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※この記事は、2022年6月20日に公開した内容を最新情報に更新しています。
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この記事の著者
佐藤宇紘
1991年3月生まれ。チームラボのグループ企業でメディアコンサルタントを経験後、フリーランスのライター・編集者に転身。雑誌やIT系のウェブ媒体を中心に、取材・構成・執筆を手がける。そのほか、ブログやオウンドメディアのコンテンツマーケティングの支援なども行っている。
みんなのスマホ代はいくら? まずは平均額をチェック
料金の節約を考える前に、そもそも自分が払っているスマホ代が、みんなと比べてどれくらい高いのかが気になるのではないでしょうか? まずは、スマホ代の平均額をご紹介しましょう。
大手通信会社3社(ドコモ、au、ソフトバンク)の平均額
MMD研究所が発表した「2024年9月通信サービスの料金と容量に関する実態調査」1)によると、大手通信会社3社(ドコモ、au、ソフトバンク)と契約している方の、端末代・オプションを含んだスマホ代の平均額は9,397円となっています。
また、大手通信会社3社によるオンライン申し込み専用の料金プラン(「ahamo(ドコモ)」「povo2.0(au)」「LINEMO(ソフトバンク)」)で契約している方の平均額は6,192円。大手通信会社が運営するキャリアサブブランド(auの「UQ mobile」やソフトバンクの「Y!mobile」など)と契約している方の平均額は、5,299円です。
格安SIM(MVNO)の平均額
一方、ここ数年でユーザー数が増えている格安SIM(MVNO)のユーザーの平均額は4,106円と、大手3社の利用者と比較して低い水準となっています1)。なおMVNOとは、主に自社回線を所有しない通信会社のことで、仮想移動体通信事業者ともいいます。MVNOの詳しいしくみに関しては後述します。
※「格安SIM」とは、大手通信会社から借りた通信回線を利用者に提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)の一般的な呼称です。
〈図〉月々のスマホ代の平均(ユーザー属性別)
この調査結果を見る限り、1カ月のスマホ代が平均を上回る金額、目安として1万円以上になっている方は、ほかの人よりも高い料金を支払っているかもしれない、と疑ってみてもよいでしょう。
家族(2~4人)の平均額
ここまでの平均額を踏まえ、家族が2〜4人の場合のスマホ代はいくらになるのかを算出してみました。
〈表〉推定される家族のスマホ代の平均額(月額)
家族の人数 | 大手通信会社3社の場合 | 大手オンライン専用プランの場合 | キャリアサブブランドの場合 | MVNOの場合 |
---|---|---|---|---|
2人 | 1万8,794円 | 1万2,384円 | 1万,598円 | 8,212円 |
3人 | 2万8,191円 | 1万8,576円 | 1万5,897円 | 1万2,318円 |
4人 | 3万7,588円 | 2万4,768円 | 2万1,196円 | 1万6,424円 |
もちろんプランによって料金が異なりますが、月々でかかるスマホ代はそれなりに変わってきます。詳しくは後述しますが、それぞれのよさを把握しながら、お財布と相談して自分に最適な通信会社や料金プランを選ぶとよいでしょう。
スマホ代を構成する4つの要素と料金が高くなる理由
スマホ代の節約を考える際、まず確認しておきたいのがスマホ代の内訳です。料金明細をチェックし、どのサービスに対していくらの料金がかかっているのかを知ることで、不要なサービスを停止したり、別のプランへの乗り換えを検討したりできるようになります。
〈図〉1カ月に支払うスマホ代の内訳のイメージ
スマホ代のしくみは複雑でわかりにくいというイメージを持っている方が多いかもしれませんが、基本的な考え方はどの通信会社でも同じです。重要なものから順番に説明していきましょう。
①データ通信料
多くの場合、スマホ代の内訳のうち、割合が最も高いのがデータ通信に対してかかる料金です。
YouTubeなどの動画コンテンツはもちろん音楽配信やゲーム、メールやSNSといったサービスの大半がインターネットに接続しデータ通信を行うため、データ通信料を全額カットすることは難しいでしょう。
