「生活習慣病になると、どのような症状が出るの?」
「不摂生が続いているけれど、生活習慣病の原因にならない?」
など疑問に思ったことがある人もいるでしょう。近年では、大人に限らず学生など若い人の発症も多い病気として問題になっている生活習慣病。

この記事では、産業医の井上智介さん監修のもと、生活習慣病の症状や原因を解説。予防方法も解説するので、生活習慣病について知りたい人は最後までご覧ください。

この記事の監修者

井上智介(いのうえ ともすけ)

産業医・精神科医。島根大学医学部卒業。現在は産業医・精神科医・健診医の3つの役割を中心に活動。産業医として毎月約30社を訪問しているほか、精神科医・健診医としての経験も活かし、健康障害や労災を未然に防ぐべく活動中。精神科医として大阪府内のクリニックにも勤務している。

ブログ
Twitter
Instagram

生活習慣病とは

画像1: 画像:iStock.com/kuppa_rock

画像:iStock.com/kuppa_rock

生活習慣病とは、食事や運動・睡眠・喫煙・飲酒などの生活習慣が発症・進行の原因になる病気の総称です。

具体的には、以下の疾患などが挙げられます。

  • 糖尿病
  • がん
  • 脂質異常症
  • 高血圧症
  • 心筋梗塞、狭心症などの心疾患
  • 脳梗塞、脳出血などの脳血管疾患(脳卒中)
  • 肝疾患
  • 腎疾患

生活習慣病は以前まで「成人病」と呼ばれていました。しかし、近年では成人でなく中学生や高校生などの若者でも、発症の可能性があるとわかっています。その原因は主に、運動不足・過度の食事・ストレス・生活習慣の乱れです。

生活習慣病の特徴として、自覚症状があまりないことが挙げられます。そのため、気づかないうちに悪化しているケースが多く、最終的には脳梗塞や心筋梗塞など命に関わる病気にもなり得るのです。

中でも、三大疾病とも呼ばれる「がん」「心筋梗塞、狭心症などの心疾患」「脳梗塞、脳出血などの脳血管疾患」で死亡する人は、日本人全体の約3分の2を占めています1)

生活習慣病の症状

画像: 画像:iStock.com/bymuratdeniz

画像:iStock.com/bymuratdeniz

以下では、主な生活習慣病について、それぞれの病気・疾患ごとの症状を解説します。

  • 糖尿病
  • がん
  • 脂質異常症(高脂血症)
  • 心筋梗塞、狭心症などの心疾患
  • 脳卒中
  • 肝疾患
  • 肥満

糖尿病の症状

糖尿病は炭水化物や糖質の摂りすぎにより、血糖値が高くなる病気です。初期症状はほとんどありませんが、放置すると動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳卒中などを発症します2)

糖尿病には、網膜症・腎症・神経障害の三大合併症があります。気づかないうちに進行していることも多く、失明や透析を引き起こす可能性もあります。悪化すると定期的にインスリン注射をしなければならず、日常生活にも支障を来してしまいます。

画像1: www5.tmn-anshin.co.jp
www5.tmn-anshin.co.jp

がんの症状

がんは遺伝子が正常な働きができずに、異常な細胞が増え続けることで発生する病気です。種類が多く、肺がん・胃がん・大腸がん・肝臓がんなど、全身のどこにでも発症し得ます。数ある病気の中でも最も死亡率が高い病気で、長い間日本人の死因第1位となっています3)

初期症状はほとんどないものの、進行するにつれて次第に体調が悪化し、のちに痛みも加わって強さが増すことががんの特徴です。そのため、定期的な健康診断などで早期発見を図ることが重要です。

脂質異常症(高脂血症)の症状

脂質異常症は、血液中のコレステロールや中性脂肪の値が異常値を記録している状態です。目立った症状が現れないので、知らないうちに全身の血管が傷めつけられることも少なくありません。その結果、動脈硬化になる可能性が高まります4)

動脈硬化が進むと、脳や心臓などの血流が悪くなります。そして突然、心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる重疾患を引き起こす恐れがあります。脂質異常症を避けるには、コレステロールや中性脂肪の値に注意を払い、異常がある場合には生活習慣を見直す必要があるでしょう。

心筋梗塞、狭心症などの心疾患の症状

心筋梗塞や狭心症などの心疾患は、心臓の血管が固くなってしまう(動脈硬化)ことで血液の流れや血管に異常がでる病気です。症状としては、動悸や胸の痛み・圧迫感などが当てはまります。

どちらの病気も動脈硬化が進行すると発症しやすく、動脈硬化は喫煙や高血圧、メタボリックシンドロームなどによって発生確率が上がります。

脳梗塞、脳出血などの脳血管疾患(脳卒中)の症状

脳卒中は、血管が詰まる「脳梗塞」と、血管が破けて出血する「脳出血」「くも膜下出血」の総称です。症状は突然現れるケースが多いですが、頭痛・めまい・舌のもつれ・手足のしびれなど、前ぶれがある場合もあります。

基本的に症状は、腕・顔・言葉に現れるのが特徴です。片方の手足や顔の半分が動かずしびれたり、ろれつがまわらず、思っている言葉がうまく出てこなくなったりします。

肝疾患の症状

肝疾患は肝臓の細胞が破壊されるために起きる病気です。肝疾患には主に、脂肪肝・アルコール性肝障害・ウイルス性肝炎・肝硬変・肝がんがあります。

肝臓は「沈黙の臓器」といわれており、人体の臓器の中でも強く、肝臓の調子が悪くても倦怠感程度の自覚症状しか現れません。そのほかの前兆としては、食欲がなくなることがあります。症状が悪化すると、腹水や黄疸・吐血・意識障害を引き起こす可能性があります5)

