そこで本記事では、YouTubeで稼ぐために必要な知識や動画投稿のポイントを解説。YouTubeの収益化のしくみや広告の種類、収益を上げるための方法まで幅広くご紹介します。
※この記事は、2022年8月16日に更新しています。
※各YouTubeアカウントの登録者数は2022年8月16日現在の数字です。
この記事の監修者
大井 あゆみ(おおい あゆみ)
エディット合同会社代表。「立川経済新聞」「シンガポール経済新聞」ほか、ウェブメディアの編集長を歴任後、現在はメディア立ち上げ支援やウェブメディアコンサルティングのほか、SNS・YouTubeチャンネル運営改善なども手がける。
この記事を書いた著者
山本 杏奈(やまもと あんな)
ライター。高知県生まれ、東京都在住。2016年、金融機関に入社。本店営業部勤務を経て、独立。現在は「働く女性」や「共働き世帯」をターゲットにしたマネー記事をはじめ、児童向け書籍やライフスタイル誌などで多数執筆している。
YouTubeは「見るもの」だけでなく「稼ぐ手段」に
「令和3年版 情報通信白書」1)によると、2000年以降徐々に減少を始めたテレビ視聴時間と反比例するように、インターネットの利用時間は大幅に増加しています。中でも若年層におけるテレビ離れが顕著になる一方で、動画配信サービスの勢いは年々加速しています。
そんな動画配信サービスの中でも、国民の過半数が毎月利用しているとされるYouTubeは、情報収集や娯楽のメインコンテンツとして多く利用されています。特に、コロナ禍以降、在宅時間を楽しむエンターテインメントとして、YouTubeの視聴は習慣化し、定着しつつあります。2)
多くの人が「見て楽しむためのもの」だと思っているYouTubeですが、近年は「稼ぐ手段」のひとつにもなっており、収益化を目的としてYouTubeへ動画投稿を始める人も少なくありません。挑戦しやすい副業として人気を集めています。
動画投稿者は、YouTube内の機能を使って、投稿した動画に広告を組み込むことができます。これはテレビ番組の放送中に流れるCMと同じようなしくみです。
テレビCMの場合は、テレビ局が番組の途中などに広告を流すことで広告収入を得ますが、YouTubeの場合は、チャンネルを運営する個人が広告を流す役割を担っているため、個人で広告収入を得ることができるのです。
インターネットサービスを利用して副業をする方法には、YouTubeのほかにもインスタグラムやアフィリエイトがあります。気になる人はぜひ、下記の記事をチェックしてみてください。
動画広告の市場規模
では、YouTubeを含めた動画広告の市場規模は一体どれくらいなのでしょうか。2022年1月に発表されたサイバーエージェントの報告3)によると、2020年から2021年にかけて飛躍的に市場規模が拡大し、2022年には5,497億、2023年には7,095億円に達すると予測されています。
〈図〉動画広告市場規模の推定
今後、通信規格「5G」の普及とともに通信速度の高速化が進むことで、スマホなどからより動画を視聴しやすくなります。このことから、YouTubeもさらに視聴者数が増加することが予測できます。
YouTubeを収益化する基本のしくみ
広告収入のしくみと広告フォーマットの種類
〈図〉YouTubeの広告収入のしくみ
YouTubeの市場規模について理解を深めたところで、つぎにYouTubeで収益を得る基本的なしくみをご紹介します。
前述したように、YouTube動画には、視聴前後や視聴中に広告が表示されたり、動画上にバナーが表示されたりする場合があります。この広告再生によって得られる広告収入が、動画投稿者の基本的な収益源です。
YouTubeで自社製品やサービスをPRしたい広告主は、YouTubeに掲載料を払って広告を出します。広告には様々なフォーマットがあり、動画投稿者は動画ごとに広告をどのような体裁で表示するのかを設定することができます。
