家賃、光熱費、食費……。実家暮らしと異なり様々な費用がかかる一人暮らし。家計管理を怠って、いつの間にか貯金が空っぽになって焦った経験がある方もいるのでは?

そんな時、支出を可視化して無駄遣いを抑えてくれるのが家計簿です。家計簿をつけることで、節約を意識できたり、貯蓄ができるようになったりと様々なメリットがあります。

しかし、「どうやって記入したらいいかわからない」「項目の分け方がわからない」など、家計簿をつけ始める際には初心者が悩むことがたくさんあり、せっかく始めても途中で挫折してしまう方も少なくありません。

そこで今回は、ファイナンシャルプランナーのタケイ啓子さん監修のもと、一人暮らしで家計簿をつける時のポイントを解説します。

無理なく簡単に継続する方法を5ステップで解説するので、「何から始めたらいいかわからない」「面倒くさくて挫折する」といったことがなくなるでしょう。

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この記事の監修者

タケイ 啓子(たけい けいこ)

ファイナンシャルプランナー(AFP)。36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。

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5ステップで簡単! 一人暮らしの家計簿のつけ方

まずは、どうやって始めればいいのかを5ステップで解説していきます。

【ステップ1】使いやすいツールを選ぶ

画像1: 画像:iStock.com/kohei_hara

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家計簿には、ノートや表計算ソフト(Excelなど)、アプリなど様々な種類があります。それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なるため、自分に合ったツールを選ぶようにしましょう。

ここでは、主な選択肢である「手書き」「表計算ソフト(Excelなど)」「アプリ」の3つについて紹介します。

〈表〉ツール別家計簿の特徴とメリット・デメリット

種類特徴メリットデメリット
手書き・市販と自作の2種類がある
・日記と一緒にするなど自由度が高い
・パソコンなどの機器が不要
・1つずつ手で記入するので、細かい金額を把握しやすい
・自分で計算をしなければいけない
・記入をするのに比較的時間がかかる
表計算ソフト
(Excelなど)
・ExcelやGoogleスプレッドシートなど、あまりお金がかからないものが多い
・自作できるほか、ウェブで配布されているテンプレートも多い
・自動計算のためミスが起こりづらく、修正もすぐできる
・項目の追加などカスタマイズが簡単
・グラフを使って可視化しやすい
・パソコンなどの機器が必要
・表計算ソフト(Excelなど)の知識がある程度必要
アプリ・スマートフォンを使った直感的な操作が可能
・銀行口座やクレジットカード、キャッシュレス決済と連携できるものも多い
・レシートから自動入力してくれるものが多い
・各種連携を行えば、手間をかけずに家計を管理しやすい
・資産運用やレシピ提案など、+αの機能があるものもある
・アカウントを共有すれば家族がそれぞれ入力できる
・操作に慣れるまでやや時間がかかる
・自分好みにカスタマイズしづらい
・機能が多いため、初期設定に手間がかかる
・すべての機能を使いこなすことが難しい

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【ステップ2】家計簿の開始日を決める

画像: 画像:iStock.com/Tatomm

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使うツールを決めたら、いつから家計簿をつけ始めるのかを決めましょう。

よくあるパターンは、「毎月1日始まり」「給料日始まり」の2つですが、一人暮らしの方におすすめなのは「給料日始まり」です。理由としては、給料日からすぐに始められること、1カ月の収支の差額がわかりやすいことが挙げられます。給料日に収入を記入して、そこから支出をマイナスしていくようにすれば、使えるお金の残高を常に把握しやすいでしょう。

反対に「毎月1日始まり」は、副業などで複数の収入がある場合におすすめです。土日祝日などによる給料日のズレがあっても、さほど影響もありません。ただ「毎月1日始まり」にした場合、たとえば給料日が25日だったなら、26日〜月末の間のお金を最初に調整しなければいけない点に注意しましょう。

