突然の入院で何を準備すべきかわからない! という人は少なくありません。特に初めて入院生活を送る人やその家族は「絶対に必要なもの」「あると便利なもの」「持っていかなくて良いもの」を区別することも難しいですよね。いざという時に慌てないために、元看護師のアルノ章子さん監修のもと、性別や入院理由、そして入院期間別に用意すべきものをまとめて紹介します。

入院する時の持ちものを選ぶポイント

画像: 画像:iStock.com/x-reflexnaja

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まず読者の皆さんに知っておいてほしいのは、病院ごとに「入院時の持ちものリスト」は違うということです。また、入院予定期間や入院理由、性別によっても準備すべきアイテムは変わってきます。

そのため、入院が決まっても慌ててすぐに荷造りを始めず、まずは病院側にどのような持ちものが必要かを確認しましょう。

病院によっては持込み制限があったり、入院生活に必要なものが販売されていることもあるので確認が必要です。また、院内で病衣を貸し出す病院も増えています。もし借りたい場合は問い合わせましょう。

家族が面会に来るようであれば後から持ってきてもらうこともできますが、コロナ禍のような状況では気軽に「●●を持ってきて!」とお願いすることもできません。入院前に万全の準備をしておく、という気持ちで、入院時は持ち物チェックリストを作成し、漏れのないよう備えておくと安心です。

入院する時の「基本の持ちものチェックリスト」

画像: 画像:iStock.com/AndreyPopov

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どんな理由でどのくらい入院するかで違いはあるものの、入院時の持ちものには“絶対必要な”共通のアイテムがあります。誰もが用意すべき「基本の持ちものチェックリスト」を作成したので、まずはこのリストを参考に、持ちものを準備していきましょう。

なお、これらが必要になる理由は、後ほど解説します。

(1)入院時の手続きで必要なもの

□健康保険証□診察券
□印鑑□筆記用具
□現金-

(2)体調管理に必要なもの

□処方薬□お薬手帳

(3)身支度に必要なもの

□パジャマ□下着、靴下
□スリッパ□タオル(バスタオル、フェイスタオル)
□入浴用品(石鹸、シャンプー、リンス)□洗面用品(歯ブラシ、歯磨き粉、コップなど)
□ティッシュ類□スキンケア用品、リップクリーム

(4)そのほか

□ファイル、メモ帳□ビニール袋
□割り箸、スプーン□湯呑み(マグカップ)
□スマートフォン・携帯電話(充電器含む)□イヤホン
□娯楽品(本、雑誌、ラジオなど)□サブバッグ

絶対に必要な「基本の持ちもの」を詳しく解説!

画像: 画像:iStock.com/FreshSplash

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ここでは入院時に必要な「基本の持ちもの」について、ひとつひとつのアイテムについて、なぜ必要なのか、どんな特徴のものを用意すべきかを説明していきます。

(1)入院の手続きで必要なもの

画像: 画像:iStock.com/west

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① 保険証、診察券、印鑑、筆記用具

これらは入院手続きを行うために必ず必要になる持ちものです。筆記用具は病院でも借りられると思いますが、入院中は同意書や誓約書など何かと記入する機会が多いので用意しておくと安心です。

現金

病院は不特定多数の方が出入りする場所です。盗難などの恐れもあるので、現金は多めに持っていかないほうが安心でしょう。ただし、病院によってはテレビやコインランドリー、冷蔵庫の使用を1枚1,000円前後のプリペイドカードで対応するところが増えています。こういったサービスを頻繁に使用する場合、すぐに現金がなくなってしまうこともあるので注意しましょう。不安であればスマホ決済などを使うのも便利です。

(2) 体調管理に必要なもの

画像: 画像:iStock.com/laymul

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・処方薬、お薬手帳

処方されているお薬と、その履歴がわかるお薬手帳は大事な情報です。誤った情報を病院側に伝えないためにも、忘れず持っていきましょう。

(3)身支度に必要なもの

画像: 画像:iStock.com/Denisfilm

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① パジャマ

入院時はほとんどの時間をパジャマで過ごすことになります。動きやすく着心地のいいパジャマを持っていきましょう。

② 下着、靴下

病院によってはコインランドリーなどで洗濯することもできますが有料です。基本的には入院日数分が必要になります。ゆったりした締め付けの少ないものを用意しましょう。

③ スリッパ

リハビリ時にも履いていくスリッパは、転倒防止のため、かかとがあるものを指定されることが最近は増えています。普通のスリッパでも問題ないのですが、着脱が簡単で、深く履けるものだと医療者側も安心です。そのまま売店やコンビニにも行けるクロックスタイプが一番おすすめです。

