しっかり貯金して、生活に余裕を持ちたいけど、いつの間にかお金を使っていて給料日前はカツカツ…。そんな家計管理を改善したいものの、お金への苦手意識が消えずにそのまま、という方は多いのではないでしょうか。じつは、そんな悩みを抱えた方にこそぴったりな家計管理方法があります。

それが、いまSNSで密かなブームとなっている「袋分け家計簿」です。毎月の予算を袋に分けて管理するというアナログな手法ですが、達成感を得やすく、節約にもつながりやすいのです。そこで、ファイナンシャルプランナーのタケイ啓子さんに、袋分け家計簿のやり方や失敗しないコツを教えてもらいました。

この記事の監修者

タケイ 啓子(たけい けいこ)

ファイナンシャルプランナー(AFP)。36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。

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袋分け家計簿とは

画像: 画像:iStock.com/ takasuu

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そもそも袋分け家計簿とは、給料日に現金を口座から引き出し、食費や日用品費などの項目別に袋に分けて管理していく家計管理の方法です。

あらかじめ項目ごとの予算を決めておき、支払いの際はそれぞれの袋の中にある現金で支払っていくのが基本となります。

最大のメリットは「残金の可視化」

画像: 画像:iStock.com/ ThitareeSarmkasat

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現金が足りなくなったら都度引き出すという形だと、何にいくら使い、口座にいくら残っているのか把握しづらくなってしまいます。

一方、袋分け家計簿は毎月の給料を一括で項目ごとに現金で分けるため、どんな項目にお金を使っているか、次の給料日までにいくら使えるのかが一目瞭然になり、家計管理を意識しやすくなります。

このように、何にいくら使えるのか、残金をひと目でわかることが、袋分け家計簿の最大のメリットと言えるでしょう。

袋分け家計簿はどんな人におすすめ?

袋分け家計簿は、前述のように残金を確認しやすいことと、予算をあらかじめ決めることが特徴です。そのため、たとえば「残高を把握するのが苦手な人」や「支出の内訳を管理するのが苦手な人」におすすめの家計管理方法と言えます。

お金に対して苦手意識がある人は、借金をするほどではないけれど、毎月給料ギリギリで家計をやりくりしていることが多いでしょう。しかし逆に言えば、“手元にあるお金で生活をコントロールできる人”と言い換えられます。給料日前の1週間、残金が5,000円しかなければ、その5,000円で生活する術を知っているはずです。

問題はあらかじめ予算を決めていないことなので、袋分け家計簿を実践すれば、きっと予算内で生活できるでしょう。さらに、残金が可視化されることで、よりコントロールしやすくなると言えます。

家計管理は「継続」&「見直し」が大事

画像: 画像:iStock.com/ Yusuke Ide

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家計管理は節約のためだけではなく、現在のお金の使い方を把握し、将来に活かすという側面もあります。そのためには見直しが重要です。袋分け家計簿を1カ月実践したら、予算が足りたか、どの項目で余りが出たかといったことを確認し、その結果に応じて翌月は予算を組み直しましょう。その繰り返しで、自分や家族のライフスタイルに合ったお金の使い方が見えてくるのです。

ただ、続けるにはモチベーションとなるものが必要です。袋分け家計簿で家計管理に慣れてきたら、「3年で100万円貯める」「子どもの教育費のために500万円貯める」など、明確な目標を掲げましょう。目標に合わせて月々の貯金額を設定し、毎月クリアしていくと達成感が得られるので、継続しやすくなります。

5ステップで始める! 袋分け家計簿のやり方

袋分け家計簿の基本を紹介しましたが、実践するためには具体的な方法を知らなければいけません。この項目では、袋分け家計簿のやり方を5つのステップで紹介します。

【ステップ1】まず、1カ月のお金の使い方を把握する

画像: 画像:iStock.com/ Nuthawut Somsuk

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さっそく袋分け家計簿を始めようと思っても、毎月食費にいくらかけているのか、トイレットペーパーなどの日用品はどの程度の頻度で買っているのか、といった「変動費」の目安がわからないと、予算は組みにくいものです。