ただし、料金プランの見直しや通信会社を変更することで、データ通信料を従来よりも低く抑えられる可能性があります。
特に、動画をよく見る方は大量のデータ通信を行っているので、データ通信料の見直しをすれば、スマホ代の大幅な節約ができるかもしれません。
データ通信料を節約する際のチェック項目やポイントについては、後ほど詳しく解説します。
②音声通話料
従来の携帯電話(フィーチャーフォン)に比べてスマホの場合、音声通話料が月々の料金に占める割合は少なくなっています。
最近では、LINEのような音声通話回線を使わずインターネット経由で通話を行うサービスも普及しているため、以前に比べ通常の音声通話を利用する機会も減っているのではないでしょうか。
一方、LINEのようなサービスを使っていない相手と通話する機会が多い方の場合は、1回5分以内の通話が無料になったり、音声通話がかけ放題になったりする音声通話オプションに加入することで、スマホ代を節約することが可能です。音声通話オプションについては、後ほど詳しく解説します。
③オプションサービス料
スマホ代全体に占める割合は少ないものの、最も手軽に見直しできるのが、各種のオプションサービスに支払っている料金です。不要なサービスを整理することで、スマホ代が節約できます。
〈表〉一般的なオプションサービスの種類と料金の目安
主なオプションサービス | サービスの概要 | 料金の目安(月額) |
---|---|---|
留守番電話 | 留守番電話の内容をセンターで預かってくれる | 300円程度 |
端末補償 | 故障や紛失時に代替機と交換してくれる | 350~1,000円程度 |
遠隔操作サポート | スマホの使い方を遠隔からわかりやすく教えてくれる | 400円程度 |
動画、音楽などのサブスクリプション配信サービス | 通信会社と提携、または独自に提供する配信サービスが利用できる | 700~1,000円程度 |
セキュリティ | マルウェアやフィッシング詐欺を排除してくれる | 300~500円程度 |
通信会社によっては、格安をうたう料金プランに契約する際、複数のオプションサービスへの加入を条件としていることがあります。あまり使わないオプションサービスだと、加入したことを忘れたまま料金を支払い続けている場合がよくあるものです。料金明細をしっかりとチェックして、不要なオプションサービスに加入していないかを確かめましょう。
また、留守番電話のように加入するのが当然と思っているオプションサービスでも、実際にはあまり利用していない場合もよくあります。再加入もできるので、いったん解約して不便かどうかを確認してみるのもよいでしょう。
④スマホ端末の分割代金
1カ月に支払うスマホ代の内訳で、見逃せないのがスマホ端末の分割代金です。
契約時のスマホ端末の料金が無料または格安となっている料金プランは、じつは端末の分割代金が毎月の料金に含まれている場合がほとんどです。料金明細をよく見ると、端末の分割代金がスマホ代の半分近くを占めている方もいるでしょう。
〈表〉通信会社に支払っている端末分割代金の月額平均1)
大手通信会社3社の場合 | 4,301円 |
大手オンライン専用プランの場合 | 3,230円 |
キャリアサブブランドの場合 | 2,696円 |
MVNOの場合 | 2,493円 |
また、月々のスマホ代に端末の分割代金が含まれている場合、分割代金を払い終えるまでは、解約料に残りの端末代が加算されるため、別の通信会社に乗り換えにくくなってしまうデメリットもあります。
毎月のスマホ代を低く抑えるという観点からいえば、契約時に一括払いで購入する、または家電量販店などで「SIMフリー」と呼ばれる、通信会社の制限が少ない端末を購入するなど、毎月のスマホ代に含まれない形で端末を用意するのがおすすめです。特にSIMフリーの端末なら、通信会社の乗り換えも簡単になります。
とはいえ端末代を一度に支払うわけですから、当然一時的な負担が大きくなるのが悩みどころです。最近のスマホは10万円を超える機種も多いため、一括払いでは頻繁に買い替えることも難しくなってしまいます。
そのため端末代を一括で支払うことに抵抗がある方や、常に最新機種を使い続けたい方なら、スマホ代に端末代を含めたほうがよいと感じることもあるでしょう。自分の経済事情や利用形態に併せて、選択してください。
チャートで確認! あなたのスマホ代はどこまで節約できる?
