退職金やiDeCoの受け取り時期が近づき、「iDeCoの出口戦略って何?」「受け取り方で税金が変わるの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。iDeCoの出口戦略とは、退職後にiDeCoの資産を“いつ、どのように受け取るか”を計画的に考えることを指します。‎

iDeCoは、受け取り方によって適用される控除や税金の計算方法が異なります。その結果、手元に残る金額が大きく変わるため、損をしないためにも、そのしくみをしっかり理解しておくことが大切です。

この記事では、ファイナンシャルプランナーの原絢子さん監修のもと、iDeCoの受け取り方の基本を解説した上で、職業や状況に応じた税金シミュレーション、そして出口戦略を考える際に押さえておきたい3つの視点をご紹介します。

この記事の監修者

画像: 【税金をシミュレーション】iDeCoの出口戦略を徹底解説!

原 絢子(はら あやこ)

FPサテライト株式会社所属 ファイナンシャルプランナー。大学卒業後、翻訳・編集業務に従事。金融とは無縁のキャリアを積んできたが、結婚・出産を機にお金の知識を身につけることの大切さを実感。以来、ファイナンシャルプランナーとして活動を始める。モットーは「自分のお金を他人任せにしない」。自分の人生を自分でコントロールするためには、お金について学ぶことが必要との思いから、執筆・監修、セミナー講師などを通して、マネーリテラシーの重要性を精力的に発信している。

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iDeCoの受け取り方は3種類|一時金・年金・併用の基礎知識

画像: 画像:iStock.com/baona

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iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)は、自分でお金を積み立てて運用し、老後の資金を準備する私的な年金制度です。iDeCoの資産は原則として60歳から受け取ることができ、受け取り方法は「一時金」「年金」「併用」の3つから選ぶことができます1)

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①一時金として受け取る(一括)

1つ目の方法は“一時金として一括で受け取ること”です。iDeCoは、一時金として一括で受け取ることができます。この場合、会社の退職金と同じ「退職所得」として扱われ、「退職所得控除」の対象となります。

一時金として受け取ると、まとまったお金を必要なタイミングで使うことができます。一方で、老後の生活資金としては、分割で計画的に使える年金形式のほうが安心という場合もあります。

② 年金として受け取る(分割)

2つ目の方法は、“年金として分割で受け取ること”です。iDeCoは、年金として分割で受け取ることもできます。この場合は「雑所得」となり、「公的年金等控除」が適用されます。

年金で受け取るメリットは、長期的な安定収入として活用できるほか、受け取るまで運用を継続できることです。受け取り期間や年間の受け取り回数を自分で設定できるため、必要な生活費やライフスタイルに合わせた受け取りが可能です。

③一時金+年金の併用(一括+分割)

3つ目の方法は、“一時金と年金を併用して受け取ること”です。iDeCoは、一部を一時金として受け取り、残りを年金として受け取る「併用型」も選べます。併用型のメリットは、退職所得控除と公的年金等控除の両方を活用できる点にあります。

たとえば、退職所得控除の枠内で一時金を受け取り、残りは年金として受け取れば、税制上の優遇を最大限に受けつつ、長期的な安定収入の確保も可能です。ただし、併用ができるかどうかや、一時金と年金の割合は金融機関によって異なります。事前に確認するようにしましょう。

受け取り開始は原則60歳以降。繰り下げで75歳まで可能

iDeCoの受け取りは原則60歳からです。ただし、加入期間が10年に満たない場合には、受け取り可能となる年齢が61〜65歳に繰り下げられます1)

〈表〉加入期間に応じた受け取り開始年齢

加入期間受け取り開始年齢
10年以上60歳
8年以上10年未満61歳
6年以上8年未満62歳
4年以上6年未満63歳
2年以上4年未満64歳
1カ月以上2年未満65歳
※:60歳以上で初めてiDeCoに加入した方は、加入から5年を経過した日から受給できます。

また、iDeCoの受け取り開始は、最大で75歳まで遅らせることもできます1)。受け取る時期を遅らせることで、退職所得控除や公的年金等控除をより有利なタイミングで利用でき、税金の負担を抑えられる可能性があります。詳しくは後述しますが、受け取り開始を遅らせた分だけ資産を長く運用できるので、資産寿命を延ばしたり、インフレ対策にもなったりします。