そのため、まずは給料日からの1カ月間、いままでどおりに生活をして、何にいくら使ったか書き出していきましょう。家庭や個人によってお金をかける部分は異なるため、とても重要なステップです。1カ月分だけなので、ノートに簡潔に書いていけば十分。買ったものや金額を把握するため、レシートをもらうことを忘れないようにしましょう。

1週間程度書き出してみると、自分がよく買うものの傾向が見えてくるでしょう。記録がたまってきたら、「食費」「日用品費」「交通費」など、固定費以外の項目を5~6つに分け、それぞれの合計額を出します。その合計額こそ、予算の目安です。たとえば1カ月の食費が4万円かかっていたら、はじめに設定する袋分け家計簿の食費も4万円とします。

1カ月間お金の使い道を書き出し、給与額と使った金額を差し引くと、計算が合わないことがあります。合わなかった部分は気にせずに、とりあえず「使途不明金」として括りましょう。1カ月分の記録はあくまでも袋分け家計簿の準備なので、1円単位の正確さを求める必要はありません。挫折しないよう、ラフな姿勢で取り組みましょう。

【ステップ2】給料日に「変動費」分を一気に引き出す

画像: 画像:iStock.com/ Motortion

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1カ月分のお金の使い道を書き出し、予算の目安が立てられたら、袋分け家計簿のスタートです。

給料日が来たら口座からお金を引き出しますが、引き出すお金は変動費の部分だけです。固定費は金額が大きく変化することはなく、ほとんどの場合は口座引き落としになっていることが多いため、口座に残しておくようにしましょう。

〈表〉固定費と変動費のおもな項目

●固定費…毎月定期的に発生する支出。家賃、水道光熱費、通信費、保険料など。
●変動費…購入するたびに変化する一定ではない支出。食費、日用品費、交通費、教養娯楽費など。

変動費として引き出すお金は、1,000円札に崩しておくと袋分けしやすくなります。

【ステップ3】項目ごとに予算を振り分ける

画像: 【ステップ3】項目ごとに予算を振り分ける

項目ごとに袋を用意し、予算を振り分けていきます。使いやすい分け方の例を2つ紹介します。

①ステップ1で作った項目で分ける

もっともオーソドックスな方法です。ステップ1で分けた5~6つの項目の袋を用意し、それぞれの予算を入れましょう。

一般的には次のような項目が考えられます。ライフスタイルに合わせて、支出が多いものをピックアップしましょう。

〈表〉項目例

・食費(食材や弁当など、頻繁に購入するもの)
・食費(米や調味料など、たまに購入するもの)
・嗜好品費(酒、たばこなど)
・日用品費
・美容費
・被服費
・雑貨費(インテリア費)
・教養娯楽費(レジャー費)
・交通費
・その他(目的を定めていないもの)

②よく使うお店ごとに分ける

項目ではなく、お店で分けるという方法もあります。ステップ1でお金の使い道を書き出すことで、「スーパーは食費が多い」「ドラッグストアは日用品費が多い」といったように、店ごとに買うものの傾向が見えてくるでしょう。

その傾向が明確であれば、「食費=スーパーで使うお金」「日用品費=ドラッグストアで使うお金」「被服費=百貨店で使うお金」という分け方をすると管理しやすくなります。

もし、スーパーで食材と一緒に食品用ラップやジッパーバッグなどを買うことがあるとしても、「一度の買い物につき1,000円以内なら食費にカウントしてOK」といったルールを設けて、細かく管理しすぎないことが継続するコツです。

予算を袋に分けたら、あとはその予算内で収まるように買い物をしていくだけです。

【ステップ4】1カ月経ったら予算を見直す

画像: 画像:iStock.com/ kohei_hara

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袋分け家計簿を実践して1カ月が経ったら、項目ごとにいくら残っているか確認しましょう。

