「水道代を効率よく節約できる方法はないかな?」
と思ったことのある人はいませんか? ひとり暮らしと比較すると、ふたり暮らしの水道代は高くなるため、負担に感じる人も少なくないでしょう。
そこでこの記事では、節約アドバイザー・和田由貴さん監修のもと、ふたり暮らしの水道代の平均について、全国と地域別でご紹介。さらに水道代に影響が出やすい生活シーンとすぐにできる節約方法についても解説します。
ぜひこの記事を読むことをきっかけに、水の使い方を見直し、節約の参考にしてみてください。
※この記事では、「上下水道料金」を「水道代」と表現しています。
この記事の監修者
和田 由貴(わだ ゆうき)
節約アドバイザー・消費生活アドバイザー・家電製品アドバイザー・食生活アドバイザーなど、幅広く暮らしや家事の専門家として多方面で活動。「節約は、無理をしないで楽しく!」をモットーに、耐える節約ではなく快適と節約を両立したスマートで賢い節約生活を提唱している。
全国:ふたり暮らしの水道代の平均は4,344円/月
総務省の「家計調査」によると、ふたり暮らしの1カ月の水道代の平均は4,344円1)、年間では5万2,128円となります。
ひとり暮らしの水道代が平均月2,248円(年間2万6,976円)ですから、倍増していることがわかります。
ただ、水道代は地域によって大きく差があるため、ご自身の家庭の水道代と比較する時は注意が必要です。
水道代は、使用量にかかわらず毎月発生する「基本料金」と、使用した水量に応じて課金される「従量料金」で構成されるのですが、基本料金は住む地域によって大きく異なります。
地域別の水道代の平均をつぎの項目でご紹介します。お住まいの地域に近いデータをチェックしてみましょう。
地域別:ふたり以上の世帯の水道代の平均は?
ここでは北海道から沖縄まで、それぞれの地域別のデータをご紹介します。ただし、ふたり暮らしのみの地域別データはないため、世帯人数がふたり以上の世帯に関して、地域別の水道代の平均を見てみましょう2)。
〈表〉地方別:ふたり以上世帯の水道代
地域 | 1カ月あたりの水道代の平均額 | 1年間の水道代の平均※ |
---|---|---|
北海道 | 5,557円 | 6万6,684円 |
東北 | 6,234円 | 7万4,808円 |
関東 | 5,514円 | 6万6,168円 |
北陸 | 6,282円 | 7万5,384円 |
東海 | 4,967円 | 5万9,604円 |
近畿 | 5,266円 | 6万3,192円 |
中国 | 5,579円 | 6万6,948円 |
四国 | 4,559円 | 5万4,708円 |
九州 | 5,111円 | 6万1,332円 |
沖縄 | 4,470円 | 5万3,640円 |
最も高いのは北陸地方で6,282円、最も低いのは沖縄地方で4,470円。約1,800円の差があります。
じつは、水道代は地域の水質や地形、人口密度などの違いによって配水にかかる料金が異なります。たとえば住居が少ない地域は水道代が増える傾向にあるのです。また、同じ住居数でも水源がある地域は料金が比較的安くなる傾向があります3)。
このデータには、ふたり暮らし以外に、3人、4人以上の世帯も含まれているので、金額自体はやや高めになっていると考えられます。ただし、地域別の金額差は参考として見ることができるでしょう。
水道代の内訳や料金の問い合わせなど、さらに細かい情報を知りたい場合はお住まいの地域の水道局のウェブサイトなどで確認できます。気になる人はぜひ調べてみましょう。
なお、ひとり暮らしを含めた水道代の平均について、以下の記事でご紹介しています。興味のある人は併せてチェックしてみてください。
ふたり暮らしで効果的な水道代の節約方法とは?
ふたり暮らしの場合、水道代はどのように節約するのが効果的なのでしょうか? そのためにはまず、どのようなシーンで水道代がかかりがちなのかを確認しましょう。
東京都水道局の調査によると、家庭での水道使用量の割合は、以下のとおりです4)。
〈図〉家庭での水道使用量の割合
4割が「お風呂」、続いて「トイレ」「炊事」「洗濯」となっています。こちらはあくまでも一般家庭全般のデータですが、ふたり暮らしでも使用量の割合自体はそこまで変わらないでしょう。
そのため、最も使用量の多い「お風呂」の節約が最も効果が高くなります。お風呂での具体的な節約方法について、ご紹介していきます。
参考資料
ふたり暮らしにおける「お風呂」シーンの節約方法
ふたり暮らしのお風呂にかかる水道代はいくら?