働き方(会社員・個人事業主・専業主婦)にかかわらず3種類から選べる

iDeCoの受け取り方法は、働き方に関係なく自由に選択することができます会社員、公務員、個人事業主、フリーランス、専業主婦・主夫(無職の人)いずれであっても、「一時金」「年金」「併用」の3つから選べます。

なお、働き方にかかわらず、iDeCoを受け取る際には税金がかかります。ただし、受け取り方に応じて「退職所得控除」や「公的年金等控除」といった控除を受けられるのは共通です。以下で詳しく見ていきましょう。

受け取り方法ごとの税金ルール|退職所得控除と公的年金等控除を理解しよう

画像1: 画像:iStock.com/takasuu

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iDeCoは受け取る時に税金がかかります。そして、受け取り方によって適用される控除や税金の計算方法が異なるため、かかる税金の額も異なります。受け取り方法ごとの税金のルールをしっかりと理解しておきましょう。

一時金で受け取る場合(退職所得控除)

iDeCoを一時金で受け取ると、退職所得として扱われます。退職所得には退職所得控除という税制上の優遇があり、勤続年数(iDeCoの場合は加入年数)に応じて以下の金額が控除されます2)

勤続年数退職所得控除額
20年以下40万円 ×勤続年数(最低80万円)
20年超800万円+70万円 ×(勤続年数-20年)

勤続年数(iDeCo加入年数)が長いほど退職所得控除額が大きくなり、税負担が抑えられるしくみになっています。

課税対象の退職所得の金額は、以下の計算式で計算されます2)

退職所得=(収入金額-退職所得控除額)×1/2

退職所得は、ほかの所得と分離して税金が計算される「分離課税」ですので、上記の計算式で求めた退職所得に所定の税率をかけて、所得税・住民税が計算されます。

なお、会社の退職金などほかにも退職所得がある場合、同時期に受け取ると合算して計算されるため、税負担が増える可能性があります。

年金で受け取る場合(公的年金等控除)

iDeCoを年金として受け取ると、公的年金と同じ雑所得として扱われます。公的年金等の雑所得にも税制上の優遇があり、公的年金等控除が適用されます。

公的年金等控除額は年齢(65歳未満と65歳以上)や公的年金等の収入金額に応じて決まります3)。最低額は以下のとおりで、公的年金等の収入がこの金額までなら、年金については税金がかかりません

【公的年金等控除の最低額】

・65歳未満:年60万円
・65歳以上:年110万円

【関連記事】公的年金等控除額について、詳しくはコチラ

年金として受け取る場合は、公的年金があれば合算した上で、公的年金等控除を差し引いて、課税対象の所得を計算します。なお、雑所得は、ほかの所得と合算して税金を計算する「総合課税」となります。たとえば、年金やパートの給与など、ほかの所得がある場合には、それらと雑所得を合算した金額をもとに税額が決まります。そのため、算出された雑所得の金額に直接税率をかけるわけではないことに注意しましょう。

一時金と年金を併用する場合(退職所得控除+公的年金等控除)

iDeCoを併用型で受け取ると、一時金の部分には退職所得控除年金の部分には公的年金等控除がそれぞれ適用されます。課税対象となる所得を2つの控除に分散できるため、トータルで税負担を抑えられる場合があります。

ただし、2つの控除を有効に利用するためには、退職金やほかの年金収入との調整が欠かせないため、制度をしっかりと理解しておく必要があります。

社会保険料や手数料にも注意

iDeCoの受け取り方法は、税負担に影響するだけでなく、社会保険料や手数料にも影響することも知っておきましょう。

一時金で受け取る場合は社会保険料の負担はありませんが、年金で受け取ると、国民健康保険料や介護保険料が増加する可能性があります

また、iDeCoは受け取り時に「給付手数料」がかかり、これは受け取り1回ごとに発生します。年金形式で複数回に分けて受け取る場合、その都度手数料が差し引かれます。さらに、資産をすべて受け取るまでは、「口座管理手数料」も継続して発生します。

年金形式で受け取る場合は、社会保険料や手数料の負担にも注意する必要があります。

2025年の税制改正で何が変わった?「改悪」の正体とは

画像: 画像:iStock.com/karinsasaki

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2025年の税制改正では、iDeCoの拠出限度額や加入可能年齢が引き上げられ、制度がより使いやすくなった一方で、一時金として受け取る時のルールが変更され、思わぬ税負担が発生するリスクが生まれました。退職金を受け取る予定のある人は特に注意が必要です。

