保と任意継続の加入の仕組みの違い

画像: 「任意継続」と比較するとどっちがいい?

また、任意継続の保険料は、退職時の標準報酬月額か、その社保の加入者全体の標準報酬月額を平均したものを比べ、低いほうを基準に算出します。つまり、退職時に高所得者だった人の場合、単純に自分の月収から計算した保険料よりも安く抑えられるケースがあるのです。

任意継続の利点は保険料だけではありません。組合にもよりますが、社保は人間ドックが無料になるなど、国保にはないベネフィットを得られるケースも多いです。一方でこのような独自の保障は、前職を退職すると受けられなくなることもあり、組合ごとに異なるルールが設けられています。任意継続にかかる保険料や継続可能な保障は、退職前に確認しておくことが大切です。

なお、任意継続の加入期限は原則として退職日から20日以内です。あくまでも義務ではなく任意での制度のため、期限を過ぎてからの加入は受け付けていません。保険料を納め忘れてしまった場合も、すぐに保険証が失効されてしまうので気をつけましょう。

切り替え期間に病院を利用したい場合はどうする?

画像: 画像:iStock.com/ kokouu

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社保から国保、国保から社保といった切り替えのタイミングでは、自ずと保険証を持っていない期間も発生します。その時に病院を利用したい場合、医療費の精算はどうなるのでしょうか。その仕組みについて解説します。

大前提として、保険証がない期間の医療費は、一旦は全額自己負担で支払わないといけません。しかしながら、その後国保や社保の加入が完了すれば、保険適用が認められ、現役世代であれば負担した医療費の7割が「療養費」として給付されます。(※公的医療保険の自己負担割合以外の金額)

〈図〉保険証がない期間の医療費の支払い

画像: 切り替え期間に病院を利用したい場合はどうする?

国保の場合は自治体の役所、社保の場合はその際に加入した全国健康保険協会または健康保険組合に請求でき、こちらも2年以内まで遡ることが可能です。具体的な手順は加入先によって異なるため、公式ホームページや電話などでご確認ください。申請が正常に受理されれば、療養費が指定した口座に振り込まれます。

また、病院によっては月末までに保険証を持参すれば、その月に全額自己負担した医療費の7割※を窓口で返金してくれる場合があります。ただし、多くの病院は月末に経理処理があるため、翌月以降の対応は難しいことがほとんどです。注意しましょう。(※公的医療保険の自己負担割合以外の金額)

自分で手続きができない場合は?代理や郵送での申請方法

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国保への切り替え手続きを行いたくても、なかには退職後すぐにフリーランスの仕事が始まったり、必要書類を揃えるのに時間がかかったりと、窓口に出向くことが難しい人もいるかもしれません。そのような場合におすすめなのが、代理や郵送による申請です。その方法や必要書類、注意点についても見てきましょう。

代理人が申請する場合

自分の足で役所に赴くのが難しい場合、代理人に切り替え手続きをお願いすることができます。本人でない人が申請を行う場合には、「世帯を共にしている場合」と「世帯を共にしていない場合」で必要な書類が異なるので注意しましょう。

・世帯を共にしている場合
世帯を共にしている人が代理で申請を行う場合には、前述の必要書類に加えて、住民票などの世帯が同じであることがわかる書類と、代理人の身元確認書類が必要になります。住民票の代わりに個人番号がわかる書類でも良い場合もあるため、詳しくはお住まいの自治体に確認しましょう。

・世帯を共にしていない場合
世帯を共にしていない人が代理で申請を行う場合には、前述の必要書類に加えて、切り替える本人からの委任状と、代理人の身元確認書類が必要になります。委任状の書き方については、各市町村の公式ホームページに掲載されている見本を参照しましょう。