ひとり暮らしの時はシャワー派だった人でも、結婚や同棲でふたり暮らしになったのをきっかけに湯船にお湯を張って入るようになった、ということもあるでしょう。
これは、ふたりで湯船に入るならシャワーよりも水を節約できる、と考えた結果だと思われます。しかし、本当にシャワーよりも湯船に入るほうが節約できるのでしょうか?
湯船に入る入浴スタイルと、シャワーのみのスタイルで、どれくらい水道代がかかるのかをまずは確認してみましょう。
●毎日、湯船に入る場合
一般的な浴槽のサイズは容量約200Lといわれています。例として、東京23区の水道基本料金で30日間毎日、浴槽にお湯を溜めてお風呂に入った場合の水道代を算出してみると5)、総水量は6,000L、水道代は約1,900円/月です。湯船に入るのに加え、洗髪などでシャワーを使うと、水道代はさらに上がることになります。
もちろん、この金額はひとりでもふたりでも入浴する人数によって変わりませんので、ふたりのほうがコスパはよくなると考えられるでしょう。
●毎日、シャワーのみの場合
一方、湯船にお湯は溜めずに、シャワーのみの場合はどうでしょうか。シャワーを最大の水量で流し続けると、1分間で約12L4)、約16分間で浴槽1杯分(約192L)の量になります。
つまり、ふたり暮らしの場合、ふたり合計のシャワー時間が16分未満にならないと、シャワーのほうがコスト効率が悪くなってしまうといえます。
なお、仮にお湯を出す時間をふたり合計で10分間にした場合、使用量は1日約120L、月間の総水量は3,600L、水道代は約1,140円/月となります。ただ、ひとり5分間でシャワーを終わらせるとなると、やや物足りないのは否めないでしょう。
お風呂でできる節約方法の具体例
では、ふたり暮らしの場合、お風呂でできる節約方法とは何でしょうか? 主に3つ挙げられます。
①入浴スタイルを見直す
まずは、自分たちの入浴スタイルを見直しましょう。シャワーが好きな人もいると思いますが、ふたりのシャワー時間の合計が16分間を超えるようであれば、湯船にお湯を張り、そのお湯を使って体を洗ったりしたほうが、節約になります。
また、意識すれば、シャワー時間が短くできるという場合には、シャワーのままにしつつ、入浴時間を多少短くすることも方法のひとつでしょう。
②小まめに水を止める
つぎに、特にシャワー派の人に気をつけてもらいたいのが、小まめに水を止めることです。シャワーや蛇口を最大に開いたまま水を流しっぱなしにすると、前述のとおり、1分間で約12Lの水が流れてしまいます。
髪や体、顔を洗う途中は、わずかな間でも水を止める、流しっぱなしにしない、と心がけるだけで簡単に節水することができます。
③シャワーヘッドを付け替える
シャワーヘッドを付け替えることも節約につながります。穴の数が少ない節水用のシャワーヘッドに変えるだけでも、通常のシャワーヘッドと比べて水道代を抑えることができます。
交換するシャワーヘッドを選ぶポイントは、水圧を高くできるものを選ぶことです。穴が少なくても、水圧が高ければより少ない水の量で髪や体を洗い流せるようになります。
なお、水道代が高くなる原因や節約方法については、以下の記事でもご紹介しています。興味のある人は併せてチェックしてみてください。
【関連記事】なぜ水道代が高くなるの? 7つの原因とすぐにできる節水方法はコチラ
【関連記事】1年間で1.5万円減も! プロが教える水道代の節約テクニックはコチラ
正しい知識を身につけ、できることから節約を始めよう
ふたり暮らしで、水道代が気になった場合、まずはこの記事でご紹介した平均額と比較してみましょう。地域差はありますが、参考になるはずです。また、その上で節約する場合には、使用量の多いお風呂から見直してみましょう。