2020年4月から東京都でも始まった自転車保険の加入の義務化。全国の自治体が次々に導入している背景には、事故のリスクが高く、高額な賠償金を請求される例があるからという理由があります。この記事では、自転車保険とその補償内容を解説。知らない間に条例違反をしていた…ということをなくすために、自分の住んでいる地域は加入義務エリアなのかも合わせてチェックしましょう。

自転車保険の補償内容

画像: 画像:iStock.com/Toa55

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そもそも自転車保険とは、どのようなリスクを補償してくれる保険なのでしょうか。まずは基本的な情報を知っておきましょう。

(1)自転車保険とは

自転車保険とは、自転車事故により自分がケガをしてしまった場合や、相手をケガさせてしまった場合に補償を受けることができる保険です。

自分が自転車事故で死亡した時やケガで手術をした時には死亡保険金や治療費に対する補償を受けることができ、相手にケガをさせたり相手の物に損害を与えたりしてしまった時には、損害賠償責任を負担することにより被る損害の補償を受けることができます。

ただし、自転車保険とひと口に言っても、保険会社や商品によって補償内容の組み合わせは様々です。たとえば、入院給付金は補償されていても、日帰り手術は補償されていないものや相手をケガさせてしまった時の補償がついていないものなどがあります。

そのため、加入前には補償内容について、しっかり確認することをおすすめします。

なお、補償内容によって保険料は変わってきますが、月々300〜500円程度、1年分の保険料をまとめて支払う年払いを利用した場合には年間4,000〜5,000円程度で加入できる会社がほとんどです。

(2)自転車保険の補償の種類と内容

では、具体的にどのような補償があるのでしょうか? 代表的な補償内容をまとめましたので、確認してみましょう。

〈表〉自分が被害を受けてしまった時の代表的な補償例

死亡・後遺障害の補償
死亡、または後遺障害を患った場合に保険金を受け取れます。
入院補償
ケガで入院した場合、「入院保険金日額×入院日数」の保険金を受け取れます。
手術補償
ケガで手術を受けた場合に、一定の保険金を受け取れます。
通院補償
ケガで通院をした場合、「通院日額×通院日数」の保険金を受け取れます。

〈表〉自分が加害者となってしまった場合の代表的な補償例

個人賠償責任の補償
法律上の賠償責任を負うことになった場合に、一定の金額を限度として賠償金が支払われます。
示談交渉サービス
損害賠償を請求される場合に、自分の代わりに保険会社が被害者と交渉してくれます。

表で示した通り、自転車保険の補償には大きく分けて、「自分が被害を受けてしまった時の補償」と、「自分が加害者になってしまった時の補償」があります。

補償金額や事故発生日から何日目までが補償期間になるかなどの条件は商品・プランによって異なるので、加入を検討する際はしっかり比較するようにしましょう。

なお、とくに注目すべきなのは、自分が加害者となってしまった時の補償である「個人賠償責任」です。「個人賠償責任」は、事故により相手に対して損害賠償責任を負うことになった時に損害が補償されるしくみです。自転車保険の場合、ほとんどの商品・プランで1億円までは補償されるようになっています。

また、自転車保険ではあるものの、“自転車事故以外”の損害賠償責任にも適用されるケースも多くあります。たとえば、美術館で展示中の商品を落としてしまったり、水漏れが原因でマンションの下の階の人の家財に損失を与えてしまったりした場合なども補償の対象です。

しかし、「自転車事故による損害賠償責任で最大1億円が補償される」と言われても、そんなに多額の補償額が必要なのかは気になるところですよね。

実は自転車事故の場合、相手に対して損害賠償責任を負うことになった時、その賠償金額は数千万円に上ることが珍しくありません。

実際、過去には小学生の男の子が9,000万円以上の損害賠償責任を負った例もあるのです。

(3)高額賠償となった自転車事故のケースを紹介

では、いったいどのような自転車事故を起こした場合に、どのくらい高額な賠償請求がされることがあるのでしょうか?

