この記事では、社会保険労務士の岡佳伸さん監修のもと、はがきや封書の見方だけでなく、インターネットでチェックする方法も紹介します。ねんきん定期便の内容をしっかりと把握し、老後の生活に備えましょう。
この記事の監修者
岡 佳伸(おか よしのぶ)
社会保険労務士、法人 岡佳伸事務所代表。大手人材派遣会社、自動車部品メーカーなどで人事労務を担当した後に、労働局職員(ハローワーク勤務・厚生労働事務官)としてキャリア支援や雇用保険給付業務、助成金関連業務に携わる。現在は開業社会保険労務士として活躍。各種講演会講師および記事執筆、TV出演などの実績多数。特定社会保険労務士、キャリアコンサルタント、1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
ねんきん定期便は捨ててもいい?
ねんきん定期便は必要な情報を確認したら、捨ててしまっても問題ありません。ねんきん定期便に記載されている情報は日本年金機構のインターネットサービス「ねんきんネット」でも確認することができます。ねんきんネットとの連携手続きを行えば、「マイナポータル」でも可能です(※)。
※:マイナンバーカードの登録が必要です。
そもそも、ねんきん定期便とは
ねんきん定期便とは、国の年金制度への理解を深めることを目的に発行されている通知書です1)。国民年金保険または厚生年金保険(※)の被保険者を対象として、毎年1度、誕生月に日本年金機構から郵送されます。
〈図〉ねんきん定期便のイメージ
ねんきん定期便は、年齢によって内容が異なります。主な様式は「はがき」ですが、“節目の年齢”と定められている35歳・45歳・59歳の誕生月には「はがき」の代わりに「封書」が送られてきます。
様式や記載内容は受け取る人の年齢によって異なりますが、ねんきん定期便には、ザックリ分けると「これまでの情報」と「年金額の情報」という2種類の情報が記載されています。なお、「はがき」のねんきん定期便では、「月別納付状況」の情報が直近1年分だけしか載っていませんが、「封書」では、「これまでのすべての実績」を知ることができます。
※:以下、国民年金保険を「国民年金」、厚生年金保険を「厚生年金」と表記します。
【よくある疑問1】ねんきん定期便を捨てたら、困ることはある?
前述したように、ねんきん定期便の内容はねんきんネットで確認することができます。はがきや封書の状態で必要になることはなく、捨てても罰則があるわけではありません。万が一、はがきや封書の状態で確認したくなったら、年金事務所に再発行してもらうことも可能です。
【よくある疑問2】はがきと封書、それぞれどのくらい保存するべき?
ねんきん定期便がはがきや封書の形態で必要になることはないので、必要な情報を確認したら、保管せずに捨ててしまっても大丈夫です。どうしても気になるようであれば、はがきは翌年の分が届くまで1年間、保存しておきましょう。あるいは、スキャンや写真撮影をして、デジタル化して保存するのも一手です。
ねんきん定期便を捨てる前にやるべきことは?
ねんきん定期便が届いたら、捨てる前に「年金の月別納付状況」(A)や「これまでの年金加入期間」(B)に「もれ」や「誤り」がないかを確認しましょう。もしも「もれ」や「誤り」を見つけた場合には、お住いの近くの年金事務所に相談してみてください。50歳以上の場合には「年金見込額」を確認して、具体的な年金額を把握しておくのもいいでしょう。
〈図〉ねんきん定期便のイメージ
また、はがきのねんきん定期便には、ねんきんネットのユーザーIDを取得する際に使用するアクセスキー(17桁の番号)が記載されています(C)。これを使って、ねんきんネットのユーザーIDを取得すれば、いつでもねんきんネットで必要な情報を確認することができます。
ねんきん定期便の見方を知りたい人は、以下の記事で詳しく説明しているので、併せてご覧ください。
【関連記事】【図版・用語解説あり】ねんきん定期便の見方ガイド。詳しくはコチラ
必要な情報のチェックをしたら、捨てても大丈夫!
ねんきん定期便は捨てても罰則はなく、記載されている情報はねんきんネットで確認することができます。「もれ」や「誤り」がないかのチェックをし、知りたい情報を得たら、捨ててしまって問題ありません。再発行やネット上での情報確認も簡単にできるので、ご安心ください。