時間がない時にも取り入れやすいので、朝の準備前にもおすすめ。また、予防のためにも知っておきたい、むくみのメカニズムの解説もお届けします。
この記事の監修者
寒川あゆみ(そうがわ あゆみ)
美容家、エステサロンprivate salon Laule'a代表。講師、美容WEBライター、広報として活動している。自身が悩んだニキビ肌、体型へのコンプレックスから、美容に興味を持ち、エステティックの道へ進む。「美容をもっと近くに」「美容をもっと楽しく」「なりたい自分になるために」といった情報を発信している。
むくみって何? なぜ起こるの?
顔や足が腫れぼったく見えたり、だるさを感じたりする原因になる「むくみ」。その正体は、皮膚の下に溜まった水分です。身体の中で、水分の排出に何らかの問題が生じた時に起こります。
成人の場合、人間の身体は約60%が水分で構成されており、水分は「血液」や「細胞間液」として血管や細胞を通って身体中に栄養を運びます。この時、身体中の筋肉が、水分を動かすためのポンプの役割を担っています。
水分は食事や飲み物から摂取され、役割を果たすと排出されます。身体が正常な状態では、摂取した水分が身体中を巡って排出されるというサイクルが繰り返され、体内の水分バランスが維持されています。
しかし、何らかの原因で水分の出入りのサイクルに異常が発生することがあります。身体の水分量に影響を及ぼす塩分を摂り過ぎた時や、長時間同じ姿勢でいることでポンプの役割を果たすはずの筋肉が動かない時などです。
このような場合には、水分を排出する機能に影響が出てしまいます。その結果、本来排出されるはずの水分が皮膚の下に溜まり、むくみが生じるというわけです。
〈表〉むくみの原因になりやすいこと
- 立ち仕事
- デスクワーク
- 睡眠不足
- 運動不足
- 筋力の衰え
- 塩分の摂りすぎ
- 食事の栄養バランスの乱れ など
なお、病気が原因でむくみが生じる場合もあるため、むくんだ状態が長く続きすぎたり、むくみの程度が普段と異なると感じたりした場合は医療機関への受診も検討しましょう。
顔のむくみを即効解消。3分でできるマッサージ&テクニック
それでは、顔のむくみの解消方法をご紹介しましょう。顔の筋肉はとても細く、あまり大きく動かすことがないので、筋力が衰えやすいという特徴があります。筋力が衰えると水分が停滞しやすくなり、むくみやすくなります。
そこで、まずは顔の筋肉に刺激を与えてから、溜まった水分を流すようにマッサージしていきましょう。全て通して行っても5分程度なので、朝のメイク前にもおすすめです。
STEP1.ホットタオルで顔全体を温める
まずは、筋肉に刺激を与えるために、ホットタオルで顔全体を温めましょう。筋肉から硬さやこわばりが取り除かれ、柔らかくしなやかな状態に整います。それにより、血液やリンパの循環も良くなり、水分をし排出やすくなります。
フェイスタオルを水で湿らせたら、縦半分、さらにもう縦半分に折ります。くるくると巻いて、電子レンジで約50秒間温めます。
縦半分まで広げて、鼻と口にかぶさらないように1分ほど顔に乗せて温めます。
STEP2.マッサージで顔の水分の流れを改善
次は、マッサージです。顔に溜まった水分を、顔の外に逃がしていくイメージで行いましょう。強い力を入れてしまうと肌を痛めるおそれがあります。手を滑らせる程度の強さでも効果を感じられるはずなので、力を入れすぎないように気を付けましょう。
①マッサージオイルかフェイスクリームを顔全体に塗り広げる
② フェイスラインのマッサージ
③ 頬の側面のマッサージ
④ 奥歯の嚙み合わせ部分のマッサージ
⑤ 耳の下のマッサージ
⑥ 耳周りのマッサージ
⑦ 目元のマッサージ
⑧ 眉~おでこのマッサージ
POINT
⑤、⑥のマッサージはオイルが無くても行えるので、デスクワークの最中に行うのもおすすめです。ここを押して痛みを感じるようなら、リンパ(老廃物や水分を運ぶ管)が詰まっているサイン。痛くなくなるまでゆっくりとマッサージを繰り返しましょう。
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足のむくみを即効解消。5分でできるマッサージ&テクニック
次に、足のむくみの解消方法を解説します。
膝から下の筋肉量が少ないと、水分を押し上げる力が働かず、足がむくみやすくなります。また、立ち仕事やデスクワークで同じ態勢を続けていると、やはり水分が足に停滞しやすくなってしまいます。
足のむくみを簡単に解消するには、お風呂に浸かるのがおすすめ。お風呂の水圧が足の血液やリンパの流れを促進するため、むくみの解消に効果的です。お風呂に入ってから以下のマッサージを行うと、より効果を感じやすいでしょう。
STEP1. ストレッチで、股関節を軽くのばす