ただし、表示する広告の内容は動画との関連性などからYouTubeが自動的に決定します。そのため、動画投稿者はどのような内容の広告を表示するのかを決めることはできません。
これらの一連の流れによって企業から視聴者へ商品やサービスのPRが行われ、動画投稿者には報酬が支払われます。
なお、動画投稿者が設定できる広告フォーマットは、①広告が5秒間再生されたあとでスキップできる「スキップ可能な動画広告」、②最後まで広告を見なければならない「スキップ不可の動画広告」、③最長6秒間のスキップ不可の短い動画が流れる「バンパー広告」、④再生画面の下部が広告枠になる「オーバーレイ広告」という4種類です。4)
〈図〉YouTubeで設定できる主な広告フォーマット
また広告フォーマットごとに表示できるデバイスが異なります。パソコンでは表示される一方、スマホやタブレットでは表示されないなど、違いがあるので注意しましょう。
〈表〉広告フォーマットの種類と表示されるデバイス
広告 | 表示されるデバイス |
---|---|
①スキップ可能な動画広告 | パソコン、スマホ、タブレット、テレビ、ゲーム機 |
②スキップ不可の動画広告 | パソコン、スマホ、タブレット、テレビ、ゲーム機 |
③バンパー広告 | パソコン、スマホ、タブレット、テレビ、ゲーム機 |
④オーバーレイ広告 | PCのみ |
動画に広告を付けるには、運営しているチャンネルがいくつかの条件を満たしていることが必要になります(条件については後述します)。
続いて、それぞれの広告のフォーマットを詳しく見ていきましょう。
フォーマット①スキップ可能な動画広告
「スキップ可能な動画広告」は動画の再生中、または再生前後に表示されます。
何も操作を行わなければ広告は30秒間以上再生されますが、5秒間再生されたあと、視聴者が広告をスキップするか残りを見るかを選択できます。スキップする場合は、動画の右下に表示される「広告をスキップ」というボタンを押すと本編の動画が再生されます。
フォーマット②スキップ不可の動画広告
もっともテレビCMに近い形式の広告が、「スキップ不可の動画広告」です。
動画の再生中、または再生前後に表示される点においては「スキップ可能な動画広告」と同じですが、こちらは視聴者の意思で広告をスキップすることができません。視聴者がいる地域によって異なりますが、広告の再生時間は最大15~20秒間となっています。
フォーマット③バンパー広告
「バンパー広告」は、動画の前後や再生途中に流れる6秒間の短い広告で、スキップはできません。
「スキップ不可の動画広告」と同じく、動画の前後や途中で再生され、広告を最後まで再生しないと動画を視聴することができません。
フォーマット④オーバーレイ広告
「オーバーレイ広告」は、再生画面の下部に表示される広告です。
本編の再生中に、バナー画像もしくは文章表現による広告が表示されます。視聴者は広告枠の右上に表示されている「×」を押すと広告を非表示にできるため、視聴の妨げになりにくいという特徴があります。
YouTubeを収益化するための条件とは?
ここまでYouTubeの広告に関して説明してきましたが、YouTubeでチャンネルを開設しただけでは広告収入を得ることはできません。動画に広告を付けるには、下記の3つの条件5)を満たす必要があります。
① 公開動画の総再生時間が、直近12カ月間で4,000時間以上ある
② チャンネル登録者数が1,000人以上いる
③ 広告掲載にふさわしいチャンネルである
ただし、これら3つの条件を満たせば自然と広告を付けられるようになるのではなく、動画に広告を付けるためには申請手続きが必要です。
なお、3つの条件や申請方法は、下記の記事で詳しく解説しています。YouTubeで収益化を目指す際に必要になることなので、参考にしてみてください。
【関連記事】YouTubeで収益化する条件や手続きとは? 詳しくはコチラ
再生回数と広告収入の関係
ここまでで、一定の条件を満たせば、自分が投稿する動画に広告を付けられることがわかりました。それでは、YouTubeでは一体いくら稼ぐことができるのでしょうか?