それでは、あなたのスマホ代がどこまで節約できるかをチェックしてみましょう。フローチャートの質問に答えていけば、今、あなたが最も意識すべき節約のポイントがわかります。なお、このフローチャートは、現在大手通信会社3社と契約している方のうち、オンライン専用プランではない方を対象にしています。その点をご理解の上、試してみてください。
では、それぞれの節約ポイントをご紹介していきましょう。
【節約パターンA-1~4】通信会社を乗り換えずにスマホ代を節約する方法
大手通信会社と契約している場合、格安SIMに乗り換えることでスマホ代を大幅に節約できる可能性があります。しかし、現在使っているメールアドレス(キャリアメール)を変更したくない、格安SIMの通信環境に不安がある、乗り換えの手続きが面倒と思っているなどの理由から、通信会社を変えたくないと思っている方も多いはずです。
その場合でも、各種のプランを見直したり特典を利用したりすることで、毎月のスマホ代を節約することができます。代表的な節約のポイントをご紹介しましょう。
【A-1】基本となる料金プランを見直す
現在、大手通信会社が提供する基本的な料金プランは、1カ月で消費できるデータ通信量の上限によって料金が変わる契約が主流です。たとえば毎月1GBまでの上限にすれば、料金をかなり低く抑えることができます。ただし、1GB以上のデータを消費すると通信速度が著しく低下したり、追加料金が必要になったりといったデメリットに注意しなければなりません。
なるべく料金を節約しつつ、快適な通信環境を得たいなら、自分が1カ月に消費するだいたいのデータ通信量を知っておくとよいでしょう。その目安となるのが、特にデータ通信量を消費する動画の視聴時間です。
〈表〉1日あたりの動画視聴時間とデータ通信量の関係
1日あたりの視聴時間 | 月あたりのデータ通信量 |
---|---|
10分程度(月で約5時間) | 約1.2GB |
30分程度(月で約15時間) | 約3.6GB |
60分程度(月で約31時間) | 約7.4GB |
たとえば、1日の動画視聴時間が10分以内の方なら、毎月1GBまでのプランを選ぶことで、料金をかなり抑えることができる可能性があります。一方、1日に60分以上動画を観るという方の場合、快適に利用したいならデータ消費量が毎月無制限になるプランを選んだほうがよいかもしれません。
以下、大手通信会社3社のデータ通信の代表的な料金プランについてご紹介していきます。
【備考1】ご紹介する各プランの料金はすべて、定期契約によるサービスやそのほかの割引サービスが適用されていない場合の税込価格となります。
【備考2】動画視聴以外でも、スマホのデータ通信を利用して、パソコンやタブレットをインターネットに接続する「テザリング」や、電子書籍アプリによるコンテンツのダウンロード、ゲームアプリのデータ通信なども大量のデータ通信量を消費する可能性があります。あくまで動画視聴の時間は目安とお考えください。
●NTTドコモの場合
NTTドコモが提供する基本的な料金プランは、「eximo」と「irumo」の2種類です。
このうち「eximo」は、1カ月に消費したデータ通信量によって、段階的に基本料金が変わるプランです。
〈表〉NTTドコモ「eximo」の月額基本料金
1カ月のデータ通信量 | 月額基本料金 |
---|---|
1GBまで | 4,565円 |
1GB~3GB | 5,665円 |
3GB以上 | 7,315円 |
一方の「irumo」は、1カ月に消費するデータ通信量の上限設定によって、基本料金が変わるプランです。
〈表〉NTTドコモ「irumo」の月額基本料金
1カ月のデータ通信量 | 月額基本料金 |
---|---|
0.5GB | 550円 |
3GB | 2,167円 |
6GB | 2,827円 |
9GB | 3,377円 |
