「ほかの人はどんな方法で節約しているんだろう?」
と思ったことはありませんか? 水道代は毎月かかるため、負担に感じる人もいるでしょう。そこでこの記事では、節約アドバイザー・和田由貴さん監修のもと、一人暮らしの水道代の平均とともに、すぐにできる水道代の節約方法もご紹介します。
自分の水道代と平均額と比較したり、水道代節約のポイントを確認したりして、ぜひ節約に生かしてみてください。
※この記事では、「上下水道料金」を「水道代」と表現しています。
この記事の監修者
和田 由貴(わだ ゆうき)
節約アドバイザー・消費生活アドバイザー・家電製品アドバイザー・食生活アドバイザーなど、幅広く暮らしや家事の専門家として多方面で活動。「節約は、無理をしないで楽しく!」をモットーに、耐える節約ではなく快適と節約を両立したスマートで賢い節約生活を提唱している。
全国:一人暮らしの水道代の平均は2,248円/月
総務省の「家計調査」によると、一人暮らしの1カ月の水道代の全国平均は2,248円1)、年間では2万6,976円となります。
いつも支払っている水道代よりも高い、低いと感じる人もいるでしょう。ただ、水道代は地域によって大きく差があるため、注意が必要です。
水道代は、使用量にかかわらず毎月発生する「基本料金」と、使用した水量に応じて課金される「従量料金」で構成されるのですが、基本料金は住む地域によって大きく異なります。
地域別の水道代の平均をつぎの項目でご紹介します。お住まいの地域に近いデータをチェックしてみましょう。
地域別:一人暮らしの水道代の平均は?
ここでは、北海道から沖縄まで、それぞれの地域別のデータをご紹介します2)。
〈表〉地域別の一人暮らしの水道代
地域 | 1カ月の水道代の平均 | 1年間の水道代の平均※ |
---|---|---|
北海道・東北 | 2,726円 | 3万2,712円 |
関東 | 2,210円 | 2万6,520円 |
北陸・東海 | 2,049円 | 2万4,588円 |
近畿 | 2,069円 | 2万4,828円 |
中国・四国 | 2,443円 | 2万9,316円 |
九州・沖縄 | 2,235円 | 2万6,820円 |
北海道・東北エリアと北陸・東海エリアでは、1カ月あたり677円の差が見られ、年間にすると約8,000円もの差になります。
じつは、水道代は、地域の水質や地形、人口密度などの違いによって配水にかかる料金が異なります。たとえば住居が少ない地域は水道代が増える傾向にあるのです。また、同じ住居数でも水源がある地域は料金が比較的安くなる傾向があります。3)
水道代の内訳や料金の問い合わせなど、さらに細かい情報を知りたい場合はお住まいの地域の水道局のウェブサイトなどで確認できます。気になる人はぜひ調べてみましょう。
なお、二人暮らし以上の世帯を含めた水道代の平均について、以下の記事でご紹介しています。興味のある人は併せてチェックしてみてください。
一人暮らしで効果的な水道代の節約方法とは?
では、一人暮らしの場合、水道代はどのように節約するのが効果的なのでしょうか? そのためにはまず、どのようなシーンで水道代がかかりがちなのかを確認しましょう。
東京都水道局の調査によると、家庭での水道使用量の割合は、以下のとおりです4)。
〈図〉家庭での水道使用量の割合
4割が「お風呂」、続いて「トイレ」「炊事」「洗濯」となっています。こちらはあくまでも一般家庭全般のデータですが、一人暮らしでも使用割合自体はそこまで変わらないでしょう。
そのため、最も使用量の多い「お風呂」の節約が最も効果が高くなります。また、一人暮らしの場合、頻度が高くなってしまいがちな「洗濯」にも着目してみましょう。
それでは、具体的な節約方法について、それぞれご紹介していきます。
参考資料
一人暮らしにおける「お風呂」シーンの節約方法
一人暮らしのお風呂にかかる水道代はいくら?
