そこで、ファイナンシャルプランナー・氏家祥美さん監修のもと、家族構成別、年代別でのお小遣いの平均額をチェックしながら、金額をどのように決めるべきかを解説します。
この記事を読めば、今の夫のお小遣いが世間の平均に比べて多いのかどうか、効果的な家計管理方法のコツを知ることができるはずです。
※この記事は、2022年 7月5日に更新しています。
この記事の著者
氏家 祥美(うじいえ よしみ)
ハートマネー代表。ファイナンシャルプランナー・キャリアコンサルタント。子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持ち、「幸福度の高い家計づくり」を総合的にサポートしている。オンラインでの家計相談やマネー研修も実施中。
【家族構成別】夫のお小遣い、世間の平均はいくら?
まずは、世の中の夫のお小遣いの平均額はどれくらいなのかを見ていきましょう。
男性会社員全体の平均は「約3万8,000円」
新生銀行の調査1)によると、未婚男性も含んだ男性会社員のお小遣いの平均額は3万8,710円です。そんな中、既婚男性は、共働き・片働き・子どもの有無により、大きく金額が異なっています。
〈図〉男性会社員のお小遣いの平均額
共働き家庭の平均は「約3万5,000円〜4万5,000円」
共働きで子どものいない家庭の場合、男性会社員のお小遣いの平均額は4万4,707円と比較的高めです。既婚で共働きの場合、やはり家計に余裕があるのでしょう。片働きで子どものいない家庭(3万4,911円)よりも1万円程度も多くなっています。
子持ち家庭の平均は「約3万1,000円」
一方で、子どものいる家庭では、共働き(3万1,837円)でも片働き(3万1,732円)でもほとんどお小遣い額は変わりません。
【年代別】夫のお小遣い、世間の平均はいくら?
つぎに、年代別での夫のお小遣いについて見てみましょう。
〈図〉夫の1カ月のお小遣い額(年代別)
年代別の夫のお小遣いは、20代は3万4,692円、30代は3万7,043円、40代は3万2,175円、50代は3万1,796円です。
一般的に、会社員の収入は年代が上がるごとに上昇する傾向があります。しかし、夫のお小遣いの場合は、30代をピークとして下がる傾向があります。これは、40代以降で子どもの教育費や自宅のローンの支払いが発生することが多いのが要因のひとつと考えられるでしょう。
妻のお小遣い、世間の平均はいくら?
ちなみに、男性会社員の配偶者(パートナー)、つまり「妻」のお小遣いはいくらなのかも見てみましょう。同調査によれば、平均額は2万7,911円という結果でした。
〈図〉妻の1カ月のお小遣い額(年代別)
ただし、こちらも年代で差があり、20代は3万3,270円、30代は2万8,501円、40代は2万8,528円、50代は2万1,841円となっています。
ここ10年、夫のお小遣いの平均額は減少傾向
ちなみに、ここ10年間の男性会社員・女性会社員(未婚含む)のお小遣いの平均額の推移は以下のとおりです。
〈図〉お小遣いの平均額の推移
男性のお小遣いは2010年から約3,200円減であり、女性は2014年に比べると約2,300円減となっています。
財布の紐を締めている家庭も多いのでしょう。自由に使えるお小遣いは減少傾向にあるといえそうです。
お小遣い額を見直す「効果的な家計管理方法」とは?
お小遣いの平均額を見てきましたが、ご自身の家庭のお小遣いよりも多かったでしょうか、少なかったでしょうか?
もしかしたら、「平均より多いから、夫のお小遣いを減らしてもいいかも…」と思った方もいるかもしれません。
ですが、ちょっと待ってください! お小遣い額を見直すにあたっては、まずは夫婦の家計管理の仕方を整理することが大切です。
よくある3つの家計管理システム。おすすめは「1つの口座を夫婦で管理する方法」
まずはご自分の家庭の家計管理システムとして、どのようなものを使っているか、確認をしてみましょう。
よくある家計管理システムは3つあります。
1つめは、夫婦が別口座でそれぞれが管理する方法、2つめは、従来の家庭で多かった1つの口座を1人(妻か夫)が一元管理する方法、そして3つめは、現代の家庭で多くなってきている1つの口座を夫婦で管理する方法です。
その中でも、おすすめしたいのは、1つの口座を夫婦で管理する方法です。
“お互いの収入を1つの銀行口座にまとめて管理する”というと「1つの口座を1人(妻か夫)が一元管理する方法」とあまり変わらないように思うかもしれませんが、夫婦で家計全体を把握しながら話し合い、お互いのお小遣い額を決めることで、納得感を得られやすくなります。
なお、家計全体を2人で把握する必要があるため、家計管理アプリなどを導入することで、家計を見える化することがポイントになります。
1つの口座を夫婦で管理する方法を利用したお小遣い設定の手順、お小遣い額の目安(手取りの何割にするか)やメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ読んでみてください。
【関連記事】夫のお小遣いは、手取りの何割にするのが正解? 金額設定のコツを解説
また、お小遣い額を設定する上では、スマホ代や車のガソリン代など、「お小遣いに含むべきなのかな?」と思う項目があると思います。こちらに関しても、どのように考え、整理したほうがいいかを以下の記事で解説しています。併せて読んでみてください。
【関連記事】夫のお小遣いの内訳は? スマホ代やガソリン代はどうする? 決めておきたい使い道ルール
年に1回、夫婦でお金について話し合う機会を設けよう
どうしても、家庭のお金をどのように、いくら使うかは夫婦のパワーバランスが影響してしまいます。また、夫婦のどちらかが財布の紐を握ると、もう一方は家計の全体像が見えず、必要以上の我慢を強いられることになりかねません。
自由に使えるお金をどのように管理するとしても、年に1回は夫婦の決算日を設けて、お金について話し合うことが大切です。
将来に向けた資産形成のためにも重要な「夫婦のお小遣い」。お互いに協力しながら、ストレスをためない方法を探してみてください。