これまでは、iDeCoの一時金を受け取ったあと、5年以上あけて退職金を受け取れば、それぞれに対して退職所得控除を適用することができました(「5年ルール」)4)

しかし、2025年の税制改正により、これが「10年ルール」へ変更になりました5)。2026年1月からは、iDeCoの一時金の受け取りから10年あけなければ、退職金に適用される退職所得控除額が調整され、税負担が増える可能性があります

具体的な例で見てみましょう。

【60歳でiDeCoの一時金800万円を受け取り、65歳で退職金2,200万円を受け取る場合】

・iDeCo加入年数は20年(40~60歳)
・勤続年数は40年(25~65歳)

※:税金の計算において、復興特別所得税は考慮していません。

【改正前】
5年以上あけて退職金を受け取っているため、それぞれに退職所得控除が適用され、控除枠内に収まり、税負担はゼロです。

〈60歳:iDeCo〉
退職所得控除:40万円×20年=800万円
退職所得:800万円-800万円=0円(課税なし)

〈65歳:退職金〉
退職所得控除:800万円+70万円×(40年-20年)=2,200万円
退職所得:2,200万円-2,200万円=0円(課税なし)

納める税金は0円

【改正後】
iDeCoについては改正前と同様ですが、退職金に適用される退職所得控除は、iDeCoと重複している20年分(800万円)が差し引かれます。その結果、控除枠内に収まらず、税負担が発生します。

〈60歳:iDeCo〉
退職所得控除:40万円×20年=800万円
退職所得:800万円-800万円=0円(課税なし)

〈65歳:退職金〉
退職所得控除:2,200万円-800万円=1,400万円
退職所得:(2,200万円-1,400万円)×1/2=400万円
所得税:400万円×20%-42万7,500円=37万2,500円
住民税:400万円×10%=40万円

納める税金は77万2,500円

なお、この「10年ルール」は、「iDeCoの一時金→退職金」の順番で受け取った場合に適用されるもので、「退職金→iDeCoの一時金」の順番で受け取ると「19年ルール」(19年以内の場合は退職所得控除が調整される)が適用されます5)。2025年の税制改正では「19年ルール」に変更はありませんでした。

【税金シミュレーション】職業・ケース別|あなたに合ったiDeCoの出口戦略は?

画像2: 画像:iStock.com/takasuu

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ここでは、ケース別にiDeCoの受け取り方によって税金がどう変わるのかをシミュレーションします。自分の状況に合わせて、手取りをできるだけ多くする出口戦略を考えてみましょう。

※:税金の計算において、復興特別所得税は考慮していません。

退職金がある会社員・公務員の場合

退職金がある場合は、退職金とiDeCoの受け取るタイミングや方法が重要なポイントになります。以下の具体例をもとに、各ケースの税負担を比較してみましょう6)7)

【基本情報】

  • 勤続年数30年、iDeCo加入年数20年
  • iDeCoの資産:500万円
  • 退職金:2,000万円

①60歳で退職金とiDeCoの一時金の両方を受け取るケース

【退職金+iDeCo】
退職所得控除:800万円+70万円×(30年-20年)=1,500万円
退職所得:(2,500万円-1,500万円)×1/2=500万円
所得税:500万円×20%-42万7,500円=57万2,500円
住民税:500万円×10%=50万円

納める税金は107万2,500円

退職金とiDeCoの一時金を同時に受け取る場合、退職所得控除は「勤続年数」と「iDeCo加入年数」のうち長いほうで計算されます。また、退職金とiDeCoは合算して課税されるため、税負担が大きくなる可能性があります。

②60歳で退職金、61歳でiDeCoの一時金を受け取るケース

【退職金】
退職所得控除:800万円+70万円×(30年-20年)=1,500万円
退職所得:(2,000万円-1,500万円)×1/2=250万円
所得税:250万円×10%-9万7,500円=15万2,500円
住民税:250万円×10%=25万円

【iDeCo】
退職所得控除:80万円(最低額)
退職所得:(500万円-80万円)×1/2=210万円
所得税:210万円×10%-9万7,500円=11万2,500円
住民税:210万円×10%=21万円