④ タオル(バスタオル、フェイスタオル)

顔を拭く、体を拭く、ベッドや枕に敷いて使うなど様々な用途があるタオルは最低でも2、3枚は持っていきましょう。かさばるバスタオルは最低限でも問題ありません。

⑤ 入浴用品(石鹸、シャンプー、リンス)

入浴時に使用します。大きなボトルで用意するとかさばるので、できるだけコンパクトなものにしましょう。

⑥ 洗面用品(歯ブラシ、歯磨き粉、コップ、ヘアブラシなど)

入院時の身だしなみを清潔に保てるよう、最低限の洗面用品が必要です。

⑦ ティッシュ類(ボックスティッシュ、ウエットティッシュ、除菌シートなど)

口を拭いたり、汚れを拭いたりと何かと必要なティッシュ類も1つ持っていくと便利です。

⑧ スキンケア用品、リップクリーム

院内では乾燥が気になる場合もあるので、保湿のためのクリームや化粧水、リップクリームがあると安心です。

(4) そのほか

画像: 画像:iStock.com/Ja'Crispy

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①ファイル、メモ帳

入院中は渡される書類が多いので、1つにまとめられるようなファイルを準備しておきましょう。また、メモ帳は「トイレに行く」「コンビニへ行く」など、看護師さんに伝言がある際、サイドテーブルにメッセージを貼っておけるので付箋タイプのものがおすすめです。

②ビニール袋

汚れた衣服や細々としたものを入れるために意外と使う場面が多いのがビニール袋です。かさばらないので、多めに用意しておきましょう。

③ 割り箸、スプーン、湯呑み(マグカップ)

病院側で用意されていることがほとんどですが、マイ箸や割り箸などを持参しておくと、おやつや差し入れを食べる際にも使えます。使い捨てのものであれば衛生的にも安心です。

④ スマートフォン・携帯電話(充電器含む)

家族や友人と連絡を取るためには絶対必要ですよね。最近は院内でのスマートフォンや携帯電話の使用OKという病院も増えています。動画や音楽、ゲームなども楽しめるので娯楽にも困りません。充電器を忘れてしまう人が多いので必ずチェックしてください。ただし、スマートフォンや携帯電話の使用に関しては、病院ごとにルールが異なるので事前に確認が必要です。

⑤娯楽品(本、雑誌、ラジオなど)、イヤホン

入院生活では時間を持て余してしまう人がほとんどです。ずっと病院で過ごしていると気持ちも落ち込むので、本や雑誌、ゲームなどで気持ちをリフレッシュしましょう。中には参考書など勉強用のテキストや問題集を持ち込む人もいます。ラジオやテレビを使う際は迷惑にならないよう、イヤホンを用意するのを忘れずに。

⑥サブバッグ

売店や休憩室、コインランドリーに行くなど、院内を移動する際に持ち歩ける小さめのバッグがあると便利です。入院期間が長引くほど必要になります。

【入院日数別】「必要なもの」と「あると便利なもの」

基本の持ちもの以外に、「1週間程度」「2週間程度」「1カ月以上」の入院では、さらに必要なものも増えていきます。それぞれどんなアイテムを用意すべきか、代表的なものを挙げました。なお、「1週間程度」で必要なアイテムは「2週間」「1カ月」の入院でもあると便利です。長期入院を予定している方は、「1週間程度」の項目も読み飛ばさず、順番に読み進めてください。

(1)1週間程度の入院の場合

画像: 画像:iStock.com/Kwangmoozaa

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1週間程度の入院の場合、基本の持ちものに加えて、入院生活を快適に過ごせるようなアイテムを準備しましょう。

【必要なもの】
① パジャマの上から羽織るもの、うちわ

自由に部屋の温度が調整できない大部屋などは、暑がりや寒がりの人にとって温度調節が難しい場所です。短い期間であれば大丈夫でも、長期滞在になれば気になるものです。数日程度ならパジャマだけでも問題ないですが、1週間以上の滞在ではカーディガンやうちわなど、手軽に体温調整ができるアイテムが必要です。

② カレンダー、時計

1週間も病院にいると徐々に曜日感覚が失われていくのでカレンダーを持っていきましょう。また、時間によってスケジュールがきっちり決まっている入院生活では、置き時計も準備するとよいでしょう。

