ご相談者:Fさん(29歳・女性)
近所の歯科医院でパート受付として勤務。扶養内での勤務を希望している。繁忙期にシフトを増やしてほしいと医院長から頼まれたが、年収が130万円を超えてしまわないか不安を感じている。
今回、相談に答えたライフパートナー

浅井 環
東京海上日動あんしん生命保険所属のライフパートナー。2人の子を持つ母、趣味はクラッシック鑑賞。
前職は企業や官公庁向け研修講師。前職の経験を活かし、現在もマネーセミナーに登壇。親しみやすい人柄とわかりやすい説明は毎回好評。モットーは『お客様が後悔しないこと』そのために前職で養った経験を強みにし、保険や資産の断片的な情報を論理的に整理します。
人生全体のお金まわりを問いかけを通じてお客様の想いを言語化するコーチングスタイルを得意としています。
繁忙期に一時的に130万円を超えた場合、すぐに扶養から外れますか?

相談者(Fさん):
繁忙期のシフトを少し増やすと、年収が130万円を超えてしまうかもしれません。一時的な超過でも扶養を外れなければいけないのでしょうか?もし外れることになった場合、家計にどんな影響がありますか?

浅井LP:
Fさんのように、繁忙期にシフトが増えたことで「130万円を超えて扶養から外れてしまうのでは」と不安をおぼえる人は少なくありません。実際、このようなご相談はとても多いのですが、2026年4月から判定の基準が変わり、以前ほど神経質になる必要がなくなっています。
以前は、実際の収入実績をもとに扶養判定が行われる場面が多く、一時的に年収130万円を超えた場合には、事業主証明を添えて健康保険組合に提出する対応が必要でした。言い換えれば、人手不足などによる一時的な増収であれば、原則として連続2回まで扶養にとどまれる取扱いがあったわけです。
対して2026年4月からの扶養判定は、被扶養者認定の時点で、労働契約の内容から見込まれる年間収入が130万円未満かどうかをもとに判断する取扱いが導入されています。簡単にいうと、労働契約書や労働条件通知書で見込みにくい時間外労働に対する賃金などは、原則として年間収入に含めないという考え方です。この取扱いは認定日が2026年4月1日以降の被扶養者認定に適用されます。
ですから、Fさんのように繁忙期だけ一時的に収入が増えるケースでは、まず契約上の収入見込みを確認することが大切です。
ただし、実際の確認方法や必要書類は加入している健康保険組合によって異なる場合があるため、ご自身の雇用契約書や労働条件通知書を確認したうえで、加入先の健康保険組合に問い合わせてみると安心です。勤務先にも新しい取扱いを共有しておくと、こうした行き違いを防ぎやすくなります。
もし今後、Fさんが継続的に130万円を超えて働く場合は、扶養から外れることになります。家計への影響としては、社会保険料の自己負担、所得税や住民税の負担増、配偶者の勤務先によっては配偶者手当の対象外になる可能性などが挙げられます。
こうした負担が重なると、年収が130万円台から150万円台では、扶養内の時と手取りがあまり変わらない、あるいは減ってしまうケースもあります。継続的に働き方を変えるのであれば、どのくらい働けば家計全体でプラスになりやすいのか、事前に確認しておくことが大切です。
ライフパートナーからのワンポイントアドバイス
扶養を外れることには、将来に向けたメリットもあります。社会保険に自分で加入すると、将来の年金額が増える可能性があるほか、傷病手当金や出産・育児に関わる給付、iDeCoの活用など、選択肢が広がる面もあるからです。
Fさんのような立場にいる方は、「壁を超えるたびに損をしていないか」とその都度不安になるよりも、目先の手取りだけでなく、将来の保障や働き方まで含めて全体像で考えることをおすすめします。