お風呂に入る際は湯船に浸かりますか? それともシャワーのみでしょうか? 冬は湯船にお湯を張り、夏はシャワーのみと、ケースバイケースで使い分けている人もいるでしょう。
一口にお風呂といっても、個々人によって入浴のスタイルが異なります。お風呂は水道使用量が多いので、それぞれのスタイルでどのくらいの水道代がかかるのかをまずは確認してみましょう。
●毎日、湯船に入る場合
一般的な浴槽の容量は200Lといわれています。例として、東京23区の水道基本料金で30日間毎日、浴槽にお湯を溜めてお風呂に入った場合の水道代を算出してみると5)、総水量は6,000L、水道代は約1,900円/月です。湯船に入るのに加え、洗髪などでシャワーを使うと、水道代はさらに上がることになります。
●毎日、シャワーのみの場合
一方、湯船にお湯は溜めずに、シャワーのみの場合はどうでしょうか。シャワーを最大の水量で流し続けると、1分間で約12L4)、約16分間で浴槽1杯分(約192L)の量になります。
個人差があると思いますが、仮にお湯を出す時間が10分間で終わるとした場合、使用量は1日約120L、月間の総水量は3,600L、水道代は約1,140円/月となります。
お風呂でできる節約方法の具体例
では、一人暮らしの人がお風呂でできる節約方法とは何でしょうか? 主に3つ挙げられます。
①入浴スタイルを見直す
まずは、自分の入浴スタイルを見直しましょう。入浴がストレス発散になる人もいるでしょうから、無理にというわけではありませんが、毎日湯船に入らなくてもよければ、湯船に溜める水道代を浮かせることができます。また、湯船に溜めるお湯の量を少なくするのもひとつの手となります。さらに、長時間シャワーを浴びる傾向がある人は、入浴時間を多少短くすることも方法のひとつでしょう。
②小まめに水を止める
つぎに、特にシャワー派の人に気をつけてもらいたいのが、小まめに水を止めることです。シャワーや蛇口を最大に開いたまま水を流しっぱなしにすると、前述のとおり、1分間で約12Lの水が流れてしまいます。
髪や体、顔を洗う途中は、わずかな間でも水を止める、流しっぱなしにしない、と心がけるだけで簡単に節水することができます。
③シャワーヘッドを付け替える
シャワーヘッドを付け替えることも節約につながります。穴の数が少ない節水用のシャワーヘッドに変えるだけでも、通常のシャワーヘッドと比べて水道代を抑えることができます。
交換するシャワーヘッドを選ぶポイントは、水圧を高くできるものを選ぶことです。穴が少なくても、水圧が高ければより少ない水の量で髪や体を洗い流せるようになります。
一人暮らしにおける「洗濯」シーンの節約方法
続いて、一人暮らしの「洗濯」シーンでの節水方法についてご紹介します。
洗濯における節水の鉄則は「まとめ洗い」をすることです。一人暮らしの場合、洗濯物の量は比較的少なくなるでしょう。そのため、少ない量で毎日洗うより、週に1〜2回ほどまとめて洗うほうが節約につながります。
ただし、まとめ洗いをするにしても、洗濯機の容量いっぱいで洗濯するのはよくありません。ポイントは、洗濯機の容量の「8割」にすることです。
一方、洗濯機の容量の4割など洗い物の量が少ないと、洗濯物に対する水量が多くなってしまい、その結果、水道代が高くなります。
生活に差し支えがなければ、洗濯機の容量に対して8割くらいの量の洗濯物が溜まった時に、洗濯をすることを心がけてみましょう。
なお、水道代が高くなる原因や節約方法については、以下の記事でもご紹介しています。興味のある人は併せてチェックしてみてください。
【関連記事】なぜ水道代が高くなるの? 7つの原因とすぐにできる節水方法はコチラ
【関連記事】1年間で1.5万円減も! プロが教える水道代の節約テクニックはコチラ
水道代の節約はできることから始めよう
一人暮らしを始めたばかりの人にとって、毎月かかる水道代は無視できない出費でしょう。今回ご紹介した全国・地域別の平均額と毎月の水道代を比較して、高いかどうかを確認してみることをおすすめします。また、お風呂と洗濯シーンについて、水道代節約の方法をご紹介しました。この記事の情報を参考に、できることから節約を始めてみてください。