この記事では、FP資格やMBAを持つお金の専門家であり自身も“推し活女子”である横川楓さん監修のもと、推し活の出費や貯金の実態を紐解き、推し活に励む人のための貯金術を本気で考えます。推しに愛(お金)を注ぎながらも、将来や急な出費に備える方法を探っていきましょう。
みんなが推し活に使うお金はどのくらい?
自分が推し活にどのくらいのお金を使っているか、把握していない人も多いのではないでしょうか。まずは、一般的な趣味への支出や推し活関連の出費についてのデータを見ていきましょう。
平均的な趣味の支出はどのくらい?

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推し活に限定しない場合、そもそも一般的には趣味にどのくらいお金を使うものなのでしょうか。総務省の家計調査1)によると、付き合いで使う費用や趣味の費用などを含めた支出である「教養娯楽関係費」は単身世帯の全世帯平均で1カ月23,232円、男性のみだと22,222円、女性のみだと24,125円となっています。
〈表〉1カ月の教養娯楽関係費
単身世帯 全世帯 | 23,232円 |
---|---|
単身世帯 男性 | 22,222円 |
単身世帯 女性 | 24,125円 |
一般的な一人暮らしでは、年間約28万円を趣味に使っているといえるでしょう。
参考資料
推し活費は意外に少ない? オタクの年間支出の平均値

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それでは、推しがいるオタクたちには、1年でどのくらいの支出があるのでしょうか。2024年7月に実施された、矢野経済研究所の「オタクに関する消費者アンケート調査」2)を参照します。
こちらの調査は、日本国内在住の15歳~69歳までの男女1万人に対して、推し活にかけた金額を調査したもの。1人あたりの年間消費額をジャンル別に見ると、以下のようになっています。
ジャンル | 1人あたりの年間消費金額 |
---|---|
アニメ | 19,580円 |
漫画 | 18,546円 |
アイドル | 109,476円 |
Vtuber | 29,887円 |
声優 | 46,370円 |
ディズニー関連 | 81,482円 |
2.5次元ミュージカル | 83,233円 |
これを見ると、一般的な「教育娯楽関係費」の中に収まる金額であることがわかります。
自分に「推しがいる」という人からすると、少ないという印象もあると思いますが、これはあくまでも平均値です。活動内容によってはもっと出費が多いのではないでしょうか。積極的に推し活をしていれば、年間で数十万円以上、イベントごとに数万円を使う人も少なくないはずです。
推しが違えば支出も変わる!ジャンル別・推し活関連の出費額をチェック

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貯金や節約を行うには、まず自分の出費を知ることが大切です。推し活では、意識せずに「ほしい!」「行きたい!」という気持ち優先でお金を使ってしまう場面も多いでしょう。
そこで、一般的に想定される推し活1回あたりの費用の目安を以下にまとめました。自分がどのくらい推しにお金を使っているのか、振り返ってみてください。
▼アニメ・ゲームオタクの出費の例
- キャラクターグッズの購入:ストラップ…500円/ぬいぐるみ…2,000円~4,000円/アクスタ…1,000円〜2,000円など
- ゲームへの課金:300円~数万円
- 声優イベントへの参加:チケット代10,000円+交通費
- 同人イベントへの参加・買い物:同人誌など…400円~/入場料…2,000円+交通費
▼アイドルオタクの出費の例
- コンサートへの参加:チケット代8,000円〜15,000円
- 遠征(遠方でのコンサート等への参加):宿泊・交通費30,000円〜50,000円
- CDの購入:1,000円〜(複数枚購入も)
- グッズの購入:うちわ…1,000円/ペンライト…4,000円〜7,000円/アクスタ…1,000円〜2,000円
- 握手会等のイベントへの参加・舞台の鑑賞:チケット代10,000円
▼若手俳優オタクの出費の例
- 舞台の鑑賞:チケット代5,000円〜10,000円
- チェキ・生写真の購入:1,000円
- グッズの購入:クリアファイル…1,000円/カレンダー…3,000円など
- 握手会などのイベント参加:10,000円(グッズ複数購入などの達成必要な条件混み)
普段意識することなくお金を使っていても、こうやって書き出されたものを見てみると「推し活1回ごとの出費が意外に大きい」「1回ごとの出費は少ないけれど、回数が多いから出費はかさんでいる」など自分の出費の傾向に気付けるのではないでしょうか。
推し活で貯金ゼロはやばい?貯金する意味を改めて考える

