この記事では、エアコンの価格高騰にかかわる「2027年問題」について、わかりやすく解説。今すぐにでも買い替えたほうがよいケースや、買い替え時の注意点についても紹介します。
※この記事は2026年3月5日時点の情報をもとに執筆しています。
この記事の監修者

藤山哲人(ふじやま てつと)
家電ライター
あらゆる家電を自らテストし性能や数値を比較したり、ソフトからハードの設計まで行ったりする、マニアックな技術系家電ライター。「家電おじさん」や「体当たり家電ライター」などの異名をもち、そのユニークなキャラクターが愛され『マツコの知らない世界』(TBSテレビ)など、多数のメディアで活躍中。
そもそもエアコンの「2027年問題」とは?

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ニュースなどで取り上げられる機会が増えているエアコンの「2027年問題」とは、エアコンなどの家電類に対し適用される省エネ基準が2027年度から大幅に強化されることで、基準を満たさない製品の製造や販売が停止される問題を指します。
対応する畳数や機能にもよりますが、2027年度以降に発売される新しい省エネ基準を満たすエアコンは、従来の同価格帯の機種に比べ、高くなると藤山氏は予測します。
2027年問題の影響を特に強く受けるのは、2026年度までに製造された「スタンダードモデル」に分類される機種です。同機種は、省エネなどの性能を控えめにすることで低価格を実現していました。しかし、その多くが2027年度以降の省エネ基準を満たしていないため、市場から姿を消すと考えられています。
2026年度中にエアコンを買い替えないと損をする?

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前述したように2027年度以降は、新しい省エネ基準を満たしていないエアコンの販売が事実上停止されます。そのため、エアコンを割安に購入する手段のひとつである、いわゆる「型落ち」の機種を選ぶことが難しくなります。すでに駆け込み需要が発生しており、型落ちのスタンダードモデルは品薄状態になっているため、省エネ性能にこだわらず、なるべく低価格な機種を選びたいなら、2026年度中の購入をおすすめします。
ただし、現在使用しているエアコンの調子が悪い場合には、2026年の春までにエアコンを買い替えたほうがよいかもしれません。なぜなら、一般的にエアコンの買い替え需要が高まるのは春から夏前にかけてだからです。この時期は設置工事の予約が急増するため、夏までの設置工事に間に合わない可能性があるほか、工事費が上乗せされる可能性もあります。次のシーズンまで待つと、前述したようにエアコンの本体価格が高騰する可能性があるため、なるべく安く買い換えたいなら、早めに検討することをおすすめします。
ちなみに、2027年4月以降に販売されるエアコンを購入するメリットもあります。新しい省エネ基準を満たしているエアコンは、古い機種に比べて電力消費が大幅に少なくなっており、10年以上前に製造された機種から買い替えることで、電気代を節約できるからです。
一般社団法人家電製品協会の資料1)によれば、2014年製と2024年製のエアコンを比較した場合、年間の電気代を最大約3,810円節約できるとされています。

一般社団法人家電製品協会「2025年版 スマートライフおすすめBOOK」P26の図版を元に作成。
●冷暖房兼用・壁掛け形・冷房能力2.8kWクラス
●期間消費電力量:2014年はJIS C 9612:2005、2024年はJIS C 9612:2013に基づいて測定された試算値です。
(地域、気象条件、使用条件などにより、値は変わります)
※2014年はクラス全体の単純平均値、2024年はクラスの省エネタイプ(多段階評価★3.0以上)の単純平均値(小数点以下四捨五入)。
出典:経済産業省 資源エネルギー庁 省エネ性能カタログ(2014年冬版/2024年版)
※電力料金目安単価:公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会(2022年7月22日改定)
※このデータは特定エアコンの消費電力量や電気代を保証するものではありません。
2027年度以降に製造された機種なら、さらに省エネ性能が強化されているので、より電気代を節約できる可能性が高くなります。また、スマートフォンと連携し外出先から操作できるようになったり自動的にクリーニングをしてくれたりなど、最新機種のエアコンには便利な機能が増えています。つまり、電気代の節約効果と快適性を考えれば、2027年度を待って新しい機種に買い替えるメリットもあるのです。
今、エアコンを買い替えたほうがよいケースは?

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2027年問題を踏まえ、早めにエアコンの買い替えを検討したほうがよいケースは、下記の2つが考えられます。
ケース①エアコンの効きが悪いと感じている
異臭や異音がするなど、すでに何かしらの不具合が生じている場合はもちろん、購入した時よりもエアコンの効きが悪くなっているように感じているなら、買い替えのタイミングです。クリーニングや修理をすれば、まだまだ使えると思うかもしれませんが、何度もクリーニングや修理をすることで生じるコストを考えると、じつは買い替えたほうがお得になる場合が少なくありません。特に、省エネ性能にこだわらず、型落ちの機種を安く購入したいなら、早めの買い替えをおすすめします。
ケース②10年以上前の機種を使い続けている
内閣府の最新調査2)によれば、2人以上世帯が所有するエアコンの平均使用年数は14.2年です。しかしエアコンの耐用年数は、一般的に10年が目安とされており、10年を超えると故障のリスクが高くなります。つまり、今のところ不具合を感じていなくても、近い将来に使えなくなる可能性が高いわけです。
また前述のように、10年以上前の機種は最新機種に比べ、電気代が高くなります。もちろん、2027年度以降の省エネ基準を満たす最新機種へ買い替えるという選択肢もありますが、なるべく安く買い替えるために型落ちの機種を選ぶなら、やはり早めに購入したほうがよいでしょう。
なお、型落ちの機種を選ぶ場合でも、2027年度以降の新機種を選ぶ場合でも、主に電気代の節約を考えるなら、省エネ性能は重要な判断基準となります。購入を検討する際には、下記のようなラベルに注目しましょう。

※統一省エネラベル:資源エネルギー庁「省エネ型製品情報サイト」より作成
電気料金や消費電力量の目安が表示されていないラベルでも、省エネ性能欄の星の数や数値(1.0~5.0以上)を見れば、どれくらい節電されているのかがわかります。2027年度以降は基準が変わるため、同じ星の数でも性能が異なる場合がある点には注意が必要ですが、数が多いほど電気代を節約できる可能性が高くなります。省エネ性能と価格のバランスを考えて機種を選ぶとよいでしょう。
参考資料
「選ぶ自由」がなくなる前に早めの検討を

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2027年問題の背景にある省エネ基準の強化は、地球温暖化対策として世界全体で目指している「カーボンニュートラル」のために欠かせない施策です。現実問題として、生活必需家電であるエアコンの価格高騰は消費者にとって歓迎はできませんが、古いエアコンを使い続けることで光熱費がかさむほか、カーボンニュートラルのさまたげになっているのも事実です。
2027年度以前の機種でも、比較的最近のものなら省エネ性能は高いので、安価に手に入る今のうちに買い替えを検討してみてはいかがでしょうか。