日本損害保険協会で紹介されている、実際に起きた例を5つ紹介します。

〈表〉自転車事故の高額賠償例1)

判決認容額(円)※加害者/ 被害者事故の概要被害内容
9,521 万男子小学生(11歳)/ 女性(62歳)加害者は、夜間、帰宅途中に自転車で走行中、歩道と車道の区別のない道路において歩行中の女性と正面衝突した。頭蓋骨骨折などの傷害により、意識が戻らない状態となった。
9,266 万男子高校生/ 男性(24歳)加害者は、昼間、自転車横断帯のかなり手前の歩道から車道を斜めに横断。対向車線を自転車で直進してきた被害者男性会社員と衝突した。重大な障害(言語機能の喪失など)が残った。
6,779 万男性/ 女性(38歳)加害者は、夕方、ペットボトルを片手に下り坂をスピードを落とさず走行し交差点に進入。横断歩道を横断中の女性と被害者と衝突した。脳挫傷等で33日後に死亡した。
5,438 万男性/ 女性(55歳)加害者は、昼間、信号表示を無視して高速度で交差点に進入。被害者青信号で横断歩道を横断中の女性と衝突した。頭蓋内損傷等で11日後に死亡した。
4,746 万男性/ 女性(75歳)加害者は、昼間、赤信号を無視して交差点を直進。被害者青信号で横断歩道を歩行中の女性に衝突した。女性は脳挫傷等で5日後に死亡した。
※判決認容額とは、上記裁判における判決文で加害者が支払いを命じられた金額です(金額は概概算額)。上記判決後の上訴等により、加害者が実際に支払う金額とは
異なる可能性があります。

事故の事例を見ると、いずれも自転車に乗る人ならば起こり得るケースです。

もしも数千万円にも上る高額な賠償金を請求された場合、皆さんは支払うことができますか? 支払いができないという方がほとんどではないでしょうか。

だからこそ、もしもの時に備えて自転車保険に加入することが必要であり、各自治体で自転車保険の加入の義務化が推進されているのです。

自転車保険の義務化が進行中

画像: 画像:iStock.com/bee32

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このように自転車事故による高額請求例が後を絶たないため、全国の自治体では自転車保険の義務化が進んでいます。

読者の皆さんの住む地域は、義務化の対象になっているでしょうか? また、義務化の地域で加入していない場合、どんな罰則があるのでしょうか? 次で解説していきます。

(1)自転車保険が義務化されているエリア

2020年4月時点で、自転車保険が条例で義務化されているエリアは次の通りです。

〈図〉自転車保険が義務化されている自治体(2020年4月時点)

画像: 国土交通省調べ 2)

国土交通省調べ2)

〈表〉自転車保険が義務化・努力義務化されている自治体(2020年4月時点)

条例の種類都道府県政令市
義務山形県京都府仙台市名古屋市
埼玉県大阪府
東京都奈良県さいたま市京都市
神奈川県兵庫県
(山梨県)※愛媛県相模原市堺市
長野県福岡県
静岡県鹿児島県静岡市福岡市
滋賀県-
努力義務北海道鳥取県千葉市北九州市
茨城県徳島県
群馬県高知県
千葉県香川県
富山県熊本県
和歌山県-
※山梨県は2020年10月より義務化予定/国土交通省調べ2)

自転車保険への加入に関する条例は、「義務」「努力義務」に分かれます。

「義務」の場合、「自転車を運転する人は“必ず”自転車保険に入らないといけない」という強制力をもつものです。一方「努力義務」とは、「自転車保険に加入するよう“努めなければいけない”」ということを表します。

上記を見てみると、「義務化」または「努力義務化」と定めている都道府県は半数以上あることがわかります。

その中には東京都や奈良県、愛媛県、山形県という、2020年に入ってから新たに義務化・努力義務化された自治体もあります。

このほか、都道府県レベルでは定められていないものの、市区町村や町内会レベル、学校や通勤先でも、自転車保険の加入の義務化が定めている例もあるようです。

また、「義務」や「努力義務」と定められている中には、自転車保険そのものへの加入ではなく、相手に損害を与えてしまった時の個人賠償責任補償への加入のみが義務化されている場合もあります。