「1動画再生でどれだけの広告収入を得られるのか」は、多くの人が気になることだと思いますが、はっきりとした金額はわかっていません。
ただし、目安額として、2022年8月現在では平均0.01〜0.3円と推測されています(目安額は監修者調べ)。
なお、YouTubeでは広告の種類を複数組み合わせることができたり、広告の種類によって金額が異なったりします。上記で示した1動画再生あたりの目安額から大きく離れる場合もあることは覚えておきましょう。
近年のYouTubeのトレンドとは?
2021年から2022年へかけて、YouTubeにおけるひとつのトレンドといえるのが、ショート動画です。これは最大60秒間まで縦型動画を投稿できる新しいサービスです。ユーザーの視聴履歴に合わせてランダム再生されるため、視聴者の目を引きやすくなっています。
動画の再生時間が短くなったことで、TikTokクリエイターのYouTube進出も目立ちました。日本一の登録者数を誇るTikTokクリエイターであるJunyaさんの「Junya.じゅんや」(登録者数1,700万人)や、jewel amiさんの「泉ノ波あみの『あみです、どうも』」(登録者数50.5万人)などが代表例で、TikTokと同じ要領でYouTubeに動画を投稿することで、チャンネル登録者数・動画再生回数を増やしています。
また、2021年は匿名掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆきさんが「切り抜き動画」(動画投稿者本人ではない人が、公開されているYouTube動画のワンシーンを再編集して(切り抜いて)、別の動画に仕立てること)を解禁したことも話題になりました。その後、様々な動画投稿者が切り抜き動画を許可する動きもあり、ほかの人が投稿した動画を再編集することで収益を得ている動画投稿者も増えました※。
※すでに公開された動画を再編集・投稿する場合、著作権者と友好な関係を築いたり、契約を結んだりするなどの手順を踏む必要があります。安易に行わないようご注意ください。
2022年最新版 初心者でも登録者数&再生回数が増えるおすすめジャンル
このように、新しい動画投稿手法が増えている中で、動画投稿初心者はどのようにチャンネル運営を行うべきなのでしょうか?
もっとも一般的なチャンネル運営の手法は、特定ジャンルの動画を集中して投稿していくことです。チャンネルに専門性を持たせることで、特定ジャンルに興味がある視聴者の注目を集めることができ、チャンネル登録の促進もしやすくなります。
ただし、動画投稿初心者ですと、どのようなジャンルにするのかを迷うことでしょう。そこで「日本版 YouTube 公式ブログ」6)で紹介されている人気ジャンル2例と、近ごろ新たに注目されているジャンル2例をご紹介します。ジャンル選択の参考にしてみてください。
(1)フィットネス
もしあなたがインストラクターや整体師の有資格者、もしくはアスリートやトレーナー経験者などのエキスパートであれば、フィットネスジャンルに挑戦してみてもいいでしょう。
リモートワークが進んで出社日数が減り、運動不足が顕著になっている現在、年代や性別を問わず、家でできるフィットネスの需要は高まっています。
「コロナ禍によって、自宅でのトレーニングが習慣化した」「運動が苦手だけど、体を動かすきっかけがほしい」といったニーズを持つユーザーが多いので、特別な器具の用意や激しい動きが伴うものは避けるのがベターでしょう。
参考にしたいのは、登録者数334万人を誇る「Marina Takewaki」チャンネルです。このチャンネルは“もっと自分を好きになる!”をモットーに、自宅で楽しくできるフィットネス動画やダイエット料理動画などを投稿しています。中でも反響が大きかったのは、総再生回数が3,410万回を超えた「【地獄の11分】マンションOK!飛ばない脂肪燃焼ダンスで全身の脂肪をみるみる燃やす!」です。音や振動を気にせずにできる自宅トレーニング術に注目が集まりました。