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推し活関連の出費があるとつい貯金を後回しにしてしまう…という悩みや、ぼんやりとした罪悪感を抱えている人も多いのではないでしょうか。それは、漠然と「貯金をしなければならない」と考えているだけで、その重要性や目的を理解できていないからかもしれません。
ここでは、あらためて貯金の重要性について確認し、貯金額の目標を立ててみましょう。
一般的な20代、30代の貯金額をチェック
まずは、世間一般の20代・30代がどのくらい貯金しているのかを見てみましょう。2024年に実施された「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]」3)では以下の結果になっています。
〈表〉20〜30代の貯蓄状況
金融資産非保有 | 平均貯蓄額 | 貯蓄額の中央値 | |
---|---|---|---|
20代 | 36.6% | 161万円 | 15万円 |
30代 | 33.4% | 459万円 | 90万円 |
平均貯蓄額は20代で161万円、30代で459万円。しかし、「金融資産非保有」=(株式などの資産も含む)貯蓄がない人は、20代で36.6%、30代で33.4%にものぼります。このことから、貯金ができている人とできていない人が二極化していることがわかります。実際に、「今貯金がない」という人は意外なほど多いのです。
20代・30代で、特に一人暮らしの人は実家暮らしの人よりも「貯金ができない」という悩みを抱えている方が多いです。下記記事では、一人暮らしの平均貯金額や、効率的にお金を貯める方法をFPが詳しく解説。推し活を思い切り楽しみながら、お金も貯めるコツを知りたい方はぜひご覧ください。
【関連記事】【一人暮らしの貯金】“無理なくできる”貯金術について 、詳しくはコチラ
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貯金が必要なのは、急な出費に対応するため

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「何のために貯金をするのか」と考えた時、多くの人がイメージするのが結婚や出産、老後などのライフイベントだと思います。とはいえ、人によっては遠い未来のことだと認識していたり、その予定がない自分には関係がないと感じていたりするかもしれません。そのため、貯金をしていないという人もいます。
しかし、「ライフイベントのための貯金」以前に持っておくべきお金があります。それは、ケガや病気などによる急な出費にあてるお金です。これは“貯金”というよりも、“防災袋”のイメージで準備しておくべきもの。緊急時の備えになるだけでなく、転職や転居など、大きく自分の人生を変えるタイミングで決断を後押ししてくれる存在になります。

推し活のための貯金も必要!
イベントの開催やグッズの販売などは数カ月前から告知されることが多いため、推し活の出費は事前に予定を立てておきやすいものです。しかし、イベントに行ったその場で「やっぱりグッズが欲しい!」「もう1回参加したい」と思い、想定外の出費が発生することもあります。
そんな、“急な推し活のためのお金”も確保しておきましょう。こちらは、先に述べた“防災袋”の貯金とは分けて、貯めておくべきお金です。
推しがいると、「その時にしか買えないもの」が発生しがちです。だからこそ後悔しないように、推し活専用の貯金もあったほうがいいのです。

推し活のためにまず目標にしたい貯金額の目安
それでは、具体的にいくらを目標に貯金をすればいいのでしょうか。おすすめなのは、上で述べた「防災袋」貯金と「緊急推し活」貯金を、まずは以下の金額まで貯めることです。
▼推し活のためにまず目標にしたい貯金額

意識したいのは、まず「防災袋」貯金を貯めてから「緊急推し活」貯金を貯めること。生活を守るための貯金は最低限必要だということを意識して、なるべく早く貯められるといいでしょう。
お金の専門家が伝授!推し活のための節約&貯金術
推し活をするオタクは、しっかり貯蓄できるタイプとまったくできないタイプに2極化している傾向があります。推し活はスケジュール管理がしやすいことからお金の使い道を事前に計算しやすく、うまくやりくりできている人も多いのです。
ここからは、より無駄なく推し活をするための節約術や、オタクのための貯金術を見ていきましょう。
推し活を制する節約術
まずは、推し活そのものの出費の見直しから。見たいものや欲しいものを諦めて切り詰めるのではなく、かしこく推し活費を削減する方法を確認していきます。
(1)ポイントを活用する