皆さんの住んでいる地域の条例ではどのように定められているのか、一度チェックしてみることをおすすめします。

(2)自転車保険に加入していない場合の罰則

じつは、自転車保険への加入が「義務」または「努力義務」と定められている地域で、“自転車保険に入っていない場合”の罰則は今のところありません

しかし、義務化されている地域で加入していないということは、条例違反になってしまうことは肝に銘じておきましょう。

また、自転車に乗車している間、いつ自分が被害者や加害者になるかはわかりません。月々数百円でもしもの備えができるのであれば、自転車保険に入っていて損はないはずです。罰則がないからという理由で加入を怠ることは推奨しません

自転車保険への加入方法

画像: 画像:iStock.com/TAGSTOCK1

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では、実際に自転車保険に入るにはどうしたらよいのでしょうか。

その方法は、大きくわけて5つあります。それぞれについて解説していきましょう。

(1)民間の損害保険会社の自転車保険に加入する
インターネットの検索エンジンで「自転車保険」と検索すると、多くの保険商品が見つかります。その値段はどの会社も月々300〜500円程度です。補償内容や被保険者の対象が本人のみか、本人と同居の家族を含むかなどにより月々の保険料は異なるので、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。

(2)コンビニで加入する
手軽な方法として、コンビニの各店舗に設置している端末やコピー機から申し込むことも可能です。コンビニ各社で加入できる自転車保険は、コンビニと損害保険会社が提携して販売している保険商品であるため、補償内容や被保険者の対象などについては、(1)の自転車保険とほとんど同じです。ただし、一部の補償や付帯サービスがない場合もあるので注意しましょう。

(3)自動車保険の補償で補う
保険会社によっては、自動車保険に人身傷害補償(搭乗時の死亡・ケガに対する補償)と個人賠償責任補償を付けられる場合があります。自動車保険の人身傷害補償保険に加入している場合、自転車事故であっても対自動車の事故の場合であれば補償が受けられます。

自動車保険でも、自転車保険のポイントである「自分のケガ」「相手のケガ」のどちらにも対応できる場合があるのです。

ただし、最初から補償されている場合もあればオプションとしてつける場合もあるので、自動的に補償が付いているとは限らないので注意が必要です。

(4)クレジットカード付帯の補償で補う
クレジットカードによっては、自転車保険や個人賠償責任保険を付帯できる場合があります。任意で個人賠償責任保険をオプションとして付ければ、低コストで保険を備えることができます。自分のケガの補償などはいらないという場合であれば、個人賠償責任保険を付帯させる形で対応するのもひとつの手です。

(5)団体保険の補償で補う
「学生総合補償制度」や「学生教育研究災害傷害保険」など、学校を通して加入する総合補償制度に、自転車事故の傷害補償と賠償責任補償が付いている場合があります。また、PTAや通勤先の団体保険に加入している人の中には、すでに自転車保険と同じ補償がされている場合もあります(後ほど詳しく解説します)。心当たりのある人は、これらの補償内容もチェックしてみましょう。

知らない間に加入済みの場合も? 加入状況を表でチェック

画像: 画像:iStock.com/GCShutter

画像:iStock.com/GCShutter

先ほど、自分では意識していなくとも、自転車保険と同等の補償がされた保険商品に加入している場合があるということを説明しました。

ここでは、自分がすでに自転車保険に加入しているのかをチェックする方法について説明します。

(1)すでに加入しているのは、どんな場合?

自分の知らないうちに自転車保険と同等の補償が受けられる保険商品に加入しているという場合には、次のようなことが考えられます。

① 他の保険などで“自転車保険”相当の補償がされている場合

  • 別の損害保険に補償が付帯されている
  • クレジットカードなどに補償が付帯されている
  • 学校や会社の団体保険に補償が付帯している

このような場合、新たに自転車保険に加入すると、補償が重複してしまう恐れがあります。補償が重複している場合、万が一事故を起こしたとしても、加入している保険のうち、どれかひとつからしか保険金は支払われません

ただし、他の損害保険に入っているからといって、自転車保険の内容を全てカバーしているわけではなく、“一部の補償だけが重複している”という場合がほとんどです。個人賠償責任補償が付帯されているものの、自分自身のケガへの補償は含んでいないなども考えられます。

