お金のことって誰かに話しにくい。たとえそれが、生涯を共にする「家族」でも……。
だけど、1人よりもチームの方が力になる。ましてや家族なら、きっと大きな力になるはず!

お金の管理をみんなで考える「家族マネー会議」、最終回となる今回は、家族にとって大きなテーマとなる「子どもの将来のためのお金」について。家族の意見を出し合って、明るい未来に進んでいくことができるのでしょうか?

<登場人物・マネ子さんファミリー>

マネ子さん:36歳パート主婦。家族で海外旅行をするのが夢。

パパさん:38歳会社員。休日に子どもとサッカーをするのが趣味。

ミミちゃん:小学5年生。オシャレな雑貨を集めるのが好き。

ムウタくん(息子):幼稚園年長さん。サッカーよりもゲームが気になるこの頃。

子どもの習い事、親の独断で決めてない?

画像: 子どもの習い事、親の独断で決めてない?

ー 夜、子どもたちの就寝後 ー

「ねえ、マネ子ちゃんはどこのサッカークラブがいい? Aは練習場所が近所の公園で、Bはクラブ専用グラウンドがあって。Cはクラブチーム、コーチが本格派で」

「そう、ねえ」

「あ、もしかして会費のことが心配? 確かにCはちょっと高いけど、Aなんかは年間3万円でかなり良心的だよ」

「そうね。ムウタも小学生になるし、先々のために何かやらせたいとは思っているんだけど……」

「けど?」

「そもそもムウタって、サッカーやりたいのかしら?」

「……ハッ!!」

「こないだ、お友達の家で『タブレット教材』を触らせてもらったの。そしたらムウタ、夢中になってやっててね。今の教材ってすごいの、ゲームみたいに勉強できるし、プログラミングもやるのよ」

「プ、プログラミング……!? それは、専門学校や理系大学で習うものでは?」

「今は小学校でもやるし、子ども向けのプラミング教室もあるんですって」

「時代はそんなことに……! ムウタにはそういうのが向いてるってこと?」

「まだわからない。習い事の月謝って結構するし。この先どれだけお金がかかるかもわからないし」

「なるほど。そういうことなら『家族マネー会議』の出番だね!」

「子どもの将来を実現するために、家族で同じ方向を見据える。これぞ家族マネー会議!」

解説:横山光昭(ファイナンシャルプランナー)

子どものいる家庭にとって、避けては通れないのが教育費の問題です。文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」によると(※)、幼稚園から高校まで、全て公立で541万円、高校のみ私立で694万円、全て私立で1830万円かかる結果に。また、大学には国公立で243万円、私立文系で398万円、私立理系で542万円という調査結果も。

また、マネ子さん家のミミちゃんの年頃から、塾代などがかかってくるご家庭が多いです。かけようと思えばいくらでもかかってしまう教育費。しかし、かけすぎると親の老後資金がすっからかん、なんて事態にも。先々の生活を苦しくしないためにも、家族マネー会議でしっかり議論を交わし、目標をはっきりさせましょう。

※文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について」

まずは本人の意見を聞いてみよう

画像1: まずは本人の意見を聞いてみよう

ー週末の夕食後ー

「ムウタのサッカークラブ、決まった?」

「それがね。ねえムウタ、サッカーやりたい?」

「う〜ん、やってもいいよ」

「そんな!?」

「まあまだ年長さんだものね。もう始めてる子もいるけど」

「うちのクラスにもいるよ。3歳からクラブチーム入ってて、週末はいつも練習や試合で忙しそう」

「保護者も付き添いしなきゃなのよね。遠征費は保護者持ちだし」

「そうか、そこまで考えなくちゃいけないのか。僕の時代の部活とは違うんだな」

「本人が本当にやりたいならいいんだけどね。もう少し様子見てからでもいいのかなって」

画像2: まずは本人の意見を聞いてみよう

「それで、ムウタ。こないだお友達のおうちで、タブレットのお勉強使わせてもらったでしょ。あれどうだった?」

「楽しかったー!!」

「食い気味!」

「それ! 私がずっとやってる通信教材の、タブレット版でしょ!」

「そう。幼稚園の頃からずっとやってるアレ。年々勉強量も親のチェックも料金も増えていく、アレ……」

「マネ子ちゃんが遠い目に」

「私もタブレットにした〜い!」

「でもさ、やっぱ勉強って、紙に鉛筆で書かなきゃじゃない?」

「それがね、周りのママ友に聞いてみたら、これからの時代はデジタルに慣れてる方がいいんじゃないかって。しかもあれ、親が丸つけしなくていいのよ!」

「そうなの!?」

「丸つけママに頼むと忙しいからって後回しにされるし、質問してもママもわからないし」

「そうなのよ。だから今後、2人には、タブレット教材の導入を考えます」

「さんせ〜い!」

「で、それ、費用はどれくらいなの?」

「紙の教材とほぼ同額なんだけど、小1で月3,000円くらい、小6だと月6,000円弱よ」

「え。私のそんなにするの」

「塾に通うよりは安いわね。これくらいなら、かけてもいい額だと思う。これでしばらく様子を見て、この先、ムウタのプログラミングや、ミミの不得意分野のフォローも考えていけたらなって思っています」

「完璧だよマネ子ちゃん(パチパチ)」

<横山さんのワンポイントコメント>

そもそも子どもが習い事に興味がないのに、親の考えだけで進めてしまうということがあります。子どもの今後を考えて導いてあげるというのは良いことですが、まずは家族でそれぞれの考えや思いを知るというのが大切なスタートとなるでしょう。マネ子さん一家は、マネー会議を始めてからそういった意識が自然と根付いてきたように感じますね!