なお、必ずしも「毎月1日始まり」か「給料日始まり」にしなければいけないわけではありません。自分のライフスタイルに合わせて、1番やりやすいサイクルを見つけていきましょう。

【ステップ3】家計簿の項目を決める

画像1: 画像:iStock.com/takasuu

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つぎに、これから記録していく家計簿の項目を決めましょう。家計簿の項目には、主に以下のようなものがあります。

〈表〉【固定費】主な家計簿の項目一覧

項目内容
住居費賃貸の場合は家賃・管理費、持ち家の場合は毎月のローンなど
保険料生命保険や火災保険、自動車保険などの保険料
通信費インターネット代、携帯電話代、固定電話代、サブスクリプションサービス代など
自動車費車のローン、駐車場代、車検代など
水道光熱費水道代、電気代、ガス代
教育費学費、習い事費、塾代など
その他奨学金の返済、スポーツジムの会費、新聞代など、上記以外の毎月かかるお金

〈表〉【変動費】主な家計簿の項目一覧

項目内容
食費食料品・食事代
日用品費日用品・消耗品代
交際費飲み会代、人との外食代、デート代、プレゼント代など
交通費電車代、バス代、タクシー代など
医療費病院診療費、薬代など
美容費衣服代、化粧品代、美容院代など
娯楽費趣味に関するお金など
イベント費ご祝儀、引っ越し代、家電購入代など一時的にかかる費用

すべてを細かく記録できたら一番よいですが、慣れないうちは項目を増やしすぎると続けることが大変になってしまうため、3〜6つ程度から始めるのがおすすめです。どうしても難しい場合は1つからでも構いません。「家計簿をつけることに慣れる」のが重要です。

一人暮らしの場合には、支出の金額が大きいものから5〜6項目程度選ぶという考え方があります。それ以外の細かな支出は「その他」のようにひとまとめにしてしまうのもよいでしょう。

主に考えられる項目としては「住居費」「水道光熱費」「食費」「交際費」「美容費」「娯楽費」などがあります。特に「交際費」「美容費」「娯楽費」については、一人暮らしのうちは自由に使える項目のため使いすぎてしまうことも多く、家計簿で管理することで可視化でき、無駄遣いを防ぐことができるでしょう。

また、固定費は月ごとに変化があまりないので省略してしまう、というのも1つの手です。そういった場合には、変動費に重点をおいて「自分が抑えたいと思っている項目」や「支出の頻度が高い項目」から優先的に選んでいきましょう

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【ステップ4】家計簿を記入する

画像2: 画像:iStock.com/kohei_hara

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ここまで準備をしたら、いよいよ家計簿をつけていきましょう。家計簿をつける頻度には、「毎日」「2、3日に一度」「週に一度」「月に一度」など様々なパターンがあります。

毎日記入すれば日々のお金の動きを把握しやすいですし、反対に週に一度や月に一度などまとめて記入すれば毎日の手間は省けます。それぞれにメリットがあるため、人によって自分に合った頻度は異なりますが、初心者におすすめしたいのは「週に一度」です。

平日は忙しくても、休みの日にまとめて記入ができますし、溜め込みすぎることもないので、記入漏れも起こりづらいでしょう。

ただ、繰り返しにはなりますが人によって続けやすい頻度は異なるため、自分のライフスタイルに合ったルールで始めましょう。基本的な考え方は、「無理のない頻度で記入すること」です。

【ステップ5】家計簿を振り返る

画像2: 画像:iStock.com/takasuu

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最後に、一番重要なのが記入した家計簿を振り返ることです。せっかく家計簿を一生懸命つけても、ただ記入を続けているだけでは意味がありません。

月に一度、締め日(毎月1日始まりにしている場合には月末)に月トータルでの収支を必ず確認するようにしましょう。始めて最初の月は現状の把握をすることのみになりますが、つぎの月からはあらかじめ決めた予算と比較して振り返るようにしましょう。予算の決め方については、後ほど詳しく説明します。