フィットネス系の動画を投稿する際には、関連するワークアウトを連続再生で見られるように再生リストとしてまとめたり、毎日の生活に取り入れられる手軽さを意識した内容にしたり、結果を実感できるカリキュラムづくりをすることで、チャンネルのファンを集めていきましょう。
また、サムネイル(動画一覧などで表示される画像)だけでは動画の内容がわかりにくいため、タイトルで差別化を図るように心がけましょう。
ただし、運動がケガにつながらないよう「無理をしないように」など、動画内に注釈を入れて説明することが必要です。さらに、「絶対に10kg痩せる」「ウエスト-5cmは確実!」のような“誇大表現”を使わず、視聴者を引きつけるタイトルを考えるのもポイントです。
(2)ペット
ペットを飼っている人は、自分の愛犬や愛猫との日々を投稿してみてはいかがでしょうか。
LINEリサーチ7)によると、ペット動画はとくに40代以上の年代の関心が高く、中でも「50代・60代がよく見るYouTubeジャンル」では、2位にランクインしています。このデータから、比較的高い年齢層において、ペットによる癒やしを求めている人が一定数いることがわかります。
登録者数190万人の「もちまる日記」では、愛らしいスコティッシュフォールドのもちまる君(通称もち様)と、自らを“下僕”と名乗る飼い主さんとのほのぼのとした日常が垣間見えます。腕の中で寝落ちしたり、かまってもらえず拗ねたり、一緒に高級ホテルに泊まったり…もちまる君の天真爛漫な姿に多くのユーザーが癒やされています。
ペット動画のチャンネルは、ファンが増えるとオリジナルグッズの制作依頼があるなど、企業のタイアップ依頼が集まりやすいという特徴もあります。
(3)料理レシピ
2015年頃、レシピ動画がインターネット上で人気を集め始めました。その後、ウェブサイトやアプリなど、動画でレシピを紹介するコンテンツは年々増えています。
最近では、調理時の参考にしたいと考えるユーザーだけでなく、単純に調理過程を見て楽しむユーザーも多い傾向にあります。
また、コロナ禍をきっかけにこれまで料理をしなかった人が料理を始めたり、おうち料理を楽しみたいと考えたりしているファミリー層へ向けた「初心者レシピ」も再生回数が伸びやすい傾向にあります。
なお、料理レシピを投稿するチャンネルでは、映像の美しさと誰にでも伝わる丁寧な解説が求められます。実際に魚介を捌く動画や魚料理をつくる動画を中心に投稿する「きまぐれクックKimagure Cook」(チャンネル登録者数481万人)は、魚に関する豆知識や調理工程など、ほかでは見ることのできないコンテンツで人気になっています。
撮影・編集ともに緻密な作業が必要ですが、ターゲット層が広いため、ほかのジャンルと比べると人気を集めやすいといえます。
(4)ゲーム実況
コロナ禍の影響から、自宅でできる楽しみのひとつとしてゲーム人気が高まりました。実際にゲームをする人が増えたことで、ゲーム実況チャンネルは再生回数を伸ばしています。
ゲーム実況と聞くと、「本格的なプレースキルを持ったゲームに精通した人しかできないのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、単純に見て癒やされるゲーム動画を探しているユーザーや、実況中の会話を楽しみたいユーザーも多く、本格的なゲームスキルを持たなくてもアプローチ次第で再生回数を増やすことができるでしょう。
実際に登録者数393万人を誇るゲーム実況チャンネル「キヨ。」の人気の理由は、思わずクスッと笑ってしまう面白いトークにあります。ゲームのキャラクターに合わせてセリフをアテレコしたり、ゲームとは関係のない小ネタを話したりと、視聴者の心をつかむ巧みな話術でチャンネル登録者数を伸ばしています。
最新タイトルのレポートはもちろん、懐かしいタイトルやニッチなタイトルも人気のゲーム実況ジャンル。ゲーム好きの人はぜひチャレンジしてみてください。
なお、ここでご紹介した4ジャンルは、身近でトライしやすいことからライバルが多いのも事実です。意外性や独自性を意識して、ユーザーにメリットのある動画づくりを心がけましょう。
2022年最新版 広告規制の動向
