発売するレシピ本はどれもベストセラー、Twitterでレシピを公開すると10万以上ものいいね!がつくこともある、大人気料理コラムニスト・山本ゆりさん。

この企画では「おひとりさま女性が作る家ごはん」をテーマに、高コスパで、作業時間は15分以内、そして火を使わずレンジでできてしまう簡単レシピを山本さんに紹介してもらいます。

この記事の著者

山本ゆり

料理コラムニスト。大阪生まれ&在住。どこにでもある材料で誰でもできるレシピをブログや本で紹介している。著書『syunkonカフェごはん』シリーズは累計670万部。最新刊『syunkonカフェごはん7 この材料とこの手間で「うそやん」というほどおいしいレシピ』。エッセイ本『syunkonカフェ雑記 クリームシチュウはごはんに合うか否かなど』他。
ブログ「含み笑いのカフェごはん『syunkon』」
Twitter:@syunkon0507
Instagram:@yamamoto0507

前回、ひとり暮らしには電子レンジが強い味方であるということを熱弁し、とても簡単に作れる納豆チャーハンを紹介しました。

今回は、食べたいけどひとり暮らしではなかなか作る気になれない揚げ物、から揚げをご紹介します。

から揚げといっても揚げてないので、あのサクサクカリカリ食感にはならないんですけど(ほな、から揚げちゃうやないか!! て言いたくなりますよね、わかります)、冷凍のレンジで仕上げるから揚げみたいな、柔らか食感です。めっちゃジューシーで冷めても美味しい。言われなきゃレンジで作ったってわからんくらい美味しい。

ズボラの大敵・油の処理はいりません!

画像: ズボラの大敵・油の処理はいりません!

レンジで作るから揚げは、まず油の量が少ないのがすごく嬉しいです。フライパンで作るとどうしても大量に油がいるし、何キロも揚げるならいいけど、1~2人分のためにタプタプ使うのはもったいない。

その点このレシピは、油は大さじ1~2ほどしか使わないので圧倒的にラク! そして経済的!

何と言っても、後片付けのラクさが段違いです。フライパンだと油の処理がまた大変で(オイルポットに入れてもどんどんベタベタなってくるし、「これ……いつまで使えるん……?」と不安になる)。その後フライパンを洗う手間もかかりますし、揚げ物すると油がはねてコンロや床がベタベタになったりもしますよね。

でも電子レンジだと、オーブン用シートを丸めてポイ! 台所も全然汚れずとても気がラクです。夏の暑い日でも汗ひとつかかず作れるし(お肉を切ってる時点での汗は省く)、時間を設定してボタンを押すだけなんで、火加減をあれこれ調節したり、バチバチはねてくる油に蓋を盾に立ち向かったり、揚げ過ぎて焦がしたりパサつく心配もなし! 油の温度や取り出すタイミングがわからないなど、揚げ物自体が苦手という方にもおすすめです。

レンジでお肉を加熱するコツ、教えます。

画像: レンジでお肉を加熱するコツ、教えます。

電子レンジ料理に慣れてきた人でも、「お肉だけは火の通りが不安でフライパンでやってしまう」とか「生焼けが心配」と言われる方がいます。でも声を大にして言いたい。

「生焼けが心配な人ほど電子レンジを使うべきやで!!」と。

電子レンジはフライパンに比べて圧倒的に早く確実に中まで火が通ります。また、フライパンと違い、「外は焼けてるのに切ったら生……」みたいなことがなく、外から見て生っぽい部分が無ければ中まで火が通ってると見て間違いない。火の通りが一目瞭然なのが安心です。

もうひとつよく言われるのが、逆に「お肉が固くなる」とか「パサパサになる」というもの。生焼けを心配するあまり、つい書かれているレシピより長めに加熱しがちなんですけど、電子レンジは余熱がすごいんです。加熱を止めてからお皿に盛るまでの間にもグングン火が通っていく。

食パンなどはわかりやすいですが、電子レンジで加熱すると、加熱直後はあつあつフワフワでも、しばらくするとカチカチになりますよね。そこを考慮せず「心配やからとりあえず1分長くチンしとこ」ってやると、一気に固くなってしまいます。