一人暮らしの家計簿で節約・貯金するコツ

画像: 画像:iStock.com/Ivan-balvan

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家計簿をつける上で、節約や貯金などの目的を達成するためには、工夫したほうがいい点がいくつかあります。そのコツを紹介します。

目標貯金額を決める

家計簿をつけ始めるきっかけとして「貯金したい」という理由が多いのではないでしょうか。貯金が目的の場合には、いつまでに、いくら貯金をしたいのか、具体的な目標を決めることが重要です。

目標を明確にすることで、「達成するためにはひと月に●円ずつ節約する必要がある」という行動の指標がわかり、より達成しやすくなります。

週間・月間の予算を決める

家計の状況を把握できるようになったら、週間・月間の予算を決めましょう。目標から逆算して決めてもいいですし、まだ目標が定まっていない場合には平均額と比較して予算を決めるのもいいでしょう。

項目ごとに予算を決めれば、節約しなければいけない項目が何なのか、より意識することができます

総務省の「2021年 家計調査 家計収支編」1)によると、一人暮らし(単身世帯)の1カ月あたりの支出は以下のような内訳になっています。なお、一人暮らしの中でも勤労者世帯のデータのみ引用しています。

〈表〉一人暮らしの1カ月あたりの支出内訳

住居費29,638円
保険料11,371円
通信費7,965円
自動車費11,388円
水道光熱費1,175円
食費39,884円
日用品費6,151円
交際費11,418円
交通費4,305円
医療費6,540円
美容費11,511円
その他21,247円
支出合計171,593円
※日用品費には参考資料の家具・家事用品、美容費には参考資料の被服及び履き物・理美容サービス・理美容用品の金額を掲載しています。

住んでいる場所やライフスタイルにより変わる部分も多いですが、一つの指標として参考にしてください。

注意点としてこちらのデータは、持ち家率が32.2%となっているため、住居費が低めになっているところに気をつけましょう。

特別項目を設けて無駄がないかチェックする

美容好きなら化粧品、アニメ好きならアニメ関連グッズなど、いくらでもお金をかけたくなる費用がある方も多いのではないでしょうか。

無理に我慢するとストレスにもなりますし、家計簿自体が嫌になる可能性もあるため、そういった費用は特別項目として、独立させた管理がおすすめです。

自分の中でお金をかけてもいい項目として扱いつつも、予算を決めておくことで、「●●円までなら使って大丈夫」と安心して使うことができ、必要以上の無駄遣いを抑えることにもつながるでしょう。

締め日に振り返りのフィードバックを書く

前述で家計簿を振り返ることの重要性を紹介しましたが、その際にうまくできたことや工夫したこと、難しかったことなどを、フィードバックとして記録するようにしましょう。

翌月の目標を立てる際の参考にもなりますし、長く家計簿を続けることで、自分に合った節約方法がどんなものなのかをつかみやすくなります。

一人暮らしで家計簿を継続させるには

画像: 画像:iStock.com/Promo_Link

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家計簿は、継続することが何よりも大切です。ここでは、無理なく継続するためのポイントを紹介します。

ルールや体裁を気にしない

家計簿を続けることに挫折してしまう方の特徴として、完璧につけようとしすぎることが挙げられます。

細かくきれいに記入することはいいことですが、その結果面倒くさくなって家計簿をやめてしまっては本末転倒です。

「毎日の記入を忘れてしまった」「項目に他の内容が混ざってしまった」など、少しくらいの失敗は気にしすぎないようにしましょう。

項目はシンプル・簡単にする

項目を増やしすぎるとその分仕分けの作業が大変になってしまいます。無理なく続けられる項目数に絞り、ある程度ざっくり記入するようにして、負担に感じないレベルで管理していきましょう。