もし一部の補償しかされていない場合には、自転車保険、または必要な補償を自分で選んで加入できるオーダーメイド型の傷害保険に加入するようにしましょう。

② 運転する自転車にTSマークのシールが貼られている場合

さらに、以下についてもチェックしておきましょう。

  • 自転車にTSマークのシールが貼られている

TSマークとは、自転車安全整備士が点検・確認した普通自転車に貼られているマークのことです。このマークが貼られている自転車は、TSマーク付帯保険に自動的に加入することになり、傷害補償と賠償責任補償が付帯されています。

シールには、点検年月日と自転車安全整備士番号が記載されており、貼り付けられた自転車の持ち主だけでなく、事故発生当時に搭乗中の人がTSマーク付帯保険の対象となります。

ただし保険の有効期限は、TSマークに記載されている点検年月日から1年間なので注意してください。

また、TSマークには赤色と青色があり、違いは以下の通りです。

〈表〉TSマークの種類と内容3)

画像: ※重度後遺障害の等級は、自動車損害賠償保障法に定める等級に該当します。

※重度後遺障害の等級は、自動車損害賠償保障法に定める等級に該当します。

赤色のTSマークにのみ付帯されている「被害者見舞金」とは、TSマークが貼られている自転車を運転している人が、第三者に入院加療15日以上のケガを負わせ、法律上の損害賠償責任を負担した場合に、一律に支払われるものです。

このTSマークは、どちらの色であっても自転車の点検整備を受ける料金のみで貼ることができます

点検を行う店舗によっては、いずれかの色のTSマークしか取り扱っていない場合もありますが、もし選べるのであれば、補償内容が充実している赤色のTSマークがおすすめです。

Column「補償を確認する時に注意すべきこと」

自転車保険に相当する保険に加入しているかを確認する際、注意すべき点についてひとつアドバイスがあります。

先にも説明した通り、自転車事故により他人にケガをさせてしまったり、損害を与えてしまったりした場合、加害者は高額の損害賠償を命じられる場合があります。

そのため、支払い限度額1億円以上の個人賠償責任は、何らかの方法で用意しておくことが望ましいでしょう。たとえば、青色のTSマークでは死亡事故に対しても1,000万円しか補償されませんし、他の損害保険に付帯した個人賠償責任補償もそこまで高額でない可能性はあります。

個人賠償責任補償が付帯されていれば大丈夫と考えず、ここまで補償がサポートされていない場合には、保険の見直しを行いましょう。

(2)自転車保険への加入状況をチェックしよう

ここまで自転車保険に加入する様々なケースについて説明しました。では、読者の皆さんは自転車保険、または同等の内容の補償がされた保険に実際に加入しているのでしょうか? ひと目で確認できる下の図でチェックしてみましょう。

〈図〉自転車保険加入状況チェック表

画像: (2)自転車保険への加入状況をチェックしよう

自転車保険に関する「よくある疑問」

画像: 画像:iStock.com/shironosov

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ここまで自転車事故のリスクや、自転車保険の必要性について紹介してきました。ここからは、自転車保険にまつわるよくある疑問にお答えします。

(1)自転車保険に入るタイミングは?

自転車保険について、どのタイミングで加入をすればいいか迷っている人もいるでしょう。推奨したいのは「自転車を所持した時点」です。

普段はあまり自転車に乗らないという人でも、たまに乗った時に事故を起こしてしまう可能性はゼロではありません。そんなもしもの時のために自転車保険はあるのです。タイミングを伺うことなく、最初から自転車保険に加入しておくのが安心です。

また、加入に年齢制限はありません。先ほど説明した通り、学校からの帰路に子どもが事故を起こしてしまい、個人賠償責任を負うことも多くあります。

【民法712条】
未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。
【民法714条】
前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。

上記のとおり、民法上で「未成年者」は責任無能力者とされています。子どもが事故を起こした場合、損害賠償責任が請求されるのは、加害者の監督義務者、すなわち保護者になります。その際、子どもが自転車保険に加入していれば、それに対する補償が出ますので、年齢関係なく加入しておくことをおすすめします。

ちなみに、自転車保険には契約者本人のみを補償する「本人型」と、契約者の配偶者や子どもも補償対象となる「家族型」というプランがあります。どちらも補償内容は概ね同じですが、家族型の方は保険料が高い分、1つの契約で家族全員がサポートされ、配偶者や子どもが都度自転車保険に加入する必要がなくなります。

元々ご自身が本人型(個人)で自転車保険に加入されていた場合は、子どもが自転車に乗るようになったタイミングで家族型のプランに切り替えることを検討してみてください。

自転車保険への加入の義務化が進んでいる今、あまり自転車に乗らない人であろうと子どもであろうと、自転車を持った時点で加入するのがベストなタイミングといえるでしょう。

(2)複数の自転車保険に加入しておくべき?