【あると便利なもの】
① S字フック

S字フックは入院生活が快適になる、意外な便利アイテムです。ベッド横などに荷物が溜まりがちですが、テーブルやベッドフレームにカレンダー、サブバッグ、イヤホンなどをかけて管理すると、利便性が上がります。

② 洗濯用の洗剤

入院日数分の下着を持っていけるのであれば問題ありませんが、食事をこぼしたり、検尿での失敗があったりした時には着替えが足りなくなることもあります。コインランドリーが院内にあれば、ミニ洗剤を持ち込むと便利です。

(2)2週間程度の入院の場合

画像: 画像:iStock.com/Ivan-balvan

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2週間程度の入院では、荷物も増えることになるため、収納の方法を考えた方がいいでしょう。また、使用頻度がそこまで高くない日常生活品も使う機会が出てきます。なお、2週間程度の入院になると、使用するものすべてを一度に持ち込むのは難しくなります。院内販売を利用したり、家族に消耗品や衣服の追加をお願いすることも視野に入れて、持ちものを準備しましょう。

【必要なもの】
① キャリーバッグなど

病院へ荷物を持ち込む時や、病室が変更になった時などは荷物がかさばって大変です。入院の際はキャリーバッグに持ちものを詰め込んで持っていくと動きやすいです。

② 爪切り

2週間以上の滞在なら身だしなみと衛生面の両面を考えて、爪切りは用意しておきましょう。

【あると便利なもの】
① PC、タブレット、ポケットWi-Fi

PCやタブレットを持ち込む人も増えています。病院はネット環境が整っていない場合もあるので、快適に作業するためにはポケットWi-Fiを持ち込んでもいいでしょう。ただし、通信環境については病院の規定があるため、問い合わせるようにしましょう。

② ハサミ

薬やお菓子の封を開けるなど意外に出番が多いのが、ハサミです。数日であればその都度病院で借りればいいですが、長く滞在する場合は借りる手間を省くために持っていきましょう。

(3)1カ月程度の入院の場合

画像: 画像:iStock.com/evgenyatamanenko

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1カ月以上の長期入院になると、いつもの生活ができないストレスが溜まってくるため、リフレッシュできるアイテムが必須です。経験上、食べ物や飲み物にこだわる人が増えてくるようなので、お気に入りの品を持ち込むようにしましょう。

【あると便利なもの】
① お菓子

お気に入りのチョコレートやグミなど、食べる楽しみがあると病院生活の寂しさも紛れます。小分けタイプのお菓子を患者さん同士で交換するなど、コミュニケーションのきっかけになることもあります。

② ドリップコーヒー、ティーバッグ

飲み物は院内の自販機で買える場合がほとんどですが、長期の入院となると、飲み物にもバリエーションが欲しくなってきます。ドリップコーヒーやお気に入りのフレーバーを楽しめるティーバッグなど、お気に入りのものを用意すると心がホッとします。

【性別・年齢別】「必要なもの」と「あると便利なもの」

男性、女性、高齢者、子どもなど、入院する人は様々です。そして、性別、年齢別に持っていくべきアイテムは少しずつ異なります。先ほど紹介した「基本の持ちもの」「入院日数別の持ちもの」に加えて準備できると安心です。

(1)女性の場合

画像: 画像:iStock.com/Tirachard

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【必要なもの】
・生理用品(ナプキン、タンポンなど)

入院期間が予定より長引いてしまうこともあります。生理期間に入ってもかまわないように生理用品はあると安心です。怪我などで頻繁にトイレに立てないこともあるため、入院中だけはタンポンを使用するという方もいます。

【あると便利なもの】
・化粧品、手鏡、シュシュなど

必須ではありませんが、入院生活でも身だしなみを整えると気持ちをリフレッシュできます。

(2)男性の場合

画像: 画像:iStock.com/JGalione

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【必要なもの】
・髭剃り

滞在期間にもよりますが、衛生的に清潔さを保つためにも忘れないようにしましょう。

(3)高齢者の場合

画像: 画像:iStock.com/Nikada

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【必要なもの】
・入れ歯と洗浄剤

洗浄剤を忘れてしまいがちなので、必ず用意しましょう。

・高齢者用のオムツ

病院によって指定のものが用意・販売されている場合もあります。ケアに必須なものなので必ず確認しましょう。

【あると便利なもの】
・マジックハンド(孫の手)