繰り返しにはなりますが、初心者の場合には3〜6つ程度から始めるのがおすすめです。

1項目だけでも継続して記録する

家計のすべてを最初から記録することはなかなか大変です。家計簿をこれから始める方は、まず1項目からでもいいので「継続して記入すること」に慣れましょう。「家計簿」とはいえないかもしれませんが、1項目でも自分の支出の状況をきちんと把握する習慣をつければ、その後ちゃんとした家計簿を始めていく際の土台となります。

その際、「支出を抑えたい項目」や「支出の頻度が高い項目」から始めるのがポイントです。

1項目の管理に慣れてきたら、優先度の高い項目から徐々に数を増やしていけば、いずれ家計全体を記録できるようになるでしょう。

一人暮らしにおすすめの家計簿4選!

最後に、一人暮らしの方におすすめの家計簿を具体的に紹介します。

手書きの家計簿

手書きの家計簿は、お金の動きを把握しやすい反面、記入に少々時間がかかるのが特徴です。

一人暮らしの場合にはあまり細かい記録をしなくても問題ないので、シンプルに書き込めるものを選んでなるべく時間短縮できるようにしましょう。

『コクヨ』の「家計簿A5 かがりとじ56枚」

最初のページに記入方法が載っているので、初めて家計簿をつける方でも安心の家計簿です。また記入方法も3ステップで完結する簡単なものなので、わかりやすくなっています。

月間ページにはスケジュール表がついていて、大まかな予定も記入可能。年間決算表、貯蓄・保険のまとめページなどもついているので、シンプルながらも、抜かりなく家計を管理できるのが魅力です。

家計簿A5 かがりとじ56枚/627円(コクヨ)

『Kurashi』の「暮らし上手の家計簿2022」

著者:暮らし上手編集部、発行:ピークス株式会社、発売:株式会社マイナビ出版

記入欄が空白になっているため、項目を自由に設定でき、初心者でも使いやすいのが魅力です。大きめのメモ欄には、暮らしの細かな出来事も書き込めます。

家計簿についているQRコードを読み込むと、暮らしのメディア『Kurashi』のページにリンクし、一人暮らしに役立つレシピや暮らしのコラムを読むこともできます。

暮らし上手の家計簿2022/499円(Kurashi)

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アプリの家計簿

アプリの家計簿は、レシートの読み込みや銀行口座の連携など自動の機能が多く、スマートフォン1つですぐに入力や確認ができるので、忙しく時間がない方におすすめです。

また、一人暮らしの場合にはライフスタイルが多様なこともあり、項目を自由に選べるタイプを選ぶのもいいでしょう。おすすめのアプリ2つを紹介します。

「マネーフォワード ME」

レシート読み取りのほか、電子マネー、クレジットカード、銀行口座など、お金の出入りをまとめて確認できる家計簿アプリです。

毎日の支出を、食費や日用品費などに自動で分類。何にお金を使っているのか、今月あとどれだけ使えるのかを簡単に確認できます。操作はいたってシンプルなのに機能が豊富ですべて自動で完結してくれるので、初心者におすすめしたいアプリです。

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「シンプル家計簿 MoneyNote(マネーノート)」

レシート読み取りや各種連携機能などはついていませんが、その分必要な機能だけのシンプルさを徹底しているアプリです。シンプルだからといって使い方の制約が強いわけではなく、支出の項目を自作できたり、いくつでも増やすことが可能で、自由度が高い点も魅力です。

とにかく簡単な家計簿で無駄遣いを防止したい、一人暮らしの方におすすめです。

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まとめ

一人暮らしは仕事や家事などに加えて、お金の管理まですべて1人で行わなくてはなりません。管理ができないまま過ごし続けてしまうと、将来のための貯金もできず、いずれ不安を感じてしまうことにもつながります。

ただ、最初からすべてを完璧にやることは難しいので、まずはできる範囲からお金の管理をしていきましょう。家計簿をつけ始めることが、その第一歩になります。

本記事が、少しでも家計簿をつけ始める、あるいは続けるきっかけになれば幸いです。

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