「犬の1年は人間の7年」ではないですけど、電子レンジの1分はフライパンの5分、10分に値するぐらい状態が一気に変わるので、とにかく短めがポイント。「ほんのちょっと生っぽいかも」と思うぐらいで止め、しばらく置いて様子を見るのがコツです。

今回紹介するのは、甘辛いタレで和えた、白いごはんにもビールにもぴったりのから揚げです。レンジで作るから揚げは、油で揚げた物のようにサクサク、カリカリにはならないので、それやったらもうタレで和えてしまおうと。

一生懸命揚げたから揚げだと、タレに絡める際に「もったいない……」と躊躇しますが、レンジだと気兼ねなく和えられます(笑)。

「この手間やったらいつでも作れる!」ってぐらい簡単で、タレを変えればアレンジ自在。冷めても美味しく、お弁当にもいけますよ。

パパッと簡単おかずに。ピリ辛ダレから揚げ

材料(2人分) 調理時間:15分以内
鶏もも肉1枚(300g)
A塩、こしょう各少々
A酒大さじ1
Aしょうゆ小さじ1
片栗粉、サラダ油各適量
Bしょうゆ、みりん、水各大さじ1と1/2
B白いりごま、砂糖各小さじ2
Bラー油、粗びき黒こしょう各適量
あればフリルレタス適量
画像1: パパッと簡単おかずに。ピリ辛ダレから揚げ

①鶏肉はひと口大に切ってフォークで穴を1切につき5~10カ所あける。

画像2: パパッと簡単おかずに。ピリ辛ダレから揚げ

②Aを揉みこんで5分ほど置き、水気をとって片栗粉を薄くまぶす。

画像3: パパッと簡単おかずに。ピリ辛ダレから揚げ

③耐熱皿にオーブン用シートを敷いて②を並べ(シートがあると後片付けがとてもラク)、油を大さじ1~2ほど回しかけて、白い部分を濡らすように全体に塗り、ラップをかけずに電子レンジ(600W)で5~6分加熱する。

画像4: パパッと簡単おかずに。ピリ辛ダレから揚げ

ラップをしないでチンすることで、水分がとんでカラッと仕上がります。裏はどうしてもベチャッとしますが、気にせずに。どうせタレにつけるんで。

まだ生っぽいお肉があれば、それだけ残して裏返し、30秒~1分チンしてください。

時々レンジ庫内から「ボン! ボン!」と破裂音がしますが、扉の向こう側の話なので全然気にせず、穏やかな気持ちでお過ごしください。レンジあるあるです。

画像5: パパッと簡単おかずに。ピリ辛ダレから揚げ

④耐熱ボウルにBを入れ、レンジで1分加熱し、②を入れて絡める。器にあればフリルレタスを添えて盛る。

完成!

画像: 完成!

さらにこちらのから揚げ、Bのタレを変えればもう1品できてしまいますので、おすすめのタレ変レシピも教えちゃいます。

タレ変して作れる。絶品!ねぎダレから揚げ

画像: タレ変して作れる。絶品!ねぎダレから揚げ

から揚げは同じでOK。タレを以下の材料に変えて、同じくレンジで1分加熱し、上からかけるだけ!

ねぎダレ
長ねぎのみじん切り1/2本分
砂糖、しょうゆ、酢各大さじ1
ごま油少々

油淋鶏みたいな中華風のタレが美味しいので、こちらも良かったら試してみてください!

ひとり暮らしで時間がないと、うどんやラーメン、パスタなどどうしても炭水化物の1品モノが多くなりがち。このから揚げならキッチンも汚さずとても簡単にできるし、レンチンとはいえど手作り出来立ての美味しさは格別です。ここにごはんと市販のお味噌汁、カット野菜、切ったトマトなどを添えればそれだけで十分な献立に。

ちなみに値段は、鶏もも肉250gで大体250円。あとは調味料なので300円はかかりません。量もたっぷり2日分はあるので、買うよりずっと経済的です。ぜひ作ってみてください!

イラスト=akane0119

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