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決まったクレジットカードで支払いをし、ポイントを貯めたり、クレジットカードのランクを上げて還元率を増やしたりする方法です。コンサートや舞台のチケットはクレジットカードで決済できる場合が多いですし、グッズはネットショッピング等で購入できるものもあるので、カードのポイント還元を利用しない手はないでしょう。そして貯まったポイントをつぎのグッズの支払いに利用することで、お得に買い物をすることができます。
また、最近では○○payなどの電子マネーを使える場合も。こちらは期間限定で還元率が高くなったり、「10%オフ」などのキャンペーンを行っていたりとお得なサービスが多いので、面倒臭がらずにその時々で使い分けるのがベストです。
(2)カードの限度額を下げる

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カード支払いをすることで、後々後悔したり罪悪感を感じたりするほど使いすぎてしまう…という人は、思い切って限度額を下げましょう。推し活をするなら、楽しく使える金額の範囲内で、というのは鉄則です。
また同様に、チャージタイプの電子マネーやプリペイドカードを使うようにするのもいいでしょう。設定金額の残りを自動で貯金できる「お釣り貯金」というしくみのアプリもあり、こちらはお金を使いながら同時に貯金もできるのでおすすめです。
(3)オタク友達と協力する

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共通の趣味を持つオタク友達と協力することも節約になります。この方法で大きな効果が見込めるのが、遠征時の旅費です。シングルにそれぞれ泊まるのではなくセミダブルの1部屋に2人で宿泊する、県外に住む友達とお互いの部屋に泊まり合うなどの方法で宿泊費を抑えることができます。また新幹線のチケットも、2人で予約すると割引が適用されます。
もうひとつは、グッズ購入費の節約です。缶バッジやブロマイドなどの中身が分からないように販売されているランダムグッズ、トレーディンググッズでは、ピンポイトで推しのグッズを手に入れることができません。それゆえ必要のないグッズにもお金を費やしてしまいがちですが、あらかじめ推しが違う友達と交換の約束をしておき箱買いすると、効率的にグッズを手に入れることが可能です。
(4)不要な物は“早く”手放す

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ランダムグッズやセットのグッズを買った時の目当てではない物は、すぐに手放すことが重要です。リサイクルショップで買取をしてもらうか、フリマアプリ等で販売することになりますが、旬を過ぎてしまうと評価額が下がったり、そもそも売れなくなったりしてしまいます。スピーディに手放し、少しでもお金に換える癖をつけておきましょう。
推し活のための貯金術
つぎは、貯金の目標を達成するための貯金術を4つのステップで解説します。一般的な人の貯金術と基本は変わりませんが、「支出の把握」により重きを置いて貯金を実践していくといいでしょう。
【STEP1】月の支出を把握する

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「何にお金を使いすぎているか」「何に関する支出なら削れるか」ということは、支出の中身を把握しないと分かりません。一度、1カ月の出費を項目ごとに振り分けてみましょう。出費の振り分けは、最初は「生活費」「推し活費」「その他」の3つの項目でOK。自分の支出の傾向が分かったら、どこが減らせるのかを考えながら過ごします。
【STEP2】「推し活費マネースケジュール」を立てる

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イベントやグッズ販売の有無などによって、推し活の費用は月ごとに変わります。そのため、「1カ月にいくらまで推し活費として使う」というルールを決めるのではなく、いつ、どのくらいお金を使うかを把握するための「推し活費マネースケジュール」で支出の計画を立てましょう。
「推し活費マネースケジュール」は、カレンダーや手帳に「●月×日 グッズ3,000円 チケット7,000円 交通費2,000円」等と書き込んでいくだけでOK。今後どんな支出が発生するのかを認識しておくことで、「今は少し節約しておこう」「しばらく推し活がないからちょっとした贅沢はOK」といった判断がしやすくなります。
【STEP3】残ったお金を貯金する

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貯金が苦手な人向けの貯金術として、毎月の収入から一定額を貯金にまわし、残りのお金で生活費をやりくりする「先取り貯金」もあります。確実にお金が貯まるいい方法ですが、始めから高額に設定すると月の後半に足りなくなり、取り崩してしまいがちです。一度貯金から取り崩すと癖になり、結局貯金できない…ということになりかねません。まずは、「貯金した上で、そのお金を取り崩さない」ということを徹底できるようになりましょう。
おすすめは、事前に少額の先取り貯金をして、さらに給料日前に残ったお金を貯金する方法。貯金用の口座に移すか、少額のうちはタンス預金でもOKです。この方法がうまくいくようになってきたら、金額を増やした先取り貯金にもチャレンジしてみましょう。
【STEP4】「NISA」などの投資で少しでもお金を増やす