仮に1カ月に消費するデータ通信量が9GB以内という方の場合、料金的には「irumo」を選択したほうがお得になります。また、データ通信をほとんど利用しない方の場合、「irumo」の0.5GBプランを契約すれば、毎月の基本料が550円と、かなり低く抑えられます。
ただし「irumo」は、「eximo」や後述する「ahamo」とは違い、4Gネットワークしか利用できず、通信速度が最大3Mbpsまでになるほか、契約したプラン以上のデータ通信量を消費した場合、以降の通信速度が著しく低下します。また、NTTドコモのネットワークが混雑した場合、「eximo」や「ahamo」よりも先に通信速度の制限を実施するため、通信速度が遅くなる場合がある点に注意が必要です。
なお、加入条件やキャンペーンにより、価格は変動します。詳しくは、NTTドコモのウェブサイトよりご確認ください。
●auの場合
auが提供する基本的な料金プランは、「使い放題MAX+ 5G/4G」と「スマホミニプラン+ 5G/4G」の2種類です。
「使い放題MAX+ 5G/4G」は、毎月定額でデータ通信量が無制限になる料金プランです。ただし、1カ月のデータ通信量が1GB以下の場合には、1,650円が自動割引されます。
〈表〉au「使い放題MAX+ 5G/4G」の月額基本料金
1カ月のデータ通信量 | 月額基本料金 |
---|---|
3GB以下 | 5,808円 |
無制限 | 7,458円 |
一方、「スマホミニプラン+ 5G/4G」は、最大5GBまでの間で、使うデータ通信量により段階的に月額基本料金が変動します。
〈表〉au「スマホミニプラン+ 5G/4G」の月額基本料金
1カ月のデータ通信量 | 月額基本料金 |
---|---|
1GBまで | 4,708円 |
1GB以上~3GB | 6,358円 |
3GB以上~5GB | 8,008円 |
2つの料金プランを比較した場合、毎月のデータ通信量が1GB以内なら、「スマホミニプラン+ 5G/4G」を選んだほうがお得と考えられます。一方、毎月のデータ通信量が3GBを超える場合は「使い放題MAX+ 5G/4G」を選んだほうがよいかもしれません。
なお、2つの料金プランはどちらも、「auスマートバリュー」などの付帯サービスを契約することで割引が適用されます。詳しくはauのウェブサイトでご確認ください。
●ソフトバンクの場合
ソフトバンクが提供する基本的な料金プランは、「メリハリ無制限+」と「ミニフィットプラン+」の2種類です。
「メリハリ無制限+」は、毎月定額でデータ通信量が無制限になる料金プランです。ただし、1カ月のデータ通信量が2GB以下の場合には、1,650円が自動割引されます。
〈表〉ソフトバンク「メリハリ無制限+」の月額基本料金
1カ月のデータ通信量 | 月額基本料金 |
---|---|
2GB以下 | 5,775円 |
無制限 | 7,425円 |
一方、「ミニフィットプラン+」は、最大3GBまでの間で、使うデータ通信量により段階的に月額基本料金が変動します。
〈表〉ソフトバンク「ミニフィットプラン+」の月額基本料金
1カ月のデータ通信量 | 月額基本料金 |
---|---|
1GBまで | 3,278円 |
1GB~2GB | 4,378円 |
2GB~3GB | 5,478円 |
2つの料金プランを比較した場合、毎月のデータ通信量が2GB以内なら、「ミニフィットプラン+」を選んだほうがお得と考えられます。一方、毎月のデータ通信量が2GBを超える場合は「メリハリ無制限+」を選んだほうがよいかもしれません。
なお、2つの料金プランはどちらもオプションサービスに加入などの条件により割引が適用されます。詳しくはソフトバンクのウェブサイトでご確認ください。
【A-2】音声通話オプションに加入する
スマホの音声通話料は、通信会社を問わず22円/30秒が基本となっています。長電話の習慣がある方なら、スマホ代の内訳で音声通話料が占める割合が高くなっている可能性が少なくありません。
