仕事、家事、育児と忙しい日々を送るママたち。今の家計はもとより、子どもの教育資金や夫婦の老後資金など、漠然と将来のお金の不安を抱えている人も多いことでしょう。

本連載では、そうした不安を払しょくするべく、投資にチャレンジしているママたちに注目。多忙な日々のなか、どんな方法で投資を行っているのか、インタビューを通して探っていきます。

今回お話を伺うのは、ワーママブロガー・よもぎさんです。2018年4月から「つみたてNISA」をはじめ、2019年3月からは個別株への投資もスタート。

目標は、「ゆっくりペースでいいので負けない投資を続けること」。マイペースながらも投資を続けたことで、世の中の見え方が変わったという彼女。現在は、初心者投資家として、トライ・アンド・エラーで知識と経験を蓄積している最中だそうです。

そんな、よもぎさんに投資をはじめようと思ったきっかけや、投資のスタンスを教えていただきました。

今回のママ投資家

画像1: ママ投資家たちの秘密#3 「投資に興味を持った時がはじめ時」ワーママブロガー・よもぎさんの投資術

よもぎさん

都内在住のアラサー会社員。夫と1歳の息子と3人暮らしをしている。浪費家な一面を持つが、地味な節約を楽しめるタイプ。年を取っても、愛する夫と手を繋いで歩く仲良し夫婦でいたいと願っている。

ブログ「子育てしながら初心者投資」

投資のきっかけは「格安SIM」への変更。浮いた5,000円から運用開始

―― よもぎさんが投資をはじめたきっかけは何だったのでしょうか?

スマホの2年契約を更新するタイミングで、節約のため格安SIMに変えたんです。そうしたら月5,000円くらい携帯代が安くなって。せっかくだから、この5,000円はなかったものとして投資に回してみようかなと。

――あまり深く考えずに、浮いたお金を投資に回そうくらいのノリだったんですね。

そうですね。それまでは、なんとなく投資に興味はあったものの、自分が働いて稼いだお金が少なくなるのは嫌だなと思っていたんですよね。でも、元々なかったお金だと考えたら、多少マイナスになっても耐えられるから、運用に回してもいいかなと。意識しないと5,000円くらいはすぐに使っちゃいますからね。

丁度、その頃「つみたてNISA」の制度がはじまって、雑誌でも特集をよく目にするようになりました。調べてみると少額からでも投資できて、メリットもありそうだし、はじめてみることにしたんです。

―― 投資先の銘柄はどのように選んだのでしょうか?

マネー雑誌に載っていた「つみたてNISA」の特集で、人気ランキングが紹介されていたので、その中から自分なりにインターネットで調べて銘柄を絞っていきました。結果的に運用コストが安いインデックスファンドを選び、5,000円を先進国と新興国の投資信託に分けて購入。先進国は安定的な成長を期待して選択し、新興国はきっと20年後くらいには、だいぶ上がるのではと期待して選択しました。

画像: 投資のきっかけは「格安SIM」への変更。浮いた5,000円から運用開始

買い物のポイントで個別株の投資に挑戦

――その頃と比べて、投資スタイルに変化はありましたか?

「つみたてNISA」を月5,000円からはじめて、少しずつ額を増やしていき、いまは月30,000円を投資に回しています。あと、産休に入ったタイミングで、個別株にもチャレンジするようになりました。

最初は投資信託だけで満足していたのですが、ちょっとでもプラスになると楽しくなるんですよね。それにマイナスになることもあるけど、思っていたより資産運用って怖くない!と感じました。それで、個別株も欲しいな……と興味が湧いたんです。あまり深く考えずにはじめてしまう性格なので、見切り発車的にやってみよう!と(笑)。

あと、ちょうど結婚式やハネムーンで、楽天ポイントが4万円分くらい貯まっていたので、浪費するよりも個別株に充ててみるのもいいんじゃないかなと思ったんです(※)。

その時は、予算内で日本企業の株を購入しました。運用をはじめてみると1日の上昇だけで、1年保有した投資信託の利益を上回ったこともあり、やはり個別株はリターンが大きいと実感しました。そこから少しずつ買い増していきましたね。

※楽天証券では、楽天ポイントを利用して、投資信託や国内株式を購入できるシステムがある。

【よもぎさんの投資内容】

  • 投資金額:30,000円〜/月
  • 投資しているメイン商品
    1) 投資信託(つみたてNISA、ジュニアNISA)
    2) 個別株(日本株7銘柄、米国株5銘柄)
画像: 買い物のポイントで個別株の投資に挑戦

―― 個別株はどのような基準で選ばれたのでしょう?