〈表〉代理人が国保の切り替え手続きをする場合の必要書類一覧

必要な書類概要や入手方法など
世帯を共にしている場合住民票など・世帯が同じであることがわかる書類。
・個人番号がわかる書類でも良い場合もある。
世帯を共にしていない場合委任状・切り替える本人からの委任状。
・書き方は各市町村の公式ホームページの見本を参照。
共通①健康保険資格喪失証明書・社保の資格を喪失し、被保険者ではないことを証明する書類。
・扶養家族を含めた、国保に加入するすべての人の証明書が必要。
(入手方法)
・会社が任意発行する書類のため、基本的には会社に申請が必要。
②離職票や退職証明書など・社保の資格喪失日(退職した日付)がわかる書類。
(入手方法)
・離職票は多くの場合、会社がハローワークに発行を申請し、退職してからおよそ10日〜2週間以内までに退職者の手元に届く。
・退職証明書は会社に申請が必要。
③本人確認書類・運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど。
④個人番号確認書類・マイナンバーカード、個人番号通知カード、個人番号が記載された住民票など。
⑤代理人の本人確認書類・運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど。

郵送で申請する場合

郵送で申請する場合、前述で紹介した必要書類のコピーと、各市町村の公式ホームページなどでダウンロードできる「国民健康保険適用届(移譲届)」を担当の窓口宛に送付することが必要です。こちらも手続きの期限は原則として14日以内で、封筒の消印は有効となります。

なお、代理と郵送どちらの場合も、保険証は後日、簡易書留や特定記録郵便といった郵送で届きます。本人による申請とは異なり、保険証の受け取りにはタイムラグが発生するので、医療機関をすぐに利用したい場合は気をつけましょう。保険証が届くまでの期間は市区町村にもよりますが、申請から1週間程度であることが一般的です。

併せて年金の切り替えも忘れずに

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国保の切り替えが必要な場合には、併せて年金の切り替えも必要なことがほとんどです。

これは、20歳から60歳までの国民全員が加入することが義務付けられている「国民年金」に加えて、会社員や公務員は「厚生年金」にも加入しているためです。

会社員や公務員は、退職するとその「厚生年金」の加入資格を失います。退職と同月に転職する人は、転職先の企業で再び厚生年金に加入できますが、翌月に転職する人やしばらく再就職しない人、個人で事業を始める人などは、「国民年金」の加入のみにする手続きが必要です。

国民年金のみに切り替える手続きは、退職した日から14日以内に、住民登録している市区町村の自治体の窓口で行います。国保への切り替えを行うタイミングで、併せて手続きをしておきましょう。必要な書類は以下の通りです。

〈表〉国民年金の切り替え時に必要な書類一覧

必要な書類概要
①年金手帳-
②離職票や退職証明書など・社保の資格喪失日(退職した日付)がわかる書類。
・日本年金機構が発行する「健康保険資格喪失確認通知書」でも代用可能。
(入手方法)
・離職票は多くの場合、会社がハローワークに発行を申請し、退職してからおよそ10日〜2週間以内までに退職者の手元に届く。
・退職証明書は会社に申請が必要。
③本人確認書類・運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど。

つまり、国保の切り替えに必要な書類に加えて年金手帳と印鑑を持参すれば、必要な書類は揃うということです。なお、国民年金の保険料の支払い方法は、納付書、口座振替、クレジットカードのいずれかから選べます。口座振替やクレカ払いを希望する場合は、通帳や印鑑、クレジットカードなども持参しておくと手続きもスムーズです。

▼年金保険料について、詳しくはコチラ

▼ねんきん定期便の見方についてはコチラ

国保を脱退したい場合は?

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その他、フリーランスとして活動した後に再就職する場合など、国保から他の社保に切り替えるケースもあります。この際には、国保からの脱退手続きが必要になります。

期限は再就職の日から14日以内で、忘れずに手続きをしないと二重払いが発生してしまいます。その場合も2年以内なら全額返金可能ですが、うっかり忘れないうちに手続きを済ませましょう。

方法は市区町村によって異なりますが、基本的には新しく作った保険証とこれまで使っていた国保の保険証を役所に持参し、返納手続きをするだけで完了です。窓口だけでなく郵送などによる手続きに対応していることもあるので、詳しくは公式ホームページをご確認ください。

「よくわからないから」と後回しはNG!自分や家族のためにも国保への切り替えを

退職時に社保から国保への切り替えを怠ってしまう人は、意外と少なくありません。よくわからないからと後回しにしていると、いざという時に莫大な医療費を自己負担することになったり、最大2年分の保険料を一気に支払わないといけなくなったりと、自分や家族の生活を脅かすことにつながります。自分自身の健康を守れるよう、国保への切り替えをしっかりと済ませておきましょう。

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