納める税金は72万5,000円

「19年ルール」により、iDeCoの退職所得控除が調整されますが、同時に受け取る場合(①)と比べると、税金を30万円以上軽減することができました。受け取り時期を1年ずらすだけでも節税効果があることがわかります。

③60歳でiDeCoの一時金、70歳で退職金を受け取るケース

※:70歳で退職金を受け取る場合も「勤続年数30年」の条件は変更なしとします。

【iDeCo】
退職所得控除:40万円×20年=800万円
退職所得:500万円-800万円=0円(課税なし)

【退職金】
退職所得控除:800万円+70万円×(30年-20年)=1,500万円
退職所得:(2,000万円-1,500万円)×1/2=250万円
所得税:250万円×10%-9万7,500円=15万2,500円
住民税:250万円×10%=25万円

納める税金は40万2,500円

「10年ルール」を上手く活用できれば、それぞれに退職所得控除が適用され、大幅な節税が可能です。

④60歳で退職金を受け取り、iDeCoを60~69歳に年金で受け取るケース

【退職金】
退職所得控除:800万円+70万円×(30年-20年)=1,500万円
退職所得:(2,000万円-1,500万円)×1/2=250万円
所得税:250万円×10%-9万7,500円=15万2,500円
住民税:250万円×10%=25万円

【iDeCo】
年額:500万円÷10年=50万円
・60~64歳:50万円-60万円(公的年金等控除)=0円(課税なし)
・65~69歳:50万円-110万円(公的年金等控除)=0円(課税なし)

納める税金は40万2,500円

公的年金の受け取りを70歳に繰り下げれば、公的年金等控除をフルに利用でき、iDeCo年金部分の税負担はゼロになります。

⑤60歳で退職金とiDeCoの一時金200万円を受け取り、残り300万円を60~64歳に年金で受け取るケース

【退職金+iDeCoの一時金200万円】
退職所得控除:800万円+70万円×(30年-20年)=1,500万円
退職所得:(2,200万円-1,500万円)×1/2=350万円
所得税:350万円×20%-42万7,500円=27万2,500円
住民税:350万円×10%=35万円

【iDeCo年金300万円】
年額:300万円÷5年=60万円
60~64歳:60万円-60万円(公的年金等控除)=0円(課税なし)

納める税金は62万2,500円

公的年金の受け取りは通常65歳からなので、公的年金等控除をフルに利用でき、iDeCo年金部分の税負担はゼロになります。ただし、退職所得にiDeCoの一時金の200万円が加算されるため、(④)に比べると税負担が増えます。

退職金がない会社員・公務員の場合

退職金がない場合は、退職所得控除をフルに利用できるため、一時金での受け取りを基本に考えるとよいでしょう。以下の具体例で、受け取り方法ごとの税負担を比較してみましょう6)7)

【基本情報】

  • 勤続年数30年、iDeCo加入年数20年
  • iDeCoの資産:1,000万円
  • 退職金:なし

①全額を一時金として受け取る

退職所得控除:40万円×20年=800万円
退職所得:(1,000万円-800万円)×1/2=100万円
所得税:100万円×5%=5万円
住民税:100万円×10%=10万円

納める税金は15万円

iDeCoの資産1,000万円を全額一時金として受け取ると、退職所得控除枠を超えるため、税負担が発生します。

②一時金と年金を併用して受け取る

【一時金:800万円】
退職所得控除:40万円×20年=800万円
退職所得:800万円-800万円=0円(課税なし)

【年金:200万円】
受け取り期間5年の場合:200万円÷5年=年間40万円
公的年金等控除(60~64歳):60万円
雑所得:40万円-60万円=0円(課税なし)

納める税金は0円

退職所得控除の枠内に一時金の金額を収め、残りは公的年金の支給が始まる前(60〜64歳)に年金として受け取ることで、税負担はゼロになります。

個人事業主・フリーランスの場合

個人事業主やフリーランスの人は、基本的に退職金がないため、退職所得控除をフルに利用できます。そのため、まずは退職所得控除の枠内で一時金として受け取り、残りを年金で受け取る方法が、最も税負担を軽減できると考えられます。

ただし、「小規模企業共済」を併せて受け取る場合は、受け取り時期や方法の調整が必要です。小規模企業共済も、iDeCoと同様に、一時金・年金・併用での受け取りが可能です。