目安として、音声通話の使用時間が毎月合計で40分を超えている場合は、「音声通話オプション」に加入することで、スマホ代の節約が期待できます。
大手通信会社3社の、音声通話オプションの料金とメリットを、個別にご紹介しましょう。なお、通信会社によっては家族間の通話料金を無料にしている場合もあります。
●NTTドコモの場合
NTTドコモの音声通話オプションは、「かけ放題オプション」と「5分通話無料オプション」の2種類が用意され、通話量に応じて選ぶことができます。
〈表〉ドコモの音声通話オプション
オプション名 | 月額料金 | サービス内容 |
---|---|---|
かけ放題オプション | 1,980円 | 国内通話がかけ放題になる |
5分通話無料オプション | 880円 | 1回5分以内の国内通話がかけ放題(※)になる (1回あたりの通話が、5分を超過したぶんは22円/30秒の追加料金) |
国内通話は30秒ごとに22円の通話料がかかる(※)ため、「かけ放題オプション」の月額1,980円は、45分間の音声通話料に相当します。たとえば、音声通話を毎月60分利用しているとすれば、基本プランでは通話料は2,640円になりますので、「かけ放題オプション」に加入することで、毎月660円の節約となります。
※:同一「ファミリー割引」グループ以外の方との通話の場合。
また、毎月合計で45分以上の音声通話を利用しており、1回の通話が5分以内で終わることが多い方なら、月額880円の「5分通話無料オプション」に加入することで、音声通話料の大幅な節約が期待できます。
●auの場合
auの音声通話オプションは、「定額通話2」と「定額通話ライト2」の2種類が用意されています。
〈表〉auの音声通話オプション
オプション名 | 月額料金 | サービス内容 |
---|---|---|
通話定額2 | 1,980円 | 国内通話がかけ放題になる |
通話定額ライト2 | 880円 | 1回5分以内の国内通話がかけ放題になる (5分を超過したぶんは22円/30秒の追加料金) |
NTTドコモの場合と同様、「通話定額2」の月額1,980円は、45分間の音声通話料に相当します。たとえば音声通話を毎月60分利用しているとすれば、通話料は2,640円ですから、「通話定額2」に加入することで、毎月660円の節約となります。
また、1回の通話が5分以内で終わることが多い方は、月額880円の「通話定額ライト2」に加入することで、さらに音声通話料を大幅に節約することが期待できます。
●ソフトバンクの場合
ソフトバンクの音声通話オプションは、「定額オプション+」と「準定額オプション+」の2種類が用意されています。
〈表〉ソフトバンクの音声通話オプション
オプション名 | 月額料金 | サービス内容 |
---|---|---|
定額オプション+ | 1,980円 | 国内通話がかけ放題になる |
準定額オプション+ | 880円 | 1回5分以内の国内通話がかけ放題になる (5分を超過したぶんは22円/30秒の追加料金) |
「定額オプション+」の月額1,980円は、45分間の音声通話料に相当します。たとえば音声通話を毎月60分利用しているとすれば、通話料は2,640円ですから、「定額オプション+」に加入することで、毎月660円の節約となります。
また、毎月合計で45分以上の音声通話を利用しており、1回の通話が5分以内で終わることが多い方なら、月額880円の「準定額オプション+」に加入することで、音声通話料の大幅な節約が期待できます。
【A-3】不要なオプションサービスを解約する
大手通信会社の場合、契約時に様々なオプションサービスに、自動的に加入するケースが少なくありません。
個々のオプションサービスは300~500円程度のものが多いのですが、塵も積もれば山となるという言葉もあるように、複数のオプションサービスに加入していると、支払う料金もかさんでしまいます。