私の場合、はっきりした基準を設けておらず、方針がブレながら現在にいたります(笑)。

―― 言い換えれば、いろいろと試している最中ということでもありますよね。

そうですね。いろいろと試しながらチャレンジしています。最初は、あまり大きな金額を投資するのは怖かったので、少額で100株買えるような安めの株を購入しました。でも、あまり安いと倒産のリスクが不安なため、次第に安定した上昇が見込める東証一部上場企業を買うようになりました。

そこから、配当金がたくさん出る株っていいなと思い、配当金を調べて購入してみるようになりました。2019年5月には、はじめて米国株を購入したのですが、それも正直、いろいろなブロガーさんの受け売りです。日経平均と、ダウ平均の比較グラフを見た時は衝撃でした。アメリカは人口も最先端の企業も多いので、購入してみたいなと。

―― 投資と聞くと、難しい用語やグラフをきちんと理解して、覚悟を決めて臨まなければいけないと思い、一歩が踏み出せない人も多いと思います。でも、よもぎさんは、まず購入してみようという姿勢で投資に取り組まれているんですね。

私も、株式投資は毎日トレードを繰り返して、資金を増やしていくものだろうと思っていました。実は、産休中にデイトレードにも挑戦してみたのですが、気になりすぎるわ、成績は出せないわで、職場復帰したら絶対に続かないとすぐに諦めました。こんなことは投資のプロだって難しいのに、私にできるわけがない(笑)。

でも、中長期で保有することを前提に株を購入するやり方なら、さほど難易度は高くない。たとえば、配当は安くても、株主優待でメリットを受けることができます。美容系の株主優待は、自社製品から化粧品を選べるものもあるので、サブスク的なお得感があって気に入っています。

あと、家電量販店の株を保有しているのですが、配当金もあって優待券をもらえるので、実質の利回りがとてもいいんです。優待券も日用品に使えるので便利です。配当も優待も欲しい私にとっては、売らずに一生持ち続けたい株ですね。

いずれにしても、短期で売買するのではなく、長期で保有すると決めているからこそ、どんと構えて焦らずマイペースに投資に向き合うことができているんだと思います。

株価は気になったらチェック! 投資でニュースや税金に関心が向くように

―― 個別株の投資金額は決めていますか?

正直、金額はバラバラなんですよね。「つみたてNISA」は月30,000円で設定しているのですが、個別株は少し貯金を崩して購入しており、金額面でもあまりルールは決めていないんです。あえて言えば「配当金や優待が良く、中長期で保有できそうな銘柄を見つけて、その時に買えそうだったら買う」というのが、自分なりのスタイルかもしれません。

〈図〉平日のタイムスケジュール

――デイトレードはされないとのことですが、株価はきちんとチェックされているんですね。

やっぱりお金に働いてもらっている以上は、成績が気になるんですよね。毎日株価をチェックしたところで、何をするわけでもないんですが、一喜一憂するのが習慣です(笑)。

でも、株価や日経平均、ダウなどをチェックするようになって、世の中の動きにも関心を持つようになりました。トランプ大統領の発言がこうやって株価に影響するんだ!とか、これまで知らなかった世界が広がっている気がします。

これまではアメリカのニュースなんて、右から左に流していましたが、投資をはじめてからは、どういうことが起きたら、その次にどんな影響があるのか、どういう風にマーケットが動くのか、自分の頭で考えるようになりましたね。

―― なるほど。投資をきっかけに視野が広がったと。

そうですね。あと、今年初めて配当金が出たので、自分自身で確定申告をしたんです。それまでは、年末調整の時期に訳も分からず書類に記入していたのですが(笑)。自分で確定申告をすると税金について初めて知ることが多く、節税も奥が深いなと思いました。

たとえば、配当金にかかる税金を取り戻す「配当控除」(※)は自分で申請しないと払いすぎた税金は戻ってきません。いくら国の減税制度などがあっても、自分で節税の情報収集をして、手続きをしない限り戻ってこないんだと身に染みましたね。

※配当控除は、課税所得によって異なります。配当金をもらった人全員が控除対象ではありません。

画像: 株価は気になったらチェック! 投資でニュースや税金に関心が向くように

投資は難しくない。ママなりの方法で一歩踏み出して

―― 最後に、これから投資をはじめたいと考えているママに向けて、アドバイスをお願いします。

物価が値上がりしているいま、お給料が増えずに、漠然と将来への不安を抱いている人も多いと思います。子どもをもつママは余計に、どうしたらお金を残せるか心配しているのではないでしょうか。

だからこそ、投資に目を向けてみて欲しいです。投資信託も毎月数千円からはじめられますし、場合によってはポイントで買うこともできます。昔にくらべると、身近で手が届く範囲に投資という選択肢があると思います。投資というと怖いイメージもあるかと思いますが、お金が0円になることはほぼありません。最初の一歩がなかなか踏み出せないと思いますが、踏み出してしまえば新しい世界が広がるはずです。

この記事の著者

末吉 陽子

1985年生まれ。広告制作会社で営業・制作ディレクターを経験後、編集者・ライターとして独立。インタビューをメインにビジネスからカルチャーまで幅広いジャンルの記事を担当。現在、iDeCoとつみたてNISAをコツコツ運用中。

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