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ある程度貯金ができてきたら、投資でお金を増やすことも考えてしていきましょう。若い世代なら、少額から始められて途中でも金額が変えられる「NISA」を利用するのがおすすめです。最大限度の金額を目標にせず、余裕があれば金額を増やすくらいの気持ちが大切です。
「防災袋」分の貯金が達成できてから始めるのが理想ですが、500円玉貯金のイメージで、気軽に始めてみてもいいでしょう。最初から全ての貯金を投資にまわす…といったやり方はリスクが高いので、ある程度調べてからチャレンジする必要はあります。
貯金モチベがあがる!“推し貯金”もおすすめ
「一般的な貯金術では挫折してしまいそう…」という人には、推しの活動にリンクした貯金ルールを設ける“推し貯金”がおすすめです。
たとえば、以下のようなルールを設けてみると、推しを応援しながら、自然とお金が貯まっていくしくみができます。
■推し貯金のルール例
推しの 活動関連 | ・SNSの投稿一回で〇〇円貯金 ・SNSのライブ配信一回で〇〇円貯金 ・公式からの供給があったら〇〇円貯金 ・テレビ出演一回で〇〇円貯金 ・雑誌出演一冊で〇〇円貯金 ・新曲リリースで〇〇円貯金 ・推しの誕生日に〇〇円貯金 ・賞を獲ったら〇〇円貯金 など |
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推しへの 感情関連 | ・推しにときめいたら〇〇円貯金 ・推しに励まされたら〇〇円貯金 ・推しに会いたくなったら〇〇円貯金 ・推しに涙したら〇〇円貯金 など |
項目の内容や金額は、自分の推しの活動内容により調整しましょう。上記以外では、たとえばスポーツ選手を推している場合、「推しが点数をとったら〇〇円」「チームが勝ったら〇〇円」などもいいでしょう。
ポイントとしては、SNSの投稿など頻度が高い項目は数百円程度の少額を設定し、年に数回あるかないかという項目については思い切って数千〜数万円設定することです。
貯金箱に現金をいれる方法ももちろんありますが、1回当たり10万円以内であれば違う銀行同士で手数料無料で送金ができる「ことら送金」や、特定の金融機関を連携することによりアプリ上で貯金ができる貯金アプリなどを活用して貯金用口座にお金を移し、推し貯金をしてみるのがおすすめです。
自分の推しの活動ごとに、これならいける!というルールをカスタマイズしてみましょう。
貯金は無理をしないのが大切。時には転職も視野に入れよう

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今ほとんど貯金がないという人は、まず少しずつでも毎月貯金することを目標にしましょう。目標金額や期間を決めることも大切ですが、生活や趣味を削りすぎると疲弊してしまうので、無理は禁物です。
ただ、お金はあればあるだけ様々な場面で選択肢を広げることができます。生活費や趣味費などを最低限に抑えているのに貯金ができないのなら、収入自体を増やす方向にシフトしていくことも考えましょう。
収入を増やすために検討できることとしては、転職や副業などが考えられます。頑張る目的(推し)があるオタクなら、その努力もできるのではないでしょうか。
【関連記事】貯金ゼロでもまだ間に合う。「20代におすすめの貯金術」について、詳しくはコチラ
推しジャンル別・3パターンの推し活貯金例
(1)アニメキャラクター推しのAさん/額面年収300万円・年間推し活費20万円の場合

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【プロフィール】
基本情報:23歳女性、会社員 地方在住
年収(額面):300万円(月収21.4万円/ボーナス42.8万円)
貯金額:0円
推し:アニメキャラクター
推し活費:20万円/年
▼推し活費20万円の内訳

▼グッズ購入費
- キャラクターグッズ購入費(ストラップ・ぬいぐるみなど):年間84,000円(1個500円〜3,000円 月間7,000円ほど)
▼コンテンツ課金
- スマホゲーム課金:年間60,000円(月間5,000円)
▼イベント参加費
- チケット代・グッズ購入費:年間30,000円
- 交通費:年間26,000円(13,000円×2回)
【目標貯金額とおすすめの貯金法】
Aさんは貯金がないので、まずは月収の約3カ月分、60万円を目標に貯金をしていきましょう。とはいえ、収入が少ないため貯金が難しい状況で、また、貯金の習慣もありません。
まず、「推し活費マネースケジュール」を作成し、グッズを買う前に本当に欲しいのかを吟味するようにしましょう。アニメグッズは同じ絵柄を使っていろいろなグッズ展開をしていることが多いです。購入しようとしているものが「欲しい」ものなのか「なんとなく集めてしまっている」のか一度自分に問いかけてみてください。お金を使う時の、自分の思考の癖が見えてくるはずです。
おすすめの貯金方法は、ボーナスをがっつり貯金にあてること。いつまでと期間を決めず、なるべく早く目標金額が貯められるように頑張りましょう。
【関連記事】「ボーナスの使い道」のおすすめの配分について、詳しくはコチラ
(2)アイドル推しのBさん/額面年収450万円・年間推し活費100万円の場合