データ通信も音声通話も、そこまで多くは利用していないのになぜかスマホ代が高いという場合は、オプションサービスに複数加入している可能性があります。
料金明細を確認し、不要なオプションサービスが見つかった場合は、解約をしましょう。無駄な出費を省くという点では、効果的な節約となります。ただし、契約している料金プランによっては、指定のオプションサービスとの組み合わせで割引が適用されている場合がある点に注意してください。
なお、オプションサービスの詳細については、こちら(③オプションサービス料)も併せてご参照ください。
【A-4】通信会社指定のインターネットサービス、電気会社を併用する
大手通信会社は、指定のインターネットサービスやホームルーターサービスと契約することで、スマホ代の割引をするサービスを提供しています。
〈表〉インターネットサービス、ホームルーターサービスを併用した場合の割引サービス例
通信会社 | 名称 | 内容 |
---|---|---|
NTTドコモ | ドコモ光セット割/home 5Gセット割 | 「ドコモ光」または「home5G」を契約している場合、スマホの月額料金から値引きされる |
au | auスマートバリュー | 「auひかり」やケーブルテレビなど指定のインターネットサービス、またはホームルーターサービスと契約することで、スマホ代の月額から値引きされる |
ソフトバンク | おうち割 光セット | 「SoftBank 光」など指定のインターネットサービスと契約することで、スマホ代の月額から値引きされる |
家庭にインターネット回線を引けば、そのぶん通信代が増えますが、家の中でスマホを利用する際にWi-Fi経由で家庭のインターネット回線を使うことで、スマホのデータ通信量を抑えることができ、結果的に節約につながる場合もあります。
また通信会社によっては、指定の電気会社と契約する、家族を同じ通信会社の契約に乗り換えさせる、といった条件でスマホ代を割引するサービスを提供していることもあります。
割引サービスのしくみは複雑なので、詳しく知りたい場合は、契約している通信会社のショップなどで相談してみるとよいでしょう。
【節約パターンB】格安SIM・新興系通信会社に乗り換えてスマホ代を大幅に節約する方法
大手通信会社にこだわらないなら、MVNO(仮想移動体通信事業者)と呼ばれる、いわゆる「格安SIM」を提供する通信会社に乗り換えることで、スマホ代の大幅な節約が期待できます。
また、MVNOではありませんが、自社回線を所有し、格安SIM並みの低料金を実現している「楽天モバイル」のような新興系通信会社や、サブキャリアブランドと呼ばれる、大手通信会社系列の格安通信会社も、スマホ代を節約する際の有力な選択肢となるでしょう。
通信会社を乗り換えることで携帯電話番号が変わってしまうという不安があるかもしれませんが、MNP(携帯電話番号ポータビリティ)という制度を利用すれば、携帯電話番号を変更することなく、格安SIMに乗り換えることが可能です。
とはいえ大手通信会社と比べた場合、料金が安いぶん格安SIMや新興系通信会社にはデメリットもあります。乗り換えの前に、格安SIMのしくみやメリット、デメリットを整理しておきましょう。
格安SIMのスマホ代が安い理由は?
大手通信会社に比べ格安SIMのスマホ代が安い理由は、サービスを提供するためにかかるコストの違いにあります。
特に大きな違いは、格安SIMを提供する通信会社の大半が、自前の通信回線を持っていないことです。大手通信会社の回線を借りているため、回線の整備や基地局の維持などにかかる費用の負担が少ないのです。
〈図〉格安SIMを提供するMVNOのしくみ
また、実店舗の数も大手通信会社に比べ少ないため、人件費やテナント料を低く抑えられることなども、格安SIMのスマホ代が安い理由といえるでしょう。
格安SIMの注意点は?