健康診断で肝臓の調子が悪いとわかったら、自覚症状がなくても放置せず処置をする必要があるでしょう。

肥満の症状

画像2: 画像:iStock.com/kuppa_rock

画像:iStock.com/kuppa_rock

病気ではありませんが、「肥満」も生活習慣病の中で特に気をつけなければいけない状態です。食生活の乱れや運動不足によって体脂肪が過剰に増えた状態で、肥満が悪化すると、膝痛・腰痛・息切れなどに加え、突然死の原因ともなる睡眠時無呼吸症候群を発症するリスクがあります。

また、上記で紹介したような様々な生活習慣病につながる可能性も高まるので、放っておくことは危険です。特に基礎代謝が落ち始める40歳以上は肥満になりやすいため、注意しましょう

生活習慣病の原因

画像: 画像:iStock.com/Doucefleur

画像:iStock.com/Doucefleur

生活習慣病は、食事・運動・睡眠・喫煙・飲酒などの生活習慣の乱れが原因です。それぞれ詳しく説明します。

食事

食生活に関しては、栄養不足や食事の偏り、暴飲暴食によって生活習慣病のリスクが高まります。炭水化物や脂っこいものばかりを食べ続けていると、肥満や糖尿病になりかねません。

運動

運動不足も原因の1つです。運動不足は糖尿病や脂質異常症、高血圧症や肥満などと大きく関わり、動脈硬化の原因にもなり得ます。

睡眠

睡眠不足や不規則な生活は、糖尿病や心疾患などの原因です。睡眠は体内のホルモン分泌に関わっており、睡眠不足は血糖値を一定に保つインスリンの働きを阻害するほか、食欲が増すホルモンを増やしてしまい、肥満につながるおそれもあります。

飲酒・喫煙

過度な飲酒や喫煙も生活習慣病のリスクを高めます。お酒を飲み過ぎると肝疾患につながり、生活面に大きな支障が出る可能性もあるでしょう。喫煙は肺がんだけでなく、ほかの生活習慣病になる確率も高めます。

ストレス

疲労やストレスが溜まっていると、自律神経のバランスが乱れてしまいます。その結果、健康状態を維持しにくくなり、生活習慣病の原因になるでしょう。

生活習慣病の予防方法

画像: 画像:iStock.com/Kiwis

画像:iStock.com/Kiwis

生活習慣病の原因は、偏った食事や喫煙、運動不足など普段の生活でなにげなくやっている悪習慣です。そのため、意識的によい生活習慣を身に付けることが重要です。生活習慣病の予防方法には、以下のようなことが挙げられます。

  • 栄養バランスのよい食事をする
  • 運動を十分に行う
  • 睡眠を7~8時間取る
  • 禁煙をする
  • 飲酒量を控え休肝日を設ける

生活習慣病を予防するには、まず栄養バランスを考えた食事を摂りましょう。特に、脂質や糖質の過剰摂取は、肥満の原因になるため注意が必要です。

また、適度な運動は、生活習慣病の予防に欠かせません。運動不足が続くと、肥満をはじめとした生活習慣病になりやすくなります。18〜64歳に必要な運動量は1日あたり60分のウォーキング程度といわれています。毎日は難しくても、意識的に体を動かす心がけが大切です6)

睡眠不足は記憶力・集中力の低下や、生活習慣病の発症リスクを高めます。生活習慣病を防ぐためには、1日7〜8時間の質のよい睡眠を取りましょう。

そのほか、喫煙が健康に悪いことは、多くの人が自覚しているはずです。生活習慣病を予防するなら、早く禁煙するに越したことはありません。自分ひとりで禁煙ができない場合は、禁煙外来の受診もおすすめです。

最後に、過度の飲酒は肝疾患をはじめとする、様々な病気を誘発します。飲酒量は適度にとどめることはもちろん、週1〜2日は休肝日を設けることも大切です。

画像2: www5.tmn-anshin.co.jp
www5.tmn-anshin.co.jp

【関連記事】生活習慣病の予防方法について詳しくはコチラ

気づかないうちに病気が進行する前に…今から生活習慣病予防をしよう

画像: 画像:iStock.com/kyonntra

画像:iStock.com/kyonntra

大人だけでなく、中学生や高校生などの若者でも発症の可能性がある生活習慣病。ほとんどが初期の症状が少ない病気のため、知らないうちに悪化している場合が多いでしょう。最悪の場合、脳梗塞や心筋梗塞などで死亡につながるケースもあります。

生活習慣病は普段の生活習慣を見直すことで予防できます。まだ若いから大丈夫だと思っている人も、油断は禁物です。今すぐにでも改善をしていけるので、生活習慣病にならないように健康的な生活を心がけましょう。

【無料相談】保険や万が一への備えに関する悩みをプロに相談してみませんか? あなたの悩みを解決に導く専門家を選べます!

東京海上日動あんしん生命では、保険やお金の悩みに関する無料相談を実施しています。特設サイトから、あなたの悩みに関する知識・経験の多いお金のプロを探してみてください。対面だけでなく、オンラインでの相談も行っています。ぜひ気軽にお問い合わせください。

▼東京海上日動あんしん生命の「お金のプロとのマッチングサイト」はコチラ

This article is a sponsored article by
''.