20代の不安定な時期に年金保険料の未納期間(免除期間)があった——そう気づいた時、「今からでも払えないだろうか」と思う方は少なくありません。制度上どんな選択肢があるのか、元吉ライフパートナーが回答します。

ご相談者:Aさん

35歳・正社員・男性。20代はフリーランスや転職の繰り返しで数年間の年金保険料の未納期間(免除期間)がある。今は生活が安定したが、将来の年金が心配になってきた

今回、相談に答えたライフパートナー

画像1: 国民年金の10年以上前の未納分(免除分)を払いたいのですが、方法はありますか?

元吉 文香

東京海上日動あんしん生命保険、広島支社所属。AFP(日本FP協会認定)。前職は外資系製薬会社の営業職(MR)として勤務。「健康であることの大切さをより多くの人に届けたい」という思いと、長く現役で働けるキャリアを求めて転職。2020年11月入社、現在6年目。子育てをしながら働く女性ライフパートナーとして、働く女性や家族のライフプラン相談を多数担当している。

22〜23歳の頃に免除申請した期間を、今から追納することはできますか?

画像2: 国民年金の10年以上前の未納分(免除分)を払いたいのですが、方法はありますか?

相談者(Aさん):
22~23歳の頃、フリーランスや転職の時期が重なり、収入が少なく年金保険料の免除申請をしていた時期があります。その期間がすでに10年以上前になってしまいました。今は会社員として落ち着いたのですが、このまま放っておくと老後の年金が少なくなると聞いて心配です。今から遡って払えますか?

画像3: 国民年金の10年以上前の未納分(免除分)を払いたいのですが、方法はありますか?

元吉LP:
20代の頃、収入が不安定で年金保険料の免除申請をしていた時期があり、落ち着いてきてから「あの期間を追納したい」とおっしゃる方は少なくありません。Aさんのように、将来の年金額が心配になって調べてみた、というのはとても大切な気づきだと思います。

追納制度は、免除や猶予の承認を受けた期間に限って適用される制度で、承認を受けた月の翌月から10年以内が期限です。Aさんの場合、免除期間からすでに10年以上が経過しているため、残念ながら追納することはできません

残念ながら過去には戻れませんが、「今からできること」はいくつかあります。現在の働き方によって選択肢が変わるので、整理しておきましょう。

現在、Aさんは会社員(第2号被保険者)なので、iDeCo(個人型確定拠出年金)や個人年金保険などの私的な年金制度を活用して、老後の備えを上乗せしていく方法があります。

もしAさんが現在も、自営業やフリーランスなど第1号被保険者だった場合は、「付加年金」への加入を検討する方法があります。月400円の掛金を上乗せすると、受け取る年金を毎年「200円×付加保険料を納めた月数分」増やすことができます。未納の穴を完全に埋めることはできませんが、これから納める分を手厚くする選択肢のひとつです。

また、「繰下げ受給」という考え方もあります。年金は65歳から受け取るのが基本ですが、受け取りを遅らせることで月額を増やすことができます。1カ月繰下げるごとに0.7%増額されるため、70歳まで繰下げると42%、75歳まで繰下げると84%の増額になります。未納期間(免除期間)がある分を「受け取り始めを遅らせることで取り戻す」という考え方も、現実的な選択肢になります。

なお、「追納期限には間に合う」という方——つまり未納から10年以内であれば、積極的に払うことをおすすめします。追納すると受給額が増えるだけでなく、払った金額が社会保険料控除として所得控除の対象にもなるからです。

ライフパートナーからのワンポイントアドバイス

Aさんのように「過去の免除期間が気になり始めた」という方は、まず「ねんきん定期便」を確認することをおすすめします。毎年誕生月に届くハガキや封書で、これまでの加入期間と見込みの受給額が確認できます。ところが、実際にご相談に来られる方の多くが「通知はもらっているけど、どこを見ればよいのかわからない」とおっしゃいます。

そこで私がまずおすすめしているのが、ご自身の年金の受給見込み額を確認することです。過去の免除期間は確かにマイナスですが、それよりも「今の自分はどれくらいもらえる見込みなのか」を把握することの方が、つぎの一手につながるからです。現状を把握したうえで、iDeCoや個人年金保険など、今から積み上げられる選択肢を検討していくとよいでしょう。「もう遅い」と感じている方ほど、まずは現状の確認からはじめてみましょう。

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