【関連記事】小規模企業共済について、詳しくはコチラ

専業主婦(主夫)の場合

所得のない専業主婦(主夫)は、掛金の拠出による税制上のメリットは受けられませんが、受け取り時にはメリットを享受できます

専業主婦(主夫)は退職金がなく、公的年金の受給額も少ないため、一時金でも年金でも控除枠内に収まる可能性が高く、iDeCoの資産を非課税で受け取れるケースが多いでしょう。

iDeCoの資産が多い場合は、まず退職所得控除の枠内で一時金として受け取り、残りを年金で受け取る併用型が有効です。

どう選ぶ?iDeCoの出口戦略|3つの視点を紹介

画像: 画像:iStock.com/Irina Ivanova

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iDeCoの出口戦略に「正解」はありません。大切なのは、自分にとって最適な受け取り方を見つけることです。以下の3つの視点を判断軸に、iDeCoの出口戦略を検討してみましょう。

退職金や公的年金との関係

iDeCoを受け取る際の税負担は、退職金や公的年金の有無や金額によって大きく変わります。そのため、まずは自分が受け取る予定の退職金や公的年金の金額を正確に把握しておくことが重要です。

また、退職所得控除や公的年金等控除を最大限に活かすには、受け取り時期や金額を戦略的に調整し、事前にシミュレーションを行うことをおすすめします。

資金の必要時期

老後の生活費やライフイベントに備えて、いつ・どれくらいの資金が必要かを具体的に考えることも大切です。

たとえば、「60歳で住宅ローンを完済したい」「70歳で自宅をリフォームしたい」といった希望がある場合は、そのタイミングに合わせて一時金として受け取るのが有効です。一方で、公的年金だけでは老後の生活費が不安という場合には、iDeCoを年金形式で受け取って、生活費を補うことも検討してみましょう。

長寿化やインフレへの備え

iDeCoの出口戦略では、長寿化やインフレにどう備えるかという視点も欠かせません。老後は20〜30年と長期間にわたるため、資産の寿命を延ばす工夫が求められます。さらに、インフレによってお金の実質的な価値が目減りするリスクにも注意が必要です。

老後資金に余裕があれば、年金形式で受け取りながら、残りを運用し続けることで、長寿化やインフレへの対策となります。

【関連記事】老後資金の目安について、詳しくはコチラ

iDeCoの出口戦略でよくある質問

画像: 画像:iStock.com/MicroStockHub

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最後に、iDeCoの出口戦略で「よくある質問」にお答えします。

受け取り開始年齢を遅らせると得なの?

iDeCoの受け取り開始年齢は、60歳から75歳になるまでの間で自由に選ぶことができます1)。受け取り開始年齢を遅らせると以下の2つのメリットがあります。

  • 運用を継続できるため、資産を増やせる可能性がある
  • 退職金や公的年金の受け取りとタイミングをずらすことで、税負担を軽減できる場合がある

一度決めた受け取り方法は変更できるの?

原則として、受け取り開始後は受け取り方法を変更できません。ただし、運営管理機関(※)によっては、「年金として受給開始後5年を経過すれば、残りの金額を一時金として受け取れる」としているところもあります。

※:運営管理機関とは、iDeCo加入者と国民年金基金連合会の間を取り次ぎ、サービスを提供する金融機関のことを指します。

もしもの時(加入者の死亡・運営管理機関の破たん)の資産の扱いは?

加入者が死亡した場合、遺族に死亡一時金が支給されます。ただし、受給には請求が必要で、死亡日から5年を経過しても請求がない場合には、相続財産として扱われます。そして、相続財産となったあとも請求がない場合は、法務局に供託されます8)

また、iDeCoの運用資産は信託財産として信託銀行で管理されているため、運営管理機関が破たんしても資産に影響はありません9)

iDeCoの出口戦略で損しないためには、受け取り方とタイミングが重要

iDeCoの出口戦略で損をしないためには、受け取り方とタイミングが非常に重要です。一時金で受け取る場合は退職所得控除、年金として受け取る場合は公的年金等控除が適用されますが、退職金や公的年金との調整も欠かせません。

まずは、退職金や公的年金など、自分が受け取れる老後資金全体を把握した上で、ライフプランに合わせてシミュレーションを行い、最適な出口戦略を見つけましょう。

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