スマホ代の節約という点では大きなメリットがある格安SIMですが、利用にあたって注意すべき点もいくつかあります。主なデメリットをご紹介しましょう。
(1)通信速度が安定していない
ほかの通信会社の回線を借りて運営していることもあり、大手通信会社と比べ通信速度が安定していないのが、格安SIMの最も大きなデメリットといえます。
特に、通勤や昼休みなど、回線の利用者が増える時間帯になると、使い勝手に影響するほど通信速度が落ちてしまう格安SIMもあるようです。
メールやSNSのチェック程度なら気にならないかもしれませんが、動画を見たりゲームで遊んだりする頻度が多い方は、ストレスを感じる機会が増える可能性があることをおぼえておくべきでしょう。
(2)手厚いサポートが受けられない
サポート体制も、大手通信会社のように手厚いわけではありません。特に、スタッフが対面でサポートしてくれる実店舗の数が少ないため、初期設定やトラブル対応に自信がない方は、不便を感じるかもしれません。
とはいえ最近では、サポート体制を充実させている格安SIMも増えています。乗り換える際には、その点も確認しておくとよいでしょう。
このように、格安SIMを利用することでスマホ代が大幅に節約されるぶん、不便になることが増えるのも事実です。
格安SIMや新興系通信会社のスマホ代はどれくらい?
格安SIMや新興系通信会社を利用する最大のメリットは月々のスマホ代の安さです。また多くの場合、料金プランもシンプルなので、どのプランを選べばよいのか迷うことが少ない点も、よいところといえます。ここでは格安SIMや新興系通信会社を利用した場合にかかるスマホ代の概要を、ご紹介します。
●楽天モバイルの場合
楽天モバイルは、自社回線を有しながら、大手通信会社の回線を併用している、新興系通信会社です。
楽天モバイルの料金プランは、使用したデータ通信量によって料金が変わる「Rakuten最強プラン」の一種です。
〈表〉楽天モバイル「Rakuten 最強プラン」の月額基本料金
1カ月のデータ通信量 | 月額基本料金 |
---|---|
3GBまで | 1,078円 |
3GB~20GB | 2,178円 |
20GB以上 | 3,278円 |
20GB以上は、どれだけデータ通信量を消費しても月額3,278円となるため、大手通信会社の無制限プランと比較した場合、3,000円以上の節約になります。また、3GBまでの料金も、大手通信会社に比べ割安になっています。
ただし注意したいのが、データ通信の速度が条件によって変わることです。楽天モバイルが所有する回線のエリア内なら高速のデータ通信が期待できますが、大手通信会社から借りている回線(パートナー回線)エリアで利用する場合などには、通信速度が低下するおそれがあります。
音声通話は大手と同じく22円/30秒ですが、「RakutenLink」という専用の音声通話アプリを使った場合、国内通話はかけ放題です。
●キャリアサブブランドの場合
現在、国内で展開されている大手通信会社のキャリアサブブランドは「UQ mobile」(au)と「Y!mobile」(ソフトバンク)のふたつです。これらのブランドは、メインブランドと比較して月額料金が低く抑えられているのが特徴でありながら、通信品質や速度が高水準で提供されるため、コストとパフォーマンスのバランスが優れています。それぞれの代表的な料金プランは、下記のとおりです。
〈表〉サブキャリアブランドの主な料金プラン
プラン名 | 月額基本料金 | データ使用量上限 | 通話料 |
---|---|---|---|
コミコミプラン+ (UQ mobile) | 3,278円 | 33GB (データ10%増量特典3GB含む) | 22円/30秒(1回10分以内の国内通話は無料) |
シンプル2(M) (Y!mobile) | 4,015円 | 20GB | 22円/30秒 |
サブキャリアブランドの場合も、オプションサービスに加入するなどの条件により割引が適用されます。詳しくは各社のウェブサイトでご確認ください。
【節約パターンC】大手通信会社が提供するオンライン専用プランに変更してスマホ代を大幅に節約する方法
2021年3月より、大手通信会社もオンライン専用プランの提供を開始しました。現在契約している通信会社を変更しなくても、スマホ代が「格安SIM」並みの料金になることから、契約変更を検討している方も多いと思います。
〈表〉大手通信会社が提供する新料金プランの月額料金
会社名 | サービス名 | 月額料金 | データ通信量 |
---|---|---|---|
NTTドコモ | ahamo(アハモ) | 2,970円(※2) | 30GB |
KDDI | povo2.0(ポヴォ) | 月額料金0円 ・390円:1GB(7日間) ・990円:3GB(30日間) ・2,700円:20GB(30日間) ・6,490円:60GB(90日間) ・9,834円:300GB(90日間) ・330円:データ使い放題(24時間) | |
ソフトバンク | LINEMO(ラインモ)(※1) | 2,970円(※2) | 30GB |
表のように、各社とも月額料金が30GBを目安とすると3,000円前後となっています。通話料金は各社とも22円/30秒ですが、かけ放題の通話オプション(有料)も用意されています。
〈表〉大手通信会社が提供するオンライン専用プランの通話オプション
サービス名 | 5分かけ放題 | 時間無制限かけ放題 |
---|---|---|
ahamo(アハモ) | 無料(基本料金に含まれている) | 1,100円 |
povo2.0(ポヴォ) | 550円 | 1,650円 |
LINEMO(ラインモ)(※) | 無料(基本料金に含まれている) | 1,100円 |
時間無制限の通話オプションを追加した場合でも、従来の定額通信料金プランより割安ということになります。ただし、いずれのプランの場合でも加入方法が従来のプランと異なります。
大手通信会社が提供するオンライン専用プランに変更する際の注意事項は?
