そこで、和文化研究家・三浦康子さん監修のもと、お年玉に関する基本やマナー、新札がない時の対処法をご紹介します。
この記事の監修者
三浦 康子(みうら やすこ)
和文化研究家。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、ウェブ、講演などで活躍中。「行事育」提唱者としても知られる。著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)、監修書『季節を愉しむ366日』(朝日新聞出版)など。
お年玉は新札じゃないとダメ? マナーの観点での正解は?
なぜ、お年玉は新札にしたほうがいいのでしょうか? まずはその理由を確認していきましょう。
そもそもお正月は、新年を迎えるお祝い事です。そのため、お正月に渡すお年玉は、結婚や出産などのお祝いと同様にご祝儀であり、使い古したお金を用いないこと(新札=発行されてから未使用の紙幣を用いること)が礼儀になります。
また、事前に新札を準備することで、相手を想う心を表す、という側面もあります。そう考えると、「お年玉にきちんと新札を準備しよう」という気持ちになるでしょう。
お年玉の由来を知ると、お年玉は単なるお小遣いではなく神聖なものだったことがわかります。お年玉の由来やマナー全般について、以下の記事でご紹介しているので、併せてご覧ください。
【関連記事】お年玉の由来は? 金額やあげる相手はどうする? 基本マナーについて詳しくはこちら
お年玉のための新札は、どこで両替できる?
確実に新札に両替できるのは、銀行の窓口
新札を手に入れるなら、両替業務を行っている銀行の窓口が確実です。また、銀行のATMコーナーに設置されている両替機には、新札に対応しているものがあります。もし、新札に対応している両替機がなかった場合でも、銀行に設置されている両替機には新札が入っていることが多いので、新札が手に入りやすいでしょう。
郵便局は、通常業務として両替を行っていない
銀行と同じく、新札が手に入るイメージがある郵便局ですが、新札交換や両替を通常業務としては行っていません。窓口が一緒に設置されていることが多いゆうちょ銀行も同様です。ただし、業務として行ってはいないものの、サービスとして新札交換をしてくれる場合もあるので、事前に確認してみるといいでしょう。
銀行に行けない場合は、ATMを利用してみる
銀行は営業時間が限られているので、特に働いている方は足を運びにくいのが現実です。その場合は、ATMを利用してみるのも一案です。新札を指定して両替できませんが、大量にお金を入れるために新札が多く入っているといわれています。
新札が用意できなかった場合、どうすればいい?
時間がなく新札が用意できなかった場合や、偶然会った相手へお年玉を包む場合など、新札が用意できないことは多々あります。そんな時は、シワのないきれいな紙幣(ピン札)を用いましょう。
新札は発行されてから未使用の紙幣のことで、ピン札は使用されていてもシワや折り目のないきれいな紙幣のことを指します。ピン札と新札の区別はほとんどつかないことが多いので、新札が用意できなかった場合は、このピン札を用いるのが無難です。
ピン札もない場合には、手持ちの中で最もきれいな紙幣を用いましょう。ただし、新札が礼儀だということは忘れずに、新札を準備できなかったことを詫びる一言を添えて、お年玉を渡しましょう。
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お年玉の新札の正しい折り方・包み方は?
せっかく新札を用意したなら、正しい包み方をしたいものです。定番サイズのポチ袋(70mm×100mm程度)に入れる場合は折る必要があり、三つ折りが基本です。
【図】ポチ袋へ入れる時の三つ折りの方法
ポチ袋の大きさに合わせて、紙幣のオモテ面(肖像が描かれた面)が内側になるように左→右の順で、ゆるやかに三等分に折ります。そして、ポチ袋をオモテ面にして、天地が逆さまにならないように折った紙幣(右側がかぶさった状態)を封入しましょう。
なお、ポチ袋へのお年玉の入れ方の図解や、比較的大きな金額を入れる場合の祝儀袋の選び方などについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。折り方・入れ方に不安がある方は、チェックしてみましょう。
【関連記事】お年玉の正しい入れ方、紙幣の折り方、紙幣・硬貨のオモテ・ウラの図解はコチラ
忙しい師走に慌てない! 新札は余裕を持って用意しよう
マナーとはいえ、お年玉のためだけに銀行に新札交換に行くのは、なかなか面倒なものです。そのため、銀行に行く機会があったら、お年玉や結婚式などに備えて、少し多めに新札に両替し、ストックしておくと便利です。年末年始に慌てないためにも、前もって準備しておくようにしましょう。
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