その上で、ではその習い事の何が良いのか、どのくらいお金がかかるのかなどを家族で考えて共有すれば、共通意識を持って準備や取り組みができるはずです。

「……」

「? ミミちゃんどうしたの?」

「私も話していい?」

「えっ何? お部屋の雑貨は月に1つよ」

「違うよ〜、勉強のこと」

「勉強したくないってこと? わかるよ〜パパもそうだった」

「違う〜! 逆! 逆!!」

「逆って、まさか」

「私、もっとちゃんと勉強したい。大学に行って勉強して、『インテリアコーディネーター』になりたいの」

「!?!?!?!?」

子どもの将来の夢は、みんなで実現していこう!

画像: 子どもの将来の夢は、みんなで実現していこう!

「なんかそれかっこいい!」

「待って。となると、大学って、美術系?」

「建築関係だとしたら理系では?」

「美大や私立理系の学費って、高いのよね……」

「……」

「うん。調べたら、すごくお金かかるって書いてあった」

「最近よく私のスマホを使って調べ物してると思ったら」

「だから、どうしたらいいのか、家族マネー会議で話し合いたいの」

「それは……重大なテーマね」

「だけど、まさに、家族マネー会議で話し合うべきことだよね。よく考えたね、ミミちゃん」

「うん」

「そうね、まず。我が家は子どもの教育費として、『児童手当』をまるまる貯めてるの。大学入学の年には、一人当たり約200万円にはなってる計算よ」

「そんなに!」

「まあでもこれは、最低限だね。美大や私立理系となると、正直足りない」

「そっか……」

「だからって、諦める必要はないのよ。そのために家族マネー会議があるんだもの」

「ママ……!」

「例えばさっきのタブレット学習。オプション教材や塾通いも必要となると、正直キツイわ」

「わかった。タブレット学習でがんばる」

「あとは、中学も高校も公立なら、大学のためのお金を用意するのはまだ楽になりそうだね」

「公立の進学校はかなり倍率高いけど……」

「やるよ私! 今から、そこに目標立てる!」

「ミミちゃん……!」

「立派になって……グスッ」

「ママもパパも、全力でサポートするわ。ムウタが小学校入って落ち着いたら、パートも増やせるし」

「ボクもがんばる〜」

「そうね。こうして、家族マネー会議するようになって、みんなの力を合わせればできないことなんてないって気持ちになってきたわ。目標に向かって、頑張りましょう!」

「うん!」

「ママの夢の海外旅行も、実現させようね!」

「うふふ、もちろんよ!」

<横山さんのワンポイントコメント>

家族マネー会議という場を設けたおかげで、ミミちゃんも自分の将来の夢を素直に話すことができましたね。このように家族に関わることは何でも話す習慣が生まれるのも、マネー会議のメリットです。そうして、ミミちゃんの夢を実現するにはどうすればいいのかをみんなで考えれば、“家族ごと”としてひとつの目標のために協力していけます。これからもマネー会議を続けていけば、きっとマネ子さん一家は、一つひとつの夢を実現していけることでしょう。

本日の家族マネー会議 議事録

  • 何事もまずは本人の意見を聞いてみよう
  • 習い事は「やりたいこと」と「お金のバランス」にみんなが納得してから進めよう
  • 自分のやりたいことや思いは積極的に発言しよう
  • ひとりの夢は家族みんなの夢!

3回にわたってお送りしたマネ子さん家の家族マネー会議。回を重ねるごとに、マネ子さん一家の成長と仲が深まっていく様子も見えました。自分にとっても家族にとっても、家族マネー会議で得られることの多さに気づいたはずです。この機会に、あなたも家でマネー会議を開催してみては?

#終わり

この記事の著者

うだひろえ

エッセイやルポを描(書)く2児の母。著書に『大学4年間の経営学がマンガでザッと学べる』『とにかく書き出し解決術!』(KADOKAWA)『誰も教えてくれないお金の話』(サンクチュアリ出版)等。ゼクシィbabyみんなの体験記/レタスクラブニュース/mymo/三井住友TAM/PLASMAでも連載。小3息子、小1娘、FPの夫との4人家族。
ウェブサイト
Twitter

この記事の監修者

横山光昭(ファイナンシャルプランナー)

家族マネー会議の提唱者。赤字家計、なかなか貯蓄ができない家計を中心にサポートし、相談件数は2.3万件を突破。2009年の『年収200万円からの貯金生活宣言』、2016年の『はじめての人のための3000円投資生活』を代表作とし、著作累計は144冊になる。
ウェブサイト
Twitter

This article is a sponsored article by
''.