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【プロフィール】
基本情報:29歳女性、会社員 都内在住
年収(額面):450万円(月収32.1万円/ボーナス64.2万円)
貯金額:50万円
推し:アイドル
推し活費:100万円/年
▼推し活費100万円の内訳

▼コンサート参加費
- チケット代:年間240,000円(8,000円×30回)
- グッズ購入費:年間60,000円
- 遠征費:年間450,000円(30,000円×15回)
▼その他
- CD購入費:年間90,000円(複数購入で30,000円×3回)
- イベント・舞台観劇など:年間100,000円(10,000円×10回)
- オタク友達との交際費:年間60,000円(5,000円×12回)
【目標貯金額とおすすめの貯金法】
しっかり稼いでがっつり推し活費を使うタイプのBさん。現在の貯金額を考えると、緊急推し活費用の貯金も含めてプラス50万円あると安心です。アイドルオタクなら、チケット抽選が外れてしまった際にできる“つもり貯金”をしていきましょう。「チケットが外れ現地に行けず、オンラインでの参戦となった場合、遠征したつもりで貯金する」というようにすれば、半年から1年でどんどん貯まっていくはずです。
そのほか、“ハードル低め”の先取り貯金と、1カ月生活した残りを貯金する方式を組み合わせるのもおすすめです。月の手取り月収が約28万円で一人暮らしだと考えると、先取り貯金は3万円くらい貯められると理想的。加えて、推し活が少なかった月の残金やボーナスを貯金にまわすようにしましょう。
(3)若手俳優推しのCさん/額面年収380万円・年間推し活費40万円の場合

画像:iStock.com/shih-wei(画像はイメージです)
【プロフィール】
基本情報:34歳女性、会社員
年収(額面):380万円(月収27.1万円/ボーナス54.2万円)
現在の預金額:100万円
推し:若手俳優
推し活費:40万円/年
▼推し活費40万円の内訳

▼観劇費
- チケット代:年間100,000円(5,000円×20回)
- 遠征費:年間120,000円(30,000円×4回)
- チェキ・生写真など購入費:年間40,000円(1,000円×40枚)
- グッズ購入費(写真集・カレンダー・舞台グッズ):年間30,000円
▼その他
- 会えるイベント参加費(単発開催):年間80,000円(グッズ複数購入などの条件込みで10,000円×8回)
- オタク友達との交際費:年間30,000円(5,000円×6回)
【目標貯金額とおすすめの貯金法】
若手俳優推しは、アイドル推しと同じく、 “つもり貯金”がおすすめです。「出演舞台が全通できたつもりで〜」「イベントの抽選がすべて当たったつもりで〜」と想定して、その分を貯めていきましょう。
また、Cさんは「防災袋」分の貯金はすでにあるので、銀行口座にお金を貯めるのではなく、「NISA」などの投資を利用してお金を増やす方向を考えていきましょう。積立投資は長く続けることで複利効果※が期待できます。余裕資金があるのなら、早く始めるに越したことはないのです。
本当にお金に余裕があって将来のことも考えていくのであれば「iDeCo(イデコ)」を始めるのもいいと思いますが、貯めたお金が60歳まで使えないのがデメリット。そもそもの所得が低いと税金面での恩恵も少ないので、まずはNISAなどの投資で流動的なお金の増やし方を実践するのがいいでしょう。
推しは、推せる時に推そう! 今を楽しむためにも貯金は必要
推し活には、何かとお金がかかります。今貯金がほとんどないという人は、少額でもお金を貯める習慣をつけることから始めることが大切です。できないことを気にするのではなく、少しでもできたら自分を褒めるくらいのスタンスでOK。もちろん、将来のために貯金はあったほうがいいですが、借金やリボ払いをしない限りは、今を楽しむためにお金を使うことも大切です。
推しの活動はいつまで続くのかわかりませんし、自分のときめきもいつまで続くかはわかりません。「推しは、推せる時に推そう!」。賢くお金を使いながら、推し活を楽しみましょう!