残金が多く残っている項目は、予算を削っても問題ないと言えます。一方、1カ月経たないうちから予算が足りなくなって切り詰めたり、残金が0円に近かったりする項目は、予算を増やしたほうがいいかもしれません。さらに、もっと節約できなかったか、無駄遣いはなかったか振り返ってみるといいでしょう。予算を足し引きし、余った金額が貯金に回せる額となります。

1~2カ月ほど袋分け家計簿を実践し、貯金できる額が明確になったら、月々の貯金額は口座に残す、または給料日に貯蓄用の口座に移すという形で「先取り貯金」を行えるといいでしょう。その際にお金を貯める目的や目標額を決めると、貯金を継続しやすくなります。ちょっと頑張れば実現できる目標を設定すると、挫折しにくいです。

【ステップ5】家計簿で1カ月の収支を管理する

袋分け家計簿は残金を可視化するものなので、一般的な家計簿のように、買い物するごとに書き残す必要がないところも1つのメリットと言えます。ただし、ステップ4での見直しのため、給料日に入れた予算と最終的に残った金額は記録しておけるといいでしょう。

家庭の形で変わる袋分け家計簿の取り入れ方

ここまでのステップでは、家計全体に関するお金を想定して解説してきましたが、配偶者や子どもがいる場合、共有していいお金と分けたほうがいいお金があります。たとえば、食費や日用品費は家族で共有しても問題ありませんが、美容費や被服費、教養娯楽費などは個人で分けたほうがいいでしょう。

そこで、夫婦や子育て世帯の場合の、袋分け家計簿の取り入れ方の例をご紹介します。

●【夫婦の場合】それぞれに個人的な袋分け家計簿を導入

いわゆるお小遣いのように、夫婦それぞれに自由に使えるお金を持っているはずです。自由に使えるからこそ、いつ何に使ったか把握できず、いつの間にか使い切っていることもあるのではないでしょうか。

そのような場合は、お小遣いに袋分け家計簿を適用してみましょう。「ランチ代」「レジャー費」「美容費」「貯金」などに分けるだけでも家計管理の意識が高まり、無駄遣いが少なくなります。

●【子育て世帯の場合】「教育費」の袋を用意する

子どもにはいろいろな習い事をさせて、可能性を広げてあげたいと思うものですが、その結果教育費が跳ね上がり、生活費を切り詰めたり貯金ができなかったりするようなことは避けたいところです。

家計の中で現実的にやりくりできるよう、「教育費」の項目を設定し、あらかじめ予算を立てましょう。予算内で子どもにどのような経験をさせてあげられるか、家族で話すことも大切です。

「袋分け」しやすくなるグッズ4選

画像: 「袋分け」しやすくなるグッズ4選

袋分け家計簿の肝は、なんといってもお金を分ける袋。使い勝手のいいグッズを導入すれば、モチベーションも上がるでしょう。

100円ショップグッズで手軽に袋分け
『Seria』の「6リングバインダー」「6リング用リフィル」

100円ショップ・Seriaで手に入るバインダーと専用リフィルは、お札を入れるのにぴったりのサイズ。リフィルが透明だから、残金を確認しやすいという特徴もあります。

専用リフィルとバインダーを含め、500円程度で揃えることができます。

画像: 6リングバインダー、6リング用リフィル/ともにSeria 各110円(税込) ※掲載商品は取材時点のものであり、現在お取り扱いしていない場合があります。

6リングバインダー、6リング用リフィル/ともにSeria
各110円(税込)
※掲載商品は取材時点のものであり、現在お取り扱いしていない場合があります。

お財布代わりにもなりそうな高機能グッズ
『無印良品』の「ポリエステルパスポートケース」

無印良品のポリエステルパスポートケースは、内側にちょうどお札が入るサイズのクリアポケットがついています。別売りのパスポートケース用リフィルを追加できるので、袋分け家計簿にもぴったり。