まずは、足全体の循環を整えるために、開脚や前屈で股関節周りを軽くのばしておきましょう。こうしたストレッチで股関節周りの筋肉を少しほぐしておくと、STEP2で行うマッサージの効果が高まります。
STEP2. マッサージで足の水分の流れを改善
ストレッチが終わったら、マッサージを行います。何もつけずに行っても問題ありませんが、皮膚が弱い人はマッサージクリームなどを使用して行うと良いでしょう。8つの動きを続けて行うのがベストですが、時間が無い場合は特に気になる部分を重点的に行っても問題ありません。
① 足裏のマッサージ
② ふくらはぎのマッサージ
③ すねのマッサージ
④ふくらはぎの側面のマッサージ
⑤前もものマッサージ
⑥裏もものマッサージ
⑦ももの側面のマッサージ
⑧ 太もも全体のマッサージ
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むくみ解消に使える便利グッズ
セルフマッサージを行う時に準備しておくべきアイテムと、よりしっかりむくみを改善したい時に使える便利グッズをご紹介します。
マッサージオイル・マッサージクリーム
マッサージを行う時、滑りを良くするために使用します。足のマッサージの場合は無くても問題ありませんが、顔の皮膚はデリケートですから、顔のマッサージを行う際には必ず準備しましょう。クリームであれば「マッサージクリーム」、オイルであれば「マッサージオイル」「美容オイル」と表記されているもので、肌に合うものを選べば大丈夫です。
マッサージオイルの中には、血行促進や脂肪燃焼効果を期待できる成分を配合しているものもあります。そういったものでも構いませんが、肌が弱い人の場合は事前に肌荒れしないか確認しておきましょう。食用のオリーブオイルやクレンジングオイルは、肌に負担をかけてしまうので避けた方が無難です。
少量だと滑りにくいので、たっぷり使えるような価格が高すぎないものを選ぶこともポイントです。メイク前にはしっかり拭き取ります。オイルの中には肌に浸透しやすいものもありますが、肌の表面にオイルが残った状態のままマッサージをすることを心がけましょう。
筋膜リリース用ローラー
筋肉は身体中の水分を運ぶポンプの役割を担っています。そんな筋肉をほぐして動かしやすくすることは、むくみの解消にもつながります。そこでおすすめなのが、筋肉のこわばりや張りを効率よく解消できる筋膜リリース用ローラーです。
大きいサイズのものは太ももの裏の大きい筋肉をほぐしやすく、小さいサイズのものはふくらはぎの裏の筋肉をほぐしやすいです。1日10分~20分、継続して使うことで効果を発揮します。
EMS
「Electrical(電気)Muscle(筋肉)Stimulation(刺激)」の頭文字をとったEMSは、その名の通り、電気を筋肉に流し、その刺激で筋肉を強制的に動かす機械です。お腹や太ももなど、大きな筋肉に巻いて使うタイプのEMSや、EMSが搭載されている美顔器などがあります。
継続して使うと筋肉が鍛えられ、むくみにくくなります。特に、顔の筋肉など、普段動かすことが少ない部分に使うと効果的です。どんな製品でも基本的な機能は変わらないので、気になる部位に応じて使いましょう。
着圧ソックス・血流促進ソックス(タイツ)
足を圧迫して血液の循環を促すタイプのソックス(タイツ)や、遠赤外線を発する繊維を編み込んで血流を促すタイプのソックス(タイツ)なども、足のむくみ改善に効果的です。
プラスアルファで、骨盤サポート機能のあるタイツ型のものはさらにおすすめです。骨盤が歪んでいたり姿勢が悪かったりすると、水分の流れが停滞しやすくなります。そのため、骨盤や姿勢を正しい位置に矯正してくれるものだと、より高いむくみ改善効果が期待できます。
正しいケアで、むくみ知らずの身体へ
むくみは正しい方法で、きちんとケアすることで解消できます。わずかな時間でも、今回ご紹介したような即効性のあるセルフマッサージを行うことで、すぐに効果を実感できるはず。
さらに、実はダイエットの観点からも、むくみの解消は重要です。むくみは身体の中に余計な水分や老廃物を抱えている状態。体重を減らすためには、脂肪を落とす前にそれらの余計なものを取り除くことが必要なのです。
むくみケアは健康や美に近づくための第一歩でもあります。ぜひ毎日コツコツとケアを続けて、むくみと縁遠い自分に変えていきましょう。
この記事の著者
末吉 陽子
1985年生まれ。広告制作会社で営業・制作ディレクターを経験後、編集者・ライターとして独立。インタビューをメインにビジネスからカルチャーまで幅広いジャンルの記事を担当。現在、iDeCoとつみたてNISAをコツコツ運用中。
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