【登場人物紹介】
タツヤ(ウッカリくん)
29歳の営業マン。体育会系出身の熱血派で上司や後輩にも頼られているが、お調子者でカッコつけたがりの一面も。仕事以外の一般常識にちょっと疎いのが玉にキズ。
シヅカ(シッカリさん)
28歳で独立し、現在はフリーランスのWEBデザイナー。天然ボケなところもあるけど、実は用心深い一面も。年下彼氏のウッカリ君を陰からサポートしている。
仕事柄、自宅作業が多いシヅカ(シッカリさん)を気遣い、2人きりの沖縄旅行を計画したタツヤ(ウッカリくん)。頼りがいのあるところをアピールするため、交通やホテルの手配から観光スポット選びまで、すべて完璧に準備したつもりだったのですが……。
ソーキそば、超美味しかった!
地元でも人気の店だからね。やっぱり観光客相手の味とは違ったでしょ?
ホント沖縄に詳しいんだねぇ。初めての沖縄だから不安もあったけど、優秀なガイドさんのお陰で満喫してるよ。
なぁに、大したことないさぁ~。沖縄は俺の庭みたいなもんだし(必死で下調べした甲斐があったぜ……)。
そういえば、沖縄ってハブがいるんだよね? 噛まれないようにブーツ履いてきたんだけど、タツヤはビーチサンダルで怖くないの⁇
相変わらずボケボケだなぁ。大丈夫! 沖縄でも、この宮古島にはハブがいないのさぁ~。だからシヅカもこれに履き替えなよ。その格好でブーツって、ちょっとヘンだと思ってたし。
わー、ビーチサンダルまで用意しておいてくれたんだ。頼りになるー!
なんくるないさぁ~(どういう意味だっけ?)。おっと、行き過ぎるところだった。次に案内したかったのが、このお店なんだよね。
沖縄の陶芸に興味があるって言ってたでしょ?
よく覚えてたね!「やちむん(沖縄焼物)」って大好きなの。良い物は高いからなかなか手が出せないけど、いつか2人で暮らすようになったら、普段使いできる器を集めてもいいかなって……(ポッ)。
カーッ!! そんなこと言われると、照れちゃうさぁ~♪ そうだ、やちむんに囲まれてるシヅカの写真を自慢の一眼レフで撮ってあげるよ。棚の前で自然なポーズ取ってみて。
えぇ、いきなり言われても困るよ~。
いいから遠慮しないで。うーん、お店の雰囲気を伝えるなら、もっと離れたところから撮ったほうが……。
あ、タツヤの後ろに焼物持ってるお店の人が来たから気を付けて……って!!!
《ガッシャーン!!!!!》
あらまぁ、こりゃ大変だわ。この壺はお店の展示用に作ってもらった、とっても有名な先生の作品なのよ。私も不注意だったけど、できれば弁償してほしいねぇ。
ごめんなさい、彼もわざとぶつかったわけではないんです。私が、もっと早く注意していれば……(涙)。
いや、あの、えぇっと……。「とっても有名な先生の作品」って、いったいいくらするんだ? 弁償って言われても、今回の旅行で貯金使い果たしちゃったよ。てか、よく見たらカメラのレンズも割れてるし! 買ったばかりでローンも丸々残ってるんだよなぁ……どうやってお詫びすればいいの?? シヅカも泣きだしたし、お店の人は困ってるし、ここまで完璧な旅行だったのに……あぁ、もうなんかワケわかんないし……(バタン)。
ちょっと、なんでタツヤが気絶してるのよ!!!!
きっと、現実逃避しちゃったさぁ~。
【こんな時、どうすれば? “もしも”に備える保険解説】
解説:タケイ 啓子
どうやらタツヤくんは、予期せぬトラブルに巻き込まれ自分を見失ってしまったようですね。
海外旅行に比べ安全というイメージが強い国内旅行ですが、トラブルに遭遇する可能性はもちろんゼロではありません。もし、タツヤくんが旅行の計画を立てる際に「国内旅行保険」の存在を知っていれば、こんな場合でも安心して冷静な対応ができたのではないでしょうか? 概要について解説していきましょう。
国内旅行保険の補償内容は?
国内旅行保険とは、国内旅行の期間中に発生した、予期せぬケガや盗難などのトラブルに遭遇した際の損害を補償してくれる保険です。以下が、主な補償内容となります。
海外旅行保険とほぼ同様の補償内容ですが、国内旅行保険は多くの場合、「旅先で病気をしたとき」の補償が含まれていない点に注意しましょう。また、補償によっては免責金額(自己負担額)がありますのであらかじめ確認しておきましょう。
国内旅行保険の保険料は? 支払われる保険金の額は?
国内旅行保険の保険料は、旅行の期間や補償範囲によって異なります。たとえば、3泊4日の国内旅行で上記の補償内容をすべてつけた場合の保険料は、2,000円程度。これくらいの保険料を支払うと、「賠償責任」は最大3,000万円、「携行品損害」も最大40万円まで保障されます。
海外旅行保険に比べ、国内旅行保険は保険料も安い場合が多いのですが、このようにしっかりとした補償が約束されています。万が一への備えとして、十分魅力的といえるでしょう。
ちなみに、ゴールドカードのように限られた種類に限定されますが、クレジットカードに国内旅行保険が付帯している場合もあります。
タツヤくんの場合は展示品の壺を壊してしまったのが、特につらいところ。損害補償のある国内旅行保険に入っていれば大慌てせずに済んだのですが……。さて、この後いったいどうなってしまうのでしょうか⁇
……ハイサイオジサ~ン、ハイサイオジサ~ン♪
ねぇ、目を覚ましてよタツヤ!!
ヘンなおじさ~ん……って、ここはどこさぁ~?
しっかりしてよ、やちむんの店でしょ。
あ、そうだった!! てか、夢じゃなかったのか。壺の弁償代とカメラの修理代、どうすればいいんだろう(涙)。
旅行の計画は完璧って言ってたけど、旅行保険には入っていなかったの?
うん。だって、旅行保険って海外に行く時に入るものだから……。
何言ってるのよ。国内旅行向けの保険もちゃんとあるんですからね。こんなこともあろうかと、実は2人分の保険に入っておいたの(ホントはハブが怖かったんだけど……)。
なんと! じゃあ、壺もカメラも補償がきくかもしれないのか。よかったぁ~(号泣)。
だからもう泣かなくていいのよ。割れた壺のお掃除手伝ってから、宿に戻りましょ。ところで晩ゴハンは、何を食べさせてくれるのかしら?
そ、そうだね。ここで名誉挽回しないと! …って、今晩のお店予約するの忘れてた!!!!
それは保険ではフォローできないわね……。
なんくるないさぁ~。
この記事の監修者
タケイ啓子
ファイナンシャルプランナー(AFP)。36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。
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