しっかりとした造りのシンプルなケースなので、そのままカバンに入れて、お財布代わりにもなりそうです。

画像: ポリエステルパスポートケース/無印良品 1,990円(税込)

ポリエステルパスポートケース/無印良品
1,990円(税込)

かわいいデザインでモチベーションUP
『Pake®︎』の「ジッパーバッグ」

日本発のジッパーバッグブランド「Pake®︎」は、UVカットや防水・防塵・防臭といった機能性はもちろん、かわいいデザインも魅力。項目ごとに色を分けたら、気分も上がりそうです。

ジッパーバッグなら、中身が出てバラバラになってしまうようなこともありません。安心して管理できるでしょう。

画像: The Clandestine/Pake®︎ 500円(税込)

The Clandestine/Pake®︎
500円(税込)

お金をかけたくない人におすすめ「銀行の封筒」

お金をかけずに簡単に袋分けしたいなら、もっとも手軽なものが「銀行の封筒」です。ATMの横に設置されていることが多く、預金を引き出した人向けに提供されています。

銀行によっては、支払った額や残高を記入できる出納メモがついている封筒もあるので、予算の出し入れを記入できます。ただし、必要以上に封筒を持っていかないようにしてくださいね。

画像: お金をかけたくない人におすすめ「銀行の封筒」

キャッシュレス派も袋分け家計簿はできる?

画像: 画像:iStock.com/ Asia-Pacific Images Studio

画像:iStock.com/ Asia-Pacific Images Studio

袋分け家計簿は現金で管理する方法ですが、キャッシュレス決済でも応用が可能です。具体的な方法を解説していきましょう。

決済サービス別に項目を振り分ける

キャッシュレス派にとって、袋の代わりとなるものが決済サービスと考えましょう。項目ごとに使う決済サービスを変えることで、買ったものや使った金額を把握しやすくなります。

キャッシュレス決済を管理する場合は、「食費=スーパーで使うお金」のようにお店ごとに項目を分けるほうが管理しやすいでしょう。そうすることで、スーパーでは流通系電子マネー、ドラッグストアではQRコード決済、交通費は交通系電子マネーといったように分けやすくなります。

キャッシュレス決済を使うなら「チャージ式」

電子マネーやQRコード決済などのキャッシュレス決済を利用する際、クレジットカードと紐づけた自動チャージ機能を使うのはおすすめできません。自動チャージ機能だと残高を把握しづらく、管理しにくいからです。

特に袋分け家計簿の意図でキャッシュレス決済を利用するのであれば、事前に入金するチャージ式にしましょう。買い物するたびに残高が表示されるため、管理意識も持ちやすくなります。

一度にチャージする額は「1~2週間分」

画像: 画像:iStock.com/ minokuniya

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給料が入ったら、1カ月分まとめてチャージしたくなりますが、そこは慎重になるべきところです。一度にチャージする額は1~2週間分にしておきましょう。

なぜかというと、チャージした資金は簡単に現金に戻せないからです。キャッシュレス決済に対応している店や施設は増えているので、現金を持っていなくても日常生活で困ることはほとんどないでしょう。しかし、スマートフォンが壊れたり災害に見舞われたりして、現金しか使えなくなることがないとは言えません。非常事態を想定し、チャージは1~2週間分に留め、現金を備えておくようにしましょう。

「袋分け家計簿」は無駄遣いを減らし、有意義にお金を使う方法

「今月もお金を使いすぎちゃった…」と、お金を使うことをネガティブに考えてしまう人は多いと思います。しかし、お金を使って好きなものを買う、おいしいものを食べる、楽しい場所へ行くということは、本来素敵なことです。

ネガティブに考えてしまうのは、無駄遣いをしたと思うからでしょう。袋分け家計簿を取り入れて管理意識を身につければ、自分にとって何が無駄なのかといった、お金の価値を見出せるはずです。ただ貯金するためではなく、目標を達成するために、一歩ずつチャレンジしていきましょう。

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