YouTubeの広告は、健全な運営を実施するためにガイドラインが頻繁に変更されます。ガイドラインに違反すると、投稿した動画に広告が表示できなくなったり、動画投稿が制限されたりするなど、様々な措置が取られます。
たとえば、YouTubeは2022年4月に「子どもや家族向けに適さないコンテンツ」8)という新しいガイドラインを更新しました。これは、否定的な行為を助長するコンテンツ、子どもを対象とした成人向けコンテンツ、衝撃的なコンテンツの3つが含まれます。
また、動画の内容によってはYouTube側にコンテンツポリシー違反と判断される可能性があるので注意しましょう。
そのほか、2022年4月には、広告掲載に適したコンテンツのガイドラインを明確化するため、「嫌がらせやネットいじめ」に関するポリシーが強化されました。広告掲載に適さないコンテンツと、その結果として収益化ステータスが「広告表示なし/制限あり」になる例をご紹介します。
〈表〉広告掲載に適さない主なトピック(2022年8月時点)9)
・不適切な表現 ・暴力 ・アダルトコンテンツ ・衝撃的なコンテンツ ・有害または危険な行為 ・差別的または中傷的なコンテンツ ・危険ドラッグや薬物に関連するコンテンツ ・銃器に関連するコンテンツ ・物議を醸す問題 ・デリケートな事象 ・不正行為を助長する商品やサービス ・子どもや家族向けとして不適切なコンテンツ ・扇動的、侮辱的なコンテンツ ・タバコに関連するコンテンツ |
YouTubeの収益化を目指す場合は、ガイドラインの最新情報を確認しておきましょう。
成功者のパターンから見る、YouTubeで収益を上げるための5つの方法
YouTubeで稼ぐためには、戦略的な動画投稿が重要です。つぎは、いよいよYouTubeで収益を増やすために実践すべきことを解説していきます。
収益を増やすには、再生回数や総再生時間をそれぞれどうやって増やしていくか、具体的に戦略を立てるのがポイントです。
YouTubeが公式にクリエイター向けの情報に発信している「クリエイター向けのヒント」10)や、チャンネル登録者数の多いYouTuberの実例から、YouTubeで稼ぐ勝ちパターンを学んでいきましょう。
※以下の戦略については、クリエイターの作品を参考にした提案であり、必ずしも成功を保証するものではないことを了承ください。
再生回数を増やすポイント
①概要欄や動画タイトル、サムネイルはわかりやすくシンプルに
概要欄や動画タイトル、サムネイルは、動画の内容をコンパクトにまとめた“動画の顔”です。視聴者が「クリックしたい」と思うよう、動画の内容を把握できるシンプルな書き方を意識しましょう。
意識すべきポイントは、タイトル内に重要なキーワードを入れることです。視聴者が検索しそうなフレーズや思わずクリックしたくなる“引き”のある言葉など、動画内容の主軸となるキーワード1~2語を上手に取り入れることで、再生回数や総再生時間増加にもつながります。また、タイトルで伝えきれなかったことは、概要欄に記載しましょう。
ただし、動画に無関係なキーワードや誇張表現は厳禁です。動画を見たいと感じた視聴者の期待を裏切り、不誠実な印象を与えてしまいます。再生回数を稼ぐために、多くの登録者からの信頼を失っては意味がありません。
下記は、これらのポイントを意識して作成した動画のタイトル例です。動画内容を端的にまとめて、タイトルを見ただけでどんな動画であるのか想像できるようなものにしています。また、「10分で完成」「包丁、火を使わない」「材料3つ」など、事実でありながら常識的な感覚を覆すようなフレーズも引きがあるでしょう。
タイトル例
- 【時短レシピ】忙しい朝でもOK! 10分で完成する絶品和定食
- 子どもひとりでもつくれる。包丁&火を使わない、生チョコケーキ
- 『本格カルボナーラ』材料3つで簡単に! お店みたいなメニューがつくれちゃう
②トレンドを意識した動画
ファッションや食べ物に流行があるように、YouTubeの動画にも再生回数が伸びやすいトレンドがあります。2007年以降に投稿が始まり爆発的なブームとなった「踊ってみた」シリーズや、2019年に動画投稿数が増加した「ASMR(※1)」のように、その時々で話題になっている動画を投稿するのも再生回数を上げる方法のひとつです。