格安SIM並みの通信料金で安定した回線が利用できる点は大きなメリットですが、従来の通信料金プランと比べると、やはりデメリットもあります。オンライン専用プランへの変更を検討する前に、知っておきたい主な注意事項はつぎの4つです。
注意①留守番電話などのオプションサービスが利用できない場合がある
留守番電話や各種のコンテンツサービスなど、通信会社が提供するオプションサービスの多くが非対応になっている場合があります。オプションサービスを利用している方は、特に注意が必要でしょう。
注意②これまで使用している端末では利用できない場合がある
大手通信会社が提供するオンライン専用プランは、古い端末では利用できない場合があります。契約変更を検討する際には、通信会社のウェブサイトで対応する端末を確認しておきましょう。
注意③店頭での申し込みやサポートが利用できない
大手通信会社が提供するオンライン専用プランは店頭でのサポートを原則として行わず、申し込みもオンラインのみとなっています。店頭でスマホの使い方やトラブル対応に関する相談をする機会が多い方は、従来のプランを利用したほうが安心かもしれません。
なお、ドコモの「ahamo」は、有償(1回3,300円)で新規契約や乗り換えおよび、申し込み後の手続きを補助する店頭サポートを受けることが可能です。また、「ahamo」で利用しているスマホに故障などのトラブルがあった際の修理申し込みも店頭で行うことができます(修理代金は別途発生)。
注意④適用されない割引サービスがある
従来の料金プランでは利用できた割引特典で、対象外となるものがいくつかあります。
〈表〉対象外となる割引サービスの例
ahamo | みんなドコモ割、ドコモ光セット割など(※) |
---|---|
povo2.0 | auスマートバリュー、家族割など |
LINEMO | 新みんな家族割、おうち割光セットなど |
たとえばahamo契約回線の場合、「みんなドコモ割」や「ドコモ光セット割」の対象外となります。割引特典にメリットを感じていた方は、契約を変更しないほうがよいかもしれません。
そのほかにも18歳未満は契約ができない、これまでの契約年数が引き継がれない(ahamoは引き継ぎ可)など、従来の料金プランに比べ不便な点がいくつかあります。また、サービス内容や注意事項は頻繁に変更される可能性が高いため、契約変更を検討する際には、各社のウェブサイトをチェックしましょう。
大手通信会社3社もオンライン専用プランを拡充。賢い使い方をしよう
毎月支払うものだけに、スマホ代の節約は家計にも大きな影響を与えます。とはいえ、単にコストを下げるという観点だけで節約すると、使い勝手が悪くなってしまい、日常のストレスが増える可能性もあります。大手通信会社3社もオンライン専用プランを用意するなど、選択肢は増えていますので、スマホ代の節約を考える際には、コストと利便性のバランスを考えつつ、最適な選択をするように心がけましょう。