補償を手厚くするために、複数の保険への加入を検討している人もいると思います。

例えば、損害保険やクレジットカードの付帯保険などで自転車保険と同様の補償がついているものを持ちながら、自転車保険にも加入していたとします。

しかし、事故が起きた時に受けられる補償は1つだけです。もし別の保険と自転車保険の補償内容が重複していた場合、単純に毎月の保険料が無駄になってしまうということになり、決して手厚くなるわけではないのです。

この補償の重複問題は、自転車保険に限らず、すべての損害保険においても言えることです。多方面から備えておくことは大事ですが、現時点で加入している保険の補償内容を確認して、無駄な出費をしないようにバランスをとりながら保険の契約を検討することをおすすめします。

自転車保険へ加入前には、加入中の損害保険やクレジットカードの付帯保険などの補償内容と重複していないか、一度見直してみてください。

(3)義務化されていない地域から、義務化されている地域に乗り入れた場合は?

自転車保険の義務化がされていない地域に住んでいる人が、自転車保険の義務化がされている地域を通る場合があります。

その際、義務化されている地域では条例の適用を受ける場合もありますので、乗り入れる際にも自転車保険に加入しておく必要があります。

そのため、どの地域でも不自由なく自転車で行き来したい場合は、自転車保険に加入しておいたほうがよいでしょう。

(4)自転車を2台所持している場合はどうなる?

自転車を1人で複数台持っている人であっても、自転車保険に複数口入る必要はありません

自転車保険の補償の対象となるのは自転車ではなく、加入する時に指定する被保険者です。すなわち、本人型の場合は被保険者本人、家族型の場合は被保険者本人とその同居の親族が対象になります。

また、自転車保険の場合、自動車保険のように加入時に車種を登録する必要はありません。

このことからもわかるように、自転車保険は車両にかかる保険ではないので、複数の自転車を所有していたとしても重複して保険に入る必要はありません。

ただし、TSマーク付帯保険は自転車本体に保険がかかる形なので、それぞれの自転車に貼る必要があります。この違いには注意しましょう。

(5)自転車を押して歩いていた際の事故に保険は適用される?

自転車は人が押して歩道などを歩いている状態であれば、軽車両ではなく歩行者と見なされます。

しかし、例えば押している自転車を倒してしまい、近くにいた人を怪我させてしまうという可能性もあります。そんな時、自転車に乗っていたかどうかに関わらず、自転車保険の個人賠償責任補償が適用されます。

また、一般的な傷害補償が付帯している保険に加入している場合であれば、どんな理由でケガをした場合であっても保険金を受け取ることができます。

ただし、自転車保険に付いている傷害保険の中には、「自転車走行中にケガをした場合にだけ保険金を受け取れる」と規定されている場合もあるので、気になる方は加入前に自分が入ろうとしている自転車保険はどうなのかを保険会社に問い合わせてみるのがよいでしょう。

最後に

新型コロナウィルスの影響で、公共交通機関の移動を避け、移動手段として自転車を使う人が増えたことでしょう。しかし、自転車は皆さんが思っている以上に事故のリスクが高い乗り物です。そのため、万が一事故が起きた場合のために、自転車保険に加入しているかを改めて確認しておきましょう。未加入の場合は、自分に合った自転車保険に入ってリスクに備えることをおすすめします。

この記事の執筆者

於ありさ

ライター・インタビュアー。大学卒業後、生命保険会社に入社。在職中に2級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を取得。その後、編集プロダクションでの経験を経て独立。現在は、エンタメ系のインタビュー記事を中心に、毎日が少しだけ豊かになるような記事を執筆している。
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