もし今からYouTubeにチャレンジするなら、前述のショート動画のほか、商品やサービスの使い方を具体的に紹介する「ハウツー動画」にチャレンジするのもおすすめです。
再生回数が伸びやすいのは、「料理」「DIY」「掃除」「メイク」のハウツー動画です。視聴者が自分でもトライしてみようと思えるような企画を考えるといいでしょう。
登録者数327万人の「5分でできる DIY」チャンネルの魅力は、掃除やDIYなどのハウツーが詰まった動画を数分間の尺にコンパクトに収めている点です。また、キッチン用スポンジの活用術や電子レンジのお掃除テクなどが多数紹介された「おばあちゃんから教えてもらった素晴らしい掃除のコツ34選」は、629万回以上の再生回数を誇ります。
チャンネル運営が軌道に乗り始めたら、今度は自分が動画撮影のハウツーを発信してみましょう。YouTube人気が増している今、「VLOG(※2)の撮影方法」「スマホだけでできるYouTubeの始め方」など、動画撮影のテクニックやコツを紹介する動画が再生されやすい傾向にあります。キーワード検索による再生回数の増加が見込めるので、登録者数がそれほど多くないチャンネルにとっても狙い目です。
登録者数55.9万人のチャンネル「マナブ」では、初心者にターゲットを絞ったYouTube投稿のハウツーを紹介しています。82万回以上再生されている、YouTubeの始め方を解説した動画では、編集方法や撮影機材、おすすめのジャンルなど初心者が気になるポイントを細かく解説しています。
※1:「Autonomous Sensory Meridian Response(自律感覚絶頂反応)」の頭文字をとったもので、人が聴覚や視覚への刺激によって感じる、心地良い、脳がゾワゾワするといった反応・感覚のこと。YouTubeにおけるASMRとは、視聴することによってそのきっかけを作り出そうとする動画のことを指す。
※2:「VIDEO BLOG(動画ブログ)」の略。自身の考えや毎日の出来事を文章や写真で発信するブログの内容を、映像と音声で表現した動画のことをいう。
チャンネルの総再生時間を伸ばすポイント
③再生リストを作成する
チャンネルの固定ファンを獲得するためには、複数の動画を見てもらう必要があります。それぞれが関連する動画を「再生リスト」にまとめるとリスト内の動画が順番に再生されます。つまり、視聴者が何も操作することなく複数の動画をスムーズに連続視聴してもらうことが可能なのです。自身のチャンネルが持つ魅力やオリジナリティーを発信するために活用してみましょう。
④「情報カード」を使って視聴者を新着動画に誘導する
「情報カード」は、動画にクリック可能なバナーを追加できるシステムです。自分のチャンネルの動画や再生リストへの誘導にも使用することができます。
また、YouTubeのヘルプ11)によると、「情報カードは動画を補完し、関連性の高い情報を視聴者に提供して利便性を高めるために利用できる」とされています。
投稿者の多くが再生時間を増やすために情報カードを活用しており、特に効果的とされるのが、ほかの動画に誘導する情報カードを動画の最後に追加する方法です。
実際に「HikakinTV」など、多数の人気YouTubeチャンネルで導入しています。
軌道に乗り始めたら…
⑤コラボレーションをする
動画投稿を始めたばかりの頃は、特定のジャンルに絞るほうが動画をつくりやすく、ファンを増やしやすいということはここまで説明しました。その後、チャンネル登録者数や再生回数が伸び始めたら、新しいジャンルでの動画投稿にチャレンジしてみてもいいでしょう。
ほかの動画投稿者とのコラボレーションは、自分のチャンネルだけではできない企画の実現や新たなファンの獲得が期待できます。コンテンツの幅を広げるためにも、双方のブランドを活かした新たな企画を考えてみましょう。
「かの/カノックスター」は、食関連の動画や旅行動画を中心に投稿しており、チャンネル開始から2年半ほどでチャンネル登録者数は134万人を超えています。著名YouTuberとのコラボレーションで、新たなファンを増やしていることがひとつの特徴です。