疾病によってはベッドから思うように動けない場合もあります。マジックハンドや孫の手は、患者さん本人がちょっと離れたものを取る際に便利です。

(4)子どもの場合

画像: 画像:iStock.com/ davidf

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【あると便利なもの】
・おもちゃ

入院が長期になればなるほど、飽きないものを用意するのは難しくなります。ゲームやタブレット、小さいお子さんなら好きな絵本など子供が長く楽しめるものを準備しましょう。

【入院理由別】「必要なもの」と「あると便利なもの」

ここでは、入院理由によって準備するアイテムが大きく変わる「出産入院」「がん入院」の場合の必要なものと、あると便利な持ちものを紹介します。

(1)出産入院の場合

画像: 画像:iStock.com/ Satoshi-K

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出産入院の場合、予定日の1カ月前を目処に入院セットの準備をすることがほとんどです。必要なものが多いので、漏れのないように注意しましょう。

【必要なもの】
① 母子手帳

出産にあたっては、入院時の「基本の持ちもの」に加えて母子手帳は必須です。

② 産褥ショーツ、産褥パッド、生理用ナプキン

出産後に悪露(おろ)が出てくる場合があるので漏れるのを防ぐアイテムが必要になります。大きめの生理用ナプキンもいくつか用意しておくと安心です。

③ 母乳パッド

母乳の漏れを防ぐために用意します。

④ マタニティパジャマ、授乳用インナー

パジャマは体を締め付けない前開きのゆったりしたものにしましょう。授乳用のブラジャーやキャミソールは出産後の授乳時に必要になります。

⑤ 退院時の赤ちゃんの洋服(短肌着、長肌着、おくるみなど)

退院時のためのものなので1セットあれば大丈夫です。生まれ月によって微妙に異なるので確認してください。

【あると便利なもの】
① ペットボトル用ストロー
② うちわ、モバイルファン
③ テニスボール

これらは「持ってきてよかった!」という人が多いアイテムです。お産が長時間にわたる場合、スムーズに水分補給を行うためにもストローはできるだけ用意しましょう。夏の出産であれば体温調整ができるうちわやモバイルファン、また陣痛の痛みを和らげるためにテニスボールで腰やお尻を押すと痛みが引いたという人もいます。

(2)がんによる入院の場合

画像: 画像:iStock.com/gorodenkoff

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「がんによる入院」では、抗がん剤や放射線治療などの治療方法によって必要なものが変わってきます。また、がんの種類によっても変わるので、あくまで目安程度に考えてください。詳しい持ちものは病院に確認しましょう。

【必要なもの】
① バスタオル

ベッドに敷いて抜けた髪がシーツにつかないようにしたり、大量の汗をかくため、その汗を吸収するためにもバスタオルは多めに持っていくと安心です。リハビリが必要な場合などには、お風呂介助時に使うのでバスタオルは必須です。

② 高額療養費制度や保険に関する書類

高額療養費制度は、保険診療の対象となる医療費について自己負担を一定の金額に抑えることができる制度です。医療費の補助やがん保険の給付が受けられるとわかっている場合はそれに準じた「認定証」や書類が必要です。ただし、入院中でも対応できるので、事前に病院や保険会社に確認しましょう。

③ ゆったりした前開きの服

肌が敏感になるので肌に優しい素材を使用したパジャマを使用しましょう。綿100%ではなくてもいいので、できるだけコットンの割合の高いものだと長い入院生活を快適に過ごせるでしょう。

【あると便利なもの】
・ケア帽子

すぐには必要ありませんが、抗がん剤を使用すると約2週間後に頭髪が抜け始めるので、それまでに用意しておくといいでしょう。なお、医療用かつらは病院にかつらメーカーが来て試着、購入などもできるので、すでに持っている場合を除いて、事前に準備しなくても大丈夫です。

最後に

まずは、病院が指定するものをしっかり確認して、不安があればすぐ相談しましょう。状況によっては家族に持ってきてもらうことが叶わない場合もありますので、漏れがないようにチェックリストを作成して、冷静に準備することが大切です。

この記事の監修者

アルノ章子

英国在住、元看護師のブロガー。整形外科、心臓外科、リハビリ科にて勤務し、数多くの入退院支援に携わる。白血病を患った妹のドナーになった体験をきっかけに、ブログ「ビューティフル・デイズ」を運営している。
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