参考資料
YouTube投稿で最低限確認しておきたい注意点
世界中の視聴者に動画を届けるYouTubeでは、権利侵害や誰かの不安をあおるような動画を投稿しないように十分配慮する必要があります。また、YouTubeで収益を得た場合は、確定申告が必要になることもあります。YouTubeで動画投稿を行う上での注意点をまとめたので確認してみましょう。
①著作権侵害に気をつける
著作権は、音楽や動画などの作品の制作者に与えられる権利です。制作者の承諾を得ずに無断で作品を使用した場合に、著作権の侵害となってしまう可能性があります。
好きな曲を流したり、友人が撮影した映像を無断で流したりと、知らないうちに著作権侵害を犯してしまうケースもよくあります。下記の記事で詳しく解説しているので、一度確認しておきましょう。
【関連記事】音楽・画像を使う時は注意! YouTubeで著作権侵害を起こさないために知っておきたいルール。詳しくはコチラ
②個人情報を特定されないようにする
YouTubeに限らず、インターネット上で個人情報を公表するのは非常に危険です。たとえば、氏名や住所が特定されないように配慮していたとしても、動画内で何らかの商品を購入したレシートを映したり、部屋から見える外の景色を映したりすることで、意図せず情報が流出してしまう可能性もあります。個人情報に関する部分はカットする、もしくはモザイク加工をして対策を行いましょう。
③YouTubeで得た収益は確定申告が必要な場合もある
YouTubeで得られた収益には税金がかかり、稼いだ金額によっては「確定申告」が必要となります。申告せずにいると、無申告加算税や重加算税、延滞税などを課される可能性があるので注意しましょう。
YouTubeで収益化を目指すのであれば、税金についても詳しく知っておきましょう。詳しくは下記の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
【関連記事】YouTubeの収益にかかる税金とは? 詳しくはコチラ
④そのほかの注意点
性的なコンテンツや暴力的で生々しいもの、大ケガにつながるような危険な行為、民族・性別などに関するヘイトスピーチ、脅迫・いやがらせ・なりすまし・詐欺行為などは、YouTubeのポリシーとして動画投稿が許可されていません。12)注目を集めるために過激な内容になりすぎないように注意し、ルールに従いましょう。
YouTubeに関して何らかのトラブルが生じた場合には「不適切なコンテンツの報告」や「プライバシー侵害の申し立て」を行えますが、原則は当人同士の解決となります。動画投稿する際は、トラブルにつながるような要素はないか事前に精査しましょう。
広告以外の方法で、収益化するには?
前述したように、YouTubeでの主な収益源は広告収入ですが、ほかにも収益を得るための様々な方法があります。もし、YouTubeで安定した収益を得ることを狙っているのであれば、広告収入だけに頼らず、多面的な収益源を確保することが大切です。
YouTubeでの収益を上げる広告収入以外の方法は、以下のとおりです。
- 投げ銭で稼ぐ
- 有料登録メンバーを獲得する
- 企業からのPR案件を獲得する
- そのほか(YouTube ショート ファンド〈ショート動画〉など)
これらについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
【関連記事】広告収入以外の方法で、YouTubeで稼ぐには? 詳しくはコチラ
未来あるコンテンツで、新しい収益を生み出そう!
働き方改革により「副業」が浸透し始めている中、YouTubeへの動画投稿は、本業と別に収益を増やすために始めやすい方法のひとつとして注目されています。一方でその手軽さから、YouTuberが増加し、競争が激化している状況ではあります。
しかし、工夫して戦略的に動画を制作し、挫折せずに地道に発信していくことによって初心者でも広告収入を得られるチャンスは残されていると思います。自分のスキルや知識を活かして、楽しみながら収益を生み出していきましょう。